一月二日。

年は明け、スマートホンに飛び交った年始の挨拶も一段落して。

今日は朝から出掛けていた三人が、部屋に戻る。
avatar
シャルル:弟
脱いだ靴を靴箱に。
その習慣にもだいぶ慣れた。
avatar
シャルル:弟
年末に片付けた部屋は今だ整然としており、少し落ち着かない。
avatar
シャルル:弟
玄関で脱いだ厚手のダウンジャケットを部屋に置きに行く。
ハンガーにかけないと怒られる。
avatar
シャルル:弟
そして、振り返り。
avatar
シャルル:弟
「人、多かったな。疲れてないか?」
avatar
アレクシア
「ん」
avatar
アレクシア
こちらはピーコートのボタンを外しながら、ごく短く答える。
avatar
シャルル:兄
アパートの前で二人を下ろし、駐車場に車を置いてから遅れて戻る。
avatar
シャルル:兄
「賑やかでしたねぇ。一年で一番神社に人が集まる日ですか。平和ですねぇ。」
avatar
アレクシア
「このへんだと一番大きいところだしな」
avatar
アレクシア
「たぶん昨日はもっと混んでたぞ」
avatar
シャルル:兄
鍵をかけて。
ベージュのトレンチコートを腕にかける。
avatar
シャルル:兄
「一月一日は一年に1日しかありませんしね。」
avatar
シャルル:兄
「誕生日と一緒で。」
avatar
シャルル:弟
「1月2日だって1日しかねーじゃん。」
avatar
アレクシア
「というか、同じ日が3日も4日もあったらどうするんだ」
avatar
シャルル:兄
「さて。カレンダーを作る方が困るのでは?」
avatar
シャルル:弟
「そういう問題か?」
avatar
アレクシア
「そういう問題ではない気がするが」
avatar
シャルル:兄
「あとは予定をすり合わせる時に困りますね。2回目の1月2日とか。最後の4日とか。」
avatar
アレクシア
こいつ、また適当なことを言い出したな……という顔。
avatar
シャルル:兄
「ふふ、順番さえもばらばらなら、いつからいつまでというのが困難になりますね。」
avatar
シャルル:兄
「よかったですねぇ、数が1から順に並んでいて。」
avatar
アレクシア
「はいはい、そうだな」
avatar
シャルル:兄
「アレクシア。もう少し遊んでくれてもいいんですよ?」
avatar
シャルル:兄
といいつつもお湯を沸かして。
avatar
シャルル:弟
「一人で遊んでろ。」
avatar
シャルル:弟
ため息。
avatar
アレクシア
「お前に付き合っているとキリがないからな」
avatar
アレクシア
一度、やはりコートを部屋に置きに戻り。
avatar
シャルル:弟
「学校、いつからだっけ。俺は明日からバイトだけど……」
avatar
アレクシア
「研究室は明後日からだな」
avatar
シャルル:弟
「そっか。学生も大変だな。」
avatar
アレクシア
「まあ、院まで行くとな。遊んでもいられない」
avatar
アレクシア
「忙しくするために進級したようなものだ」
avatar
シャルル:兄
「勤勉ですねぇ。」
avatar
シャルル:兄
「きっと、ご両親も安心なさっているでしょう。」
avatar
アレクシア
「………………」
avatar
アレクシア
「だといいが」
avatar
アレクシア
今年は、実家には帰らなかった。
avatar
アレクシア
シャルルが来て。それについて口を濁した両親が何を考えているのかは知らない。
avatar
アレクシア
ただ、まあ。
avatar
アレクシア
「……学費のぶんは結果を出す気だからな」
avatar
シャルル:弟
「…………偉いな。」
avatar
シャルル:弟
「俺も頑張らねーと……。」
avatar
アレクシア
「……まあ、ほどほどにな」
avatar
シャルル:弟
「先月が忘年会シーズンで飲食系のシフト多かったから今月は結構入るんだ。まあ、でも何とか……固定職も見つけねーとな。」
avatar
シャルル:弟
「いつまでも世話になるわけにはいかねーし。」
avatar
シャルル:兄
「本当ですよ。床が狭くてかわいそうです。」
avatar
シャルル:兄
カップに3人分、紅茶をいれてテーブルへ。
avatar
シャルル:兄
「ね、アレクシア?」
avatar
アレクシア
「……わたしがそこでお前に同意すると思うか?」
avatar
シャルル:兄
「え~。」
avatar
アレクシア
かたん、と椅子を引きながら。
avatar
アレクシア
「え~、じゃない」
avatar
シャルル:兄
「こんなに尽くしておりますのに。」
avatar
シャルル:弟
何でいるんだろう、こいつ。
avatar
シャルル:弟
少なくとも、なんか恋人とかそういうのでないことはわかっているのだが。
何か複雑な事情そうだ。
avatar
シャルル:弟
アレクシアの向かいに座って。
avatar
シャルル:兄
「お茶菓子はいります?」
