GM
クッキー、キャンディ、チョコレート!
GM
あま~いお菓子のその味に、ゆめもうつつも、とろけて混ざる。
GM
クッキー、キャンディ、チョコレート!
GM
とろけて混ざったゆめとうつつに、どこからとなく忍び寄る……
GM
それは――『C・C・C!』
GM
GM
さて、早速だがお前らの自己紹介タイムからだ。
GM
順番に。
GM
じゃ、そこのデコッパチ眼鏡から。
いずみこ
「むっ」
いずみこ
「そりゃあ確かにおデコで眼鏡だけどさぁ!」
いずみこ
「名前は……額田 泉巫女(ぬかた いずみこ)」
いずみこ
「15歳。出身は現代日本」A12
いずみこ
「名字も名前もあんまり好きじゃないから、適当に呼んで」
いずみこ
「学校では委員長とかぬーとか呼ばれてたけど」
いずみこ
「で?何が知りたいの?」
いずみこ
「……心の疵ぅ~!?」
いずみこ
「…………」
いずみこ
「心の疵は『わがまま』と『自己愛』」
いずみこ
「ほら、クラスにもいるでしょ?わがままに振舞ってても受け入れられて許されてるような子」
いずみこ
「ああいうの見て、あたしもあたしのやりたいようにするようにしてるの」
いずみこ
「やりたいようにしてても、誰かの役に立ってたり、みんなのためになってればいいじゃん?」
いずみこ
「お母さんやお父さんのいうことだってうるさいばっかりだし」
いずみこ
「だからあたしはそんな風にふるまえるあたしのことが好きだし」
いずみこ
「あたしはあたしが大事」
いずみこ
「……なんか文句ある?」
GM
お前のそんな態度に文句があるかどうかは、残りの連中に聞いてくれ。
GM
じゃ、次はそっちのでっかいぷよぷよ。
江瓊
(あたりを見回す)
GM
お前だ。
江瓊
「え?私?」
江瓊
「え~じゃ~でっかいぷよぷよです!」
江瓊
「名前は~江瓊っていうんだけど、みんなコーって呼ぶねえ」
江瓊
「海から来ました~」
江瓊
「見ての通りのうるおいボディなわけだけど、このボディでいい感じにやらせてもらってま~す」
江瓊
ういんく☆(?)
江瓊
「で、このボディなんだけどー……まあまあお察しのとおり心の疵の力なんだよねえ」
江瓊
「えー……」
江瓊
「どこから説明すればいいんだろうね……」
江瓊
「まあ、なんでもいいか!適当に話すね」
江瓊
「つまりこれはかくかくしかじか……」
江瓊
小一時間……
江瓊
「ってワケなんだ!」
江瓊
「え?聞いてなかった?あーじゃあまあいいや。それで!」
江瓊
「そんなわけで私の体は水で満たされてるってワケ……」
江瓊
「え?内容がないよう!?」
江瓊
「まーカタいこと言いっこなし!」
江瓊
「こんなこと気にする奴なんてもうどこにもいないんだからねえ~」
江瓊
「あはは!」
GM
オーケー、お前の頭がぷるぷるのゼリーみたいだってことはよくわかった。
GM
最後。そこでフワフワ夢見心地のツラしたうさぎ。
クラウド
「す~‥す~‥」
GM
起きろアホ。
クラウド
「あいたあ!! ……え、なに…僕の番……??」
クラウド
「ほあほあ…相変わらずコーのお話はねむねむだねぇ……
 ええと、なんのはなし…ん、はいはい、自己紹介……?」
クラウド
「僕は見ての通り、灰色うさぎのクラウドだよ~」
クラウド
「……僕もあだ名とかあったほうがいい? クーとか?ウドーとか…?」
クラウド
「まぁ、好きなように呼んじゃって~ここじゃあみんなお友達~」
クラウド
「出身はどこにでもあるふつ~の森!綺麗なはらっぱにさらさら流れる綺麗な川に…かわいいクローバーにたんぽぽがたくさ~ん!」
クラウド
