GM
PCはどちらから行動しますか?
神崎ミキ
はい。
GM
*メインフェイズ 第1サイクル 神崎ミキ
神崎ミキ
プランは、
・前哨戦 フォロワーを一体潰す
・前哨戦 血を削る
・交流
のどれか。
神崎ミキ
狩猟で相手の支配力を削るのはまだだ……。
神崎ミキ
ここは焦らず交流し、的確な連携をしていくべきだろう。
神崎ミキ
*交流する。
神崎ミキ
ST シーン表(12) > 高い塔の上。都市を一望できる。
神崎ミキ
では、街を一望できる、高い建物に登っていきます。
神崎ミキ
当然のように従業員しか通れない通用口などを通っていきます。二人で。
神崎ミキ
時間帯は昼。
神崎ミキ
人の行き交う街を、高いところから見下ろしています。二人で。
古河あやめ
じっ……
神崎ミキ
「古河あやめさん。あなたもこの街を守護してきたと聞きました」
神崎ミキ
平日の昼間で、人通りはそれなりです。
古河あやめ
「はい……狩人になってからは、ずっと」
神崎ミキ
「どうして、狩人に?」
古河あやめ
「あの魔女……エンパープルの言った通りです」
古河あやめ
「……わたしは、かつて、魔女の誘惑に負けてしまったことがあります」
古河あやめ
「……そのときのわたしは、ただの一般人でした。それから、さんくちゅありに保護されて……狩人になる、と決めるのに、時間はかかりませんでした」
神崎ミキ
「なるほど……」
神崎ミキ
「怪物と対峙するものは、まず、怪物を知ることになる……」
神崎ミキ
「この平和に見える都市のなかで、その怪物との遭遇を……まずは犠牲者という形で果たしたということですか……」
古河あやめ
「……そうですね。あのときのわたしは……」
古河あやめ
「ほんとうに、弱くて、愚かだった。わたしが、弱かったせいで……」
古河あやめ
「大切な家族を、失ってしまいました」
古河あやめ
指をさす。
神崎ミキ
その方向を見る。
古河あやめ
「あのあたりに、わたしの家があったんです」
古河あやめ
不自然な空き地。
古河あやめ
「わたしは、その日……妹と喧嘩をして、学校からの帰り道、家に帰りたくない、と思ってしまいました」
古河あやめ
「そうしたら、あのエンパープルのように……やさしいほほえみをたたえた女の人が現れて、わたしに、その願いを叶えてあげる、と」
古河あやめ
「わたしは、……その甘言に、乗ってしまいました」
古河あやめ
「どこまでも弱くて、愚かでした」
神崎ミキ
首を横に振る。
神崎ミキ
「その誘惑を打ち払うことは、狩人ではない者にとって不可能に等しい」
神崎ミキ
「と、聞いたことがあります」
神崎ミキ
魔女狩人にそれを諭すなど、釈迦に説法ですね……。
古河あやめ
「あなたはわたしの友人と、同じことを言うんですね……」
神崎ミキ
「ご友人」
神崎ミキ
「さんくちゅありの仲間でしょうか?」
古河あやめ
「はい。つかさちゃんと言って…… 身寄りのない私には、友人でありながら、姉のような人……という感じもします」
古河あやめ
「この前の満月の夜にした怪我が、まだ治りきっていなくて……心配、です」
古河あやめ
「……今のわたしの、守りたいものの、ひとつです」
神崎ミキ
「それは、心配ですね……」
神崎ミキ
「すべての狩人は、相応の理由があります」
神崎ミキ
「いつ死ぬともわからない戦いにその身を置く理由」
神崎ミキ
「ある人はそれを、幸福、と言う」
神崎ミキ
「そのつかささんが、あなたの理由であり、幸福なのですね……」
神崎ミキ
そしてモンスターは、その幸福を常に脅かす。
古河あやめ
「ミキちゃんは、コーヒーは飲めますか?」
神崎ミキ
「コーヒー? ええ、普段は紅茶を嗜みますが……」
神崎ミキ
「コーヒーも好きですよ」
神崎ミキ
カフェインは、+2の修正がつくので……。
古河あやめ
保温性のある水筒から、コーヒーを注いで渡す。
古河あやめ
+2の修正はつかない。
古河あやめ
「つかさちゃんが持たせてくれたもののひとつです。どうぞ」
神崎ミキ
「……どうもありがとうございます」
神崎ミキ
「……さんくちゅありの方は、不思議ですね」
古河あやめ
「……?」
神崎ミキ
「普段は、同じヴァンデルガルデや、警察組織、曙光騎士団など……そうした、専門色の強い方々と戦うことが多いものですから」
神崎ミキ
「こういう感じは、新鮮です」
神崎ミキ
コーヒーを頂く。
神崎ミキ
「美味しいですね。温かい」
神崎ミキ
無駄に高いところにいるので、無駄に寒いです。
古河あやめ
「新鮮……ですか。それは、わたしも感じてます」
古河あやめ
「ヴァンデルガルデの人と一緒に、仕事をするのははじめてなので……」
古河あやめ
「最初はああは言いました、し……それは、本心でもあるんですけど……でも、仲良くしたいな、って、思います」
神崎ミキ
瞬きして、
神崎ミキ
「それは、光栄ですね」
古河あやめ
「ミキちゃんは、当然ですが、さんくちゅありの人とは違いますね」
古河あやめ
「わたしとそう年は変わらなそうなのに、きりっとしてます……」
神崎ミキ
きりっ きりっ
神崎ミキ
「どうしても格式張ってしまいますね。そのように育ったものですから……」
古河あやめ
「半吸血鬼というのは、どういう感じなんでしょうか……?」
神崎ミキ
「どういう感じ、というと……?」
古河あやめ
「う~ん……」
古河あやめ
「棺桶に入って寝たりするんでしょうか……?」
神崎ミキ
「……暗いほうが寝付きはいいですね」
古河あやめ
「それはわたしもそうですね……」
神崎ミキ
「でも普通にベッドで寝てますよ」
古河あやめ
「あ、そうなんですか」
神崎ミキ
「日光には敏感なので、日焼け止めは欠かせないですね……」
神崎ミキ
いまも、いい感じに影になるところで街を見てます。
古河あやめ
「日焼けは大変そうです……」
神崎ミキ
火傷みたいになります。
古河あやめ
「わたしもこうなる前は、二段ベットで寝てました。……そんなに上質なものでは、ないですが」
神崎ミキ
「……」
神崎ミキ
「半吸血鬼に牙はありませんが……」
神崎ミキ
「鮮血を見ると、相応の衝動が湧きますね」
古河あやめ
「じゃあ、あんまり血を流さないように頑張らなきゃですね……」
神崎ミキ
「それは僕の前に限らず、いつでもそうなのでは……」
古河あやめ
「確かに……」
神崎ミキ
「まあ、狩りには役立つ力もあります」
神崎ミキ
己の影に手を突っ込み、重たい鎖を引きずり出す。
神崎ミキ
便利。
古河あやめ
「それ、かっこいいですね……」
神崎ミキ
「いいでしょう」
神崎ミキ
どやっ
古河あやめ
頷く。
古河あやめ
「わたしは杭なので……人目が気になりますね」
古河あやめ
「欲張って大きいものを抜いてきてしまったし……」
古河あやめ
「もう少し、細いものにしておけばよかったかも……」
神崎ミキ
欲張った結果なんだな……。
古河あやめ
「それに……杭を扱うには、もう少し筋力があれば、と思うこともあります」
古河あやめ
「どれだけ鍛えても、あまり力がつかないので……技量でカバー、しているのですが」
神崎ミキ
キャラクターシートにはパワー! って書いてある。
神崎ミキ
「それでもここまで戦い抜いてきたのだから、大したものです」
古河あやめ
「褒められてしまいました」
古河あやめ
「……でも、これではまだ、足りないんです」
古河あやめ
「わたしにもっと、力があれば……エンパープルが、人を殺す前に、なんとかできたかもしれません」
古河あやめ
「いままでに受けた、他の仕事だって……そうです」
神崎ミキ
「……僕たち狩人の力は、いつだって足りないものです」
神崎ミキ
「誰一人とりこぼすことなく守ることは難しい」
神崎ミキ
「焦ってはいけませんよ」
古河あやめ
「焦る……わたし、焦ってるのかな……」
神崎ミキ
焦らずレベル4になると、常識という超強いアビリティがゲットできるのです……。
神崎ミキ
「僕が半吸血鬼であることも、これは、正しいことだとは……思いません」
神崎ミキ
「ヴァンデルガルデ家は、吸血鬼狩人として、半吸血鬼を作り、育てている」
神崎ミキ
「これは……人の道に反した、魔の方法です」
古河あやめ
「……ミキちゃん自身も、そう思うんですね……」
神崎ミキ
「危うい稜線に乗っている……」
神崎ミキ
「そう思います」
古河あやめ
「なんだか、安心しました」
古河あやめ
「正直なところ、ヴァンデルガルデ家と聞いて身構えたんですが……」
古河あやめ
「ミキちゃんが、わたしと、あまり変わらない、やさしそうなひとで、よかったです」
GM
では、交流に用いる特技を出しましょう。
GM
AST ランダム全特技表(2) > 頭部(2) > 聴く
神崎ミキ
*興奮剤を使用! 締めるから判定するぞ。
神崎ミキ
2D6+2>=6 (判定:締める▲) (2D6+2>=6) > 7[3,4]+2 > 9 > 成功
GM
成功です。