avatar
アレクシア
「…………いる」
avatar
シャルル:兄
「んふふ。」
avatar
シャルル:兄
缶からクッキーと、メレンゲと
マドレーヌとかいくつか。
avatar
シャルル:兄
盛り付けてテーブルへ。
avatar
シャルル:兄
「しかし……そういえば」
avatar
シャルル:兄
「アレクシアは神様に、何をお祈りしたんですか?」
avatar
シャルル:兄
弟の隣に座って。
avatar
アレクシア
「……いや、まあ、……普通に」
avatar
アレクシア
「何事もなく、というか……そういう……?」
avatar
シャルル:兄
「欲がありませんね。」
avatar
アレクシア
「神頼みに欲を張ってどうする」
avatar
シャルル:兄
「むしろ、神頼みであるからこそでは?」
avatar
アレクシア
「神に祈りそうもない顔でよく言う」
avatar
シャルル:兄
「叶ったらワンチャンラッキー……というものかと。」
avatar
アレクシア
「お前、じゃあ何を祈ったんだ」
avatar
シャルル:兄
「え?知りたいんですか?」
avatar
アレクシア
「…………」
avatar
アレクシア
「……やめとく」
avatar
シャルル:兄
「んっふふ。」
avatar
シャルル:兄
「恋愛成就ですよ。」
avatar
アレクシア
「…………」
avatar
アレクシア
「嘘だろ」
avatar
シャルル:兄
「あはは。」
avatar
シャルル:兄
「叶うようなお願いをして、それを神頼みの結果だと思わされるのも癪ですし。」
avatar
シャルル:兄
「本当ですよ?ふふふふふ。」
avatar
シャルル:弟
「ぜってー嘘だろ。」
avatar
シャルル:弟
「つーか、こないだモテるとかなんとか抜かしてなかったか?」
avatar
シャルル:兄
「まあ、アナタよりは。」
avatar
シャルル:弟
腹立つ……
avatar
アレクシア
こいつ……
avatar
シャルル:兄
「叶ったらラッキーですねぇ」
avatar
アレクシア
「そもそも、女子大生の家で暮らしながら恋愛をしようとするな」
avatar
アレクシア
「よそでやれ」
avatar
シャルル:兄
「え~」
avatar
シャルル:兄
「アレクシアが相手をしてくださってもいいんですよ?」
avatar
アレクシア
「お断りだ」
avatar
シャルル:兄
「あははは。」
avatar
シャルル:弟
「確かに神でも叶えらんねーわ、それは」
avatar
シャルル:兄
「ま、冗談ですが。」
avatar
シャルル:兄
「あ。恋愛成就は嘘じゃありませんよ。ふふ。」
avatar
アレクシア
「……お前に好かれる相手には同情する……」
avatar
シャルル:弟
「まったくだ。」
avatar
シャルル:弟
「…………。」
avatar
シャルル:弟
「アレクシアは、好きな奴とかいるのか?」
avatar
アレクシア
「は?」
avatar
シャルル:弟
「いや、ほら。」
avatar
シャルル:弟
「そういう奴いたら、俺達さ。邪魔じゃね?」
avatar
アレクシア
「今更……」
avatar
アレクシア
「いや、まあ」
avatar
アレクシア
「いるように見えるか?」
avatar
シャルル:弟
「…………。」
avatar
シャルル:兄
「さては……惚れました?まあ、そうですよね一緒に暮らしていればそういう事も……」
avatar
シャルル:弟
隣の後頭部を軽くたたく。
avatar
シャルル:兄
「痛っ、ひどいですね図星ですか?」
avatar
アレクシア
「お前、あんまり遊んでやるなよ……」
avatar
シャルル:弟
「話をややこしくすんな。」
avatar
シャルル:弟
「次は殴んぞ。」
avatar
シャルル:兄
「もう殴ってるじゃないですか。」
avatar
シャルル:兄
「ご友人から伺っている限りでは」
avatar
シャルル:兄
「あんまりおられるようには見えませんね。」
avatar
アレクシア
「お前、学内でうろうろするなとあれほど……」
avatar
シャルル:兄
「個人的な交友関係ですよ」
avatar
シャルル:兄
「ふふ。ご心配なく。」
avatar
アレクシア
「…………」 むすー。
avatar
シャルル:兄
「おやおや、綺麗なお顔が可愛くなっておりますよ?」
avatar
アレクシア
「誰のせいだと……」
avatar
シャルル:兄
「光栄ですね。」
avatar
シャルル:弟
いないのか……そうか……
avatar
アレクシア
「というか」
avatar
アレクシア
「お前こそ、いないのか、そういうの」
avatar
シャルル:弟
「えっ、俺?いや……」
avatar
シャルル:弟
目をそらす。
avatar
アレクシア
首を傾げる。
avatar
シャルル:兄
「いないんですか?」
avatar
シャルル:弟
「お前は黙ってろよ」