「タンポポが似合うかわいいお嫁さんを探してここまできたんだけど……ここ、そういう場所じゃないみたいで……わはは…」
クラウド
「でもま、運命の人ってどこかしらにいるものだしね。
 そのうち縁も巡ってくるかな~って!」
クラウド
「それまではどうぞお見知りおきを!」
クラウド
「そんなかんじでいじょうで~す! あとはよろしく~!」
GM
ゼリー頭とお花畑が揃ってて、デコッパチにはご苦労さまってところだな。
GM
ま、お前らがどういう苦労をしようがそれはどうでもいいとして。
GM
そんなこんなのお前らの耳に、先日とある噂が届いた。
GM
この馬鹿みたいに物資に乏しい堕落の国で、甘いお菓子をたっぷり作ってくれるって女の子の噂だ。
GM
ついでにそいつは、どっかの救世主にとっ捕まってるって話。
GM
そいつを助けてやりたいと思うか、カネになると思うか、単なる甘いもん食いたさか。
どういう理由にせよ、お前たちはその話に興味を持つ。
GM
それでもって、そいつがどこの村にいるかってのも、そこそこ有名な話。
GM
なんせ、どこでもかしこでもお菓子を作って回ってるようだからな。
GM
ってことで――お前たちは今。
どこにでもあるような、ちっさい村で顔を合わせている。
江瓊
「お菓子食べたい!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
クラウド
「今日もコーは元気だねぇ おかし?小松菜じゃなくて?」
江瓊
「おーーかーーしーーーたべたーーーい」
いずみこ
「うるさい!あたしだって食べたいんだから!」
クラウド
「じゃあ僕もたべたいで~す!」
江瓊
「じゃ、次の行き先は決まりだね」
江瓊
うれぴ~。
クラウド
「やった~!」
クラウド
「でも噂は噂でしょう、本当にそんなものがあるのかな?」
いずみこ
「お菓子作って回ってるのも怪しい」
江瓊
「まあ、この国噂なんてない方が珍しいし~」
クラウド
「う~ん……」
江瓊
「あるってことはなんかあるでしょ」
クラウド
「まぁそれもそうだね!」
いずみこ
「作って配ってるなら食べたことあるやつのレビューとかないの?」
クラウド
「まぁまぁ、穴には潜ってみなけりゃあ何もわからないとよく言いますし……」
江瓊
「正直私の水だけじゃ次の大きい街での路銀にびみょ~に足りないしねえ」
いずみこ
「食料も足りなくなるだろうし」
江瓊
「ほかは日雇いしなきゃってなると、お菓子食べれそうなこっちの噂に乗りたいね」
クラウド
「はは、僕ら働くのも戦うのも得意じゃあないしねぇ」
いずみこ
「ここでお菓子なんて食べられないしね」
江瓊
「ね~」
江瓊
働きたくな~い。
クラウド
「じゃあまずは噂の根っこをさがしてみよ~!」
クラウド
「お腹が減って動けなくなる前に…ね!」
江瓊
「いえ~」
いずみこ
「で、じゃあどうすればいいの?」
江瓊
「どうしよっか」
クラウド
「……どうするって」 首を傾げている
クラウド
「どうしようね。」
いずみこ
「甘い匂いのする方でも探し回ってみるとか?」
江瓊
「それかも~」
クラウド
「わ~さすがいいんちょう~!」
クラウド
委員長の意味はよくわかんないです
江瓊
「甘い匂いを探すぞ~」
いずみこ
「クラウドすぐわかったりしないの?」
クラウド
「甘い匂い~ 甘い匂いはどこかな~」 フンスフンス
GM
甘い匂いのするほう……はわからねえが、お前たちがでかい声でわあわあやっていると、
GM
「おやあ、救世主様方、あまいものをお探しですか?」
GM
隣のテーブルにいた白兎が話しかけてくる。
いずみこ
「そう!何か知ってる?最近甘いお菓子食べたとか?」
江瓊
あ!兎ちゃんだ!
