GM
大丈夫。
あなたは、あなたのなりたいあなたに、きっとなれるから。
GM
大丈夫。
わたしは、あなたのなりたいあなたを、きっと叶えてあげるから。
GM
ブラッドムーン/ギルティウィッチーズ
『Night for Purple』
GM
肩が跳ねる。とっさに振り払おうとして――失敗する。
GM
微笑んだような一声が耳に滑り込むと同時に、抗えない力で引きずり込まれる。
GM
……翌朝になって、血の抜けきった死体が発見される。
GM
その死にかたの意味は、狩人にしかわからない。
GM
わかってしまう。狩人もまた夜に生きるからだ。
GM
その家にとって、ヴァンパイアは長年の宿敵だ。
GM
だから、ヴァンパイアが出た、という情報はあっという間にそのネットワークに乗る。
GM
光のように駆け抜けて、適切な狩人を選び出す。
GM
「ミキさん。貴方もご存知のこととは思いますが」
GM
「我々の血は、ヴァンパイアを狩り出すためにあるもの」
神崎ミキ
「ヴァンデルガルデ家とは、吸血鬼の胸に打つ杭であり、その穢れた血を焼く炎です」
神崎ミキ
「血には血を。私のこの、半吸血鬼の血は、」
神崎ミキ
「必ずや、我々の宿敵を、狩猟してみせましょう」
GM
「貴方が杭であり炎であり鎖であり続けることを祈ります」
GM
半吸血鬼とは、いつか、吸血鬼に成るかもしれないもの。
GM
それがなくとも、いずれ死すことができるかどうかもわからず。
GM
しかしヴァンデルガルデの血と宿命としがらみが貴方を縛り付け、
GM
どうやら、文面で見る限りは貴方と似たような実力のよう。
神崎ミキ
さんくちゅありの杭使いだ。技巧ではなく、ごく実直な力を用いる。
神崎ミキ
情報をすべて覚え、蝋燭の火に紙面をかざす。
神崎ミキ
それが崩れるよりもはやく、銀で出来た皿に伏せ。
GM
戦意と力は、月のように満ちなければならないのだから。
神崎ミキ
そして、明るく浮かぶ月の下、存在の価値を証明しよう。
GM
そうして神埼ミキは屋敷を出、夜の戦いに身を投じる。
GM
あやめが表からバックヤードに戻ってくると、そこにはかすかにくちびるを尖らせた高萩つかさの姿があった。
古河あやめ
「はい。今は休憩で…… 何かあったんですか、つかさちゃん」
高萩つかさ
「あのね、……ヴァンデルガルデ家ってところとの、狩りの依頼が来てて」
古河あやめ
「ヴァンデルガルデ家……」狩人をやっている人間なら、知らない人はいない組織だ。
古河あやめ
「なるほど……」自分もあまり、好きになれない相手だ。
高萩つかさ
「ヴァンパイア狩り。この間から、このあたりで出てるやつね」
高萩つかさ
「ヴァンデルガルデがうちに声掛けてくるくらいだから、人手足りないんだろうなあ」
GM
なにしろ先だっての満月で、かなり大規模な狩りが共同で行われたばかりです。
GM
つかさの足にも、怪我の名残で、まだサポーターが残っています。
古河あやめ
「わたしが受けますよ。つかさちゃんは、まだ休んでてほしい」
古河あやめ
「それに……これ以上、この街を荒らされるわけにはいかない……」
高萩つかさ
「今ね、うちの店で、このレベルの依頼に行けるの、正直あやめちゃんだけなのね」
高萩つかさ
ほかの面々は傷つき、倒れ、あるいはまだ、武器を取って日が浅い。
高萩つかさ
さんくちゅありの狩人たちは、生まれながらの狩人ではなく。
高萩つかさ
いつか傷ついた者たちが、必死に世界に抗うことでできている。
高萩つかさ
「あたしも、あやめちゃんと行きたかったんだけど……」
古河あやめ
「シフトに穴をあけることになるから、その分は、つかさちゃんに迷惑をかけることになるかもしれませんが……」
古河あやめ
「ちゃんと、やりとげて帰ってきます。
……心配しないでください」
高萩つかさ
「でも、心配は、してるから。いつだって、仲間が傷つくのはいやだよ」
高萩つかさ
「だから、……あやめちゃんが、ちゃんと帰ってくるのを、待ってるからね」
高萩つかさ
「頑張って。……これ、資料ね。あと、物資がこれとこれと……」
高萩つかさ
「あって困るものじゃないでしょ。人が出せないときは物資を出すしかないんだから」
古河あやめ
「……心配性なんだから。大事に使います」
GM
貴方にだけ任せる申し訳なさも、貴方への信頼も。
GM
誰もみな、守りたいものがあって、さんくちゅありにいる。
高萩つかさ
「……じゃあ、よろしくね。お店は心配しないで!」
高萩つかさ
「あやめちゃんが戻ってきたら、お店の材料でいい感じのケーキ焼いちゃおうね」
GM
そうして貴方は、閉店作業を抜けて、暮れかかる街へ。
GM
この街のどこかに、今、ヴァンパイアが潜んでいる。
GM
深夜、貴方がたは、指定された緑化公園の片隅で落ち合う。
神崎ミキ
柱に姿を重ねて、影になるようにして立つ。
古河あやめ
土のついた太い木の杭を持って、闇夜に現れる。
神崎ミキ
「はじめまして。ヴァンデルガルデ、日本分家の神崎、神崎ミキです」
神崎ミキ
「あなたが古河あやめさんですね。ご活躍は、うかがっております」
古河あやめ
「はい。さんくちゅあり所属の……古河あやめです」
神崎ミキ
「先日も、大縄跳びの魔女を斃したとか……」
古河あやめ