では、かけひきをはじめます。

才覚のみ補正
avatar
シャルル:兄
1d6 
DiceBot : (1D6) > 5
avatar
アレクシア
1d6+1 
DiceBot : (1D6+1) > 4[4]+1 > 5
avatar
シャルル:弟
1d6 
DiceBot : (1D6) > 1

兄とアレクシアで振り直し。
avatar
シャルル:兄
1d6 
DiceBot : (1D6) > 6
avatar
アレクシア
1d6+1 
DiceBot : (1D6+1) > 4[4]+1 > 5

兄>アレクシア>弟

手札補充から。
avatar
シャルル:兄
*c7,h8,cJ
avatar
アレクシア
*c6 c9 dQ

1R
avatar
シャルル:弟
*h5,hQ,dA
avatar
シャルル:兄
*パスしますね
avatar
シャルル:兄
黙ってろと言われたので黙ります。
avatar
アレクシア
「別に、言わなくてもいいが」
avatar
アレクシア
「まあ、いるなら頑張れ」
avatar
アレクシア
雑さ極まる励まし。
avatar
アレクシア
*弟にc6でアピール
avatar
シャルル:兄
*誘い受けします h8
avatar
シャルル:兄
2d6+1 
DiceBot : (2D6+1) > 4[1,3]+1 > 5
avatar
シャルル:兄
「え……頑張っていいんですか?」
[ シャルル:兄 ] 情緒 : 0 → 1
avatar
アレクシア
「え」
avatar
アレクシア
「お前の話か?」
avatar
シャルル:兄
「いえ、あの……」
avatar
アレクシア
「お前の話じゃなかったろ……」
avatar
アレクシア
2d6+1>=7 
DiceBot : (2D6+1>=7) > 9[6,3]+1 > 10 > 成功
[ シャルル:弟 ] 情緒 : 0 → 1
avatar
シャルル:弟
「…………。」
avatar
シャルル:弟
「いや、えっと……。」
avatar
シャルル:弟
「…………。」
avatar
シャルル:弟
*アレクシアにアピール h5
avatar
シャルル:弟
2d6 
DiceBot : (2D6) > 9[6,3] > 9
[ アレクシア ] 情緒 : 0 → 1
avatar
シャルル:弟
少し言いよどんで。
avatar
シャルル:弟
「まあ……頑張っていいなら、がんばるけど……」
avatar
シャルル:弟
がんばって何とかなるのか?いや、どうなんだ?いや……
avatar
アレクシア
「……別にお前、わたしに気兼ねする必要は、なくないか?」
avatar
シャルル:弟
あるんだよ!
avatar
シャルル:兄
がんばってもどうにもならないのでは~?

