GM
夜が明けて 昼が過ぎ 夕暮れが落ちる
私たちの日々が重なってゆく
けれど七つめの扉の奥に真夜中がやってきて
私たちに罅が入る
GM
健やかなるときも、病めるときも
喜びのときも、悲しみのときも
富めるときも、貧しきときも
この命のある限り、裏切らないと誓ったのではなかったの?
GM
ああ!
時ゆき日の過ぎるばかりに
ひとのこころは!
GM
ここは、『青髭公』と呼ばれる救世主が治める小さな古城です。
GM
あなたがたは『青髭公』の伴侶として、この城でともに暮らしています。
GM
『青髭公』はあなたがたのことを、まるで太陽のように愛しています。
それなしに生きてはゆかれぬのです。
GM
彼はあなたがたとの運命を、朝に、昼に、夕に見出したのですから。
GM
この堕落の国で生きてゆくのはたいへんに難しいことですが、あなたがたは四人力を合わせて、いくつもの裁判を切り抜けてきました。
GM
七つ扉の城は、あなたがたの小さな安寧を守る場所。
GM
今日も無事新たな日を迎え、あなたがたは目覚めます。
そして、みなで変わらぬ挨拶を交わします。
『青髭公』
「ナナコはまた眠そうだね。よく眠れたかい」
ナナコ
「うん、だいじょうぶ……で~す」ぴ、とわざとらしく背筋を伸ばす。
坂口プラハ
身支度を済ませ、手には真白く洗われたクロスを掛けている。
フレンデル
ホログラムによって形どられた服は乱れることもなく、触れることもできない。
礼をすれば自然にスカートは揺れ、わずかに腕の皮膚にノイズが入る。
『青髭公』
「みな今日も何事もないようで良いことだ」
GM
ここは堕落の国。大したものは用意できませんが、四人の食卓は温かいものです。
フレンデル
「はい……!プラハさん、僕も手伝いますよ。」
坂口プラハ
「どうもありがとうございます。それでは私はお茶を用意いたしますので。料理の方を」
『青髭公』
「ナナコ、こぼさないように気をつけるんだよ」
ナナコ
おみそしるが飲みたいよ~とぼやきながら薄味のスープを注いでいる……
『青髭公』
立ち働く三人を見ている、愛おしげな視線。
ナナコ
「プラハちゃんもフレンくんも終わったら座りな~」
坂口プラハ
一通りの給仕を終え、その通りに着席します。
フレンデル
旦那様の椅子を引いて、それからちょっと笑いかけて。
自分の席へと歩いていく。
『青髭公』
いただきます、と言うのは、ナナコがもたらした習慣だった。
ナナコ
堕落の国に落ちてきて、戸惑いと焦燥のなかにあって、
それでもお腹はすくし、いただきますを言うのはやめられなかった。
坂口プラハ
坂口プラハもまたその習慣についてはインプットされている。2040年であっても、そうした習慣というのは当然のように残っている。
坂口プラハ
実際にそのように振る舞ったのはこの世界に来て初めてだったが。
GM
薄いスープに、固いパン。けれど今日は亡者鳩の卵があって、食卓はいつもより少しだけ華やいでいます。
フレンデル
ここに来てから、少々顎が強くなったように思える。
初めは故郷の食事を恋しく思ったものの、薄味で硬かったりざらついたりする食事はとても新鮮で、それは今でも変わらない。
坂口プラハ
一方で、あるいはこの世界に相応しい19世紀イギリスのテーブルマナーはわからない。オフラインで、データベースへのアクセスは一度も成功していない。
坂口プラハ
亡者鳩の卵を美味しくいただくレシピは、そもそもデータベースにはないだろうが。
GM
マナーはごちゃごちゃしてますね。ナナコはお箸が欲しいと言ったことがあったりするんじゃないでしょうか。
坂口プラハ
「お口に合えばよろしいのですが……フィードバックは随時いただきたいです」
坂口プラハ
それぞれの好みの硬さに合わせて焼いた目玉焼きですね。
フレンデル
パンを手に取ると、僅かに指先がかけたように見える。
それはゲーム画面のグラフィックが重なる場所のように。
ナナコ
「うん?おいしいよお、味見しなくても大丈夫になってきたね!」
ナナコ
「あたし、味見係しなくなったらいよいよお台所仕事なくなっちゃうな~」
『青髭公』
「料理のこともずいぶん覚えて、プラハには苦労を掛けるけれど……困ったことはないかい」
フレンデル
スプーンで黄身を割るととろりとした黄色が出て、それをパンに乗せて食べる。
坂口プラハ
「お気遣いありがとうございます。困ったことは……そうですね、塩の貯蔵が少々」
『青髭公』
「塩か。……そうだね、そろそろ、手に入れてからしばらく経つからね」
『青髭公』
「お前たちは?」 ナナコとフレンデルにも視線を振り向ける。
坂口プラハ
坂口プラハは給仕の仕事を進んで行っている。一方で、他の妻の手助けを甘んじて受け入れている。度々心配されているとおり、片腕では行えない仕事が多数あるからだ。
フレンデル
少しだけ、手を止めて左手を見て。
もうすぐ誕生日が来る、そうとは言わずに。
ナナコ
「あたしもだいじょうぶ。……青髭は?今日はおでかけ?」
『青髭公』
「そうだね。……今のうちに、塩を買いに行くかな」
GM
東の街なら、いつもどおり『青髭公』一人で行けるでしょう。
GM
それに、先週あたりに一戦やったので、全員ほどほど余裕がある時期ですね。
フレンデル