クラウド
「おやあ、さすが同志のきみ! どう?一緒にお茶してく?」
GM
「ええ、ええ、あのクッキーはまさしく、アリスのお茶会に供される甘い甘いクッキーでした……」
GM
ずいぶんとろんとした目をしてやがる。
クラウド
「おや、もうお茶会はお済みのようで?」
いずみこ
「お酒でも飲んでるの?」
いずみこ
情報源として疑っています。
江瓊
「楽しみすぎる~」
GM
「いやあ、仕事がなけりゃあずうっとあの村でおやつの時間に混ざっていたかった……」
GM
「救世主様も是非行ってみるべきですよ。なんならこの村にあの救世主様をお招きしてくださいよ。ねっ、ねっ」
江瓊
わくわく。
いずみこ
「へえーっ、そんなに大規模なんだ。クッキー以外に何かあった?ミルフィーユとかモンブランは?」
江瓊
「えーじゃあ、そしたらみんなでこの村に住んでもいいかも~?」
GM
白兎は、我欲八割、救世主に対する親切心二割くらいの割合でお前らに情報を提供してくれる。
GM
目的地は、三日くらい歩いたところの、これまたちっさい村のようだ。
クラウド
「いや~どうなるかと思ったけどラッキーラッキー!」
いずみこ
「思ったより近い」
クラウド
「やっぱり巡り合わせには恵まれているようだね」置いてかれてるらしいけど
江瓊
「三日か~まあ適当に歩けばつくでしょ!」
いずみこ
「村なら踏み固められてる道を選べばつくんでしょ?」
GM
「一応、近くまでは街道が通っておりまして……」
GM
最後はちょっと離れたところだが、道順と目印はきちんと教えてくれた。
GM
なので、お前たちはそれに従って村を出て……
GM
本当は救世主の足なら二日もあれば着くはずだが、お前たちがポヤポヤ歩いたら四日かかった。
江瓊
ぽや……。
クラウド
ぽんやぽんや…
江瓊
あ!草!
江瓊
(そっちに歩いていく)
いずみこ
もーっ!違うってこっち!
いずみこ
(違う方向)
クラウド
あ、これ食べられるんじゃ……ぱく
クラウド
し、しぶ~~い…
いずみこ
道草食べないで!
江瓊
いいんちょ、この石舐めると甘いよ
GM
お前たちの足はあっちへフラフラこっちへフラフラ……
いずみこ
疑いのまなざしを向けつつ舐める。
江瓊
※甘くないです※
クラウド
ふむ……つまりまだここは目的地ではないということ……
いずみこ
石を投げつけた
江瓊
あー。
江瓊
楽器をぽろんぽろんと弾きながら歌い歩く……。
GM
ようやっと村のものと思しき屋根の影が見えてきたのは、四日目の昼もだいぶ過ぎた頃。
江瓊
お!
GM
堕落の国にはよくある、薄汚れた村だ。
いずみこ
「ねーぇー!疲れたー!」
いずみこ
駄々。
江瓊
「あー」
クラウド
「おやおや~ではおんぶしてあげましょう、コーが…」
江瓊
「じゃあおんぶしてあげるね!クラウドが」
クラウド
目と目(?)をみあわせている……
江瓊
しょうがないから私が前足持って、クラウドが後ろ脚持つ?
クラウド
あ、それはいい考え!
