GM
『They lived happily ever after.』前日譚
GM
水は濁り、草木は枯れ、飢えと病が蔓延る……そんな場所でも。
あるいはそんな場所だから。
各地の酒場は、多くの人々を集めている。
GM
強いばっかりが取り柄の酒。
ちょっぴりだけ甘いけれど、水のように薄い酒。
GM
油をケチったランプと、ちびたロウソクの明かり。
GM
その、小さいからこそ暖かい色の光に、硬いジャーキーをつまみながら……
GM
メル・ロワと雁金至も、粗末なテーブルを囲んでいる。
メル ロワ
手元にあるのは今にも干からびそうな干し肉と、薄い酒のようなもの。
雁金 至
「……美味しい?」
同じものを手にしながら、ふと、問いかけてみる。
メル ロワ
「まぁ私にとっては味などどうでもいいものだからな。
それよりカリガネは食べないのか。高い酒もあるようだが。」
雁金 至
「なるほど?」
一応いつも聞いてみるのだ。大体帰ってくる言葉は同じだけれど、それでも。
メル ロワ
もぐもぐ。彼女にとって味わう、というよりも
人らしい仕草を真似ているというほうが正しいのかもしれない。
メル ロワ
なんといったって己らは亡者を打ち倒す救世主様だ。
酒場で歓迎を受けたなら応えるべき、と彼女はそう解釈しているらしい。
雁金 至
「食べるさ。……ただ、高いものは遠慮しておくよ。別にこれで十分さ」
そう言って、薄い酒を呷る。確かにろくな味はしないなと思う。元より酒の良し悪しなどよくわからないのだが。
雁金 至
「そう、……出すなら、酒の味がわかる人に出した方がいいだろうしな」
僕とロワさんでは、どうにも高い酒も張り合いがないだろう、と。
GM
二人が、近くの街道に出る亡者を仕留めたのはつい昨日のこと。
GM
亡者のものとはいえ、村には新鮮な肉がもたらされました。
もちろん、一時とはいえ安全にもなりましたね。
メル ロワ
「……んむ、尤もだ。
そこらの犬の方がまだ味を知っているだろうね。」
メル ロワ
どうにも周りはこの質素な食風景に、満足していない様子。
視線がちょっとばかり痛い。
雁金 至
「……言いたいことはわからなくもないが」
雁金 至
「まあ……そうだな。少しくらいは贅沢しても文句は言われないか。逆にこのままだと文句が出そうだ」
メル ロワ
「……ということだ。
そこの兎。どうか、コレに見合うものを。」
雁金 至
「どうにも、『救世主』の扱いには慣れないな……」
ぼそりと呟く。ここに来てからずっと思っていることで、常日頃からぼやいていることではあるが。
メル ロワ
「なに、堂々としていればいいのだよ。」
雁金 至
「堂々と……なあ。僕なりに普通にしているつもりだけれども」
メル ロワ
「前の契約者はもっとしっかりしていたぞ。
カリガネ、お前は少々自分を過小評価しすぎなのではないか。」
メル ロワ
干し肉をもぐもぐしている。
「我らは、力ある者だ。
それこそ酒くらい豪勢に煽ってやればよいのだよ。」
雁金 至
「過小評価しているつもりはないけれど。……単に、『救世主』という肩書は僕には座りが悪いというだけさ」
メル ロワ
「……そうかね?