手札捨てタイム!
avatar
シャルル:兄
*cJ
avatar
アレクシア
*dQ
avatar
シャルル:弟
*hQ

2R 手札補充
avatar
アレクシア
*s10 sJ(c9)
avatar
シャルル:兄
*c4,sA(c7)
avatar
シャルル:弟
*s3,d9(dA)
avatar
シャルル:兄
「アレクシア。」
avatar
アレクシア
「ん」
avatar
シャルル:兄
「気兼ねする理由があるとすれば、何だと思います?」
avatar
アレクシア
「……女子大生の部屋に転がり込んでること」
avatar
シャルル:兄
「んふふふ。」
avatar
アレクシア
「……なんだ」
avatar
シャルル:兄
「いえ。なんでも。」
avatar
シャルル:兄
*パスします
avatar
アレクシア
「…………」
avatar
アレクシア
*兄にアピール s10
avatar
シャルル:兄
*誘い受けします c7
avatar
シャルル:兄
2d6+1 
DiceBot : (2D6+1) > 5[2,3]+1 > 6
[ シャルル:兄 ] 情緒 : 1 → 2
avatar
アレクシア
2d6+1>=7 
DiceBot : (2D6+1>=7) > 9[4,5]+1 > 10 > 成功
[ シャルル:兄 ] 情緒 : 2 → 3

シャルル兄が爆発ですね。
avatar
アレクシア
ひとしきり、じーっと見て。
avatar
アレクシア
「……何?」
avatar
シャルル:兄
「アレクシアはないんですか?誰かに告白したこととかされたこととか。」
avatar
アレクシア
話をそらしたな。
avatar
アレクシア
「……お前に言うと、藪からどれだけ蛇が出るかわからんな……」
avatar
シャルル:兄
「別に調べたりなんてしませんよ。」
avatar
アレクシア
「……今そこまでは考えてなかったぞ」
avatar
シャルル:兄
「おっと。」
avatar
シャルル:兄
「これは失言でしたねぇ。」
avatar
シャルル:兄
「まあ、お願いごとに免じて許してください。」
avatar
アレクシア
むう。
avatar
シャルル:兄
「アレクシアが私の事を好きになってくれますように~って、お願いしましたのでね。」
avatar
シャルル:兄
にこにこ。
avatar
アレクシア
「……左様で……」
avatar
アレクシア
追求しても無駄だと悟った。
avatar
シャルル:兄
「ふふ、恋愛成就ですよ。」
avatar
シャルル:兄
「んふふ」
avatar
シャルル:兄
別に、全部が嘘ってわけじゃないんですけどね。
avatar
シャルル:兄
努力することでもないですし。
avatar
シャルル:兄
神頼みの結果ならまあ、いいかもなって思っただけで。
avatar
シャルル:兄
必要なものも、欲しいものも、全て。
自分の努力次第でしょう?
avatar
シャルル:兄
だから、お願いするなら……まあ。
このくらいがちょうどいい。
avatar
シャルル:兄
『叶うようなお願いをして、それを神頼みの結果だと思わされるのも癪ですし。』
avatar
シャルル:弟
「…………。」
avatar
アレクシア
「ん」
avatar
アレクシア
「どうした?」
avatar
シャルル:弟
「え?いや……」
avatar
シャルル:弟
「…………。」
avatar
シャルル:弟
あれは、流石にないよな……と思いながら。
avatar
シャルル:弟
*一押しを使用します dA
[ シャルル:弟 ] 情緒 : 1 → 2
[ アレクシア ] 情緒 : 1 → 2
avatar
シャルル:弟
*アレクシアにアピール d9
avatar
アレクシア
*sJ 誘い受け
avatar
アレクシア
2d6+1>=7 
DiceBot : (2D6+1>=7) > 10[6,4]+1 > 11 > 成功
avatar
シャルル:弟
2d6 
DiceBot : (2D6) > 9[4,5] > 9
[ シャルル:弟 ] 情緒 : 2 → 3

