GM
大丈夫。
あなたは、あなたのなりたいあなたに、きっとなれるから。
GM
大丈夫。
わたしは、あなたのなりたいあなたを、きっと叶えてあげるから。
GM
わたしと同じようにね。
GM
ブラッドムーン/ギルティウィッチーズ
『Night for Purple』
GM
――今日は、混ざりあう赤と青のための夜!
GM
*導入 惨殺シーン
GM
……どこかで猫が鳴いている。
GM
にゃあん……にゃあ……
GM
誰かを呼ぶように、絶え間なく。
GM
首を巡らせて、鳴き声の出どころを探す。
GM
にゃあ……
GM
それは路地裏から聞こえているようだ。
GM
一歩、二歩、そちらに近づいて。
GM
にゃあん!
GM
その路地裏から、猫が飛び出してくる。
GM
足元を滑るように駆け去っていった。
GM
……なんだったんだ?
GM
思って、ちらと路地裏を覗き込む……。
GM
その瞬間。するり、と。
GM
女の手が伸びてきて、そうっと腕を掴んだ。
GM
肩が跳ねる。とっさに振り払おうとして――失敗する。
GM
「こんばんは」
GM
微笑んだような一声が耳に滑り込むと同時に、抗えない力で引きずり込まれる。
GM
最後に意識を引き裂いた、首筋への痛み。
GM
それきり。
GM
……翌朝になって、血の抜けきった死体が発見される。
GM
その死にかたの意味は、狩人にしかわからない。
GM
だが、狩人にはわかる。
GM
わかってしまう。狩人もまた夜に生きるからだ。
GM
GM
*導入 神崎ミキ
GM
ヴァンデルガルデ家。
GM
その家にとって、ヴァンパイアは長年の宿敵だ。
GM
だから、ヴァンパイアが出た、という情報はあっという間にそのネットワークに乗る。
GM
光のように駆け抜けて、適切な狩人を選び出す。
GM
今回は、その白羽の矢が神埼ミキに立った。
GM
「ミキさん。貴方もご存知のこととは思いますが」
GM
「我々の血は、ヴァンパイアを狩り出すためにあるもの」
GM
「今回も、その血に報いてくださいますね」
神崎ミキ
「勿論です」
神崎ミキ
「ヴァンデルガルデ家とは、吸血鬼の胸に打つ杭であり、その穢れた血を焼く炎です」
神崎ミキ
「血には血を。私のこの、半吸血鬼の血は、」
神崎ミキ
「吸血鬼を縛り付け、戒めるための鎖」
神崎ミキ
「必ずや、我々の宿敵を、狩猟してみせましょう」
GM
「結構」
GM
「貴方が杭であり炎であり鎖であり続けることを祈ります」
GM
半吸血鬼とは、いつか、吸血鬼に成るかもしれないもの。
GM
それがいつかはわからずとも。
GM
それがなくとも、いずれ死すことができるかどうかもわからず。
GM
しかしヴァンデルガルデの血と宿命としがらみが貴方を縛り付け、
GM
狩人であることを強いる。
GM
「では、良い狩りを」
GM
かさりと一枚の書面が手渡される。
GM
今回の狩りに参加する相手の情報だ。
神崎ミキ
書面を受け取る。
GM
どうやら、文面で見る限りは貴方と似たような実力のよう。
神崎ミキ
目を細める。
神崎ミキ
さんくちゅありの杭使いだ。技巧ではなく、ごく実直な力を用いる。
神崎ミキ
白木の杭そのもののような狩人。
神崎ミキ
特に言葉を返さず、ただ頷く。
GM
こちらも頷きかえす。
神崎ミキ
情報をすべて覚え、蝋燭の火に紙面をかざす。
神崎ミキ
赤く燃え、紙面は黒へ、黒から灰へ。
神崎ミキ
それが崩れるよりもはやく、銀で出来た皿に伏せ。
神崎ミキ
足は残さない。
GM
満月は明日。
GM
まもなく、吸血鬼を殺せる夜が来る。
GM
明日の今頃、
GM
真円の月が天に上るだろう。
GM
それまでに、備えなければならない。
GM
与えられた時が短くとも、万全でなくとも。
GM
戦意と力は、月のように満ちなければならないのだから。
神崎ミキ
そして、明るく浮かぶ月の下、存在の価値を証明しよう。
GM
そうして神埼ミキは屋敷を出、夜の戦いに身を投じる。
GM
その背に、この街の平穏を負って。
GM
GM
*導入 古河あやめ
GM
さんくちゅありのとあるカフェ。
GM
あやめが表からバックヤードに戻ってくると、そこにはかすかにくちびるを尖らせた高萩つかさの姿があった。
古河あやめ
「お疲れ様です……?」
