アレクシア
夕食を終えたテーブルに手をついて、立ち上がる。
アレクシア
「部屋に戻る前に、ちょっと待っててくれるか」
シャルル:兄
手早く洗った食器を流しの横に立て掛けながら振り返る。
アレクシア
そうして、さほどの間もなく戻ってきて。
アレクシア
「……今年は、三人で食べようと思って」
アレクシア
「……えーと。……なんだか、シャンパンとペアリングできるやつらしいな」
シャルル:兄
「ワインはしまってあったと思いますが……シャンパンは流石に置いていませんね」
シャルル:兄
「ひとまず、開けてみるというのはどうでしょう」
アレクシア
中には色の違う4種の楕円が3つずつ並んでいる。
シャルル:兄
「なるほど、3人で食べるのに丁度いいですね」
アレクシア
「まあな。見かけたときに、そう思って」
シャルル:兄
「ひまわりの種に、はちみつ、珈琲……これは唐辛子だそうですよ」
シャルル:兄
スマートフォンを取り出して両手で文字を打ち込んでいく
シャルル:兄
「これ、種類ごとに合うシャンパンが違うんですねぇ……」
シャルル:兄
「辛口、甘口、ロゼ、ヴィンテージ……」
アレクシア
「お前、ときどき本当に意味のわからんことを言い出すな……」
シャルル:兄
「私、これでも職場ではちょっと偉いんですよ」
アレクシア
「……偉かったとして、それは職権を乱用しようとしてないか?」
シャルル:兄
「…………20分で買ってこれるそうです」
アレクシア
突っ込みどころが多すぎて突っ込めない。
アレクシア
「…………」 こいつもずいぶん慣れたな……という顔で弟を見た。
シャルル:弟
「どうやったら考えつくんだろうな……」
アレクシア
「……どうなんだろうな。ナッツとかオレンジピールとかはよくあるが」
アレクシア
「いつだったか、柚子も見たことはあるな」
シャルル:兄
「赤と青を混ぜたら紫になる……のような」
シャルル:兄
「まあ、それで唐辛子とはなかなかなりませんが」
アレクシア
「実際、これ、どういう感じなんだろうな」
アレクシア
出来上がったものを目の前にしても想像力が追いついていない。
アレクシア
「まあ、……外してないといいんだが」 買ってきておいて。
シャルル:兄
「チョコレートってカレーに入れても美味しいですし」
シャルル:兄
「けっこう、いろいろなものに合うので」
シャルル:兄
「どんな味かは食べてみないとわかりませんが」
シャルル:兄
玄関まで行って、扉の向こうに置かれた紙袋をとりあげる。
アレクシア
「開けるとか開けないとかいう問題か?」
アレクシア
1d6+1 (1D6+1) > 4[4]+1 > 5
シャルル:兄
1d6+1 (1D6+1) > 5[5]+1 > 6
シャルル:弟
1d6+1 (1D6+1) > 6[6]+1 > 7
アレクシア
1d6+1 (1D6+1) > 4[4]+1 > 5
シャルル:兄
2d6+1>=7 (2D6+1>=7) > 5[2,3]+1 > 6 > 失敗
アレクシア
2d6+1>=7 (2D6+1>=7) > 3[1,2]+1 > 4 > 失敗
シャルル:弟
2d6>=7 (2D6>=7) > 7[5,2] > 7 > 成功
シャルル:弟
「とりあえず、やっぱ……気になるのはこれか」
シャルル:兄
「ま、そんなに上等なものではありませんが」
シャルル:兄
紙袋の中から緑色の瓶を取り出してテーブルの上へ。
アレクシア
「そういえばシャンパンって、そんなに飲んだことないな……」
シャルル:兄
「学生の飲み会では出ないでしょうしねぇ」
シャルル:弟
とりあえず使えそうなグラスを3つ取りに行く。
シャルル:兄
「今度行ってみますか、そういうお店」
アレクシア
放っておくといつもパンツスタイルの女。
アレクシア
「待て。普通に行くみたいな話にするな」
アレクシア
2d6+1>=7 (2D6+1>=7) > 5[2,3]+1 > 6 > 失敗
シャルル:弟
2d6>=7 (2D6>=7) > 6[5,1] > 6 > 失敗
シャルル:弟
「そういうとこ、俺も行ったことないし……」
シャルル:兄
「それじゃ、カーテンあるところにしますか」
シャルル:兄
「カーテンで仕切りを作れるお店ですね」
シャルル:兄
「そうですね……来月の14日とかいかがですか?」
アレクシア
「…………わかったよ…………」 諦めた。
アレクシア
「昔……」 何をやっていたんだか……という目。
アレクシア
兄の人生については聞いてはいけない気がしている。未だに。
シャルル:兄
2d6+1>=7 (2D6+1>=7) > 7[4,3]+1 > 8 > 成功
シャルル:弟
2d6>=8 (2D6>=8) > 5[1,4] > 5 > 失敗
シャルル:兄
「最近『サイゼデート』とか、話題になってるじゃないですか」
シャルル:兄
「やっぱり、デートの場所って気にされる方が多いですからね」
シャルル:兄
シャンパンの栓を抜き、普通のグラスにそれぞれ注ぐ。
シャルル:兄
「適当に飲むシャンパンもいいと思いますけれど」
アレクシア
「というか、わたしはそのほうが気楽だな……」
シャルル:弟
「来月までにマナーとか覚えないとな……」
アレクシア
「どちらかといえば、買ってきたわたしが一番緊張するべきな気がするな」
アレクシア
美味しいかどうか、とか。
喜んでもらえるかどうか、とか。
シャルル:兄
口の中に広がる味の余韻の残ったところに。
アレクシア
「お前たちと一緒に食べられて、嬉しい」
シャルル:兄
「来月を楽しみにしていてくださいね」
*
一年前。こんなふうに、三人で同じチョコレートを食べるとは思っていなかった。
*
一年後。まだこうして、三人でいるかはわからない。
*
それでも今、一月先の約束をすることが、こんなに嬉しい。