神崎ミキ
仮に、もし、すべてのモンスターを斃すことができたなら。
神崎ミキ
次はすべての半吸血鬼が死ぬべきときだろう。
神崎ミキ
「僕も、共に戦うのがあなたでよかったです」
神崎ミキ
「……あやめちゃん」
GM
では、相互の関係深度が2ずつ増えます。
古河あやめ
では属性の名前を、『仲良くなりたい』に変更します。
GM
真昼の光の中に、ただ戦いのさなかには交わすことのできない言葉がある。
GM
夜の中に隠されるものと、夜の中で露わになるもの。
GM
その境の話。
GM
GM
*メインフェイズ 第1サイクル 古河あやめ
古河あやめ
*前哨戦します。対象は『下女』倉骨ミナ
GM
ランダム特技ですね。打撃力がプラス補正に付きます。
GM
AST ランダム全特技表(3) > 腕部(8) > 刺す
古河あやめ
2D6+2>=5 (判定:刺す) (2D6+2>=5) > 3[1,2]+2 > 5 > 成功
GM
成功。
GM
貴方がたは、まだ日の高い街の中を歩く。
GM
魔女も吸血鬼も、力の楔としての支配力を持ち、
GM
そしてフォロワーを持つ。
古河あやめ
ST シーン表(6) > 普通の道端。様々な人が道を行き交う。
古河あやめ
杭の入ったリュックサックを背負って、道行く人々を観察する。
GM
普通の人々が歩いていく。
古河あやめ
「……ミキちゃん、もし……」
古河あやめ
「魔女の味方が、普通の人間だとしたら、どうしますか?」
神崎ミキ
「僕は殺しています」
神崎ミキ
「力を分け与えられた者も多く、モンスターを殺してもその力が残り、犯罪を行うものもいる」
神崎ミキ
「それに、一度でもモンスターの側につけば、また別のモンスターの手下になる傾向は明らかに強い」
神崎ミキ
「そして、そのすべてを監禁し、留置するような余力もない」
古河あやめ
「……正しい、ですね」
古河あやめ
「わたしは……気持ちの上では、あまり、殺したくありません」
古河あやめ
「さんくちゅありの中には、そういう人たちも、また、被害者だと、考える子もいます」
古河あやめ
「……ですから、わたしはこういう時、思います」
古河あやめ
「人間じゃなければいいのになって……」
神崎ミキ
「……そうですね」
神崎ミキ
「僕はヴァンデルガルデ家だ」
神崎ミキ
「そうしたときに、一切の躊躇なく殺す訓練を受けています」
神崎ミキ
「小さな子供を殺したこともあります」
神崎ミキ
「半吸血鬼の血もまた、そうした暴力に対する歯止めというものを取り払うのに役立っているでしょうね」
神崎ミキ
「けれども……」
神崎ミキ
「あなたのその良心は、それこそ、護られるべき価値でもあります」
神崎ミキ
「僕はそれを、否定したりはしません」
古河あやめ
「……ありがとう、ミキちゃん」
GM
貴方がたの目に、普通の人々が行き過ぎ、行き過ぎ、行き過ぎていく……
GM
その中に。
GM
奇妙に時代がかった服の女が一人。
GM
それは言うならば、使用人の服。
古河あやめ
神崎ミキに目配せする。
GM
紫色のリボンで髪をまとめたその女の目は、どこか、現実ではない場所を見ているようで。
神崎ミキ
小さく頷く。
神崎ミキ
人混みに姿を消し、路地を駆け、先回りをする。
神崎ミキ
退路を断つ。
古河あやめ
紫色のリボンの女の背を追い、挟み撃ちにする。
古河あやめ
手には杭。
『下女』倉骨ミナ
あ、と漏れた声。
『下女』倉骨ミナ
それはほとんど、声というよりも、奇妙な振動。
『下女』倉骨ミナ
「ど、ちらさま、です、カ?」
古河あやめ
「わたしは古河あやめ。……狩人です」
古河あやめ
「あなたは……エンパープルの手のものですね」
『下女』倉骨ミナ
「エン、パープル、さま……」
『下女』倉骨ミナ
「エンパープルさま、……そう、ごしゅじん、さま」
『下女』倉骨ミナ
なんらかの軋みが、女の視線を定めさせ。
『下女』倉骨ミナ
あやめに向かって、走り出す。
古河あやめ
明らかに、正気ではない相手。
古河あやめ
杭を持ち直し、こちらに向かって走る相手の体の真ん中に、打ち込む。
古河あやめ
「死んで、ください」
『下女』倉骨ミナ
過たず打ち込まれた杭に、血が吹き出す……かと、思いきや。
『下女』倉骨ミナ
ざららっ!と何かが崩れる。
古河あやめ
「……!」
『下女』倉骨ミナ
紫色の蜘蛛が、服一枚を残して無数に散らばっていく。
『下女』倉骨ミナ
人、一人ぶんの量。
古河あやめ
「……これは」
古河あやめ
デコイ、だったのだろうか。
GM
蜘蛛は、女のかたちを失って消え失せた。
GM
『下女』倉骨ミナは、Lv.3カード使いでした。
古河あやめ
「……してやられたみたいです」
神崎ミキ
「そうみたいですね……」
古河あやめ
「すみません……残された時間は、少ないというのに……」
GM
それでも、エンパープルの力の一端ではあった。
神崎ミキ
「いえ、何も失敗ではありません」
神崎ミキ
「ただただ、僕達はできる限りのことをするまでです」
古河あやめ
頷く。
古河あやめ
「……頑張りましょう、二人で」
神崎ミキ
「頑張りましょう」
GM
まだ日は高い。短くとも時間はある。
GM
そのはず。
GM
*メインフェイズ 第1サイクル エンパープル
GM
何せ今は昼日中、吸血鬼の出歩くはずのない時間。
GM
なのに。
エンパープル
「あら、ごきげんよう」
古河あやめ
「エンパープル……!」
エンパープル
日傘を差した女が、路地裏を歩いている。
エンパープル
散歩でもするような、気軽な歩調。
神崎ミキ
「殺されにきたようですね」
古河あやめ
「お望み通りにしてあげます……」
エンパープル
「お望み通り」 微笑んで繰り返す。
エンパープル
「それは、わたくしの十八番よ、狩人さん」
エンパープル
エンパープルから、血のにおいが漂う。
古河あやめ
「ミキちゃん、気を付けて……!」
神崎ミキ
影から鎖を展開し、張り巡らせる。
神崎ミキ
「させはしない」
エンパープル
しかし、血が滴り落ちるほうが速い。
エンパープル
たららっ、とアスファルトに血が跳ねて、
神崎ミキ
「!」
エンパープル
空間が淡く紫に染まる……
エンパープル
ミキだけを、その外に残して。
神崎ミキ
「あやめちゃん!」
エンパープル
あやめに微笑みかける。
古河あやめ
「……! このっ!」
古河あやめ
杭で殴りかかろうとする。
古河あやめ
わたし一人だけでも、頑張らなきゃ。
エンパープル
「ねえ。わたくし、知っているわ。あやめちゃん」
エンパープル
「さんくちゅありの、古河あやめ」
エンパープル
「それがどういう意味なのか……それがどういう場所なのか」
古河あやめ
「なにも、喋るな……!」
古河あやめ
「黙りなさい……!」
エンパープル
「お願い事、叶えてもらったことがあるでしょう?」
エンパープル
黙らない。
古河あやめ
「違う。あんなのは……叶ったなんて、言わない」
エンパープル
「そうかしら……?」
古河あやめ
「わたしは、あんなこと、望んでない……!」
エンパープル
「そうかしら」
エンパープル
繰り返して、笑う。
エンパープル
「叶ったということは、望んだということ」
古河あやめ
エンパープルの腹に、杭を突き立てようとする。
エンパープル
杭を握ったその手を取る。
エンパープル
手のひらで包み込む。
エンパープル
「ねえ、あやめちゃん」
古河あやめ
感触にぞわりと、背筋が凍る。
エンパープル
「今は何が欲しいかしら」
古河あやめ
「やめろ……!」
エンパープル
「ほらほら、人生で二回もお願い事が叶う機会があるなんて、めったにないことよ!」
古河あやめ
「わたしは……家に帰りたくない、って思っただけ……」
エンパープル
冷え切った指先が、あやめの手の甲に這う。
エンパープル
その冷たさが、この女の在りようを伝える。
古河あやめ
「一日とか、すこし……家から、離れてみたかっただけ、だったの……」
古河あやめ
「みんな、いなくなればいいなんて、願ったわけじゃないのに……!」
古河あやめ
「あなたが願いを叶えても、なにも、素敵なことなんて、起きない。あるのは、かなしいことばっかり……!」
エンパープル
「でも、今、貴方は」
エンパープル
「失われることのないものが欲しい」
エンパープル
「失わせないためのものが欲しい」
古河あやめ
手を振りはらえない。
古河あやめ
杭を掴む手の力が、どんどん失われていく。
古河あやめ
まるで凍えているみたいに。
古河あやめ
「力が……あれば……」
エンパープル
「貴方に、力があれば」
エンパープル
「あのときも、今も、これからも……」
エンパープル
甘く冷たい言葉が連なっていく。
古河あやめ
杭がだらりと矛先を見失う。
エンパープル
サバトを使用。古河あやめの背徳「力への憧れ」を破壊します。
GM
レベル5のサバトは【血量】消費6、コスト上昇5、マイナス修正5。