クラウド
はい委員長手ぇだして~
江瓊
はーいいいんちょ持ちますよ~
いずみこ
「いやどっちかだけにしてよ。運びにくいじゃない」
いずみこ
言いながらクラウドの背中に乗り込む。
クラウド
「おや、これはなんと 甘えん坊委員長……」
江瓊
「しょうがないでちゅねえ」
クラウド
「しかたないですねぇ~」
いずみこ
「幼児扱いすんな!」
クラウド
よいしょと背負ってゆさゆさ揺らす
江瓊
ほっぺをぶにぶにする。
江瓊
村だ~。
いずみこ
しっしっ!
江瓊
「第一村人は~?」
GM
お前らの目に村が見えてから村に踏み入れるまで小一時間かかった。
クラウド
「だ~れだ、だれだ!」キャッキャ
GM
時は、間もなく午後三時といったところ。
GM
おまえらがあーだこーだと騒いでいると、
GM
「おやつの時間だ!」
GM
そのへんの家から子どもたちがわらわら湧いてきて、村の広場に走っていく。
クラウド
その言葉に耳がピンと立つ 「おやつ…?」
いずみこ
「おやつの時間なんて、この国にあった?」
GM
走っていく子どもの後ろを追いかけるのは難しくない。たいしたことない村の、真っ直ぐな道だ。
江瓊
そのあとを追いかけ始める。
江瓊
「おやつだ~~~!!」
いずみこ
村についたので流石にクラウドの背中から降り、子供を追う。
クラウド
「あ、コー!待って待って……!」
いずみこ
「大きい子供かー!」
いずみこ
追う。
クラウド
「ああ~委員長も~~~!」
GM
お前たちが後ろをついていけば、小さな広場に子どもがずいぶんいて、そろってきゃいきゃい言っている。
江瓊
「早い者勝ちだもんね~~」
GM
その中心に、15か16か、そのくらいの女の子が一人。
アニス
「はい、ちゃんと並んでね。何がいい?」
GM
そいつは子どもにまとわりつかれながら、ぽこじゃかお菓子を生んでいる。
アニス
クッキー、
アニス
キャンディ、
アニス
チョコレート。
GM
よりどりみどりって感じだな。
江瓊
いそいそと並ぶ。
GM
バターやバニラや、チョコレートの匂い。
GM
甘く甘く広がる、お菓子の匂い!
クラウド
「わあ、噂は本当だったんだねぇ……う~ん、甘い匂い……」
いずみこ
本格的でちゃんとしたお菓子の、バターや砂糖や、甘くて香ばしくて懐かしい匂い。
クラウド
でも、並んでてもらえるものなのかな…… と、思いつつも並ぶ。
江瓊
「もう待ちきれないよ~甘味とかいつぶりだろう?」
いずみこ
に、流石にちょっとたじろぐ。
クラウド
「委員長は並ばないの?」
いずみこ
「ちょっと!とりあえず子供が先!」
いずみこ
コーをひっぱる。
江瓊
「え~?」
江瓊
「でもだっていくらでも出てくるみたいだよ?」
クラウド
「……ふふ、そうだね。順番順番…」 なだめなだめ…
江瓊
指さす。
GM
子どもらはお前らを相当邪魔そうに見てくるが、中心の女の子が明らかに背丈のでかいお前らに目を留める。
アニス
「……あれ、見ない顔!」
クラウド
「あはは、どうもどうも。お邪魔してまぁす」
江瓊
「こんにちは~」
いずみこ
「こんにちは!」
アニス
「こんにちは!」
アニス
にこにこしながら首を軽く傾げて、
アニス
「お客さん? 救世主のひとですか?」
いずみこ
「そうよ!」
いずみこ
「ねぇ、お菓子を配ってるんでしょ?ちゃんと並ぶからあたしたちにもお菓子をくれない?」
江瓊
「え~やっぱりわかっちゃう~?」
クラウド
「へへ、照れちゃうねぇ……」
アニス
「お菓子なら、もちろんどうぞ!」
アニス
「えへへ。並んでくださいね」
クラウド
「……だってよ、コー」 並ぼう並ぼう~と後ろにひっぱり
江瓊
「ならびまあす」
江瓊
引っ張られながら後ろの方へ。
いずみこ
三人の救世主は仲良く列の後ろへ並ぶ。
クラウド
「いやぁ親切なひともいるものだねぇ…」ポヤポヤ~
GM
大人しく最後尾に並んだお前たちの前で、子どもが順繰りにお菓子を手にしてその場をあとにする。
GM
また明日ねえ、と手を振っていく子どもを見送り、見送り……
江瓊
わくわく!