高萩つかさ
「……あ、あやめちゃん。お疲れさま」
高萩つかさ
「表、お客さん捌けた?」
古河あやめ
「はい。今は休憩で…… 何かあったんですか、つかさちゃん」
高萩つかさ
「あのね、……ヴァンデルガルデ家ってところとの、狩りの依頼が来てて」
古河あやめ
「ヴァンデルガルデ家……」狩人をやっている人間なら、知らない人はいない組織だ。
高萩つかさ
「そう、あの……ごりごりのとこ……」
高萩つかさ
ちょっと苦笑気味に。
古河あやめ
「なるほど……」自分もあまり、好きになれない相手だ。
古河あやめ
「どういう依頼なんでしょうか」
高萩つかさ
「ヴァンパイア狩り。この間から、このあたりで出てるやつね」
古河あやめ
やっぱりそれか。
高萩つかさ
「ヴァンデルガルデがうちに声掛けてくるくらいだから、人手足りないんだろうなあ」
GM
なにしろ先だっての満月で、かなり大規模な狩りが共同で行われたばかりです。
GM
つかさの足にも、怪我の名残で、まだサポーターが残っています。
古河あやめ
「わたしが受けますよ。つかさちゃんは、まだ休んでてほしい」
高萩つかさ
「ほんと?」
古河あやめ
「それに……これ以上、この街を荒らされるわけにはいかない……」
高萩つかさ
「……うん」
高萩つかさ
「今ね、うちの店で、このレベルの依頼に行けるの、正直あやめちゃんだけなのね」
高萩つかさ
ほかの面々は傷つき、倒れ、あるいはまだ、武器を取って日が浅い。
高萩つかさ
さんくちゅありの狩人たちは、生まれながらの狩人ではなく。
高萩つかさ
いつか傷ついた者たちが、必死に世界に抗うことでできている。
高萩つかさ
「あたしも、あやめちゃんと行きたかったんだけど……」
高萩つかさ
足のサポーターに目を落とす。
古河あやめ
「大丈夫です、つかさちゃん」
古河あやめ
「シフトに穴をあけることになるから、その分は、つかさちゃんに迷惑をかけることになるかもしれませんが……」
古河あやめ
「ちゃんと、やりとげて帰ってきます。
……心配しないでください」
高萩つかさ
「……ありがと、あやめちゃん」
高萩つかさ
「でも、心配は、してるから。いつだって、仲間が傷つくのはいやだよ」
高萩つかさ
「だから、……あやめちゃんが、ちゃんと帰ってくるのを、待ってるからね」
高萩つかさ
にこっ、と笑って。
高萩つかさ
「頑張って。……これ、資料ね。あと、物資がこれとこれと……」
古河あやめ
「わっ、わっわっ」
古河あやめ
「……ありすぎでは?」
高萩つかさ
「あって困るものじゃないでしょ。人が出せないときは物資を出すしかないんだから」
古河あやめ
「……心配性なんだから。大事に使います」
高萩つかさ
「うん。どんどん使っちゃってね」
古河あやめ
「ありがとう、つかさちゃん」
GM
つかさは、ぶい!と指を2本立てた。
GM
あやめを心配する瞳の色と、明るく笑う頬と。
GM
貴方にだけ任せる申し訳なさも、貴方への信頼も。
GM
どれも本当のこと。
GM
誰もみな、守りたいものがあって、さんくちゅありにいる。
高萩つかさ
「……じゃあ、よろしくね。お店は心配しないで!」
高萩つかさ
「あやめちゃんが戻ってきたら、お店の材料でいい感じのケーキ焼いちゃおうね」
古河あやめ
「わ……楽しみ」
GM
そうして貴方は、閉店作業を抜けて、暮れかかる街へ。
GM
この街のどこかに、今、ヴァンパイアが潜んでいる。
GM
まずは、狩人同士で合流しなければならない。
GM
満月は明日。
GM
平穏を守るために、月が欠ける前に。
GM
GM
*導入 集合シーン
GM
深夜、貴方がたは、指定された緑化公園の片隅で落ち合う。
GM
すっかりひと気の絶えた四阿。
GM
しらじらとした月明かり。
GM
先についていたのは、神埼ミキ。
神崎ミキ
柱に姿を重ねて、影になるようにして立つ。
神崎ミキ
月の傾きは、そろそろ定刻を指す。
古河あやめ
土のついた太い木の杭を持って、闇夜に現れる。
古河あやめ
「……はじめまして」
古河あやめ
「あなたが……神崎、ミキさん?」
神崎ミキ
「はじめまして。ヴァンデルガルデ、日本分家の神崎、神崎ミキです」
神崎ミキ
「あなたが古河あやめさんですね。ご活躍は、うかがっております」