私にとっては前の契約者もお前も然程変わるようには思えないが。」
雁金 至
「それは、一体僕はどう捉えればいいのかな?」
メル ロワ
魔女にとって、契約者たる人間は 等しく力ある救世主である。
それ以上でも以下でもない。
雁金 至
「なるほど?」
軽く肩を竦める。……そう、「それ以上でも以下でもない」のだろう。ロワさんにとっては。
メル ロワ
「おや、どうやら わかっていないようだな。」
雁金 至
僕は未だにその評価をどう捉えていいかわからずにいる。ずっと。ロワさんと共に行動するようになった、その時から、ずっと。
メル ロワ
「お前が如何に価値ある人間であるか。
今から証明するしかないようだ。」
雁金 至
きょとん、とする。
単純に「何を言われたのかわからなかった」のだ。
メル ロワ
指し示す先には末裔の娘、そしていかにも高級そうな酒がある。
GM
メル・ロワの指の先には、柔らかい垂れ目の眠り鼠の末裔がいる。
メル ロワ
「カリガネ、やはりお前は自己評価が低すぎる。
自覚症状がないなら尚更にやっかいだ。
なぁ そこのお前もそう思うだろう。」
催促するように、くいと指をさす。
末裔の娘
「え~、そうですねえ~。
救世主さまは~、この村をお救いくださったばっかりですもの~」
メル ロワ
「だろう、だろう。我らは救世主。それ以上も以下にもにない。
しかしそれを量りにかけるならば、だ。
価値あるものにはそれなりの対価を払うべきだとは思わないかね。」
メル ロワ
「ああそうだ、この指先ひとつ。」
カリガネの指先をとって。
メル ロワ
「これが無ければ、この村はここになかった。」
メル ロワ
「この指に対価を払うなら、いくらの価値になるだろうかね。」
メル ロワ
くるくると弄んでいる。
つまりは 酒の催促である。
雁金 至
「対価なんて別段必要ないと思うんだけどな」
目を細めてわらう。ロワさんはいつもそうだから、別段そう気にした風もなく。
メル ロワ
カリガネの指を、思い切り逆に曲げる。
「だから、そういう気位のことだよ、カリガネ。」
末裔の娘
半分困ったように、けれどもう半分は面白がるように笑う。
雁金 至
「いだだだだだだ」
そりゃあ指を曲げられれば痛いものは痛い。
末裔の娘
戯れるような声で、カウンターの奥に呼びかける。
看板娘
ふわんとスカートを揺らしながら、トレイを持った白兎が戻ってきて。
看板娘
「救世主さま、村のみんなからのサービスってことで許してあげて」
くすくすと笑う。
看板娘
まず、ふわりと香る蜂蜜酒のグラスがふたつ。
看板娘
とろんとしたチーズがかかった、揚げたての芋。
豆のスープ。人喰い三月のロースト。
看板娘
チーズはちょっぴり、スープも薄め。
けれどもこの国この村で、精一杯のおもてなし。
メル ロワ
「こんなかわいい娘さんに言われてしまったら仕方がないな。」
出てきた代物の代わりに、指を離す。
雁金 至
「……ありがとう。いただくよ」
離してもらった指を振りつつ、末裔には笑って返す。
メル ロワ
「さぁ、宴としよう。この価値に感謝を。」
グラスを片手に礼をする。
雁金 至
「たまにはこういう日もいいか。……この時を与えてくれた、全てに感謝を」
GM
では……ちょっといいお酒で、場も温まったところで。
GM
まずは行動順を決めていきます。
かけひきの行動順に影響するのは……才覚のみ!
雁金 至
1d6+2 (1D6+2) > 5[5]+2 > 7
GM
では手札を引いてまいります。
かけひきの手札は3枚。
雁金 至
酒をちびちびやりつつロワさんの様子を見ている。
メル ロワ
毅然と椅子に腰かけてグラスを傾けている。
メル ロワ
……ように、見えるが酒の中身は減っていない。
メル ロワ
なんなら、少し不機嫌に見えるかもしれない。
雁金 至
「……ロワさん?」
怪訝に思って問いかける。
メル ロワ
「……なんだ?」 視線がそちらを撫でる。
そして、食卓の様子を眺めて首を傾ぐ。
メル ロワ
「食が進まないのか?
あまり食べていないようだが。」
雁金 至
「それはこっちの台詞なんだけどな」
言いながら、食事をつつく。
メル ロワ
「そりゃあ私は魔女だからな。」
ずいと距離を詰める。
メル ロワ
「それよりもカリガネ、お前はほんとうに贅沢を知らないようだな。」
メル ロワ
「馳走を食うならもっとうまそうに食わないか。」
メル ロワ
グラス一杯に酒を注ぎ、
ローストを束にしてフォークで突き刺す。
ちょっと怒っている。
雁金 至
「美味しいよ。……そう見えないなら申し訳ないけれど、こういう顔なんでね」
雁金 至
2d6+2>=7 (2D6+2>=7) > 6[5,1]+2 > 8 > 成功
メル ロワ
「ならばそういう顔をしろ。
救世主というものはもっと豪快に食うべきだ。」
メル ロワ
2D6+2+1>=8 (2D6+2+1>=8) > 10[5,5]+2+1 > 13 > 成功
雁金 至
「いつだって難しいことを言うな、ロワさんは」
GM
情緒が入り乱れる!自身と自身以外のランダムな対象1人の情緒が入れ替わる。
GM
では、カリガネはアピールに成功されたぶん情緒を+1してください。
メル ロワ
うるさい、と言わんがばかりに肉をねじ込む。
メル ロワ
そしてそのまま酒をぶちこむ。さぁ飲め。救世主。
雁金 至
「うわっ」
めっちゃ捻じ込まれる。もがもが。
メル ロワ
「わかるか、この味が……この価値が……」ぐいぐい
雁金 至
口の中にぐいぐい。言い返せない状態でそれはずるくないかな、と思うけど何も言えない。
メル ロワ
ねじこみ終えるとふんと鼻をならして。
「どうだ?少しはわかったか。」
雁金 至
「とりあえず、美味しいものを食べる時にはロワさんに気を付けないといけないってことは学んだよ」
何もわかってないのではないか?