アニス
「お待たせしました。何がいいですか?」
クラウド
「どうする?」委員長ぷにぷに
いずみこ
「むむ……」
いずみこ
真剣な顔でぷにぷにされている。
江瓊
「ぜんぶ!って無理なの?」
いずみこ
「ねぇ、あなた何をどれぐらいまで出せるの?」
アニス
「えっ、うーん」
アニス
「手のひらに乗るサイズの……わたしが知ってる……おかし……?」
クラウド
「なるほど~僕のタンポポみたいな感じですかね」
クラウド
そっと虚空からタンポポを取り出して頭に乗せた。
アニス
「ケーキはお皿がないとちょっと崩しちゃうかも……」
いずみこ
「うーん、ということは~……」
いずみこ
勝手に手を取ってしげしげと眺めている。
いずみこ
「マカロンとかフィナンシェって出せる?」
クラウド
「マカ……フィナ……?」
クラウド
「小松菜はおやつにはいりますか?」
アニス
「じゃあ、ストロベリーのと、チョコレートのと……」
いずみこ
「ちょっと!小松菜は野菜でしょ!」
いずみこ
シャーッ
アニス
ぽこぽこ、小ぶりのマカロン。
クラウド
「ええっおやつはおやつじゃないですかあ!?」
アニス
ピンク、ブラウン、グリーン。この堕落の国ではとんと見かけないパステルな色合い。
いずみこ
「あっ、すごい!」
アニス
「えへへ」
クラウド
「食べられるんですか、これ……」つんつん
江瓊
「芸豆巻とか出せる?」
いずみこ
「甘くておいしいよ?」
いずみこ
一つをつまみあげ、口に放る。
クラウド
むむ…と見つめていたらそのまま口にねじられる。
クラウド
もごご……
アニス
「…………??」 芸豆巻はちょっと思い当たらなかったようだ。
クラウド
「あ、あま~い!! コー、これおいしいですよ!コー!」
江瓊
知らない国の人だったか~……。
アニス
「くっ……すみません……」
江瓊
「食べる~!」
クラウド
委員長の手持ちをかってに拾い上げて渡している
江瓊
杏仁豆腐とかも食べたいなあ……。
江瓊
こきょうのあじ……。
アニス
「代わりにこちらをどうぞ……」
いずみこ
「ああっ!ちょっと、あたしの!」
いずみこ
ギャイギャイ
アニス
自信満々に、きらきらのアラザンとクリームでデコレーションされたカップケーキが出てきた。
クラウド
「委員長のものは~僕らのもの~ 僕らのものも、委員長のものですよ。」
クラウド
ほっぺをぷみぷみしている
江瓊
「あ~~おいしそ~~」
江瓊
カップケーキもーらい!
いずみこ
「マカロンたべたかったらお願いしなさい!」指をぺいっ
クラウド
「あ~れ~!」 指をくるくる
いずみこ
「ほんとに何でも出てくるのね」
アニス
「いっぱいご用意できますから大丈夫ですよ!」
クラウド
「わ~い!じゃあ僕はそのマカロンというやつを……」
いずみこ
カップケーキを手に取り上から下から見つめる。
GM
そうやってお前らが女の子を囲んでぎゃあぎゃあやっていると、
アントン
「…………」
GM
広場の隅から、めちゃくちゃ不機嫌な顔をした男の子が一人、寄ってくる。
江瓊
おやおや~?