「じゃあ、僕はお帰りになるまで近くを見まわってきます。見渡せる限り、遠くまで。」
『青髭公』
「今日はナナコもプラハを手伝っておやり」
『青髭公』
「お前たちとは、みなで今度出かけよう。少し遠出をしてもいいね」
ナナコ
「はーい。……ざんねん。ふられちゃった」言いながら、食べてしまったものの片付けに入る。
フレンデル
「……あ。嬉しいです。ありがとうございます。」
フレンデル
あわてて取り繕うも、にこにこしている。
『青髭公』
「塩の他にも、何か手に入れられるといいんだがね。……たまには、少しはね、お前たちにも楽しみがあってもいいだろうから」
坂口プラハ
「それではお土産を期待していましょう」
GM
娯楽に乏しい国ですからね。外も結構危ないし。
GM
でもまあ……四人で六ペンス80枚あったら、人喰い三月とかは余裕でしょう、たぶん。
坂口プラハ
「けれどもきっと、私はこうして共にお時間を過ごせることが何よりの幸せで楽しみですよ」
ナナコ
「楽しみか~」顎に指を当てて考え込む。娯楽の飽和した国からやってきた身としては、この奇妙なおままごとのような暮らしそのものが、けっこう楽しかったりする。
ナナコ
「そうそう、青髭が無事に帰ってきてくれて、皆で晩御飯食べられるのがいちばん!」
フレンデル
どこに行くのかなとか考えながらもぐもぐしている。
『青髭公』
「お土産だね。わかった、何か探してこよう」
GM
東の街は、七つ扉の城から半日くらいですかね。大概の場合、『青髭公』は昼過ぎに出て翌午前くらいに帰ってきます。
GM
あなたがたの見送りを受けて、『青髭公』は昼頃に城を出ていきました。
GM
残ったあなたがたは、それぞれに、掃除をしたり、見回りをしたり……
GM
『青髭公』がいなくても、城の中は常の平穏を保っています。
GM
城の扉が重い音で開いたのを、あなたがたは聞きました。
坂口プラハ
統計上、ご主人様が戻ってくる確率が一番高い時間ですね。
『青髭公』
中身は、まず塩。干した肉の、そこそこ大きな塊。あとは、チーズやらの加工食品が少々。
坂口プラハ
完璧なバランスの片足立ちになり、脚にカバンを乗せてカバンの中を改めます。
坂口プラハ
「これだけあれば、色々な料理が作れますね」
坂口プラハ
「すみません、つい癖で」少しはしたないですね
坂口プラハ
「塩もこれだけあればしばらくは大丈夫ですね。どうもありがとうございます。美味しいサンドイッチをごちそうできますよ」たしかちょうど良いバスケットも、この前の救世主が持っていた。
ナナコ
「楽しみだね~」鞄を持ってみなで中をあらためながら、にこにこと笑う。
『青髭公』
「……土産に喜んでもらったところで、もうひとつ、喜んでもらいたいことがあるのだが」
『青髭公』
「おいで、ユディット」 開いたままの扉の外に、声を掛ける。
『真夜中の妻』
「…………」 無言のまま、入ってくる女が一人。
GM
白い肌、細い手足。どことなく頼りなげな立ち姿。
『青髭公』
「彼女はユディット。私の『真夜中』だよ」
坂口プラハ
目を瞬かせる。それからにっこりと笑顔を作る。
坂口プラハ
どのような容姿ですか? 服装とか、汚れ方とか、体型とか、振る舞いとか、視線のやり場とか、青髭公との距離感とか。
坂口プラハ
「こんにちは、ユディットさん。私は『夜明け』のプラハです」
GM
ユディットは長い金の髪に、白いブラウスと長いスカート。どことなく汚れて荒んだようななりをしていますが、細い身体は儚げです。
視線はちらちらとあなたがたを見ていますが、『青髭公』の影にぴったりと寄り添って離れる様子がありませんね。
『真夜中の妻』
「…………」 黙ったまま、瞬きだけがひとつ。
フレンデル
「初めまして。僕は旦那様の『夕暮れ』、フレンデル・シュトルゲー。これからよろしくお願いしますね。」
坂口プラハ
「どうもお疲れのご様子。すぐに部屋をご用意いたしましょう」
GM
あなたがたが順繰りに名乗り、語りかけるほど、ユディットはますます『青髭公』の影に隠れていきます。
坂口プラハ
「お望みであれば、お湯を沸かしましょう。あるいはお茶を――」
『真夜中の妻』
「……三人もいらっしゃるなんて、聞いてません」
ナナコ
「えーっ、言わずに連れてきちゃったの~~~?!」
ナナコ
「そういえばあたしの時もプラハちゃんがいるって言わなかった気がする!」もーっ、と頬を膨らませている。
フレンデル
「大丈夫だよ。旦那様は、お優しい方だから。」
『真夜中の妻』
「……あなた、どうして笑っていらっしゃれるのか、わたし、わかりません」
『真夜中の妻』
「だってわたし、……公がいらっしゃればそれだけでいいのに……」 言外に滲むものがあります。
坂口プラハ
「簡単なことですよ。ご主人様が『喜んでもらいたいこと』と仰ったのですから」
坂口プラハ
「私はあなたとお会いできて、喜んでいるのですよ」
『真夜中の妻』
「……公が喜べと仰ったら、喜ぶの?」
『真夜中の妻』
「……わたしをただ紹介なさっただけだったら、どうなのかしら」
坂口プラハ
「随分とご興味をもっていただいて、光栄です」
坂口プラハ
「何も私は、そう、心のない機械のように、感情を切り替えているわけではありませんよ」
坂口プラハ
「ただ、喜んで欲しいと言われたならば、そこになにがしかの喜びを私なりに見いだそうとするだけのこと」
