GM
前回は、1R目のPCの手番と、『青髭公』の1回目の手番が終わったところまででしたね。
GM
ということで、2Rに入る前に、ちょっとマスターシーン。
GM
『真昼』と『夕暮れ』が、『真夜中』と物別れに終わった晩。
GM
今日は、彼の自室とは違う方向へと向かっていく。
GM
あなたがたの視線は、それを素通りできないでしょうね。
GM
だって『青髭公』は、これから『真夜中』と逢うのでしょうから。
鼠森かのん
「…………」気に入らない、という目でその後ろ姿を睨めつけている。
橋下 龍姫
「…………」
『第七の扉』へ向かっていくのを、無言で見送り、
ブルーブロット
いつも通り、食後の片づけを行いながらも、その視線は第七の扉のある方向へ。
橋下 龍姫
姿が見えなくなると、うつむいてしまう。
きりきりと、布が引き絞られる音がする。
手元でテーブルクロスを握りしめていた。
GM
ちなみに、なんならこっそり追いかけてもいいですよ。
GM
『七つめの扉』から、二階にある、『青髭公』も含めたあなたがたの寝室へ向かうためには、基本的に、この食堂を通っていくことになるのですが。
GM
あなたがたが一人残らず食堂を出て、自室に戻るまで。
GM
『青髭公』が戻ってくることはありませんでした。
GM
というところで、スパッとマスターシーンが終わり。
橋下龍姫
1D12
DiceBot : (1D12) > 8
GM
8:図書室 本棚に古びた本が整然と並んでいる。深い緋色のソファがいくつか点在している。
橋下 龍姫
それじゃあかのんちゃんには図書室に居てもらいましょうかね
GM
深い飴色の書棚に並ぶ、詩集や物語。あるいは何か、図録のようなもの。
小さな窓には分厚いカーテンがかかり、外の様子は伺えません。
GM
机にはペンが備えられていて、『青髭公』が時折ここでなにがしかの手記をつけているのを、あなたがたは知っています。
鼠森かのん
深緋のソファに腰かけ、気のない様子でぱらぱらと本をめくっている。
橋下 龍姫
ひょっこりと慣れない様子で入ってくる。
こんにちは~
鼠森かのん
「あら」足音か気配に気付いて、手元から視線を上げた。「龍姫じゃない。絵本でもお探し?」
橋下 龍姫
かのんの姿を認めるとぱっと笑顔になって、とててと寄っていく。
「かのんさん~!」
手を見れば、ノートを持っていることがわかるだろう。
鼠森かのん
駆け寄ってくる姿に、開いていた本を閉じて横に置く。
「そんなに大きい声出さなくったって聞こえるわ。なあに、のんにご用?」
そう聞いてから、龍姫の手にあるノートに目を留めた。
橋下 龍姫
「はいっ
あのですね、かのんさんに文字を教えてほしくって……」
上目づかいで少しもじもじしながら、恥ずかしそうに言う。
鼠森かのん
「……文字? ああ、あなた文字が読めないんだったわね」
鼠森かのん
「いいわよ。どうせ旦那様は構ってくれないし」小さくふんと鼻を鳴らして頷いた。
橋下 龍姫
「は、はい、そうなんです。
元の世界では、そんな余裕とか全然なくて……」
橋下 龍姫
「! ありがとうございます!」
それじゃあですね~と、図書室で本を漁りだす。
橋下 龍姫
しばらくして一冊の本を手に戻ってきた。
薄くて大きい本は古びていて、どうやらかつて堕落の国にいた救世主が描いたものらしい。
ひらがなで「かぐやひめ」と書いてある。
鼠森かのん
ソファから動かないまま、本棚を漁る姿を眺めている。龍姫が持ってきた本を見ると、あらと声をあげた。
鼠森かのん
「『かぐやひめ』。懐かしいわね、のんのいた世界にも同じタイトルの本があったわ」
古典の授業でも見たが、ここにあるのは子供向けの簡単な方だろう。
橋下 龍姫
「かぐやひめ、っていうんですね~
元の世界に居た頃、おやかた様のおひいさまが来ていた服に似てる服を着ていたので持ってきちゃいました」
橋下 龍姫
「っていっても、おひいさまって一回しか見たことないんですけどっ
すっごく綺麗なお召し物だったなぁ、なつかしいなぁって」
鼠森かのん
「そうよ、かぐやひめ」
一文字ずつ区切ってタイトルの字を指しながら復唱して。
鼠森かのん
「そういえばあなた、なんかこう……世界観が似てるわよね」
この本に、と言ってから。
「……お姫様、見たことあるの?」
橋下 龍姫
「あ、はい!
外に出ない方だったんですけど、巫女として活動するようになってから一度だけお屋敷に招かれて、お話ししましたっ」
鼠森かのん
「ふうん……巫女さんって、お姫様とお話できるような立場なのね」
鼠森かのん
「……ねえ、本物のお姫様って……どんな感じだった?」
『かぐやひめ』の表紙を指す。
鼠森かのん
「こんな風に綺麗な着物を着てたんでしょう? 綺麗だった? 綺麗だったんでしょうね、きっと……」
橋下 龍姫
「はいっすっごく綺麗でした!