メル ロワ
「スパイスが足りないか?」
睨んでいる。
雁金 至
「スパイスは十分だ。それよりもロワさんももっと飲めばいい。……一緒に飲んでるんだから、そこは付き合ってくれたまえよ」
メル ロワ
「ああ、それが願いならば。」 一口に煽る。
「お前は私の 大 切 な 契約者殿だからな。」
雁金 至
「その『大切』の部分に強勢を置くのはやめてくれないかな……」
メル ロワ
「それの何が不満かね。契 約 者 殿。」強調。
メル ロワ
「私はそのくらいには、お前を高く見積もっているつもりだがね。」
メル ロワ
酒をさらに注ぐ。 酒の一杯が呼び水になったのか躊躇がない。
雁金 至
「高く見積もっていただけるのは……ありがたい、と言えばいいのかな?」
自分の分の食事をつまみながら、酒を飲む。少し酔いが回ってきたのは、先ほど容赦なく流し込まれたからだ。きっと。
メル ロワ
「それは、わざわざ問われなければいけない事か?」
雁金 至
「問わなければわからないことばかりだからね、僕にとっては」
メル ロワ
「もっと素直に受け取ればいいのだよ、お前の場合は。」
メル ロワ
持っていた杯から、カリガネの杯へ、酒をまっすぐに注ぐ。
雁金 至
「……ロワさん、容赦がないなあ」
いっぱいになった杯を揺らしながら、目を細める。
雁金 至
2d6+2>=7 誘い受け (2D6+2>=7) > 4[2,2]+2 > 6 > 失敗
メル ロワ
その行く先をじっと見つめている。まっすぐに。
GM
はっと我にかえった奴がいる。ランダムな対象1人の情緒-1。
雁金 至
Choice[メル・ロワ,カリガネ] (choice[メル・ロワ,カリガネ]) > カリガネ
GM
では、ハプニングのぶんと差し引き。情緒変動はなかったことになりました。
メル ロワ
2D6+2>=7 (2D6+2>=7) > 11[5,6]+2 > 13 > 成功
メル ロワ
「ああ、容赦がないのはお前譲りだよ。」
雁金 至
「僕譲りって……うわっ」
押し込まれるままに酒を飲み込む。むせこまないように必死だ。
メル ロワ
「さぁ、飲め。これは私とお前の為の宴だ。」
メル ロワ
「飲めないなどとは言わせないぞ。言わせるものか。」
GM
カウンターの方から、「救世主さま~、おかわりはご入用ですか~?」という声。
メル ロワ
「ああ、どんどんもってこい!
こいつにはたらふく食わせないと気が済まない。」
看板娘
どんと置かれたピッチャーに、金色の酒がきらめいています。
雁金 至
けほ、と軽く咳をして。ピッチャーから自分の杯と、ロワさんの杯にも酒を注ぐ。
メル ロワ
「ありがとう、どうだいきみも。」
上機嫌で自分の杯を看板娘の方へ。
メル ロワ
「ああ、この杯の旅路の礼にな。 きみに感謝を込めて。」
看板娘
カリガネの方にも、いいのかな~?という顔で首を傾げます。
雁金 至
「いいんだよ。是非君にも付き合ってもらいたい……乾杯をしようか」
メル ロワ
「ああ、コレのことは気にせずに。」 杯を奪って。
看板娘
「……えへへ。じゃあ、いただいちゃいます!」
雁金 至
「ロワさん……」
杯を奪われた手を所在なさげにぶらぶらさせながら、軽く肩を竦める。
メル ロワ
「若い娘の笑顔はいいものだ。幸せの証だねまったく。」
看板娘
末裔の身では滅多なことではありつけない酒の味に、ふにゃんと頬をほころばせています。
メル ロワ
「うん、いい飲みっぷりだ。やはり酒はそうでないとな。」
雁金 至
「うん。……そうだね」
応えながらも、少しだけ、遠い方を見るように。
メル ロワ
「まったくお前は辛気臭い男だな。」
その一方で、よろしく頼むよ、と手をひらひら。
看板娘
手渡されたグラスを持ってカウンターに行き、戻り。
新しいグラスと、わりとマシな部位のジャーキーの小皿をひとつ。
雁金 至
「はー、辛気臭くて悪かったね。
どうにも、僕はロワさんのようにはなれそうにないからな」
メル ロワ
「ああ、私も自分とは同じものは求めないさ。」
メル ロワ
「お前がいるから、私がここにいる。 そうだろう?」
雁金 至
「よくロワさんはそう言うよな」
杯を受け取りながら。
雁金 至
「……僕にとっては。ロワさんが『いてくれる』から、僕もまだここにいられる。……そういう関係だと思っているけれど」
メル ロワ