フレンデル
「プラハさんもナナコさんも、いい人ですから。あまり……心配しないでください。そうですよね、旦那様。」
『青髭公』
「ああ。……あまり刺々しくするものではないよ」
フレンデル
「それに、プラハさんってとっても料理が上手なんですよ。いろいろ教えてくれますし……えっと……。」
『真夜中の妻』
「…………」 答えずに、プラハを見ている。フレンデルのことは見もしませんね。
ナナコ
「……ユディットちゃんも青髭も疲れてる!でしょ!とりあえず中に入って休んだ方が良いよ、ねっ」割って入るように。
フレンデル
やっぱりちょっと困ったように旦那様を見る。
『真夜中の妻』
「公はお一人しかいらっしゃいませんのに」 『青髭公』の言葉はスルーする。
『真夜中の妻』
「愛しているなら、……わたし、たった一人になりたいと思います。それがたとえ、今でなくたって」
『真夜中の妻』
「あなたがたは、……そうではなくて?」
坂口プラハ
「私とお友達になっていただいたら、お話しいたしますよ」
ナナコ
「あ~~~……ざ、ざんねん……。とりあえずその、立ち話もなんだし。……ね……」青髭の袖を引っ張る。彼が動いてくれないことには。
『青髭公』
「……ユディットは私たちと同じ『救世主』だが、六ペンスコインを失っていてね。さしあたり、私たちで守ってやることになるんだが……」 困った顔。
フレンデル
「僕は旦那様の思いが変わらぬ限り。かの愛が等しく降り注ぐ限り……その気持ちを大事にしたいんです。」
『真夜中の妻』
「…………」 ツンとした表情ですね。なんというか、まあ、それに対してあんまりいい感情はない。
フレンデル
「だから、それはあなたも同じことですよ。ユディットさん。」
『真夜中の妻』
「……同じじゃ嫌だって、申し上げたつもりなのだけど」 ますます『青髭公』に寄り添ってみせる。
ナナコ
「コインを?……そっか。でもほら、急に環境が変わるわけだし……すぐ馴染めって言っても、ね。とりあえずひとりで……落ち着ける場所があったほうがいいんじゃない?」
フレンデル
「旦那様がそうおっしゃるのでしたら、僕は彼女の為にもこの腕を振るいましょう。」
『青髭公』
「……そうだね。……少し、ユディットには時間が必要だろうね」
『真夜中の妻』
「いりません」 ナナコをひやっとした目で睨める。
坂口プラハ
ふー、とため息をつく。もちろんそれは、選択された行動だ。
ナナコ
「……青髭と一緒の部屋でもいいからさ。とにかく玄関に立ちっぱなしじゃ……」
坂口プラハ
「お部屋をご用意しないほうがいいというのでしたら、そのようにいたしましょう」
坂口プラハ
「私のことはただの給仕とでも思っていただければ。ユディットさん」
『真夜中の妻』
「……そうやって譲ってしまえるのに、」
『真夜中の妻』
「公のこと、ほんとうに愛してるって、そう言えるかしら」
坂口プラハ
「それでは、私はお昼ご飯を用意させていただきます」
GM
まあかなり平行線ですね。ユディットにはなんというか、馴染もうという気がまるでないようです。
『青髭公』
困った顔でユディットとプラハを交互に見やります。
フレンデル
「困ったことがあれば、聞いてくださいね。」
『青髭公』
「……少し、時間を掛けようね。仲良くしなさい」
GM
ということで、なんとかかんとか、五人になった生活が始まります。
GM
ただ、いつまで経ってもユディットは馴染まないですね。馴染もうともしない。
GM
『青髭公』に頼りきりで、まあ……馴染むどころか、あなたがたのことを日に日に敵視しているようですらあります。
GM
『青髭公』も強くは言わないですね。むしろ、なんだか、ユディットを庇っています。
坂口プラハ
プラハも何も変わりませんね。普通にいつも通りをやります。
フレンデル
邪魔などされない限りいつも通りですが、ちらちら気にしてはちょっとしょんぼりしている。
ナナコ
なんとか気に入られようとあの手この手を尽くしてはみましたが、全部空ぶりでした。
GM
そしてやはり、あなたがたが今まで持っていた「平等に愛されていた」という感覚は徐々に擦り切れていきます。
GM
『青髭公』に尋ねても、そんなことはないと言いますけれど。実際には、ユディットが特別に見えてしまう。
坂口プラハ
坂口プラハは、それでも尚、同じように振る舞っている。
坂口プラハ
部屋で二人きりでご飯を食べたいと言うのならば、そのようにしただろう。
坂口プラハ
青髭公のベッドを変わらずに整えただろう。
坂口プラハ
ユディットから問いかけがあれば、『私とお友達になっていただいたら』と繰り返す。
GM
ユディットは明らかに、あなたがたから『青髭公』を奪おうとしています。『青髭公』自身、それを強くは拒まない。
GM
それは……あなたがたにとっては、どうでしょうね。『青髭公』は、まだ平等にあなたがたを愛してると思えるでしょうか。
坂口プラハ
思うことはある。しかし、まだそれを表に詳らかにはしない。
坂口プラハ
心を持つ人と心を持つ機械。そこに差があるとするならば、機械は心に鍵を掛けることができる――その表情や仕草すべては、選択されたことなのだから。
坂口プラハ
だから一つあるとするならば、そうした平穏を装うこと。