弟も爆発!
avatar
アレクシア
「……さっきから今ひとつ煮え切らないな?」
avatar
シャルル:弟
「…………。」
avatar
シャルル:弟
「うう…………。」
avatar
シャルル:弟
「困るだろ……だって。」
avatar
シャルル:弟
いやだって、言えるか?ここで?
avatar
シャルル:弟
言えないだろ。
avatar
シャルル:弟
無理だろ、だからって何て言ったらいいんだ?
avatar
シャルル:弟
わかんねー。
avatar
シャルル:兄
「がんばるって言っておけばいいんじゃないですか?」
avatar
シャルル:弟
「うっせ、頑張ってんだよ。これでも。」
avatar
シャルル:弟
どんなものが好き?何をあげたら喜ぶ?
avatar
シャルル:弟
今まで気にしたことなかったようなことが、いろいろと不安になって。
avatar
シャルル:弟
「アンタに……。」
avatar
シャルル:弟
「好きなやつがいないなら、まあ……」
avatar
シャルル:弟
「がんばるか…………。」
avatar
アレクシア
「……んん?」
avatar
シャルル:兄
「がんばるそうですよ?」
avatar
アレクシア
「……まあ、よくわからないが」
avatar
アレクシア
「健闘を祈っておけばいいか?」
avatar
シャルル:兄
「祈っていいんですか?」
avatar
アレクシア
「え、」
avatar
アレクシア
「……お前に言われると不安になるんだが……」
avatar
シャルル:兄
「これより、私にしておいた方がよくありません?」
avatar
シャルル:弟
「それはぜってーにない。」
avatar
アレクシア
「お前は、ない」
avatar
シャルル:兄
「え~」
avatar
アレクシア
「……というか、『これより』?」
avatar
シャルル:弟
「…………。」
avatar
シャルル:弟
額に手をやって、顔を隠す。
avatar
アレクシア
「お前なあ……あんまり遊んでやるなと、さっきも言ったろ」
avatar
アレクシア
兄の方を見つつ。
avatar
シャルル:兄
「前途多難ですねぇ。」
avatar
シャルル:弟
「うっせ。」
avatar
シャルル:兄
お互いに。
avatar
シャルル:弟
アンタにだけはぜってーに負けねー。
avatar
シャルル:兄
「おや、すみませんちょっと電話に。」
avatar
シャルル:兄
スマートフォンへの着信、画面を見て玄関を出る。
avatar
シャルル:弟
「…………アレクシア。」
avatar
アレクシア
「ん?」
avatar
シャルル:弟
「俺、アンタの……邪魔にはなりたくないんだけど。」
avatar
シャルル:弟
「まだ、此処にいていいかな。」
avatar
アレクシア
「……何を今更……」
avatar
アレクシア
「というか」
avatar
アレクシア
「わたしは本当に出ていってほしければそう言う」
avatar
シャルル:弟
「…………じゃあ。」
avatar
シャルル:弟
「今年もよろしくお願いします。」
avatar
アレクシア
「ん」
avatar
アレクシア
「よろしく」
avatar
シャルル:弟
嬉しそうに、笑って。
avatar
シャルル:弟
「……あ、そうだ。今度の土曜って休み?ちょっと行きたいところがあるんだけどさ。」
avatar
アレクシア
「土曜か。……確か空いてた、と、思うが」
avatar
シャルル:弟
「こないだ面接のバイトでさ、とりあえず一回見に来いって……遊園地なんだけど。」
avatar
シャルル:弟
「一人で行くのも、だから……一緒に来てくれると嬉しいっていうか……。」
avatar
アレクシア
「ふうん?」
avatar
アレクシア