アントン
「アニス。おやつの時間はもう終わりでしょ」
いずみこ
むむっ
クラウド
「おや、こちらもお客さん? お知り合いみたいだけれども…」
クラウド
たべます? マカロンをふりふり
アントン
剣呑な目でクラウドを睨む。
アニス
「アントン、初めてのお客さんなんだから怒らないで、ね?」
クラウド
おっと……これはこれは。 委員長の後ろに隠れる。
いずみこ
目つき悪いなこいつ!
江瓊
「君のお姉さん?」
いずみこ
キッと睨み返す。さながら小動物。
アントン
「……アニスは俺の!」
クラウド
あ~目つきがわるく~ のばしのばし
クラウド
「……俺の?」
アニス
「えーっと……この子はアントン。わたしはアニス。ふたりとも、救世主です」
アニス
歯切れが悪い。
いずみこ
のばされている。
俺の、の後を待っていたが、二人とも救世主と紹介されてしまった。
江瓊
「わ~仲間だね」
江瓊
握手握手~。
いずみこ
「ふぅん……」
クラウド
「僕らも救世主だよ~ コーで、委員長で、クラウド」
順々に勝手に紹介の図
いずみこ
アントンと紹介された男の子をじろじろ。
アントン
アニスの服の裾をぎゅっと握って、ますます険しい顔つき。
クラウド
「委員長も威嚇しないの~」ほ~らよしよし…
アントン
「救世主なんて来ないほうがいい」
アントン
「アニスは誰にでもお菓子あげちゃうけど、ほんとはそんなのだめなんだからな」
江瓊
「あ、そうか。救世主ならこの村じゃなくてもいいじゃんね」
江瓊
「ねえねえアニス。向こうの村に来ない?」
アニス
「えっ?」
いずみこ
クラウドにもちゃもちゃにされている間にコーが切り出した。
江瓊
「なんか向こうの村の人がうち来て~ってさ」
江瓊
「っていうか私たちと暮らそうよ!」
クラウド
「お菓子が出せる救世主なんて珍しいもんね、きっとみんな喜んでくれると思う…けど……」
アニス
「えっ、とぉ……」
アニス
ちらっ、とアントンを見る。
アントン
「だめ」
アントン
「お前ら帰れよ!」
江瓊
「やだも~ん」
江瓊
カップケーキをもぐもぐ……。
江瓊
おいしい!!!!!!!!!!!!!
クラウド
「ああ~‥ごめんね、コーってこういうやつだから……」
クラウド
「でも水とか運んでくれるすっごい奴なんだよ!」
江瓊
「お茶も淹れられるぞ~」茶葉があればね
江瓊
ピースピース。
アントン
「知らない! アニスは俺ので、アニスのお菓子はホントは誰にもあげちゃだめなんだから!」
アントン
お怒り。
いずみこ
「ちょっと待って。嫌って言ってるんだから何か理由があるんでしょ」
江瓊
「アニス、お茶飲む?」
アントン
「だめ!!!」
クラウド
「も~コーったら マイペースなんだからぁ…」
アントン
「アニス、俺こいつらやだ! もう行こ!」
アニス
「アントン……わたしはアントンのお友達だけど、アントンのじゃないのよ」
アニス
「あんまり悪い子だと、おやつ抜きにしちゃうよ」
アントン
「!」
江瓊
おっ、言うね~。
アントン
「アニス……なんでそんなこと言うの」
アントン
地団駄を踏む。
アントン
「なんで!」
アントン
ぶるぶると震えるような。
GM
いや。ような、じゃないな。
GM
実際、アントンはなにやらぶるぶると震えだす。
クラウド
ああっ… なんだかコーのせいで大変なことに!!