[ エンパープル ] 血量 : 15 → 9

神崎ミキ
*妨害しません
GM
では、あやめの背徳は破壊されます。伴って、あやめの耐久力が1減少。
GM
また、自信に部位ダメージ。エンパープルへの関係深度が1上昇。

[ 古河あやめ ] 耐久力 : 7 → 6

[ 古河あやめ ] 部位ダメージ : 0 → 1

エンパープル
「貴方は、どんな力がいいかしら?」
古河あやめ
とうとう、武器が手から落ちる。
古河あやめ
「わたしが、欲しい力……」
古河あやめ
「吸血鬼を、殺せるくらい……」
古河あやめ
「魔女を、殺せるくらい……」
古河あやめ
「みんなよりも、ずっとずっと、強くなりたい……」
エンパープル
「……ふふっ」
古河あやめ
「そうしたら……みんなを、守れる……」
古河あやめ
「みんなを、幸せに、してあげられる……」
エンパープル
「わたくし、素直な子って好きよ」
エンパープル
手の甲を撫でる指先が、あやめの頬に伸びる。
古河あやめ
知らず知らずのうちに浮かべている、
古河あやめ
笑顔。
エンパープル
細く、冷たく、優しげな指先が頬を包んで、
エンパープル
エンパープルは、その牙で自分のくちびるに傷をつけ。
エンパープル
あやめに口づける。
エンパープル
あやめの口腔に、冷たい血が流れ込む。
古河あやめ
歓喜に震えながら、飲み込んだ。
エンパープル
モンスターの血肉を身体に取り込むことが、どういうことか。
エンパープル
狩人なら誰でも知っている。
古河あやめ
そう、狩人なら誰でも知っている。
古河あやめ
なのに、その胸に宿るのは、期待。
エンパープル
血はとめどなく、あやめの求めるだけ与えられて。
古河あやめ
この日をずっと待ち続けていた……。
エンパープル
冷たい血が、喉の奥から、胸から、腹の底から、氷のように温度を奪っていく。
古河あやめ
寒い。
古河あやめ
「う、ぁ……」
GM
あやめから、何かが失われていく。
古河あやめ
足から力が抜けて、その場に蹲る。
GM
そして、新たに、何かが身体の内側に生まれ出る。
古河あやめ
地面よりもなによりも、自分の肌が冷たく感じられる。
エンパープル
蹲ったあやめの前に膝をついて、
エンパープル
「どう? 美味しかった?」
古河あやめ
「あ……あぁっ……!」
古河あやめ
自分の表皮を内側のなにかが破る感覚。
古河あやめ
靴やスキニー、パーカーを突き破って、黒くてらてらと光る棘がいくつも生える。
古河あやめ
骨が軋み、枝分かれする苦痛に、喘ぐ。
古河あやめ
腰から。背中から、腕から。
古河あやめ
増える六本の、蜘蛛の足。
古河あやめ
口から涎をだらだらと垂らしながら、叫ぶ。
古河あやめ
「あぁああああっ……!」
エンパープル
それをただ、優しげな表情で見下ろしている。
エンパープル
「新しい自分はどうかしら、あやめちゃん」
古河あやめ
動かしたこともないものを動かす感覚。いくつもの足が、ずるずると床を滑る。
古河あやめ
「……これで、これで……わたし、」
古河あやめ
「みんなを、守れる。救える……」
古河あやめ
「あ、はは……うれしい、な……」
エンパープル
ぱちぱちぱち、と拍手する。
エンパープル
祝福の拍手。
エンパープル
「おめでとう、あやめちゃん」
GM
薄紫の世界が淡く溶けていく。
GM
閉め出されていたミキの眼の前に、
GM
あやめの姿が露わになる。
神崎ミキ
「あや――ッ!?」
神崎ミキ
その姿に驚愕する。
神崎ミキ
「吸血鬼! あやめに何をしたッ!」
古河あやめ
「…………?」
古河あやめ
微笑む。
エンパープル
「わたくしは、あやめちゃんが欲しいものをちょっぴりお裾分けしてさしあげただけよ」
古河あやめ
「わたしも……これで、ミキちゃんと同じ」
古河あやめ
「この力で……みんなを、守れる……」
神崎ミキ
結界に対して、まったく手も足も出なかった。これが魔女の魔法。
神崎ミキ
「あやめ……」
古河あやめ
ミキに、蜘蛛の足を伸ばす。
神崎ミキ
魔女の誘惑を打ち払うことは難しい。
神崎ミキ
接触者。
神崎ミキ
その姿は接触者のそれだ。
神崎ミキ
モンスターの血肉を喰らい、その異形の力を己のものにした姿。
神崎ミキ
それは一つの手段だ。モンスターの狩人として、特別めずらしいものではない。
神崎ミキ
が――。
神崎ミキ
「……すまない。僕が無力なばかりに」
古河あやめ
「どうして、謝るの……?」
神崎ミキ
護られるべき何かが傷つき、それは永遠に失われた。
古河あやめ
「わたし……みんなに、しあわせになってほしくて……」
古河あやめ
蜘蛛の足が力なく垂れる。
古河あやめ
「みんなを、守りたくて……」
古河あやめ
「どうして……」
神崎ミキ
「すまない……」
GM
いつの間にか、エンパープルの姿はない。
神崎ミキ
あやめはもう戻れない。
神崎ミキ
人間から離れれば離れるほどに、日常は遠ざかる。
神崎ミキ
普通はなく、平穏はなく。
神崎ミキ
ただ血塗られた道しかない。
神崎ミキ
僕と同じ、呪われた道だ。
神崎ミキ
その異形の姿を抱きしめる。
古河あやめ
硬く鋭い棘が、神崎ミキの体を傷つける。
神崎ミキ
構わない。
神崎ミキ
それは茨の冠だ。
古河あやめ
「ミキ、ちゃん……?」
神崎ミキ
「すまない」
古河あやめ
「謝らないで……」
古河あやめ
「そうか……」
古河あやめ
「わたし、また……」
古河あやめ
蜘蛛の足が、ミキに縋る。
古河あやめ
「……また、負けてしまったんだ……」
神崎ミキ
「いいや」
神崎ミキ
「これは、僕の……」
神崎ミキ
合理的判断。
神崎ミキ
結界に対して、強引に干渉することは……おそらく出来た。
神崎ミキ
それをすればリソースを失われる。
神崎ミキ
それをすれば、今後の戦闘に回すべき力が失われる……。
神崎ミキ
「僕の責任です」
古河あやめ
「そんな、こと……」
古河あやめ
蜘蛛の足が縋り、ミキの体により深く棘が食い込む。
古河あやめ
「つかさちゃんに、無事に帰ってくるって、約束したのに……」
古河あやめ
「こんな、怖くて……気持ち悪い、体になっちゃった……」
古河あやめ
「どうしよう……」
神崎ミキ
「……接触者であれば、コントロールできます」
神崎ミキ
「いまは難しくても、慣れれば」
神崎ミキ
「必要であれば、僕の知り合いの接触者を紹介します」
神崎ミキ
「だから、大丈夫ですよ」
古河あやめ
「ごめんなさい」
神崎ミキ
最後の一つは、ただの気休めだ。
古河あやめ
「……痛いよね」
古河あやめ
「でも……」
古河あやめ
「もう少し、このままでいいかな……」
古河あやめ
目を閉じると、浮かぶ、大切なものの姿。
古河あやめ
失った、家族の顔。
古河あやめ
家族がもしこれを目にしたら……
古河あやめ
きっと、わたしのことを、わたしだってわからない。
古河あやめ
化け物だって、言って、逃げ出すかもしれないな、と思った。
神崎ミキ
「うん」
神崎ミキ
「かまいませんよ」
神崎ミキ
痛みも、怪物も、僕は怖くなどない。
GM
狩人は失う。失い続ける。失い続けながら、戦うしかない。
GM
得たものがあっても、それは、何かを失うことと引き換えでしか。
GM
貴方は今、ひとつ。人ならざるの力を得て……
GM
人としての何かを失った。
GM
エンパープルは追加行動をひとつ獲得。
古河あやめ
エンパープルの関係深度1、属性は『魔女』で
GM
*メインフェイズ 第1サイクル エンパープル追加行動
GM