ナナコ
根気強くお茶に誘い、食事に誘い、おしゃべりに誘い、時には外に誘ったりもしたが、結果はいずれも惨敗だ。
ナナコ
どころか、感じる溝はますます深まり、距離は離れ。彼女がどこから来たかすらいまだ定かではない。
ナナコ
その間に青髭と言葉を交わす機会も、彼に触れる時間も、同じ時を過ごすことすら減って。減って。減っていく。
ナナコ
笑っていればいいこともあるものだ。幸いプラハはいつも通りだし。
ナナコ
一方で、少なくともナナコの目にはフレンは参っているようにも思えた。
青髭やユディットの態度それ自体というよりも、それらによって生じる空気のためだろうか。
ナナコ
ナナコはここ最近、いつもよりも饒舌だし、活発に動き回っている。
ナナコ
そうしていればいつかは何かが戻ってくるというような顔で。
ナナコ
それが、八尾奈々子の唯一知っているやり方だ。
フレンデル
フレンデルは青髭公の前では普段と変わらぬ様子ではあったが、外に出て遠くを見ることが多くなった。
フレンデル
日々の生活の中で、部屋にいる時間も増えていった。
フレンデル
意識によって保たれているホログラムは時折乱れ、ノイズが混じるようになった。
フレンデル
そうして右手のホログラムの下に隠された噛み傷も、時折増えていく。
フレンデル
それでも名前を呼ばれたならば、笑顔で答えるだろう。
GM
しかし『青髭公』はある日の夜、食卓についたユディットとあなたがたを見渡して、こう言いました。
GM
「助け合っていく仲なのだから、ユディットを受け入れてあげなさい」と。
GM
……あなたがたの努力を無にしているのは、明らかにユディットであるにも拘らず。
GM
あなたがたは……『青髭公』の平等な愛が、もはや「平等」ではなくなったという気持ちを、拭えなくなります。
GM
――それは、今まで一緒に暮らしてきたあなたがたに対する裏切りなのでは?
坂口プラハ
そのときちょうどプラハは、焼いた肉を切り分けていたところだった。
ナナコ
「……みんな、がんばってるよ」唇の端がぶるぶる震えるのは、隠せていただろうか。
『青髭公』
「ナナコ。けれど私たちはユディットを守ってやらなければならないんだよ」
フレンデル
「…………すみません。お力になれなくて。」
『真夜中の妻』
とても、ともに裁判を切り抜けていけるとは思えない細い指。
『真夜中の妻』
あなたがたを見る目は、最初と何も変わらず、ひやりと冷たい。
坂口プラハ
「私からご主人様に、はっきり申し上げなくてはいけませんね」
坂口プラハ
骨に引っかかったナイフに、プラハは力を入れる。
坂口プラハ
だん、と大きな音を立てて、それは断ち切れる。
GM
その音に、『青髭公』がほんのかすかに眉を寄せる。
坂口プラハ
失礼しました。片手で切り分けるのは、機械の身でも難しいもので。
ナナコ
「プラハちゃん、……ナイフ折れちゃうよ」もしかしたら。
ナナコ
もう、隠さなかったとしても、気づいてはくれないのではないか。
GM
苛立ちと、不安と、猜疑と。場の空気が重く濁る。
GM
あなたがたの様子に、『青髭公』は小さく溜息をつきました。
『青髭公』
「ユディットは、少し、お前たちと暮らしを分けよう」
『青髭公』
「……七つめの扉をユディットに充てよう。お前たちは、入らないように」
坂口プラハ
「かしこまりました。私の"給仕"も不要でございますね?」
ナナコ
「えっ。じゃあ、青髭は」ただでさえ、最近は顔を見る時間が減ったというのに?
GM
そして『青髭公』は食事の後、ユディットを連れて食堂を出ていきます。
GM
ということで、ここでレギュレーションの説明をします。
GM
今回のお茶会は2ラウンド。お茶会MOD『PK追加行動』を適用します。
GM
PKからの横槍はなし。代わりにPKが計5回動きます。
GM
で、一応再掲しますが、このシナリオは特殊型。
GM
行動順は基本的にみなさんで相談して決めていただいて大丈夫ですが、相談の後も希望がカブっていた場合は1d6を振って、目の高い方が手番を行います。
GM
一人の手番が終了した後、再度希望を出してください。すでに希望を出してダイスで負けていた場合でも、その後に最後の手番を望んで構いません。
GM
反対に、誰も手番を行いたくない場合は、やはり1d6を振って出目の低いほうから手番を開始することとします。
GM
それから、このシナリオには『クエスト』が存在します。
GM
クエストは、お茶会で手番の行動を決めるとき、同時に選択できます。
GM
クエストを選択したシーンを描写する際は、クエストの内容を踏まえて演出を行ってください……ということになってますが、まあ……どうしていいかわかんないな!ってなったら追加シーンにしてもいいや。
GM
クエストをやるシーンでは、通常のお茶会と同様に判定を行います。そのときの達成値がクエストの目標値に達していれば、クエストも同時に成功です。
GM
つまり今回は、クエストを選択した手番、疵を抉る/舐めるなどの判定の際に9以上が出ていればクエスト成功です。
GM
能力値補正やティーセットの効果も普通に乗ります。
GM
とはいえ放置ペナルティはないので、特にやらずに放っておいても大丈夫。
GM
でも、『真夜中の妻』、傷つけたくないですか?