古河あやめ
「はい。さんくちゅあり所属の……古河あやめです」
神崎ミキ
「先日も、大縄跳びの魔女を斃したとか……」
古河あやめ
「杭で縄を貫くのは難しかったです……」
古河あやめ
「神崎さんも、トマトジュースの魔女を斃されたと噂に聞いています」
神崎ミキ
「魔女狩りは、僕の本領でありませんが、ええ」
神崎ミキ
あくまでも吸血鬼の退治が使命であるのが、ヴァンデルガルデの狩人。
神崎ミキ
しかし、魔女と波長があえば、その力を振るうことはやぶさかではない。
古河あやめ
「わたしも……この街を、みんなの平和を脅かす相手は、魔女だろうと吸血鬼だろうと……許せません」
古河あやめ
「どれだけ実績があろうと……吸血鬼の血をひくあなたのことは、心の底から信用することは、むずかしいですが……」
古河あやめ
「……でも、お互い、目的は同じ……協力は惜しみません。頑張りましょう」
神崎ミキ
「それはとても懸命な判断です。半吸血鬼が、吸血鬼に堕落することはよくあること」
神崎ミキ
「それは武器であり、火です。平穏を脅かす、危険な代物」
神崎ミキ
「しかし、狩りには狩りの道具が必要なのです」
神崎ミキ
「短い間ですが、よろしくお願いいたします」
古河あやめ
「はい。よろしくお願いします、神崎さん。いえ……」
古河あやめ
「ミキちゃん」
神崎ミキ
「……?」
古河あやめ
「……?」
神崎ミキ
これがさんくちゅあり流ということですか……。
神崎ミキ
なるほど……。
神崎ミキ
「それでは参りましょう、古河あやめさん」
古河あやめ
「はいっ」
GM
そうして、貴方がたが四阿を離れようとしたとき。
GM
まだ一日、満ちきらぬ月の光を浴びて、
GM
四阿の屋根の上に腰掛けた者がいる。
 
「あなたたちが、狩人さん?」
 
笑うような声。
古河あやめ
構える。
 
「こんばんは、可愛い狩人さんたち」
 
落ちたシルエットがゆっくりと立ち上がる。
 
屋根の上。見上げればそこに立つ女の姿。
エンパープル
「今日も良い夜をお過ごしかしら?」
古河あやめ
「……そう言うあなたは、誰なのですか?」
古河あやめ
杭を構えながら、にらみつける。
エンパープル
「わたくし?」
エンパープル
「……そうね、ご挨拶がまだだわ」
神崎ミキ
「……」
エンパープル
「わたくしは、エンパープル。どうぞ、お見知りおきを」
エンパープル
その女の装いは、しかし、吸血鬼というよりは……
エンパープル
どこか、まるで、魔女めいて。
古河あやめ
「エンパープル……」
神崎ミキ
影のうちから鎖を引きずり出し、構える。
神崎ミキ
「僕はヴァンデルガルデ家、神崎ミキ」
神崎ミキ
「そしてさんくちゅあり、古河あやめ」
古河あやめ
頷く。
神崎ミキ
「お前を殺す者の名だ」
エンパープル
「あら、怖い」
エンパープル
「わたくし、せっかく貴族になったばかりですのに」
古河あやめ
「あなたですね。最近、人々を殺して回っている吸血鬼は…… ……?」
古河あやめ
「貴族……?」
エンパープル
「ええ。わたくし、成りたかったの」
エンパープル
「屠龍城の一員……それも、貴族にね。素敵でしょう?」
神崎ミキ
「屠龍城か。我々ヴァンデルガルデ家の宿敵」
神崎ミキ
「しかし、イニシエーションの一つで貴族を名乗るとは……、随分とその名も安くなったものだ」
エンパープル
うんうん、と頷いて。
エンパープル
「わたくしはね」
エンパープル
「ちゃんと、成りましたわ」
古河あやめ
なぜだろう……普通の吸血鬼だとは思えない。
エンパープル
ふふ、と笑って。
古河あやめ
この言動は、魔女によく似ている。
エンパープル
「わたくしは、もともと吸血鬼ではありませんけれど……」
エンパープル
「わたくしの魔法は、それを叶えた」 にっ、と牙を見せて。
エンパープル
「わたくしは、かつて傲慢の魔女だったもの。そして今は、その魔法によって……」
エンパープル
「わたくし、貴族の一員ですわ」
古河あやめ
「傲慢の魔女……!?」
神崎ミキ
「そんなことが……しかし、魔法ならばあるいは、か……」
神崎ミキ
「いずれにせよ、魔物から魔物へ転じようとも」
神崎ミキ
「卑しきものが卑しきものであるには変わらない」
エンパープル
