*
深い深い眠りの中で。
どうしても思い出せないことがある。
シャルル:兄
真っ暗な部屋。
何かを叩くような音。
女の人の笑い声。
シャルル:弟
真っ青な空。
車の走る音。
沢山の人の話し声。
*
けれど、それよりも前。
ぼんやりとも思い出せない記憶。
誰かと、手をつないでいたような気がする。
シャルル:兄
ほとんど何もないと言っていい部屋で、目を覚ます。
シャルル:兄
髪を後ろにやってゴムで雑に縛り、いつものようにベッドから降りようとすると。
シャルル:兄
ベッドを下りるついでに、床に転がった男の腹を軽く蹴とばした。
シャルル:弟
「起きましたか、じゃねーんだけど。ああ……目覚め最悪。」
シャルル:兄
「おはようございます。さわやかな朝ですね。」
シャルル:兄
「おやおや、ご自分も同じ顔をされているではありませんか。」
シャルル:弟
たとえ、この……同じ顔をした男と同室でも。
シャルル:兄
「私はこれから朝食の準備がありますので、もう少しお休みになっていても構いませんよ?」
シャルル:兄
2d6+1
DiceBot : (2D6+1) > 3[1,2]+1 > 4
シャルル:弟
2d6
DiceBot : (2D6) > 6[5,1] > 6
シャルル:弟
拾ってもらえていなかったら、今頃どうなってたかわからないし。
シャルル:弟
寝巻を貸してもらってはいるが……そういえば。
風呂から出た時、着ていた服はなかった。
シャルル:兄
「どうぞ、お好きなものを……っと。」
シャルル:兄
「クローゼット、鍵かかってるんでした。」
シャルル:兄
ベッドから降りてクローゼットに向かう。
シャルル:兄
ご丁寧に、上下をコーディネートして。
シャルル:弟
鍵のかかったクローゼットってなんだよ。
シャルル:弟
気にならないといえば、そうではなく。
シャルル:弟
映画とかでしか見ないようなあれ、なんていうの。
防弾チョッキ?
シャルル:弟
頑丈そうな箱。あの、下の方にあるの、縄とか……
シャルル:弟
服を受け取って、暫し茫然としている間に。
シャルル:弟
目の前の男は着替えを始める。
え、ここで?
シャルル:弟
*シャルル:兄の傷『代替品』を才覚で抉ります。
シャルル:弟
2d6
DiceBot : (2D6) > 4[2,2] > 4
シャルル:兄
シャツのボタンをひとつづつ丁寧にとめて。
シャルル:兄
単に、知られない方が都合がいいというだけで。
シャルル:兄
刺青も傷も、いたずらに恐怖をあおり。
シャルル:兄
「好きな服を着てくださって構いませんが……」
シャルル:兄
「一応、行動には気を付けてくださいね。私はこれでも『いい人』でおりますので。」
シャルル:兄
「では、アレクシアが起きる前に準備を済ませますので。」
シャルル:兄
朝の準備は滞りなく。
冷凍しておいた生地をオーブンへ。
焼き立ての丸いパンと、ベーコン、スクランブルエッグ。
簡単な付け合わせと
シャルル:兄
いくつかの茶葉を合わせて、準備するブレンドティー。
シャルル:兄
やがて、いつも通り。
彼女が起きてきて。
シャルル:兄
ふたりで食卓を囲むのだ。
いや……今日は3人で。
シャルル:兄
難しい顔でスマートフォンの画面を見ている男に声をかけたのは自分だった。
シャルル:兄
『健康診断』『性病検査』『DNA鑑定』『保険証』や『病歴』の確認。
シャルル:兄
一緒に住むというのなら、何もわからなくては困る。
シャルル:兄
「しかしまさか、性交経験がないとは。」
シャルル:兄
「私はそこそこモテるんですけれど。」
シャルル:弟
「少なくともアンタよりは俺のがましだろ。」
シャルル:兄
「……自分の世話もできず、女子大生に拾われてようやく生き延びている野良犬風情がよく吠えますねぇ。」
シャルル:兄
「気付かなかったんですか?自分が体よく利用されている事にも。」
シャルル:兄
「おおかた、煽てられて。はいはいいいなりになっていたんでしょう?」
シャルル:兄
「今だって、自分の判断では何もできないじゃないですか。」
シャルル:兄
*シャルル:弟の『短気』を愛で抉ります。
シャルル:兄
2d6+2
DiceBot : (2D6+2) > 10[4,6]+2 > 12
シャルル:兄
「……頭のおかしい会社にしか採用されないんですよ。お馬鹿さん。」
シャルル:兄