GM
第七の扉は通常入ることができません。さきほど掲示したクエストに挑戦するときだけ侵入できます。
GM
ということで、最初の手番を決めていきましょう。
坂口プラハ
一番はじめの行動をさせていただきます。
GM
シーン表振りますか?なんか……やりたい場所あったら普通にやってもいいです
フレンデル
*『ティーセット』を坂口プラハに譲渡します。
坂口プラハ
シーンにないですが、調理場でシーンを行いたいですね。
坂口プラハ
食事後、調理場で後片付けをするので、手伝ってもらいましょう。
坂口プラハ
「フレンデルさん、お手伝いいただいてもよろしいでしょうか」
GM
調理場はきれいに片付いています。多くはない食料が並んだ貯蔵庫が併設されていますね。
坂口プラハ
食器を下げ、洗う。棚に片付ける。ゴミをまとめて、焼却炉へ運ぶ。そのような雑事。
坂口プラハ
三人でのそうした作業は、もう慣れたものだ。そうして過ごした日常の分だけ、そのまま染みついている。
坂口プラハ
割れた食器を拾い集めながら、話しかける。
坂口プラハ
「さきほどの赤い目は、いかがされたのでしょうか」
坂口プラハ
小箱にかちゃり、かちゃりと、欠片が落とされる。
フレンデル
「……僕の住んでいた都市では教育プログラムの一環で、計測器が規定以上のストレス値を測定した場合、瞳に反応が出るようになっているんです。」
フレンデル
「……自分では見えないので、すみません。」
坂口プラハ
「いえ。お話しいただきありがとうございます。あなたの世界では、ストレスの定量化が出来ているのですね……」
フレンデル
視線は右手へと引き寄せられ、そして目を閉じて。
坂口プラハ
「私の目は、人間の目ではございませんので」
坂口プラハ
「こんなときに聞くことかは、わからないのですが」
坂口プラハ
「今聞かないといけなければと思ったので、重ねて尋ねさせていただきます」
坂口プラハ
「あなたにとって、それは、どのような意味をもつのでしょうか」
フレンデル
口を開くものの、少し話しにくそうにして。
坂口プラハ
「自傷と自殺。それを延長線上に見ていいのか、私にはわからない」
フレンデル
「ここに来る前からずっと、生きるって事と、死ぬっていうことの意味を考えてた。」
ナナコ
破片を掃くためのほうきを取りに行って。
戻ってきたはいいものの、始まっていた会話に割って入るのは躊躇われた。
ほうきを握りしめて、指のささくれを剥きながら耳をそばだてている。
フレンデル
「プラハさんの肉体は機械換装されているから、肉体の痛みって感じないと思うんだけど。」
フレンデル
「僕は痛みを感じる時、痛みを与える時……その瞬間に交わされる刺激で、生きていることを実感できる。そう、考えてしまって。」
フレンデル
「生産的でない事はわかっているんだ……でも、生産的なことは誰でもできるけど、この瞬間だけは……今、生きている僕にしかできないことだから。」
フレンデル
「生きるための、防衛反応だから……。」
坂口プラハ
「同じとは、言いがたいのですが、私のこの腕は、見ての通り破損したものです」
坂口プラハ
「接続と信号を失い、絶えず、今もアラートの信号が点灯しています。私のシステムの内側で」
坂口プラハ
「はじめからこの腕がなかったならば、そうではありません」
坂口プラハ
「腕を失ったから、それは点灯している」
坂口プラハ
それは小さくも鋭利な欠片で、触れるだけでチクリと肌を刺すだろう。
坂口プラハ
「あなたに痛みがあり続けることを願っています」
GM
心と、身体。傷と、破損。二人にあるものは、互いに似ていて、違うもの。
GM
違っていても、あなたがたは通じ会えたでしょうか。
坂口プラハ
クエスト! やります!! 自傷癖を! 舐めます!!