あやめを落ち着かせながら、表通りを離れる。
GM
裏路地に並んだエアコンの室外機が、低い唸りを上げて運転し続けている傍ら。
古河あやめ
「ごめんね……迷惑かけちゃった」
古河あやめ
「もう、大丈夫……だいぶ、しまえたし……?」まだ二本ほど出ている。
神崎ミキ
「ちょっと出てますね……」
古河あやめ
「ああっ……」
古河あやめ
どうにか押し込む。
神崎ミキ
人目を避け、暗がりに逃れる。それが人ならざるものの生き方。
神崎ミキ
何かを隠し、人であるフリをして、紛れる。
古河あやめ
「狩人になれば……なにか、変わると思って……頑張り続けていたけど……」
古河あやめ
「またやられてしまうなんて、恥ずかしいです……」
神崎ミキ
「……僕たちは」
神崎ミキ
「失うばかりだ、きっと」
古河あやめ
顔を上げる。
神崎ミキ
「大切なものを護るために戦い、そして死んでいくしかないんです」
神崎ミキ
「あるいは、どこかで気が狂い、己を失うか……」
神崎ミキ
「狩人として生きるというのは、きっとそういうことなんでしょう」
古河あやめ
「……そう、なんでしょうね」
古河あやめ
「でも……」
古河あやめ
「わたしが失ったとき……あなたが、いてくれて、よかった……」
古河あやめ
手に遠慮がちに触れる。
神崎ミキ
受け入れる。
古河あやめ
「あのとき、わたしは……失った、はずなのに……」
古河あやめ
「なんだか、手に入れたような、気持ちにもなりました……」
古河あやめ
「……あなたが抱きしめてくれて、よかったです……」
神崎ミキ
「それは……よかったです」
神崎ミキ
その言葉を、言葉通りに受け止めることは出来ない。
神崎ミキ
僕は勝利を確実なものにするために、
神崎ミキ
あなたを見放した。
古河あやめ
「だいじょうぶです」
古河あやめ
「ミキちゃんは、狩人として、間違っていません……」
GM
狩人のすべきこと。
GM
間違ってはいない。正しくはない。
GM
しかしこの狂気に満ちた夜の世界で、正しいこととはなんだろう。
GM
何を守るべきなのか、
古河あやめ
ゆるく手を繋ぐ。
GM
何を望むべきなのか、
古河あやめ
すぐにほどけるような力で。
GM
何を断ち切るべきなのか。
GM
狩りだけでは生きていけない。
GM
けれど、そうでないものは失われ続けていく……。
エンパープル
パイプの這う壁の間から、柔らかな微笑みが現れる。
神崎ミキ
躊躇せず、影より鎖を射出する。
神崎ミキ
「吸血鬼ッ!」
古河あやめ
「!!」
古河あやめ
杭でその微笑めがけて刺しに行く。
エンパープル
「やだ。狩人さんたちって本当に気が短いわ」
古河あやめ
「もうこんなことはやめなさい!」
エンパープル
「こんなこと?」
エンパープル
「こんなことって……あやめちゃんに新しい力をあげたことかしら」
エンパープル
「新しい自分の感想はいかが?」
古河あやめ
ぞわぞわと、体から蜘蛛の手足が伸び……
古河あやめ
エンパープルを切り裂こうとする。
古河あやめ
「こんな……もの!」
エンパープル
「あら。わたくしの差し上げるものはお気に召さなかったかしら……」
エンパープル
「じゃあ、そうねえ」
エンパープル
「今度は、別の叶え方をしてみましょうね」
神崎ミキ
「来る……!」
エンパープル
あやめが伸ばした蜘蛛の手足に、自ら触れて。
エンパープル
そうすれば、切り裂けたと同時に血が滴り落ちる。先ほどと同じように。
エンパープル
薄紫が満ちる。
古河あやめ
「だめ……っ!」
エンパープル
今度は、外に残されるのはあやめのほうだ。
古河あやめ
「……!? ミキちゃん!? ミキちゃん!!」
古河あやめ
あやめは知っている。狩人の正しさを。
古河あやめ
「……なんで……!」
古河あやめ
新しい力でも、誰も救えない。
エンパープル
「さて……」
エンパープル
薄紫の中にミキを隔離して、優しげに微笑む。
エンパープル
「貴方は、お願い事をするのは初めて?」
神崎ミキ
「……」
神崎ミキ
「僕に願いなどない」
神崎ミキ
「あるとすれば、お前たちモンスターの全滅だ」
エンパープル
「怖い顔。そんなふうに睨んだって、わたくしたちが消えて失せるわけじゃないのよ」
神崎ミキ
「それが、ヴァンデルガルデに生まれた狩人の本願だ」
エンパープル
「あるものは消えて失せない。あったことは、なかったことにならない……」
神崎ミキ
わかっている。
神崎ミキ
いわば俎上の鯉。いまは魔女の術中にある。
エンパープル
「あやめちゃんのことも、なかったことにはならないけれど……」
エンパープル
「ミキちゃんは、あやめちゃんのこと、可哀想にって思ったかしら?」
神崎ミキ
「当然だろう」
神崎ミキ
「あの子はまだ知らない」
神崎ミキ
「人間の世界、モンスターの世界」
神崎ミキ
「そのどちらにもなりきれない狭間にあることを」
神崎ミキ
「己の価値の証明を、戦いのなかでしか果たせない世界を」
神崎ミキ
「あの子はこれから知ることになる」
エンパープル
「貴方はもう知っていることをね」
エンパープル
「貴方が知らないままではいられなかったことを……」
エンパープル
「知ってもらったら、嬉しくないかしら?」
神崎ミキ
「馬鹿な」
神崎ミキ
「僕は狩人だ」
神崎ミキ
「窓から漏れる温かい光に背を向けて、夜の中、戦いに暮れる覚悟がある」
神崎ミキ
「そんなもの……不要だ」
エンパープル
「覚悟」
エンパープル
「背を向けるのに覚悟がいるのね」
エンパープル
「それはね、不要、って言わないのよ」
エンパープル
「だから、そこから引き剥がされたあやめちゃんが可哀想なんでしょう?」
神崎ミキ
血の色をした赤い目が妖しく光る。
神崎ミキ
血戒を発動し、鎖を魔女に撃ち込む。
神崎ミキ
「黙れ」
エンパープル
それを受け止める。血が弾ける。そして、
エンパープル
血が、鎖を伝い落ちる。
エンパープル
ミキの手元まで。
エンパープル
冷たい鉄の匂い。
エンパープル
「これと同じ血が、貴方の中にも流れている」
神崎ミキ
吸血鬼の血。
神崎ミキ
鎖は二人を結びつける。束縛し合う。
神崎ミキ
どちらかが引き裂けるまで。
エンパープル
「貴方が窓の光に背を向けなければいけないのなら」
エンパープル
「その光の中に」
神崎ミキ
ヴァンデルガルデ家は地下深くに、吸血鬼の女を飼う。
エンパープル
「そのあたたかさの中に」
エンパープル
「入る資格が欲しくはなあい?」
神崎ミキ
そうして半吸血鬼の狩人を作る。
神崎ミキ
「資格など……」
神崎ミキ
脳裏によぎるのは、あやめのことだ。
神崎ミキ
あやめは、まだ人の姿をしていたあやめは、狩人でありながら、そこに平穏を宿していた。
神崎ミキ
家族を失いながらも、幸福と呼びうる友人を持っていた。
神崎ミキ
この血は、この鎖は。
神崎ミキ
束縛されていたのは、僕の方なのか。
エンパープル
「まずは……」
神崎ミキ
引き裂かれていたのは、僕の方なのか?
エンパープル
「貴方の中にある、その血の楔を、」
エンパープル
「抜いてみたら、いいんじゃないかしら?」
神崎ミキ
「そんなこと、できるわけが――」
エンパープル
サバト使用。神崎ミキの背徳「平穏への憧れ」を破壊します。
古河あやめ
*妨害しません……
GM
では、神崎ミキの「平穏への憧れ」は破壊されます。
GM
伴って、耐久力が1減少。エンパープルへの関係深度を1獲得。
GM
さらに、エンパープルがもうひとつ追加行動を獲得。