「おや、元気がなくなってしまいましたか?」
シャルル:弟
「アンタに、何がわかるっていうんだよ……。」
シャルル:兄
幸いなことに……この周辺は人通りがほとんどない。
シャルル:兄
土手を下りて、河原の方へ。
荷物を適当に置いて。
シャルル:兄
「一番得意な方法で、わからせてごらんなさい。」
シャルル:弟
でも、この……イライラを押さえられるならちょうどいい。
シャルル:兄
1d6
DiceBot : (1D6) > 1
シャルル:弟
1d6
DiceBot : (1D6) > 5
シャルル:弟
1d6
DiceBot : (1D6) > 2
シャルル:弟
1d6+2
DiceBot : (1D6+2) > 6[6]+2 > 8
シャルル:弟
2d6+2
DiceBot : (2D6+2) > 4[2,2]+2 > 6
シャルル:弟
「アンタに……アンタに何がわかる。俺だって、好きで……殴ってるわけじゃねぇ!」
シャルル:弟
1d6
DiceBot : (1D6) > 4
シャルル:弟
2d6+4
DiceBot : (2D6+4) > 5[2,3]+4 > 9
シャルル:弟
1d6
DiceBot : (1D6) > 6
シャルル:兄
2d6+2
DiceBot : (2D6+2) > 8[3,5]+2 > 10
シャルル:兄
1d6
DiceBot : (1D6) > 4
シャルル:兄
2d6+1+1+4
DiceBot : (2D6+1+1+4) > 7[5,2]+1+1+4 > 13
シャルル:兄
1d6
DiceBot : (1D6) > 5
シャルル:弟
さっきは顔だった。
きいていないようだったから、今度は腹に。
シャルル:兄
殴られるのには慣れている。
急所を外して、あえてそれを受け……
シャルル:兄
少し低くなった頭を上から、叩き落すように殴る。
シャルル:弟
腹を殴った筈なのに。痛いはずなのに。
シャルル:弟
後頭部を殴られて、一瞬視界がぐらつく。
シャルル:弟
1d6
DiceBot : (1D6) > 5
シャルル:弟
2d6+1+5
DiceBot : (2D6+1+5) > 7[6,1]+1+5 > 13
シャルル:弟
1d6+1
DiceBot : (1D6+1) > 6[6]+1 > 7
シャルル:兄
1d6
DiceBot : (1D6) > 3
シャルル:兄
2d6+2+1+3
DiceBot : (2D6+2+1+3) > 8[2,6]+2+1+3 > 14
シャルル:兄
2d6+1+1
DiceBot : (2D6+1+1) > 6[2,4]+1+1 > 8
シャルル:兄
1d6+2
DiceBot : (1D6+2) > 4[4]+2 > 6
シャルル:弟
痛い。でも、それよりも……むかつく!
シャルル:弟
今まで、こうやって全部。
気に入らないものは殴って。
シャルル:兄
大方そうやって、何かあるごとに誰かを殴って。
シャルル:兄
世間から『評価』されてきたのでしょう。
シャルル:兄
右からやってくるわかりやすいそれを、左腕で受ける。
顔で受けるよりはいくらかましだ。
シャルル:兄
でも、それだけだ。痛みには慣れている。
シャルル:兄
容赦のない蹴りが、男の身体を転がす。
シャルル:兄
「自分の事を、可哀想だとでも思っているんですか?」
シャルル:兄
2d6+1+1
DiceBot : (2D6+1+1) > 7[5,2]+1+1 > 9
シャルル:弟
アイツにちょっとでも、痛い顔させられたら。
シャルル:兄
鈍った動きで、私をとらえられるわけがないでしょう。
シャルル:兄
此方に向かってくる男を必要最低限の動作で避け
シャルル:兄
河原の、足場が、石だらけなことに気が付いて。
シャルル:弟
頭はまだぼんやりしてるけど、痛いのは腹と、蹴とばされたときついた擦り傷くらいで。
シャルル:弟
見上げた男の頬には、少し痣が残っていた。
シャルル:兄
誰かと、手をつないでいたことを思い出した。
シャルル:弟
誰かと、手をつないでいたことを思い出した。
シャルル:兄
「仕方ないので、背負ってあげましょう。こう見えて……結構力もちなんですよ。」
シャルル:兄
「うわ……結構強く殴られましたね。」
シャルル:兄
この『兄弟喧嘩』は、アレクシアの知るところとなった。