坂口プラハ
2d6+2+2>=7
DiceBot : (2D6+2+2>=7) > 2[1,1]+2+2 > 6 > 失敗
坂口プラハ
2d6+2+2>=7
DiceBot : (2D6+2+2>=7) > 7[2,5]+2+2 > 11 > 成功
フレンデル
受け取った破片は尖っていて、でもそれは拒絶ではなく。
まぎれもなく愛の形だった。
坂口プラハ
プラハはやつあたったお皿がうさぎちゃんの描かれたかわいいお皿だったのにあとで気付いてショックをうけます。
フレンデル
たとえそれが、あと数年のものであっても。
期限の来るそれまでは、痛みがよりそうだろう。
GM
小さく痛む愛の形。あなたがたを繋ぎ止めるもの。
GM
このままシーンを続けたければクエストの追加シーンは後に回しますが~
坂口プラハ
「ありがとうございます。細かいの、おねがいします」
坂口プラハ
「すみません、ちょっと強く投げすぎましたね」
ナナコ
「ものに当たるとよくないよ、人間に当たるのはもっとだめだけどさ~」
ナナコ
かなり恵まれている部類とはいえ、ここもやはり堕落の国だ。
坂口プラハ
「いえ、私としましては、人に当たる方が抵抗が少ないんですよ」
ナナコ
水だって決して潤沢ではないが、それでも清潔を保ち、生きるための環境をなんとかかんとか整えて、こうして平和にやってきた。
坂口プラハ
「だって、すごいんですよ、生物って。傷ついても、代謝によって治っちゃうんですから」
ナナコ
「言われてみれば。ものは壊れちゃったら勝手には直んないもんな……」
ナナコ
そうして視線が、プラハの右腕に自然と移った。
フレンデル
暫く破片を見つめていた。
ちくりと刺すような、しかし血が出るほどではない優しい痛み。
ナナコ
「プラハちゃんは~……アンドロイドって言ってたっけ」
坂口プラハ
「人工物100%で、生まれも育ちも研究室ですね」
ナナコ
「ひえーっ」大げさに声を上げる。以前も聞いた話だが。
坂口プラハ
よくやるプラハのアンドロイドジョークです。
ナナコ
「いやあ、あたしがいた世界じゃまだ……、アンドロイドってなんていうかまだまだ開発段階っていうか。マンガとかゲームならいっぱい見たんだけどさ。だから実際こうしておしゃべりまでできちゃうの、なんか不思議な気分だよ」
フレンデル
「え……プラハさんってアンドロイドだったんだ……」
ナナコ
「あれっ、聞いてなかった?……そっか、あのときまだフレンくんいなかったか」
ナナコ
「きかいかんそう」耳慣れない言葉だが、彼の口からは比較的よく聞く気もする。
ナナコ
そうやって――それなりにお互い、詳しいことは知らないままでやってきた。
坂口プラハ
「なにせ私は心がありますからね。すごいですね~技術」
ナナコ
それでもよかった。むしろありがたかった。知られたくないことのひとつやふたつ、誰にだって、何だってあるし。そういうことを知らずに仲良くやれるというのは心地のいいものだった。……いままでずっと。
ナナコ
「そう……そうだよね、心があるんだよね。プラハちゃんは」
ナナコ
「じゃなきゃ八つ当たりとかしないもんね~」
坂口プラハ
「世界初として売り出せますね、八つ当たりをする機械」
ナナコ
「その、心ってさ。プログラム的な……そういうやつ?」少し言葉に迷ったそぶりがあったが、ひっこめることはしなかった。
坂口プラハ
「たぶんそうですね。私にもよくわからないんですよ」
坂口プラハ
「心が出来たときから、中身をのぞけなくなったんです」
坂口プラハ
「中身をのぞけなくなったから、心が出来たのかも」
坂口プラハ
「前は、そうですね、自分が今何を考えて、何をしようとして、どう思っているのか、すべてわかったんです。何もかも」
坂口プラハ
「けど、よくわからなくなってから、あるってわかったんですよ」
ナナコ
「……哲学的だね」哲学のなんたるかがわかっていないものが言う言葉だ。
GM
そう。プラハは、心持つものであれと作られて、今ここにある。
GM
愛する。慈しむ。ときに苛立つ。もしかすれば、何かを憎むこともあるかもしれない。
GM
心とは、すべてを解きほぐすことはできないもの。
GM
だから――互いのことを理解しあえるかどうかも、わからない。
坂口プラハ
そういうデリケートな話なのにお友達でもないのにあの女愛とか何とか勝手に言ってくれて!
ナナコ
「でもさ、ぶっちゃけーープラハちゃんが青髭にばしっと言ってくれた時、あたしちょっと、ううん、かなり……嬉しかったよ」
坂口プラハ
「私は、いつもナナコさんに感謝してるんですよ」
坂口プラハ
「先に感情を見せてくれるから。何か言って、反応してくれるので」
ナナコ
*心の疵『届かないQ.E.D』を舐めます。
ナナコ
2D6+2>=7
DiceBot : (2D6+2>=7) > 5[2,3]+2 > 7 > 成功
坂口プラハ
「私は、家事手伝い用のロボットとして設計されて、プログラムされているので」
坂口プラハ
「心とそのプログラムが同居しているんです」
坂口プラハ
「だから、心で思っているのか、そう動くように作られているからか、わからなくなる」
坂口プラハ
「ナナコさんは、心の動きが、わかりやすいから……」
坂口プラハ
「なんか、そうだよね、そう思うよね、って、共感できるというか……そういうかんじです」
坂口プラハ
「私の開発者は、心を作ろうとして、私を作ったのですから」
ナナコ
「うん。……どんどんキレてこ!溜め込むの、よくないしね!」
GM
けれどあなたがたは、ここでともに過ごしてきて、心と心を、通わせてきた。
GM
そうと決められたものではなく、互いに触れ合い、変わりながら。