アントン
「どうして? アニスは……アニスは……」
アントン
だん、ともう一度地団駄。
いずみこ
小さい子供の、癇癪の気配がする。
アントン
「アニスは俺の。俺のだもん。誰にもお菓子はあげちゃだめだし、俺以外と仲良くしちゃだめなんだもん」
アントン
ぶるぶる。振動が激しくなる。
クラウド
アワワ……
アニス
「アントン……?」
クラウド
「お、落ち着いて!落ち着いてください…!」
アントン
「アニスは……」
アントン
「アニスは、おれのじゃなきゃだめなんだもん!!」
アントン
ぴし、と何かが裂けるような音がする。
アントン
震えに伴って、びし、ぴし、と音が立つ。
クラウド
あ、ああ…っ 
アニス
「アントン!」
いずみこ
慌てて数歩、距離をとるように後ろに下がる。
アントン
チョコレート色に染まる。それがバニラの色になり、オレンジの色になり……
アントン
ぐるぐると。雑多なお菓子を混ぜ合わせたような色とにおい。
GM
チョコレートが、蛹のようにアントンを覆う。
GM
そしてそれが、数秒も経たずにばきりと割れて。
C・C・C
どろりと溶ける、濃く甘い匂い。
C・C・C
割れた蛹の中から、毒々しい色の飴玉が溢れる。
GM
ごろごろと転がって、どろどろと溶けて。
GM
そして現れる。
C・C・C
「――――――――!!!」
C・C・C
言葉をなさない叫び。
クラウド
「アニス、下がって…!」 腕を引いて離そうとする
いずみこ
「ええっちょっと!!」
C・C・C
クッキー。キャンディ。チョコレート。
C・C・C
そんなお菓子でできた、亡者の姿。
C・C・C
お前たちには目もくれず、暴力的なほど甘いにおいをさせる腕が、アニスに伸びる。
江瓊
ぼんやり離れて、詠唱。
アニス
「えっ、えっ!?」
C・C・C
ひっつかんで、
C・C・C
持ち上げて、
C・C・C
そしてまた、一声叫び。
クラウド
「ダメです……!!」 腕をつかむ、しかしそれは離れていく
C・C・C
「――――――!!!!!!」
いずみこ
伸ばされた腕に割り込むこともできずアニスが頭上へと持ち上がる。
アニス
「あっ、やだっ!!」
C・C・C
そのまま走っていく。
江瓊
「あ~間に合わなかったか」
C・C・C
甘いにおいの尾を引いて――
クラウド
「もう!ぼんやりしないで……追いかけますよ!!」
C・C・C
そのにおいが残る場所が、村の姿を失っていく。
江瓊
詠唱陣が消える。
C・C・C
溶けるように。侵食するように。
GM
においが色を持ったように、お前たちの視界は変わっていく。
GM
子どもの夢のような、お菓子の家が立ち並び。
GM
空は不可思議なマーブル模様。
GM
それがどんどん広がって――
GM
どこかで何かが閉じた気配。
GM
どうやら閉じ込められたよう。
いずみこ
周囲の形が崩れ、グロテスクなほどにファンタジーな空間へと書き換わっていく。
クラウド
走り出した先から景色が甘い色に染まっていく……
GM
何がどこまであるのかは、今はまだわからないが……マーブルの空は、遠く視界の果てまで続いている。
クラウド
「アニスさん!!」 呼びかけど返ってくるものはない。
江瓊
大規模な浸食の気配にうえ、と声が漏れた。
江瓊
「この辺一帯ぜんぶこう……てことかあ」
クラウド
「……そうみたい、だねぇ…」
いずみこ
「全部お菓子になっちゃったじゃない!」
いずみこ
「これあたしたちは大丈夫なの!?」
江瓊
「え?私たちもお菓子になるってこと?」
クラウド
「ま、まさかぁ……」
GM
ま、亡者謹製のお菓子の世界だ。何があっても不思議じゃあないが……
GM
お前たちは救世主。
GM
戦うすべは持っている。
クラウド
「とりあえず出口を探しましょう。
 もしくはアントン……あの亡者を倒せれば、おそらく……」
江瓊
「アニスを巻き込まないように気をつけなきゃねえ」
クラウド
「そうだね、彼女が無事なままならいいんだけど……」
いずみこ
「とにかくアニスかアントンを見つけないと……!」
江瓊
お菓子になってたり……。
クラウド
怖い想像しないで~~!