[ エンパープル ] 血量 : 9 → 3

神崎ミキ
鎖は、外套の内側に作った影から、まっすぐ吸血鬼へと伸びている。
神崎ミキ
吸血鬼の血が滴る、この鎖。
神崎ミキ
それを手繰る。
神崎ミキ
それはまるで、腸を引きずり出すかのような、危険な手触りがある。
神崎ミキ
赤い滴りを帯びた鎖が、影の中から引きずり出ていく。
神崎ミキ
重たく、冷たい音を立てながら。
エンパープル
結ばれた鎖を辿るようにして、一歩、二歩。
エンパープル
近づいていく。
エンパープル
そしてミキのすぐ間近に、吸血鬼の冷たい体温が立つ。
エンパープル
ミキとエンパープルの足元に、小さな血溜まりが作られていく。
神崎ミキ
それは、どちらの血だろうか。
神崎ミキ
わからない。
エンパープル
冷たい血。
神崎ミキ
忌々しき血だ。
エンパープル
それを忌々しいと思えば思うほど、
エンパープル
自分の中に流れるその血を、
エンパープル
否定したくなる。
神崎ミキ
弛んだ鎖が、赤い血溜まりに折り重なり、とぐろを巻いていく。
エンパープル
貴方の影にも、エンパープルの血が落ちる。
エンパープル
靴底を浸す。
神崎ミキ
血を失う、失っているのに、不思議な温かさが残る。
神崎ミキ
気づく。
神崎ミキ
今の今まで、凍えていたのか。
神崎ミキ
この冷たい血に。
エンパープル
冷たいものが身の内から消えていく。
エンパープル
「貴方の血は、」
エンパープル
「今、温かいかしら……?」
神崎ミキ
引きずり出していた長い鎖は、端部に到達する。
神崎ミキ
あと一度引けば、それは抜き去られ、きっと。
神崎ミキ
永遠に戻ることはない。
エンパープル
くい、と、ごく軽く引っ張る。
エンパープル
それだけで、ずるりと。
神崎ミキ
そして鎖はミキの身体から離れ、一端の支えを失った鎖は、
神崎ミキ
積み重なった鎖と血だまりのなかに、
神崎ミキ
音を立てて落ちる。
GM
ばしゃん、と血溜まりが跳ねる。
神崎ミキ
「僕は……」
神崎ミキ
「僕は……」
神崎ミキ
青い目が、吸血鬼を見る。
エンパープル
「青い目も素敵ね、ミキちゃん」
神崎ミキ
続くべき言葉が見つからない。
神崎ミキ
問いかけも、罵倒も、何も。
神崎ミキ
よって立つものを失えば、発する言葉がわからない。
エンパープル
血の楔は抜き取られてしまった。
エンパープル
今はまだその傷口に残る異能も、
エンパープル
やがては尽きる。
GM
血溜まりがゆっくりと広がるとともに、
GM
薄紫が晴れていく。
GM
あやめのつま先にも、冷たい血が到達する。
古河あやめ
ひた、とスニーカーを染める血。
古河あやめ
「……ミキちゃん!!」
神崎ミキ
立ち尽くしている。
神崎ミキ
血だまりの中に立ち、鎖を手放し。
エンパープル
「大丈夫よ」
古河あやめ
「お前っ……!!」
エンパープル
「だって、普通の人は、そうやって生きているんだから」
古河あやめ
激情のまま、エンパープルに蜘蛛の糸を吐く。
神崎ミキ
血による定めもなく。
神崎ミキ
暴力的な衝動もない。
神崎ミキ
これまで積み上げてきたすべてが、僕のすべてが。
神崎ミキ
ただ地面に落ちている。
古河あやめ
「このっ……!」
古河あやめ
「エンパープル! わたしはお前を、許さない……!」

[ 神崎ミキ ] 耐久力 : 7 → 6

[ 神崎ミキ ] 部位ダメージ : 0 → 1

神崎ミキ
魔女への属性「茫漠」
GM
*メインフェイズ 第1サイクル エンパープル追加行動2
エンパープル
では、まず。
『下男』倉骨リョウ
フォロワーの『下男』倉骨リョウの、上位吸血コウモリの特殊能力を使用。
エンパープル
1d6 【血量】回復量 (1D6) > 5

[ エンパープル ] 血量 : 3 → 8

エンパープル
「あやめちゃんが、わたしを許さないとして……」
エンパープル
「わたくしを倒して、殺して……それで元に戻るものはなんにもない」
エンパープル
「それは、もうどうしようもないこと」
神崎ミキ
立ったまま、吸血鬼の話を聞いている。
古河あやめ
「元に戻るものが、なくても……!」
神崎ミキ
あやめちゃんが、対峙している。
古河あやめ
「これ以上、あなたに奪われてたまるものか!」
古河あやめ
ミキを守るように前に立ち、精一杯虚勢を張る。
エンパープル
「そうね、わたくしは奪っていったわ」
エンパープル
「ミキちゃんが縛られていた、血の楔をね」
神崎ミキ
守られている。
エンパープル
「だから、ミキちゃんはもう縛られなくてもいいのよ」
エンパープル
「やめてもいいの」
神崎ミキ
違和感がある。本来、そうするのは僕の側ではなかったか。
古河あやめ
「勝手なことを言うな……!」
神崎ミキ
僕は、半吸血鬼で……ヴァンデルガルデ家の狩人だ。
古河あやめ
「エンパープル! わたしたちの思いは、願いは、お前が無遠慮につかんで、ぐちゃぐちゃにしていいものじゃない!」
神崎ミキ
――ヴァンデルガルデ家とは、吸血鬼の胸に打つ杭であり、その穢れた血を焼く炎です。
神崎ミキ
――血には血を。私のこの、半吸血鬼の血は、
神崎ミキ
――吸血鬼を縛り付け、戒めるための鎖
神崎ミキ
そうだ……。
古河あやめ
蜘蛛の足の毛の一本一本が、荒々しく逆立つ。
神崎ミキ
武器だ。
神崎ミキ
血の中に落ちている、冷たい鎖を手に取る。
神崎ミキ
半吸血鬼でなくなっても、僕は、ヴァンデルガルデ家の狩人だ。
エンパープル
……本当に、そうありたい?
エンパープル
心の底に、染み透る声が。
エンパープル
ミキに尋ねる。
エンパープル
サバト使用。神崎ミキの幸福「半吸血鬼の血」を破壊します。
神崎ミキ
「僕は狩人だ」
神崎ミキ
「それが、僕のすべてだ」
エンパープル
「あら」
神崎ミキ
友といえる者もなく、愛するものもなく、吸血鬼を殺すために生まれた、一揃えの武装。
エンパープル
「それを一番最初に決めたのは、だあれ?」
エンパープル
「ミキちゃんが、生まれて、そして、何かを考えられるようになるよりも前に」
神崎ミキ
長く続く、ヴァンデルガルデの血統。
エンパープル
「それは、決まっていたこと……」
神崎ミキ
連綿と続く、戦いの歴史。
神崎ミキ
赤い血の滴る鎖、その一つでしかない。
神崎ミキ
あとにも先にも、きっとそれは戦い続ける。
古河あやめ
「ミキちゃん、魔女に耳を貸しちゃだめ……!」
エンパープル
「普通に生きたいとどこかで思ったとき、それでも、何も手放せなかったでしょう?」
エンパープル
「でも」
エンパープル
「手を離して」
エンパープル
「目を瞑って」
神崎ミキ
――吸血鬼の言葉に耳を貸すな。繰り返し言われ続けてきた言葉。
エンパープル
「貴方が普通の人間であれば、そうすることができるのじゃないかしら」
神崎ミキ
けれども、わかる。その言葉は誘惑であると共に、また一つの真実でもあることを。
エンパープル
「だって、今」
エンパープル
「わたくしが奪ってしまったもの!」
神崎ミキ
その言葉に従う。
古河あやめ
「奪うなら……わたしから奪いなさい!」
神崎ミキ
拾い上げた鎖が、再び音を立てて地面に落ち、
古河あやめ
「これ以上はやめて……!」
神崎ミキ
目を瞑れば、そこには何にもない暗闇だけがある。
神崎ミキ
急激に眠気が這い上がってくる。
神崎ミキ
もう、何もしなくても、いいんじゃないか。
神崎ミキ
脱力するように、その場に座り込む。
古河あやめ
「ミキちゃん……!?」
GM
まだそこにある血溜まりが水音を立てて。
GM
かすかに波打つ赤。
GM
微笑む女の眼前で、そこに溶けていくものがある。
GM
神崎ミキの幸福「半吸血鬼の血」の強度が1減少。耐久力が1減少。
GM
エンパープルへの関係深度が1上昇。

[ エンパープル ] 血量 : 8 → 2

[ 神崎ミキ ] 耐久力 : 6 → 5

[ 神崎ミキ ] 部位ダメージ : 1 → 2

[ 神崎ミキ ] 部位ダメージ : 2 → 1

エンパープル
「あやめちゃん」
エンパープル
「貴方は、ミキちゃんをどこまで守ってあげられるかしらね」
エンパープル
ふふふ、と笑って。
エンパープル
消えていく。
神崎ミキ
ミキは座り込んだままだ。
古河あやめ
消えゆく姿を睨みつける。
古河あやめ
「……ミキちゃん! 大丈夫……?」
神崎ミキ
そしてあやめは気づくだろう。
神崎ミキ
穏やかに寝息を立てている。
古河あやめ
血だまりの中に同じようにしゃがんで、背に触れ……気付いた。
古河あやめ
「ミキちゃん……」
古河あやめ
少し戸惑ったあとに、鎖を拾いあげ……
古河あやめ
リュックサックにしまって、ミキを背負う。
古河あやめ
ひとまずは……さんくちゅありに戻ろう。
GM
なくなってしまったものは取り返せない。
GM
得てしまったものは、手放せない。
GM
ひとつを取りこぼし、ひとつを拾い上げ、手のひらの中のものを握りしめて、
GM
その棘に傷つきながら。
GM
戦い続けるしかない。
GM
GM
では、第2サイクルに移行します。
GM
それぞれ手番順の1d6をどうぞ。
古河あやめ
1d6 (1D6) > 6
エンパープル
1d6 (1D6) > 5
神崎ミキ
1d6 (1D6) > 6
GM
6:神崎ミキ、古河あやめ
5:エンパープル
古河あやめ
*前哨戦、対象は『下男』倉骨リョウ
GM
*メインフェイズ 第2サイクル 古河あやめ
GM
では、まず使用特技。
GM
AST ランダム全特技表(4) > 胴部(6) > 測る
神崎ミキ
援護します。