「別にいいが。……あんまり、こう……わたしとで楽しいかは保証できないぞ」
avatar
シャルル:弟
「…………。」
avatar
シャルル:弟
「アンタと行きたいから、いいの。」
avatar
アレクシア
「………………」 ぱち、と瞬き。
avatar
アレクシア
「……まあ、ならいい」
avatar
シャルル:弟
「はは……。」
avatar
シャルル:弟
まあ、なんか。ちゃんと。
avatar
シャルル:弟
がんばるか……。
avatar
シャルル:兄
「アレクシア。」
avatar
シャルル:兄
戻ってくる。
avatar
シャルル:兄
「アナタ、着物はお召しにならないんですか?」
avatar
アレクシア
「いや……お召しになるも何も」
avatar
アレクシア
「持ってない」
avatar
シャルル:兄
「買いに行きましょう」
avatar
アレクシア
「は?」
avatar
シャルル:兄
「ほら、せっかくですからご両親に元気なお姿をですね。」
avatar
アレクシア
「いや、普通に洋服でいいだろ」
avatar
アレクシア
「買うってなんだ」
avatar
シャルル:兄
「ほら、振袖とか。流石に既製品にはなってしまいますがほら、お正月ですし。お正月は振袖って聞きました。」
avatar
アレクシア
「お前。その曖昧で雑な認識にわたしを付き合わせようとするな」
avatar
アレクシア
「かなりするんだぞ、そもそも」
avatar
シャルル:兄
「私が出しますし。」
avatar
アレクシア
「……さらっとそら恐ろしいことを言うな、お前……」
avatar
シャルル:弟
「いや、アンタ先にもっと出すものあんだろ。」
avatar
シャルル:兄
「え~、見たくないですか振袖。」
avatar
シャルル:弟
「……それは、まあ。」
avatar
アレクシア
「おい、乗るな」
avatar
シャルル:兄
「仕立屋を叩き起こしても……。」
avatar
シャルル:弟
「それはだめだろ」
avatar
アレクシア
「馬鹿」
avatar
シャルル:兄
「そう言わずとも。」
avatar
アレクシア
「やだ」
avatar
シャルル:兄
「泣いちゃいますよ。」
avatar
アレクシア
「いい大人がそれはないだろ……」
avatar
シャルル:兄
「んふふふ。」
avatar
シャルル:兄
「3秒……いや、6秒ほどいただければ。」
avatar
アレクシア
「その宣言をしてから泣いたら」
avatar
アレクシア
「ひっぱたくからな」
avatar
シャルル:兄
「あははは。」
avatar
シャルル:弟
「…………。」
avatar
シャルル:弟
「……っはは。」
avatar
シャルル:兄
神様なんてものが本当にいるのなら。
avatar
シャルル:兄
奇跡なんてものが本当にあるのなら。
avatar
シャルル:兄
いや、あったとしても。
avatar
シャルル:兄
きっと、俺みたいな男の願いなんてかなえないだろう。
avatar
シャルル:兄
だから、祈ることなんて無駄だ。
avatar
シャルル:兄
無駄だから、まあ。
avatar
シャルル:兄
お願いごとを、言うくらいでちょうどいい。
avatar
シャルル:弟
祈るって、何だろうな。
avatar
シャルル:弟
正月に初詣に行くこと?
七夕の短冊に願いを書くこと?
サンタクロースにプレゼントをねだること?
avatar
シャルル:弟
どれもこれも、なんか……利己的だな。
まさか、そんなものに本気で『世界平和』なんて書く奴はいないだろうし。
avatar
シャルル:弟
叶ったかどうかもわからいものを祈るなんて、俺には到底出来っこない。
シャルル
だから。
シャルル
『最後まで、ずっと一緒にいたい』
シャルル
そう、願って。