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これといった大きな危機もなく、余裕さえあるような気さえするこの頃。
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堕落の国でも一般的な、トランプを利用したカードゲームが流行っていた。
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各々が知っているカードのルールを寄せ集め、書き記した書籍を作ったところ。
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救世主や末裔に好まれ、本はそこそこの頻度で売れていった。
シャルル
そう言って、革のポケットからカードの箱を取り出す。
シャルル
「勝ったら何でも好きな事をして差し上げますよ」
アレクシア
「それは……わたしが負けたら、お前になんでも好きなことをしてやれと……?」
シャルル
「ただ、此方から誘うのに報酬もないのはどうかと思いまして」
アレクシア
「……別に、単に遊びたいだけなら付き合ってやるが」
アレクシア
「わたしを誘いに来るのは珍しい気もするな」
アレクシア
「ただ、実際プレイしたことはさほどないからな」
シャルル
白いクロスの上に先ほど取り出したカード。
簡易に制作されたチップを同数。
シャルル
1d6+2 (1D6+2) > 2[2]+2 > 4
アレクシア
1d6+2 (1D6+2) > 5[5]+2 > 7
シャルル
2d6+4 (2D6+4) > 4[2,2]+4 > 8
シャルル
5 極めて冷静、相手のことが手に取るようにわかる。自身の情緒-1。
アレクシア
2d6+4>=8 (2D6+4>=8) > 5[2,3]+4 > 9 > 成功
アレクシア
2d6+4>=7 (2D6+4>=7) > 9[3,6]+4 > 13 > 成功
シャルル
2d6+4>=13 (2D6+4>=13) > 7[4,3]+4 > 11 > 失敗
シャルル
手元にあるチップは相手のそれより少ない。
アレクシア
お互いまだ、大してチップを出したわけでもない。
アレクシア
だが、多分。お互いに、基本的には大勝も大敗もしないような気がする。
アレクシア
「お前、こういう遊びごとは詳しいのか」
アレクシア
「わたしは、あんまりだな。……街の親父どもはそれなりに賭けていたみたいだが」
シャルル
2d6+4>=7 (2D6+4>=7) > 8[6,2]+4 > 12 > 成功
アレクシア
2d6+4>=12 (2D6+4>=12) > 11[5,6]+4 > 15 > 成功
シャルル
2d6+4>=15 (2D6+4>=15) > 5[3,2]+4 > 9 > 失敗
アレクシア
2d6+4>=7 (2D6+4>=7) > 4[1,3]+4 > 8 > 成功
シャルル
「レイズ……と言っても、出せるのはこれだけですが」
アレクシア
何も存じませんみたいな顔を……しているが……
シャルル
手元のカードを一度まとめて、バラけさせる。
アレクシア
「いや。まあ別に、特別してほしいことがあるわけでもないんだが……」
アレクシア
「何かしてほしい、と思うことは……普段から、あまりないな」
アレクシア
「お前、もとから目端が利くからなあ……」
アレクシア
「いつも世話になっているなとは思うが、」
アレクシア
「だから、改めてしてほしいことと言われるとな」
シャルル
「ないんですか?行きたいところや、欲しいもの……もしくは」
シャルル
「仕事を休みにして一日中一緒にいたいとか?」
シャルル
立ち上がるように、テーブルに手をつき乗り出して頬へと口付ける。
シャルル
「それは私のしたいことかもしれませんが」
アレクシア
「言ったら悪いというわけではないんだが」
シャルル
「せっかく甘えていただける口実を作れたと思ったのですが……」
アレクシア
相変わらず、甘える、ということが苦手だ。向いていない。
シャルル
「限界にならないと甘えられないのも、アナタの可愛いところですが」
アレクシア
「……お前、本当に甘やかしたがりだな……」
シャルル
「権利を譲ってくださってもいいんですよ?」
アレクシア
「……何をさせたいんだか聞くだけ聞いておこうか」
シャルル
「今宵は、絶対にアナタの言うことを聞かない……とか」
アレクシア
なんとなく、このまま黙っているとまずい気はするのだが。
シャルル
椅子を離れて回り込み、目の前に膝をついて
シャルル
「いつでも、言ってくださって構いませんよ」
アレクシア
「お前の言う『いつでも』、何か含みがないか?」
アレクシア
「……というか、わたしはもう随分、お前に甘えてると思うがね……」
シャルル
「やっぱり、甘やかされている気がします」
シャルル
「アナタにただ一言、嫌いだと言われたら」
シャルル
「私の全ては既に、アナタのものでしたね」
シャルル
「聞かれたくないことでも、しましょうか」
アレクシア
何度重ねても、慣れないように小さく固まり。
シャルル
「身体が、平常ではいられないんですよね」
シャルル
「足りないものなんて、ないのかもしれませんね」
アレクシア
「いいんだぞ。それ以外に欲しいものが、いくらあったって」
シャルル
「堕落の国をまるごといただきましょうか」
アレクシア
「それでも、本当に手を伸ばしていいのかわからなかったが」
シャルル
「ここにいてくださって、ありがとうございます」
シャルル
髪を撫でながら、触れ合う部分でその体温を感じる。
シャルル
「アナタのことを想っておりますよ、ずっと」