[ 神崎ミキ ] テンション : 5 → 8

古河あやめ
2D6+3>=6 (判定:受ける) (2D6+3>=6) > 3[1,2]+3 > 6 > 成功
GM
成功です。
古河あやめ
ST シーン表(11) > ざわめく木立。踊る影。
古河あやめ
さんくちゅありの自室にミキを寝かせ、一人歩く。
古河あやめ
日の陰りゆく午後、木々の間に異様な気配。
古河あやめ
しゅっ、と糸を吐き出す。
『下男』倉骨リョウ
使用人の服を纏った男が、その糸に巻き取られる。
『下男』倉骨リョウ
先ほど蜘蛛と化した女と同じように、奇妙な振動が音を成す。
『下男』倉骨リョウ
「あ……」
古河あやめ
「エンパープル。それがあなたの、主人の名前ですね」
『下男』倉骨リョウ
「エン、パープル……さま」
古河あやめ
男の首に蜘蛛の足を這わせる。
古河あやめ
「……あなたの存在を、わたしは許せない」
古河あやめ
「死んで、ください」
古河あやめ
締め上げて、そのままへし折る。
『下男』倉骨リョウ
すると、この男もまた、ざららっ! とそのかたちを崩し。
『下男』倉骨リョウ
今度はコウモリの群れとなる。
エンパープル
排除の直前に、上位吸血コウモリの特殊能力を使用。
エンパープル
1d6 【血量】上昇 (1D6) > 3

[ エンパープル ] 血量 : 2 → 5

『下男』倉骨リョウ
使用人の服だけを残して、ばたばたと飛び去っていく。
古河あやめ
「…………。」
古河あやめ
しゅるる、と蜘蛛の足が体に収納されていく。
古河あやめ
「ミキちゃん……大丈夫かな……」
GM
*メインフェイズ 第2サイクル 神崎ミキ
神崎ミキ
一方その頃、さんくちゅあり。
神崎ミキ
あやめが残していったミキの武装である鎖が、机からずり落ちる。
神崎ミキ
その騒音に、目を覚ます。
神崎ミキ
上体を起こし、見知らぬ部屋をぼーっと見渡す。
高萩つかさ
「あ、気がついた?」
神崎ミキ
「ここは……?」
高萩つかさ
「さんくちゅありの施設だよ。あやめちゃんがあなたを連れてきたの」
神崎ミキ
「さんくちゅあり……」
神崎ミキ
「あなたが……つかさちゃんですか?」
高萩つかさ
「ん? うん、はじめまして」
古河あやめ
布団の敷かれた、狭い畳の部屋。低い机の上に、本や筆記用具が几帳面に整頓されている。この部屋を、あやめはつかさと共用している。
高萩つかさ
「高萩つかさです。ここは、あたしとあやめちゃんの部屋」
神崎ミキ
生活感のある、人間らしい部屋だと思った。
神崎ミキ
「僕は……神崎ミキです。ヴァンデルガルデ家の狩人」
神崎ミキ
「お恥ずかしいことですが……吸血鬼の甘言に、身を委ねてしまった」
神崎ミキ
「その結果、この様です……」
高萩つかさ
ミキの言葉に、つかさは表情をやや引き締める。
高萩つかさ
「聞いてるよ。……今回の相手、魔女が吸血鬼に『成った』やつだって」
高萩つかさ
「だからって、こんなこと言ったって、気休めにしかならないけど……」
高萩つかさ
「あたしたちは、仲間だよ。みんな、おんなじように傷ついてる……」
神崎ミキ
「……どうもありがとうございます」
神崎ミキ
「吸血鬼……いや、魔女という方が、この場合は正しいんでしょうね」
神崎ミキ
「あれによって与えられた眠りは、今までになく……」
神崎ミキ
「……深く、安らかに眠ることができてしまった」
高萩つかさ
「……そっか」
高萩つかさ
「悔しいね」
神崎ミキ
「……はい」
神崎ミキ
「でも、あんまりこうしていられませんね」
神崎ミキ
「今でもあやめちゃんは戦っている……」
神崎ミキ
「彼女だけをひとりで戦わせるわけにはいかない」
神崎ミキ
「そう思う意地くらいは、まだ残されています」
神崎ミキ
寝て、すこしスッキリした。
神崎ミキ
混乱が収まり、さきほどよりは、自分の状況を理解している。
神崎ミキ
鎖を手に取る。
神崎ミキ
「すみません、少し、工具とかありますか?」
高萩つかさ
「工具? ……工具箱ならあるよ。ふつうのだけど」
神崎ミキ
「大丈夫です」
高萩つかさ
「オッケー。じゃ、持ってくるから、ちょっと待ってて」
高萩つかさ
立ち上がったつかさは、わずかに足を引きずっている。
高萩つかさ
とはいえ、さほども経たずに工具箱を手に戻ってきた。
高萩つかさ
「これね。好きに使って」
神崎ミキ
「どうもありがとうございます」
神崎ミキ
工具のうち、ウォーターポンププライヤーを取り、
神崎ミキ
鎖の一つをこじ開ける。
神崎ミキ
もとの鎖では、長すぎる。
神崎ミキ
人の身に使えうる形というと、これくらいか。
神崎ミキ
こじ開けた鎖の一つをポケットにしまい込んで、
神崎ミキ
分けた鎖をマントの中に隠し、夜へ。
高萩つかさ
いってらっしゃい、と見送る。
高萩つかさ
あやめちゃんのこと、よろしくね。
神崎ミキ
「お世話になりました。あなたのぶんも、頑張ります」
高萩つかさ
「うん。気をつけてね」
神崎ミキ
ST シーン表(11) > ざわめく木立。踊る影。
GM
ざわめく木立。踊る影……
GM
そこで、あやめがエンパープルの下男を倒した後。
エンパープル
「まあ、ひどい。わたくしの使用人だったのに」
古河あやめ
「……趣味が悪い、です」
古河あやめ
「なぜおまえは、そんなに、吸血鬼に拘るんですか……?」
古河あやめ
蜘蛛の足を体から伸ばし、人の手で杭を持ち直す。
エンパープル
「そうね……憧れに理由をつけるのは、ちょっぴり難しいけれど……」
エンパープル
「わたくし、人間が好きなの」
エンパープル
「あたたかくて、柔らかくて、みんな頑張って生きていて……」
古河あやめ
ろくな返答は返ってこないと、わかっていた。
古河あやめ
それでも……
古河あやめ
狂っている。
エンパープル
「だから、そのあたたかさと柔らかさを、魔女のわたくしよりも、もっと近くで」
エンパープル
「くちづけするみたいに感じたくて」
エンパープル
「だから、その首筋に噛みつくのって、とっても素敵! って思ったの」
古河あやめ
「……好きって感情を、あなたに語られたくは、ないですね」
古河あやめ
「好きって気持ちは、もっと……だれかを、幸せに、笑顔にするものだと思う……」
古河あやめ
「あなたのそれは、誰も救わない」
古河あやめ
「エンパープル。あなたを、わたしは許さない」
古河あやめ
杭の尖った先を、エンパープルに向ける。
古河あやめ
殺意を込めて、構えている。
神崎ミキ
*前哨戦 血を削るぞ
GM
では、ランダム特技ですね。
GM
AST ランダム全特技表(4) > 胴部(7) > 心臓
古河あやめ
*援護します!

[ 古河あやめ ] テンション : 7 → 10

GM
あやめは激情をひとつ獲得。
神崎ミキ
2D6+3>=6 (判定:逸らす) (2D6+3>=6) > 5[2,3]+3 > 8 > 成功
GM
成功です。
GM
では、エンパープルの血量が-6。0未満にはならないので、全部ですね。

