シャルル
様々な準備を残して去り行くメイドを見送る。
これから丸1日を、この部屋から出ずに、誰も呼ばずに過ごさなければならない。
2人は見届けなくてはならない。
1日にわたって行われる『お茶会』を。
真昼に開始される『裁判』を。
シャルル
静かだと思っていた館に、ざわめきが訪れる。
この『儀式』には観客がいる。
シャルル
『救世主』。
シャルル
その姿を見ようと。
その血を浴びようと。
あるいは、
シャルル
願いの叶うさまを見届けようと。
シャルル
「アレクシア、そろそろ入場だ。」
シャルル
バルコニーへの戸を開き、振り返る。
アレクシア
「……ん」
アレクシア
頷く。腰掛けていたベッドから立ち上がり、そちらへ。
シャルル
「大丈夫なのか?」
シャルル
「あ。」
シャルル
部屋に戻って椅子を取ってくる。
シャルル
たぶん、座っていても見れるだろう。
シャルル
「座ってた方がいい。傷、治ってないしさ。」
アレクシア
ぱちぱちと、いくつか、瞬き。
アレクシア
「……あり、がとう」
シャルル
「……うん。」
アレクシア
なんというか。優しいような素振りをされると、それはそれで困惑する。
シャルル
「…………誰が来ても。」
シャルル
「ちゃんと、見届けよう。」
シャルル
最終的には全員、見ることになろうけれど。
アレクシア
ただ頷く。
そっと、椅子に腰掛けた。