坂口プラハ
こちらはいつでもキレれるんだぞという気持ちでいます
GM
まあ次はPKですね。ただ、ほどよいお時間なので
GM
シーン表……振るか~。さきほどミスが発覚して、2d6振るのになぜか1があることに気づきました。
GM
1d12
DiceBot : (1D12) > 1
GM
食事の片付けが終わっても、けっして仕事がなくなったわけではありません。
GM
小さいとは言っても城ですから、日々手を入れていかなくてはなりませんから。
GM
普段は使われない部屋でも、掃除をしていくことになります。
GM
拷問部屋も……そうですね。今後使うことがあるかはわかりませんが。あなたがたがこの城で暮らし始めたときには、すでにあった部屋です。
GM
今日はナナコがこのあたりの区画の担当ですね。
GM
必ずしも一人でなくてもいいです。仲良くお掃除してもいいよ。
GM
壁には、もはや落ちることのないだろう血の跡。
ナナコ
ゲームとか……映画とかでみたことがあるようなないような。
GM
今は使われない道具たちは、いつかまた使われる日が来ることをじっと待っている。
フレンデル
「……別の部屋に改装とか、しないのかな。」
ナナコ
落ちない鉄錆はともかく、空気の入れ替えくらいは必要だろう。
ナナコ
「これとか、何に使うんだろうね?ろくなことじゃないか」
ナナコ
腕を組む。「…………うーん。流石にシャレにならんな……」
ナナコ
「ええっ、ヤダヤダ、怖いこと言わないでよ~」
フレンデル
「僕は、こういう物はちょっと……苦しみを生むものですし。」
『青髭公』
「……それにしたって、ずいぶん物騒なことも知っているようだね、フレンデル」
GM
ふいに声がして、『青髭公』が通りがかります。
フレンデル
「あ、旦那様。……はい。同じではないんですが、似たようなものが家の地下室にあって。」
『青髭公』
「……お前のおじいさまか」 うっすらと話は聞いている。うっすら。
フレンデル
「……はい。所持することは罪に問われることはありませんので。」
『青髭公』
「そうか。……まあ、使われることがなければ、歴史の上にあるものだからな」
ナナコ
どうにもすごい世界観のひとたちだな~と頬を掻いている。いちいち驚いているとキリがないし疲れるので、もうずいぶん慣れたけど。
ナナコ
「それより、どうしたの青髭。何か探し物?」
ナナコ
拷問室に探すようなものなどあってほしくないが。
『青髭公』
「いや。……最近はユディットにかかりきりだったから」
ナナコ
出た。最近三人のうちではめっきり出てくることの無かった名前
ナナコ
「なるほどね。ご機嫌取りだあ」声だけはふざけている。
ナナコ
「べつにい。イヤそうな顔してないですよ、ねえフレンくん」
『青髭公』
「……お前たち、ユディットのことは嫌いかい」
フレンデル
「いいえ。僕は……嫌われているのではないか、とは感じていますが。」
ナナコ
「……まあ、あたしたちが嫌われちゃうのは仕方ないと思うけどね。さぞびっくりしたんでしょう。あのかわいいオヒメサマは」
『青髭公』
「……私の『真夜中』は、弱い女なんだよ」 少し困ったように、けれど庇うように。
ナナコ
「あらそう。とってもそうは見えないけどね」
ナナコ
「……ああ、ほら、フレンくんが困っちゃった」
『青髭公』
「……彼女は守られることを必要としているんだ。この国では特に」 小さく溜息。
ナナコ
「まあ確かに、コミュニケーションだとか集団生活には、だいぶ難ありね」
『青髭公』
「愚かな子だよ。……だが、私はそれを、お前たちと同じように愛している」
ナナコ
わかっていて。わかっていてそう言うのか。このひとは。
ナナコ
「愚かな子だってわかってて、あなたそうやって甘やかしてるのね」
ナナコ
「びっくりした~。愚かだって気付いてないと思ってた~」
ナナコ
「……………………みんなあの子のこと好きになろうって頑張ってるよ」
『青髭公』
「……そうだね。……私も、それは知っているけれど」
『青髭公』
「私はね、ナナコ。できる限り、お前たちがそれぞれ望むような私でありたいと思っている」
『青髭公』
「けれど……ユディットが“たった一人”であることを望んだとき、私はそれに、本当には応えてやれない……少なくともそう思ってはいる」
『青髭公』
「……だから、できるかぎり、してやるしかないんだよ」
ナナコ
「はあ~~~ん。流石あたしたちの青髭。とっても愛が深いのね」
ナナコ
「……でも、それって、なんだかとっても――気にくわないわ」
ナナコ
「あの子があなたを一人占めしたいって思うのは勝手よ?あなたがそれに応えるのだって勝手。でも、あたしたちがそれを良く想わないのだって勝手」
『青髭公』
「……今回は、いつものように「仕方ない」とは言わないのだね」
ナナコ
「……残念ですけど、しかたないは売り切れです。再入荷をお待ちください」
ナナコ
だってもう、あたしだけ我慢すればいいってもんじゃないのだ。
『青髭公』
「……では、ナナコ。お前は今まで、何を諦めて、何を望んできたのかね。どう選んできたんだい」
『青髭公』
「お前の「仕方ない」は……人の死でさえ、隠すことを選んだのではないのか」
ナナコ
「それ、いま……関係ないでしょ。ある?あった?……ちょっと酷くない?」
ナナコ
「言ってるでしょ、”がんばってる”って。こっちだって必死に受け入れようとしてる!」
『青髭公』
「……それでも私は、今、この私も私のあり方だと思っている」
『青髭公』
「だから……お前や、お前たちが私を受け入れられないというのなら、……「仕方がない」のかもしれないが」
GM