[ エンパープル ] 血量 : 5 → 0

神崎ミキ
では、エンパープルがあやめと対峙している、その背後から。
神崎ミキ
「不意打ちは、吸血鬼だけのものじゃない」
神崎ミキ
後ろから、エンパープルの首に鎖を掛け、締め上げる。
エンパープル
「きゃっ……」
神崎ミキ
そして懐からナイフを取り出し、その心臓を一突きする。
古河あやめ
「ミキちゃん……!」
神崎ミキ
「おまたせしました、あやめちゃん」
エンパープル
突き入れられた刃に、ばっ、と血が弾ける。今度は、エンパープルの意思とは関係なく。
神崎ミキ
瞬間を、吸血鬼の血の獣性に身を任せるのではなく。もっと複雑な殺意で。
古河あやめ
「信じていました。ミキちゃんなら……」
古河あやめ
「きっと、また立ち上がってくれるって……!」
神崎ミキ
頷く。
エンパープル
二人のやり取りに、くちびるを尖らせて。
エンパープル
「頑固ねえ……」
エンパープル
首元の鎖を細指が掴んで、ぐっと引く。
エンパープル
女の腕に見えて、それはしかし、吸血鬼の腕。化け物の腕。
エンパープル
強い力で隙間を作り、広げ、その戒めから抜け出す。
神崎ミキ
勝手が違う。いままでのようにはまだ、うまくは動けない。
神崎ミキ
すぐさま距離をとり、エンパープルに対峙する。
GM
*メインフェイズ 第2サイクル エンパープル
エンパープル
刃の痕から、冷たい血が流れている。
エンパープル
しかしそれだけでは、吸血鬼は死に至らない。
エンパープル
「……せっかく、自由にしてあげようと思ったのに」
エンパープル
「それが嫌なの?」
神崎ミキ
「……わからない」
古河あやめ
「ミキちゃんの決意を、無粋な言葉に変えないで……」
神崎ミキ
「ただ、あやめちゃんをひとりで戦わせるわけにはいかない」
神崎ミキ
「僕は……ヴァンデルガルデ家の狩人だ」
エンパープル
「せっかく、半吸血鬼じゃなくなったのに……」
エンパープル
ふう、と息をつき。
古河あやめ
ミキの方を見て、頷く。
エンパープル
「じゃあ……狩人だけど、もう人間のミキちゃん」
エンパープル
「人間が吸血鬼にとってなんなのか、貴方は知ってるはず!」
エンパープル
*神崎ミキを襲撃。血量を狙います。また、常駐アビリティ「吸血」の効果を使用。
エンパープル
吸血(悪鬼):襲撃に成功したとき、目標の【血量】をすべて減少させ、自分の【血量】を減少させたのと同じ値増加させる。
古河あやめ
*妨害します!
GM
妨害の基本コストは6、関係深度ぶん減少して、コストは3です。
GM
使用特技はランダムです。

[ 古河あやめ ] テンション : 10 → 13

GM
AST ランダム全特技表(2) > 頭部(6) > 考える
GM
防御力が補正に付きます。
神崎ミキ
*援護します

[ 神崎ミキ ] テンション : 8 → 11

GM
神崎ミキは激情をひとつ獲得。
古河あやめ
2D6+3+1>=7 (判定:見る) (2D6+3+1>=7) > 7[1,6]+3+1 > 11 > 成功
GM
では、妨害成功。
エンパープル
滑るようにミキの背後に回る。
エンパープル
そして、そのまま抱きしめようとする。
古河あやめ
「させない!」
神崎ミキ
「!」
古河あやめ
エンパープルの体に蜘蛛の糸が張り付き、ミキとエンパープルを引きはがす。
エンパープル
「あん」
神崎ミキ
「どうもありがとう、……あやめちゃん」
神崎ミキ
その人ならざる力に、歯噛みする思いを抱きつつ。
古河あやめ
蜘蛛の足でエンパープルを思い切り蹴って、木に叩きつけた。
古河あやめ
「ミキちゃん……怪我はない?」
古河あやめ
ミキに、まだ残されている人の手を差し出す。
神崎ミキ
その手を取る。
神崎ミキ
「大丈夫です。油断していました」
神崎ミキ
明らかに、反応速度が落ちている。
古河あやめ
「……助けに来てくれて、嬉しかった」
古河あやめ
「……足りないぶんは、わたしが補います。」
神崎ミキ
「あのとき……」
神崎ミキ
「あやめちゃんが、あの吸血鬼に怒っていたから……」
神崎ミキ
「僕のことでそんなに感情的になってくれるなんて、僕には初めてで」
神崎ミキ
「それを手放したくはないと思ったんです」
古河あやめ
「だって、いやだった……」
古河あやめ
「あなたが傷つくことも、なにもできないわたし自身も、魔女……エンパープルも」
古河あやめ
「わたし、……何度だって、あなたのために、あいつを怒ります。わたしは……エンパープルが、許せない」
古河あやめ
杭を構え直す。
エンパープル
木にぶつかって一度跳ねた身体は、しかしそのまま、何事もなかったように立っている。
古河あやめ
「自由にしただとか……笑わせてくれる」
古河あやめ
「あなたの言葉は、ぜんぶ、浅いわ」
エンパープル
「あらあら……」
エンパープル
「……まあ、いいわ。まだ、夜は来たばかり」
エンパープル
「また後ほど。かわいい狩人さんたち」
GM
そうして姿を消す。
古河あやめ
「はぁっ……」
古河あやめ
「あいつに、一撃、与えられましたね……!」
神崎ミキ
「やってやりました」
古河あやめ
「すごいです、ミキちゃん」
神崎ミキ
「これでもう自由に魔法は使えないですよ」
神崎ミキ
「このまま追い詰めて殺しましょう!」
古河あやめ
「はいっ!」
GM
木々の樹冠の上に、月が昇りつつある。
GM
吸血鬼狩りの夜が来る。
GM
GM
第2サイクルが終了しました。
GM
第3ラウンドの手番順を決定します。各自1d6を振ってください。
古河あやめ
1d6 (1D6) > 2
エンパープル
1d6 (1D6) > 4
神崎ミキ
1d6 (1D6) > 5
GM
5:神崎ミキ
4:エンパープル
2:古河あやめ
GM
*メインフェイズ 第3サイクル 神崎ミキ
神崎ミキ
*狩猟で支配力『傲慢の魔女』を破壊していきます
神崎ミキ
ST シーン表(7) > 明るく浮かぶ月の下。暴力の気配が満ちていく。
神崎ミキ
ST シーン表(3) > 血まみれの惨劇の跡。いったい誰がこんなことを?
GM
表通りからは少しばかり外れた、住宅街の中。
GM
名前も知らない、普通の家々の窓が光っている。
GM
どこかの換気扇から漂う、夕食のにおい。
GM
不意に聞こえた、子どもの高い笑い声。
GM
きゃはは、と笑う楽しげな声が、しかし不自然に途切れる。
GM
そして今度は、火のついたような泣き声に変わる。
GM
貴方がたがそちらに顔を向けると、鼻先に血が臭った。
神崎ミキ
吸血鬼の血を失っても、血の匂いに対する敏感さは残った。
神崎ミキ
「あやめちゃん!」
神崎ミキ
呼びかけて、走る。
古河あやめ
「うん……!」
GM
小さな一軒家。掃き出し窓のカーテンの僅かな隙間に、
GM
血飛沫の痕。
神崎ミキ
塀を飛び越え、その一軒家に飛び込む。
古河あやめ
いつもよりずっと濃厚に漂う血の匂い。
GM
飛び込んだ先、窓のすぐそばには男が倒れていて。
エンパープル
もう一人、女が、まさに今、エンパープルの牙に掛かっている。
神崎ミキ
――この世界はどこまでも理不尽だ。
神崎ミキ
平穏と残酷を隔てるものはない。夜に隠されていて、たまたま、それはやってくる。
神崎ミキ
わかっている。僕が人間になって、狩人をやめたとして、
神崎ミキ
この世界にはモンスターが常にいる。
古河あやめ
わたしがこの力を手に入れたのは、何のためだった?
古河あやめ
……みんなを守るため。
古河あやめ
それなのに、新しい犠牲者を出してしまった。
神崎ミキ
すべてを救うことはできない、だが……。
エンパープル
女を抱きしめるようにしていた腕が、ぱっ、と放される。
神崎ミキ
救えるものは救う!
エンパープル
人間の体が放り出される、重い音がする。
神崎ミキ
「なんのつもりだ、エンパープル!」
古河あやめ
子供を探す。
古河あやめ
まだ生きていると信じて……!
エンパープル
「あら。わたくしはただ、お食事をしているだけよ」
エンパープル
「さっき、ミキちゃんがわたくしに血を流させたから」
エンパープル
輸血パックを2個使用。

[ エンパープル ] 血量 : 0 → 4

神崎ミキ
「吸血鬼の真似事を……」
神崎ミキ
エンパープルが、魔女の力を持つ吸血鬼なのは真実だ。
神崎ミキ
今できることは……。
古河あやめ
*援護します
GM
リンクは自信。攻撃力が補正に付きます。
神崎ミキ
考える必要などない。
神崎ミキ
ただただ、相手を再殺するのみ。
神崎ミキ
2D6+3+1>=6 (判定:考えない) (2D6+3+1>=6) > 8[3,5]+3+1 > 12 > 成功
GM
成功です。
神崎ミキ
周囲の子どもや、被害者に気取られることなく、
神崎ミキ
楔を用いての純粋な暴力を向ける。
GM
それが僅かに、エンパープルの核心にも届く。
GM
エンパープルの支配力『傲慢の魔女』の強度が1減少します。伴って、耐久力も1減少。