GM
さて、ここらでPKの情報開示だ。
GM
今回のお前たちの敵はC・C・C。事前に言っといた通り、強化MOD適用の亡者だ。
GM
キャラクターシートは情報タブを参照しろ。
GM
それでもって、こいつも事前に言っといた通り、お茶会MOD『PK追加行動』が適用される。
GM
C・C・Cはお前たちの行動を妨げない。代わりに、行動回数は5回だ。
GM
これは後でもう一回言ってやるが、裁判MOD『祈り』も適用される。
裁判で誰が倒れても死んでも、そいつはまだまだ役に立てるってことだな。
GM
で。
GM
ついさっき攫われていったアニス。あれは放っておくと死んじまうだろう。
GM
ちなみにこいつは、アニスを救出するためのクエスト。
GM
クエスト1 『アニスの解放』
概要 囚われているアニスを解放する。
目標値 8
消滅条件 1回成功するか、お茶会終了と同時に消滅。
成功 アニスを開放し、クエスト2、クエスト3、クエスト4を公開する。
失敗 特になし
放置 裁判開廷時、アニスはC・C・Cに取り込まれて死亡する。
GM
しかしまあ、放っておいたって構いやしない。
必要だと思うならそうすればいいだけさ。
GM
最後。
GM
この異界の……地図ってほどじゃないな。
どっからどういったらここにつく、って場所が決まってるわけじゃない。
それでも、だいたいどんなところがあるか教えといてやる。
GM
シーン表

1:チョコレートの泉。とろりと溶けたチョコレートの泉。いつまでも固まることなく甘いにおいをさせている。
2:お砂糖の砂漠。さらさらで真っ白のお砂糖が、かすかな風に巻き上げられながら、どこまでも敷き詰められている。
3:キャンディのプラネタリウム。夜空色の天井に、色とりどりのキャンディ。手が届けば、星の数ほど手に入る。
4:マシュマロのベッドルーム。柔らかいクッションのようにマシュマロが詰め込まれたお部屋。千切って食べてもおいしい。
5:ビスケットの迷路。ビスケットが壁のように立ち並んでいる。ときどきマシュマロやチョコレートが挟まっている。
6:グミキャンディの吊橋。ぷよぷよしたグミが編まれた吊橋。橋の下からはちょっぴり焦げた砂糖のにおい。
7:クッキーのチェス盤。バニラが白、チョコレートが黒の巨大なチェス盤。あなた達と同じサイズの駒は、氷砂糖でできている。
8:シャーベットの氷河。カラフルな氷菓子がゆっくりとどこかへ流れていく。オレンジ、レモン、ストロベリー。とっても寒い。
9:タルトの広間。床がフルーツタルトでできた円形の大広間。つやつやのいちごに足を取られないように注意!
10:キャラメルの滝。とろけたキャラメルが、見えないほど高い場所から流れ落ちてくる。そこらじゅうがべたべたする。
11:ロリポップの森。赤、青、黄色。見上げるほど大きなロリポップがたくさん!でも、飴の部分には手が届かないかも。
12:アラザンの雪原。銀色のアラザンが雪つぶてのように降っている。綺麗だけれど、ちょっと痛い。
GM
はてさて、出してやれる情報ってのはこのくらい。
GM
C・C・Cはこの異界の主。
倒せばここを出られるし、倒せなければ……まあ『そういうこと』になる。
GM
せいぜい気張って頑張って、ここから脱出することだ。
GM
お茶会ってやつが始まるぜ。