「杭で縄を貫くのは難しかったです……」
古河あやめ
「神崎さんも、トマトジュースの魔女を斃されたと噂に聞いています」
神崎ミキ
「魔女狩りは、僕の本領でありませんが、ええ」
神崎ミキ
あくまでも吸血鬼の退治が使命であるのが、ヴァンデルガルデの狩人。
神崎ミキ
しかし、魔女と波長があえば、その力を振るうことはやぶさかではない。
古河あやめ
「わたしも……この街を、みんなの平和を脅かす相手は、魔女だろうと吸血鬼だろうと……許せません」
古河あやめ
「どれだけ実績があろうと……吸血鬼の血をひくあなたのことは、心の底から信用することは、むずかしいですが……」
古河あやめ
「……でも、お互い、目的は同じ……協力は惜しみません。頑張りましょう」
神崎ミキ
「それはとても懸命な判断です。半吸血鬼が、吸血鬼に堕落することはよくあること」
神崎ミキ
「それは武器であり、火です。平穏を脅かす、危険な代物」
神崎ミキ
「しかし、狩りには狩りの道具が必要なのです」
神崎ミキ
「短い間ですが、よろしくお願いいたします」
古河あやめ
「はい。よろしくお願いします、神崎さん。いえ……」
神崎ミキ
これがさんくちゅあり流ということですか……。
神崎ミキ
「それでは参りましょう、古河あやめさん」
GM
そうして、貴方がたが四阿を離れようとしたとき。
古河あやめ
「……そう言うあなたは、誰なのですか?」
エンパープル
「わたくしは、エンパープル。どうぞ、お見知りおきを」
エンパープル
その女の装いは、しかし、吸血鬼というよりは……
エンパープル
「わたくし、せっかく貴族になったばかりですのに」
古河あやめ
「あなたですね。最近、人々を殺して回っている吸血鬼は…… ……?」
エンパープル
「屠龍城の一員……それも、貴族にね。素敵でしょう?」
神崎ミキ
「屠龍城か。我々ヴァンデルガルデ家の宿敵」
神崎ミキ
「しかし、イニシエーションの一つで貴族を名乗るとは……、随分とその名も安くなったものだ」
古河あやめ
なぜだろう……普通の吸血鬼だとは思えない。
エンパープル
「わたくしは、もともと吸血鬼ではありませんけれど……」
エンパープル
「わたくしの魔法は、それを叶えた」 にっ、と牙を見せて。
エンパープル
「わたくしは、かつて傲慢の魔女だったもの。そして今は、その魔法によって……」
神崎ミキ
「そんなことが……しかし、魔法ならばあるいは、か……」
神崎ミキ
「いずれにせよ、魔物から魔物へ転じようとも」
神崎ミキ
「卑しきものが卑しきものであるには変わらない」
エンパープル
「あらあら。ずいぶんな仰りよう……」
エンパープル
「人からしたら、そういうものかしら」
エンパープル
「でも、己の憧れになりたいのは誰も同じ」
古河あやめ
「何が同じだ。わたしはお前のようにはならない……」
エンパープル
「うふふ! なりたい気持ちはお持ちのようね」
古河あやめ
「エンパープル。何を企んでいる……?」
エンパープル
「企み? わたくしは、ただお食事が好きなの」
古河あやめ
「あなたの力で、本当に叶えられる願いなんてない……」
古河あやめ
「あなたの存在が、みなを不幸にするの」
古河あやめ
「あなた自身の願いだって…… 本当に叶っているとは、思えませんね」
エンパープル
「あなたは、叶えたことがお有りなのじゃなくて?」
エンパープル
「叶えてしまえば、なかったことにはならないのが魔法」
古河あやめ
「この……!」エンパープルに向かって、渾身の力で杭を投げつける。
エンパープル
「けれどどうぞ、会いに来てね。わたくしは眠らぬ吸血鬼……」
エンパープル
そうして、うふふ、と笑いを残して消えていく。
古河あやめ
「……吸血鬼で、魔女……? そんなものを、放っておけはしない……」
神崎ミキ
「奇しくも、魔女狩りを主としたさんくちゅあり、吸血鬼狩りを主としたヴァンデルガルデ家」
神崎ミキ
「我々ふたりであれば、倒せない相手ではありません」
古河あやめ
「はい。ミキちゃん……頑張りましょう」
GM
それでは、お互い対して関係を深度1で取得してください。どんな名前で取っても良いです。
GM
メインフェイズに入る前に、いくつか情報が開示されます。
GM
『傲慢の魔女』
強度3 リンク:自信
エンパープルの原点。力の源としての過去。
GM
『屠龍城の貴族』
強度4 リンク:地位
エンパープルの念願。力の主としての現在。
GM
次に、初期テンション。これは8。
その他の特技やアビリティの類は秘匿です。
GM
『下男』倉骨リョウ、『下女』倉骨ミナ。
ともにエンパープルに付き従う従僕です。
GM
フォロワーの種別とレベルは、特殊能力が使用されるか、または前哨戦などで排除したときに判明します。
GM
今回、メインフェイズは3サイクル。行動回数は、ハンターが各サイクル1回ずつ。モンスターも各サイクル1回ずつ。
GM
手番決めに際しては、ハンター全員の出目のうち一番高いものをひとつ、6として扱っても良いことになっています。
GM
同じ出目のキャラクターが複数いる場合、ハンター同士の順番は自由に決めて良いですが、モンスターは必ずハンターの後です。
GM
では、メインフェイズの手番順を決めていきましょう。