『青髭公』は、あなたがたを変わらず愛していると言うけれど。
GM
あなたは今、もう、「しかたないなあ」と言えない。
『青髭公』
「……ナナコ」 その声は、なだめるようでも、どこか押し付けるようでもあり。
『青髭公』
*ナナコの心の疵「世話焼き(異常性)」を抉ります。
フレンデル
Choice[猟奇,才覚,愛]
DiceBot : (CHOICE[猟奇,才覚,愛]) > 愛
フレンデル
2d6+2
DiceBot : (2D6+2) > 6[1,5]+2 > 8
フレンデル
1d6
DiceBot : (1D6) > 6
フレンデル
「いつも、僕達の事を気遣ってくれています。だから……」
『青髭公』
「…………」 フレンデルを見やりつつ。
『青髭公』
2d6+2-6>=7
DiceBot : (2D6+2-6>=7) > 7[6,1]+2-6 > 3 > 失敗
ナナコ
「あっ。あ~~~っ、ごめんねフレンくん、喧嘩じゃないからね!」
『青髭公』
「……そうだね」 困ったような顔で、同意する。
『青髭公』
「喧嘩をするつもりは、ないんだ。……本当に」
ナナコ
「……わかってるよ」わかっているのだ。そんなことは。
ナナコ
「もういいでしょ。ありがとね、話に来てくれて」
『青髭公』
「ああ。……掃除の邪魔をしてしまったね」
GM
そう言い残して、『青髭公』はゆっくりと歩み去っていきました。
GM
あとにはあなたがたと、人を苦しめるための道具だけがあって。
坂口プラハ
その足音は坂口プラハの普段の足音ではない。
『真夜中の妻』
「……公?」 扉の奥から、かすかな声。
『真夜中の妻』
小さな足音が扉に近づき、扉が開く。
坂口プラハ
わずかに開いたところを、力尽くにこじ開ける。
坂口プラハ
引きずり出される『真夜中』を抱き留める。
『真夜中の妻』
「……あっ!」 たたらを踏んで、プラハの胸に飛び込む。
『真夜中の妻』
「……あなた」 きり、と眉が寄る。
坂口プラハ
「私なりに考えたのですよ、ユディットさん」
坂口プラハ
「あなたが何を望んでいるのか。あなたがどうしたいのだろうかと」
坂口プラハ
6ペンスコインの加護はこちらに武がある。
『真夜中の妻』
硬い声。けれど、この女にはプラハに抗う力などない。
坂口プラハ
「そしたらご主人様がいらっしゃるんじゃないでしょうか」
『真夜中の妻』
「……あなた、今、公を騙ったくせに。公のことをなんだとおもってらっしゃるの」
『真夜中の妻』
「……あなただけの方ではないのに?」
GM
中は静かで、蝋燭の火が小さく揺れています。ドアの近くは整っていますが、奥にはくらやみがわだかまっている。
坂口プラハ
「私、人を殺せと命令されたことがあるんです」
坂口プラハ
「ご主人様はそういうところをお気に入りになられたのでしょう?」
『真夜中の妻』
抵抗はか弱くて、プラハの片腕でも何も問題にならない。
坂口プラハ
「ユディットさん、あなたは私にいいましたよね」
『真夜中の妻』
「…………!」 倒れ込む。長い髪がシーツに散らばる。
『真夜中の妻』
暴れようとしますが、プラハにとっては何ほどのこともないでしょう。
坂口プラハ
その細い首を掴む。とはいえ、頸動脈も気道も絞めない。
坂口プラハ
「おしゃべりをしましょうね。愛について」
『真夜中の妻』
絞まることのない首でも、ユディットは瞳に怯えを宿します。
『真夜中の妻』
だからこそ、プラハから目を逸らせない。
坂口プラハ
「あなたは本当にかわいらしい御方。ご主人様があなたを所望するのがよくわかります」
坂口プラハ
「こんなに、脆くて、儚くて。まるで摘まれた花のよう」
坂口プラハ
「青髭公に愛されていると思いますか?」
『真夜中の妻』
小さく、プラハの片方しかない腕を掴む。その無力な手のひら。
『真夜中の妻』
「…………」 答えない。ただくちびるを引き結ぶ。
『真夜中の妻』
「……あなたに、わかってもらおうなんて、思いません」
坂口プラハ
「私には、あなたがどう愛されているのか、あなたにとっての愛がなんなのかわからないでしょうね」
『真夜中の妻』
下から、プラハを睨む。ただそれだけ。
『真夜中の妻』
眦には、少しずつ、涙が滲んでいく。
坂口プラハ
「この現状を、あなたは、勝ち取ったものだと思うかもしれませんね」
坂口プラハ
「あの御方は私たちを愛しているのですよ」
『真夜中の妻』
かすかに、濡れかかった呻き声。やがて一粒、涙が転がり落ちる。
『真夜中の妻』
その涙は美しく、そしてやはり、無力で。
『真夜中の妻』
摘まれた花に、ひとしずくだけ残った露のよう。
『真夜中の妻』
「……やめて」 子供のように、そう言う。
坂口プラハ
「『公はお一人しかいらっしゃいませんのに』」
坂口プラハ
「『愛しているなら、……わたし、たった一人になりたいと思います。それがたとえ、今でなくたって』」
坂口プラハ
「『……同じじゃ嫌だって、申し上げたつもりなのだけど』」
坂口プラハ
「あなたの愛は、果されませんね、このままでは」
坂口プラハ
「だから私はこうしてあげてるのですよ」
坂口プラハ
「あなたが悲鳴を上げて、私を訴求すれば、私を悪者にできるかもしれませんね」
坂口プラハ
「そうしたら、あなたは一人、ご主人様に愛されることができるかも」
『真夜中の妻』
そう言われたところで、悲鳴を上げはしなかった。
『真夜中の妻』
プラハの言葉が間違ってはいないことを、本当は知っているから。
坂口プラハ
プラハはにっこりと微笑んで、手を離す。
坂口プラハ
優しい手付きで、あなたの乱れた服をただす。
GM
裁判開廷時、配下『真夜中の妻』のHPが-5されます。