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バレンタインデーからちょうど一か月、休日の昼下がりの事。
兄弟の部屋、ベッドに座って何やらそわそわとしている男。
*
やがて、意を決したように立ち上がって居間の方へと向かう。
黒い袋を手にして。
アレクシア
春風が開いた窓から柔く吹き込む居間で、文庫本を片手にしている。
アレクシア
ふと、兄弟の部屋の扉が開いたのに気づいて目を上げた。
シャルル:弟
「今日、ホワイトデー……だろ?先月、チョコレートもらったから……」
アレクシア
「ああ、……そうか、ホワイトデー……」
シャルル:弟
「…………いや、気にするとかじゃなくて。あー……」
シャルル:弟
「俺、その……プレゼントとか、選ぶの得意じゃなくて……気に入ってもらえるかわかんないんだけど……」
シャルル:弟
そう言って差し出された袋の中には、黒い包装に銀のリボンがかかった長方形の箱。
シャルル:弟
中身は、夜空に星の瞬く腕時計。
ベルトは柔らかな革で、さほど重くはない。
アレクシア
文字盤の夜空。ガラスに覆われたそこに、軽く指を滑らせる。
シャルル:弟
「時計……あの……使ってるのあると思うけどさ、ほら。」
シャルル:弟
「なんか、ちょっと変わったのあると……いいかなって。」
アレクシア
1d6+1 (1D6+1) > 4[4]+1 > 5
シャルル:弟
2d6 (2D6) > 8[4,4] > 8
*
なんだか気持ちが昂ぶってきた。自身の情緒+1。
アレクシア
2d6+1>=8 (2D6+1>=8) > 5[3,2]+1 > 6 > 失敗
シャルル:弟
「いや、なんか……いろいろ探してみたんだけど。」
シャルル:弟
「使えるものがいいかなって……思って。」
シャルル:弟
「俺、アレクシアが好きなものとか……見てる範囲でしかわからないし。」
シャルル:弟
「かっこつけないで、一緒に見に行ってもよかったなとかさ……」
アレクシア
2d6+1>=7 (2D6+1>=7) > 11[6,5]+1 > 12 > 成功
シャルル:弟
2d6>=12 (2D6>=12) > 9[6,3] > 9 > 失敗
アレクシア
「まあ、一緒に行ってもよかったろうが」
アレクシア
「見てる範囲で、と言うなら、よく見てるな」
アレクシア
2d6+1>=7 (2D6+1>=7) > 5[1,4]+1 > 6 > 失敗
アレクシア
「ありがたく使わせてもらう。……ちゃんと大切にするよ」
シャルル:弟
今日まで、一緒に過ごしてきて。
いくらか一緒に出掛けたりもして。
シャルル:弟
手の届かないところにいると、思いながら。
手を伸ばそうと頑張ってみて。
シャルル:弟
「恋人とか、好きな奴とか……いないんだよな。」
アレクシア
「無理に作るようなものでもないと思うしな」
シャルル:弟
「でも、そういうのってほら。急にできたり……するだろ?」
アレクシア
「……まあ、一目惚れとか……言うことはあるよな、世間では」
アレクシア
「なんだ、お前、そういうのが出来たのか?」
アレクシア
「……前に、女子大生の家で恋愛するなとか言った覚えもあるが」
シャルル:弟
2d6 (2D6) > 5[4,1] > 5
アレクシア
2d6+1>=7 (2D6+1>=7) > 11[6,5]+1 > 12 > 成功
シャルル:弟
「…………さて。バイト、準備しないとな。」
シャルル:弟
答えを待つことなく、部屋に戻っていく。
シャルル:弟
いや、本当は今日休みなんだけど。
この場で困らせ続けるのはよくないし。
シャルル:弟
ちょっと、ひとりの時間があってもいいかなって思って。
アレクシア
今まで、自分とは関係ないところにあるような気がしていた、その言葉が。
アレクシア
だから、……だからどうしたらいいんだ?
アレクシア
左の手首には、今しがたもらったばかりの時計。
アレクシア
テーブルの上には、開いて置いたままの文庫本。
アレクシア
誰もいないのに、額に手をやって顔を隠す。
アレクシア
だが、彼がバイトの準備を終えたとき。
玄関から出ていくためには、ここを通るわけで。
アレクシア
机の上はそのままに――部屋に逃げ戻った。