「あらあら。ずいぶんな仰りよう……」
エンパープル
「人からしたら、そういうものかしら」
エンパープル
「でも、己の憧れになりたいのは誰も同じ」
古河あやめ
「何が同じだ。わたしはお前のようにはならない……」
古河あやめ
「あなたの存在を、わたしは許さない」
神崎ミキ
頷く。
エンパープル
「ならない」
エンパープル
「……ほんとうに?」
エンパープル
「うふふ! なりたい気持ちはお持ちのようね」
古河あやめ
「……許さない」
古河あやめ
杭を持つ手に力が籠る。
古河あやめ
「エンパープル。何を企んでいる……?」
エンパープル
「企み? わたくしは、ただお食事が好きなの」
エンパープル
「でも、わたくしの本質が……」
エンパープル
「叶えてあげたいな、と思うだけ」
神崎ミキ
魔女としての本質。
神崎ミキ
そして吸血鬼の衝動。
神崎ミキ
いずれにしても、
神崎ミキ
「――邪悪だ」
古河あやめ
「あなたの力で、本当に叶えられる願いなんてない……」
古河あやめ
「あなたの存在が、みなを不幸にするの」
古河あやめ
「あなた自身の願いだって…… 本当に叶っているとは、思えませんね」
エンパープル
「ふふふ……」
エンパープル
「あなたは、叶えたことがお有りなのじゃなくて?」
エンパープル
ね? と小首を傾げて。
古河あやめ
「…………っ!」
エンパープル
「叶えてしまえば、なかったことにはならないのが魔法」
エンパープル
「わたくしも同じ」
エンパープル
「あなたも同じ……」
古河あやめ
「この……!」エンパープルに向かって、渾身の力で杭を投げつける。
エンパープル
する、とその袖が翻り。
エンパープル
「焦らないで。満月は明日……」
エンパープル
「今宵はまだ」
エンパープル
「あなたがたは、届かない」
エンパープル
「けれどどうぞ、会いに来てね。わたくしは眠らぬ吸血鬼……」
エンパープル
「そして、未だ、半ば魔女!」
エンパープル
そうして、うふふ、と笑いを残して消えていく。
古河あやめ
「…………。」外した杭を拾って。
古河あやめ
「……吸血鬼で、魔女……? そんなものを、放っておけはしない……」
神崎ミキ
「奇しくも、魔女狩りを主としたさんくちゅあり、吸血鬼狩りを主としたヴァンデルガルデ家」
神崎ミキ
「ふたりの宿敵であるということですね」
古河あやめ
「……そういうことになりますね」
神崎ミキ
「我々ふたりであれば、倒せない相手ではありません」
神崎ミキ
「行きましょう、古河あやめ」
古河あやめ
「はい。ミキちゃん……頑張りましょう」
GM
それでは、お互い対して関係を深度1で取得してください。どんな名前で取っても良いです。
神崎ミキ
属性は共闘で。
古河あやめ
属性は仕事仲間で。
GM
メインフェイズに入る前に、いくつか情報が開示されます。
GM
まず、支配力。2個。ひとつずつ開示します。
GM
『傲慢の魔女』
強度3 リンク:自信
エンパープルの原点。力の源としての過去。
GM
『屠龍城の貴族』
強度4 リンク:地位
エンパープルの念願。力の主としての現在。
GM
次に、初期テンション。これは8。
その他の特技やアビリティの類は秘匿です。
GM
あとは、フォロワー。2人います。
GM
『下男』倉骨リョウ、『下女』倉骨ミナ。
ともにエンパープルに付き従う従僕です。
GM
フォロワーの種別とレベルは、特殊能力が使用されるか、または前哨戦などで排除したときに判明します。
GM
今回、メインフェイズは3サイクル。行動回数は、ハンターが各サイクル1回ずつ。モンスターも各サイクル1回ずつ。
GM
手番決めに際しては、ハンター全員の出目のうち一番高いものをひとつ、6として扱っても良いことになっています。
GM
同じ出目のキャラクターが複数いる場合、ハンター同士の順番は自由に決めて良いですが、モンスターは必ずハンターの後です。
GM
では、メインフェイズの手番順を決めていきましょう。
GM
それぞれ1d6をどうぞ。
神崎ミキ
1d6 (1D6) > 4
古河あやめ
1d6 (1D6) > 4
エンパープル
1d6 (1D6) > 3
GM
4:神崎ミキ、古河あやめ
3:エンパープル
GM
それでは、メインフェイズです。