[ 傲慢の魔女 ] 強度 : 3 → 2

[ エンパープル ] 耐久力 : 13 → 12

古河あやめ
見つけた子供を抱きしめ、目を覆う。
エンパープル
盾になるものは、今は何もない。
エンパープル
ただ、何かに届いた手応えがある。狩人が、狩りの折にしか感じることのない奇妙な手応えが。
神崎ミキ
獲った。
エンパープル
「……!」
エンパープル
エンパープルが、初めて眉を寄せる。
エンパープル
「……まったく、ひどいんだから」
神崎ミキ
「それは結構だ。それが僕の仕事だ」
エンパープル
「そう……」
エンパープル
「……そうね」
神崎ミキ
吸血鬼になったのにサバトだけ残すほうがひどいぞ。
エンパープル
だって、それは、わたくしに嬉しい力なんだもの。
エンパープル
「人にも、魔女にも、吸血鬼にも……それぞれに在り方があるものね」
エンパープル
「だったらわたくし、これから吸血鬼のお仕事をしに行こうかしら」
エンパープル
吸血鬼の在り方。
エンパープル
それは、人の幸福を踏みにじる。
古河あやめ
「……何を……!?」
神崎ミキ
「させるか……!」
エンパープル
「ふふふっ。……さ、大事なものはなーあに?」
神崎ミキ
鎖でエンパープルを絡め取ろうと、鎖を操作する。
エンパープル
「貴方も、守りに行かなきゃね」
エンパープル
今度は、鎖も届かない。
神崎ミキ
「!」
エンパープル
するりと消えてしまう。死体と子どもを残して。
古河あやめ
「……っ」動こうとして……息を荒く吐く。
古河あやめ
あまりに濃厚な血の匂いに、覚えたことのない高揚を覚える。
神崎ミキ
「あやめちゃん! 気をしっかり保て!」
神崎ミキ
鋭く頬を叩く。
古河あやめ
「……っ……!」
古河あやめ
「ごめんなさい、わたし、今……っ」
神崎ミキ
「子どもを避難させてください」
神崎ミキ
「僕は魔女を追う!」
古河あやめ
頷く。
古河あやめ
「……わかりました!」
GM
再び家を飛び出せば、冷たい夜の匂いがする。
GM
*メインフェイズ 第3サイクル エンパープル
GM
「お疲れさま」
GM
「うん。また明日ね」
GM
夜が更けてきて、カフェはすでに閉店の時間。
高萩つかさ
「はい、お疲れさま! ……みんな、気をつけて帰ってね」
高萩つかさ
今日は満月。夜の底で狩人たちが戦う夜。
高萩つかさ
今は療養中のつかさは、店舗の戸締まりをして、部屋へ帰る。
GM
布団の敷かれた、狭い畳の部屋。
GM
本や筆記用具が几帳面に整頓されている、低い机……
GM
そこに、見知らぬ女が腰掛けている。
エンパープル
その装いは、まるで魔女のもの。
エンパープル
しかし、口元をルージュのように彩る黒ずんだ血。
高萩つかさ
「っ!」
高萩つかさ
つかさは狩人として、ばっと身構える。
高萩つかさ
サポーターをした足が、急な動きに軋んだ。
エンパープル
「こんばんは、狩人さん」
エンパープル
「今夜は、狩りには出ていないのね」
高萩つかさ
ポケットに忍ばせている武装は、一人きりで戦えるほどのものではない。
高萩つかさ
じり、と足を踏みしめる。
古河あやめ
ドアを勢いよく開く音。
古河あやめ
「つかさちゃん!」
高萩つかさ
「あっ……やめ、ちゃん……!」
エンパープル
「あら、お早いお着きね」
古河あやめ
「つかさちゃんに何をするつもりだっ……!」
古河あやめ
ためらえなかった。
古河あやめ
おぞましい蜘蛛の手足が、エンパープルを切り裂こうとする。
エンパープル
「うふふふっ!」
エンパープル
それを掻い潜り、人の身体の部分を突き飛ばす。
古河あやめ
「きゃあっ!」
エンパープル
あやめの身体が、扉の向こう、廊下の壁まで跳ね跳んだ。
高萩つかさ
「あやめちゃん!!」
高萩つかさ
それが、何に対する悲鳴なのか
高萩つかさ
よくわからなかった。
高萩つかさ
あやめが、真正面から攻撃を受けたからなのか。
あやめの身体から生じた、蜘蛛の足を見たからなのか。
高萩つかさ
息を呑んで、それでも駆け寄ろうとした手が、冷たい指に強く引き止められる。
エンパープル
「貴方はこっち」
エンパープル
「あやめちゃんに、そのお顔をよく見せてあげてね」
古河あやめ
「や……め、ろ……」しゅうしゅうと、爬虫類のような唸り声を喉に絡ませながら、つぶやく。
エンパープル
*古河あやめの幸福「高萩つかさ」を破壊します。
神崎ミキ
*妨害します
GM
では、指定特技を出します。
GM
AST ランダム全特技表(4) > 胴部(6) > 測る
古河あやめ
*援護します

[ 古河あやめ ] テンション : 13 → 19

GM
さきほどの妨害のぶんをまとめて上昇ですね。

[ 神崎ミキ ] テンション : 11 → 13

神崎ミキ
2D6+1+3>=7 (判定:逸らす) (2D6+1+3>=7) > 6[2,4]+1+3 > 10 > 成功
GM
妨害成功。
GM
あやめの、ミキへの関係深度が1上昇。
神崎ミキ
古河あやめよりも先に出た神崎ミキが先にその現場にいなかったのは、ひとえに、機を伺っていたからだ。
神崎ミキ
そのギリギリの瞬間まで、待って、待って――
神崎ミキ
周囲に張り巡らせた鎖の罠を作動させる!
神崎ミキ
つかさに触れようとしたその瞬間、銀で作られた鎖が、四方よりエンパープルに絡みつく。
エンパープル
「っ……!」
GM
*メインフェイズ 第3サイクル 古河あやめ
古河あやめ
*支配力『傲慢の魔女』を狩猟します
神崎ミキ
*援護します
GM
リンクは自信です。
神崎ミキ
ロール的にもしてます。

[ 神崎ミキ ] テンション : 13 → 16

古河あやめ
2D6+4>=7 (判定:伝える) (2D6+4>=7) > 8[3,5]+4 > 12 > 成功
GM
成功です。
GM
支配力「傲慢の魔女」の強度が1減少。耐久力が1減少。

[ 傲慢の魔女 ] 強度 : 2 → 1

[ エンパープル ] 耐久力 : 12 → 11

古河あやめ
ミキちゃんが作ってくれたチャンスを、逃すわけにいかない。
古河あやめ
自分の、なおも脆弱な人の腕に抱えた杭を、
古河あやめ
まっすぐにエンパープルに突き立てる!
エンパープル
それはエンパープルの肉体とともに、肉ではない何かを傷つける。
古河あやめ
「……よしっ!!」
エンパープル
「……んもう!」
エンパープル
己に突き立った杭を掴む。
エンパープル
あやめの手から、それをもぎ取ろうとする。
古河あやめ
そのまま力を込めて……
古河あやめ
窓ガラスを突き破り、吸血鬼ごと落ちる。
神崎ミキ
それに追従する。
GM
つかさを置き去りに、貴方がたは夜の底へ。
GM
月に照らされて、流血の戦場へ。
エンパープル
空中では、人間の腕は、吸血鬼に敵わない。
エンパープル
無理やり引き抜く。
古河あやめ
「っ……!」
神崎ミキ
鎖は解け、むしろあやめを手繰り寄せ、エンパープルから距離をとる。
古河あやめ
その目が闇夜に、爛々と光る……。
古河あやめ
*興奮剤を1渡します
神崎ミキ
わーい
エンパープル
二人が取ったその距離に、エンパープルが目を細め。
エンパープル
ゆっくりと、誘うように遠ざかる。
エンパープル
追えば、追いつく。そのように。
神崎ミキ
時は満ちた。
神崎ミキ
吸血鬼に誘われるまま、満月の夜を駆ける。
GM
やがて貴方がたは、初めてエンパープルと遭遇した緑化公園へ。
古河あやめ
気付く。夜目が効くようになっていることを……。
古河あやめ
思う。あの時のつかさの悲鳴の、その意味を。
古河あやめ
「……エンパープル」
エンパープル
ゆったりと立っている。
エンパープル
「なあに、あやめちゃん」
古河あやめ
「どうしてお前たちは……魔女は、吸血鬼は。こんなふうに、人を傷つけることしかできないの?」
神崎ミキ
ただそのやり取りを見守っている。
エンパープル
「さあ……」 くす、と笑い。
エンパープル
「そんなこと、わたくしはわからないけれど。わたくしはあやめちゃんに、こう聞きかえすわね」
エンパープル
「貴方がたって、どうして、そんなにどうしようもなく傷つきやすいのかしら?」
エンパープル
「わたくしたちが、ちょっぴり、何かを引っ掻いただけで」
エンパープル
「壊れてしまうほど、脆くて儚いのはどうして?」
古河あやめ
「そんなの……決まってる」
古河あやめ
「わたしたちには、あなたたちよりずっと、守りたい、ゆずれないものがたくさんあるの」
古河あやめ
「あなたたちにとっては、弱くて、もろい生き物が、あわれに足掻いているようにしか見えなくても……」
古河あやめ
「わたしたちは、それでも、あなたたちに立ち向かう。守りたいものがあるわたしたちは……あなたたちより、ずっと強い……!」
古河あやめ
杭を構えるあやめの背に、影のように異形の足が伸びる。
神崎ミキ
「そして、その脆く儚いものたちが」
神崎ミキ
「お前を殺す」
神崎ミキ
「貫き、引き裂き、お前を灰へと還す」
神崎ミキ
「そして僕たちが、再び登る太陽を見るだろう!」
GM
今はまだ月の架かる空に、やがて朝日が登るとき。
GM
そこにあるものを守るために、狩人は戦う。
GM
月光の白を、血で染めながら。