「私たちはそんなに危うい秤のような関係かね。」
メル ロワ
「だったら、すこし心外だな。私はそうは思わないよ。
お前の強さは私が証明してみせよう、私が魔女である故に。」
雁金 至
「……は。ロワさんにそう言われると、何かを錯覚しそうになるよ」
例えば、自分のつよさ、だとか。
GM
OK! では、カリガネの誘い受けから判定を。
雁金 至
2d6+2>=7 誘い受け (2D6+2>=7) > 10[6,4]+2 > 12 > 成功
GM
続けて、メル・ロワは、12を目標値に誘い受けの判定をどうぞ。
メル ロワ
2D6+2>=12 (2D6+2>=12) > 5[2,3]+2 > 7 > 失敗
雁金 至
2d6+2>=7 アピール (2D6+2>=7) > 8[4,4]+2 > 10 > 成功
GM
情緒が入り乱れる!自身と自身以外のランダムな対象1人の情緒が入れ替わる。
GM
ハプニングの効果でカリガネは2、メル・ロワは3になり
GM
カリガネが情緒2、メル・ロワは情緒4になります。
メル ロワ
「ならば存分に酔いしれるがいいさ。今宵はその為の宴だ。」
雁金 至
「ああ、……ロワさんが望んでくれるなら」
ひとくち、酒を飲み下して。その味を確かめる。まだ、味を感じられることを、確かめる。
メル ロワ
「ふ、私が望まぬ夜なんてあったかな。」
メル ロワ
「記憶にないな。」 と、さらにひとくち。
雁金 至
「……ロワさんはほんとにぶれないな」
苦笑いをする。その距離の近さに戸惑わなくなったのも、本当に最近のことだ。
雁金 至
2d6+2>=7 (2D6+2>=7) > 8[3,5]+2 > 10 > 成功
メル ロワ
「そりゃあそうさ。私はお前の秤だからな。」
空気に酔えども眼差しはしっかりとそちらを見ている。
メル ロワ
2D6+2+1>=10 (2D6+2+1>=10) > 9[4,5]+2+1 > 12 > 成功
メル ロワ
「さて、カリガネ。
今宵お前は私に何をくれるのかな。」
雁金 至
「秤。ロワさんがよく使う言葉のひとつだな」
真っ直ぐにその目を見つめ返して。
雁金 至
「ロワさんは何が欲しいんだい?」
ごくごくしれっとした調子で問い返すのだ。実際のところ、これも普段と何一つ変わらない。
GM
ラウンド終了。捨てる手札は……どちらにもなし!
雁金 至
「いつだって、僕に『価値』を見出してくれるのはロワさんだからね」
雁金 至
「僕がロワさんのためにできることは何だってするさ」
今まで、ロワさんと出会ってから、僕がずっとそうあろうとしてきたように。
雁金 至
2d6+2>=7 アピール (2D6+2>=7) > 11[5,6]+2 > 13 > 成功
メル ロワ
「……それじゃあ遠慮なく。」 髪にかかった指を下になぞって。
メル ロワ
「今宵は存分に お前を頂くとしよう。」
メル ロワ
「お前が乗り気ならば、更に良いのだがな。」
雁金 至
「これでも、十分乗り気なつもりなんだけどな」
雁金 至
「そこはそれ、僕はロワさん曰く『辛気臭い』やつだからね」
メル ロワ
「そんな下賤な言葉で片づけてもらっちゃ困るな。」
メル ロワ
「お前がお前でありたいならば、私に釣り合う男でなくては。」
雁金 至
「その秤に釣り合うにはまだ足りないかな?」
メル ロワ
「その真価はこれから見せてもらうとしよう。」
メル ロワ
「ふふ、それを決めるのは、一体誰だろうね。」
メル ロワ
言葉そのままに、すっと立ち上がる。
「さぁ、残りの酒は救世主様の奢りだ! 皆銘々に飲むがいい!」
メル ロワ
「さぁ、行こう。これは我らの為の花道だ。」
雁金 至
「随分派手な花道だな」
苦笑しながらも、それ以上を言うことはない。
GM
二人に用意された宿は、通りの向かいの三軒隣。
GM
真っ白なシーツとはいかないけれど。
それでもあたたかいベットが待っている。
GM
この村を出るのは、明日のことだか、明後日のことだか……
GM
メル・ロワは、希望があれば小道具『雁金至の寵愛』を獲得しても構いません。
GM
では、メル・ロワが本編に持ち込む小道具に『雁金至の寵愛』が追加されました。
これは宝物の所持制限にかかりません。
GM
ということで、『They lived happily ever after.』前日譚――おしまい!