なんていうのでしょう? 見たこともないくらい鮮やかな色の御着物を着ていて、糸が光で反射してキラキラしていて。眩しいくらいでした」
橋下 龍姫
「お肌も白くって……しんそうのれいじょう?って、こういう人のことを言うんだなぁ、って感心しました」
鼠森かのん
「…………」
無邪気な笑顔で語られる『お姫さま』の話を聞く。
きらきらして、鮮やかで、きっと日に当たったことなどないような肌をしていたのだろう。
「そう……いいわね」
鼠森かのん
「……うらやましい……」そう、口の中で呟いて。
鼠森かのん
「龍姫は、自分もそんな綺麗な着物を着てみたいって思ったこと……ない?」
橋下 龍姫
「?」
呟いた言葉はよく聞こえなかったらしく、笑顔のままきょとんとしている。
橋下 龍姫
それから、自分も着てみたくなかったのか?という言葉に、うーんと考え込んだ。
真剣に一分ほど悩んで、出た答えは
「わからないです……」
橋下 龍姫
「あんまりにも世界が違いすぎて、自分が着たりとか、そういうこと、考え付きもしなかったです」
鼠森かのん
「……わからない?」思わず怪訝な表情になる。
鼠森かのん
「だって、すっごく綺麗でキラキラしていて、眩しいくらいだって言ってたじゃない。
あなたはそういうものに、なりたくないの……?」
鼠森かのん
そう問いかけてから、返ってきた答えに目を瞬いて。はあ、とため息をついた。
「……ほんっとあなたって。謙虚っていうか、邪気がないっていうか……調子狂うわ……」
橋下 龍姫
「かのんさんは、着てみたいって思うんですか?」
橋下 龍姫
*ここで判定を行います。使用する能力値は才覚。
『青髭公』
Choice[猟奇,才覚,愛]
DiceBot : (CHOICE[猟奇,才覚,愛]) > 才覚
『青髭公』
2d6+2>=7
DiceBot : (2D6+2>=7) > 7[6,1]+2 > 9 > 成功
『青髭公』
1d6 効果量
DiceBot : (1D6) > 5
橋下 龍姫
2d6+3-5+2>=7
DiceBot : (2D6+3-5+2>=7) > 8[2,6]+3-5+2 > 8 > 成功
鼠森かのん
「もちろんよ。今のドレスも気に入ってるけど」
立ち上がって、その場でくるりと一回転。広がった夕暮れ色の裾にうっとりと目を細めて。
鼠森かのん
「のんはもっと綺麗なドレスが着たい。お姫様みたいになりたいの。
……ドレスだけじゃない。今まで見てるだけだった、のんが持っていなかった色んなもの」
橋下 龍姫
「いろんなもの、ですか。
例えば?」
全く想像がつかない、とぽかんとしながら尋ねる。
鼠森かのん
「色んなものは色んなものよ。
のんが持っていなかったものぜーんぶよ」
ふんすと腰に手を当てて、薄い胸を張る。
鼠森かのん
「元の世界ではね、ずっと見てるだけだった。
のんが手に入れられなかったものを持ってる人達を、遠くからずぅっと、見てるだけだったの」
鼠森かのん
美貌に愛嬌、綺麗な洋服にきらきら光るアクセサリー。優しい家族に気の合う友達、素敵な男性からの愛。
けれど現実は理想とは程遠く、鼠森かのんはいつも教室の隅で独りぼっちだった。
――招待状を受け取るまでは。
鼠森かのん
「でもここでは違う。元の世界で手に入れられなかったものを手に入れられる。だってのん達は『救世主』だもの」
そうでしょう?と龍姫を振り返る。
橋下 龍姫
「そう、ですね!
ここではボロじゃない服を着れますし、食べ物だって、十分ありますっ
他にももっとたくさんっ
戦う必要はあるけど、元の世界よりずっとずっといいです!」
橋下 龍姫
「……そう思うと、かのんさんと私って、実は結構似てるんですね」
鼠森かのん
似ている、と言われるときょとんと目を瞠った。
鼠森かのん
「……そうね、のん達似ているところがあるのかも。
元の世界でろくな目に遭わなかった者同士? この世界で救われた者同士って言った方がいいかしらね。
ええ、そう、そうよ……元の世界より、ずっとずっといいわ」
鼠森かのん
「…………」似ている、なんて言われたのは初めてだ。何となく、少し視線を横にずらした。
橋下 龍姫
「えへへ
似た者同士、これからも一緒に仲良く暮らしましょうね」
そういうと、ハグしよ~とばかりに腕を広げてくる。
鼠森かのん
「……だから……そういう、ところ、なのよ……」
両手を広げる龍姫を横目に見て、くっ……と何かをこらえるように唇を引き結んで。
鼠森かのん
「はぁ~~~~。もう、龍姫は甘えん坊なんだから。仕方ないわね」
向き直った時には、余裕の表情を浮かべている。多分。できてる。
おいでなさいとばかりに龍姫の方に体を寄せた。
橋下 龍姫
「えへへ~
ぎゅ~っ」
ぽふっと抱き着いて、すりすりと頬を寄せる。
橋下 龍姫
「はぁ~かのんさんは良い匂いがしますねぇ」
鼠森かのん
「…………」
抱き着かれて顔が見られないのはよかったと思いながら、ぎこちない手つきで頬を寄せてくる龍姫の頭を撫でた。
「……年下の子の扱いなんて知らないわよ……」
鼠森かのん
「でしょう~~? 旦那様にいい香水を買ってもらったの。後であなたにもわけてあげるわ」そんなことを言いつつ、やんわりと龍姫の肩に手を置いて。
鼠森かのん
「……ほら、文字を教えてほしいって言ってたでしょう。そんなにくっつかれたら本が広げられないわ」
色々と耐え切れなくなったので、勉強を口実にしたのだった。
橋下 龍姫
「はぁい」
にこにこと満足そうに頷くと、
その後は一生懸命文字を教わったのでした。
GM
堕落の国に、きらびやかな富はない。
けれど、かつて持たざる者だった誰かにとって。あなたにとって。
GM
この砂塵の中で、得たものがある。
遥か遠く、置き去りにしてきたものの代わりに。
GM
お時間もほどよいので、今日はここまでにしましょうか。