GM
厚い雲の向こうでは日が傾いて、村の家々には、ぽつりぽつりと灯りのつき始める時分。
GM
村の入り口からまっすぐに続く中央通りには、ぱらぱらと人が歩いています。
GM
ただ…… 村の規模と時間帯からすると、少しばかり、ひとけは少ないような気がしますね。
GM
村人たちは、あなたがたを見ると、なんとも言えない顔をしてすっと目を逸らします。
雁金 至
「そうだね……」
そこまで言って、少し声を落として。
「どうにも、歓迎されているようには見えないね」
GM
まあ、堕落の国においての救世主の取り扱いというのは……場所によってまちまちですね。
GM
亡者退治の英雄として好意的に接してくれるところ。
まちなかに裁判を持ち込む厄介者として疎まれるところ。
メル ロワ
「そうだな乱暴な救世主もいると聞くし、そういうこともあろうが……」
思案しながら、つま先の泥を落としている。
「とはいえ、話を聞かない訳にもいくまい。」
メル ロワ
「おい、ちょっとそこの。」 村人の前に躍り出る。
雁金 至
ロワさんの斜め後ろから。
「……驚かせてすみません。少し、話を聞かせていただけませんか」
メル ロワ
「ああ、遥々向こうの村から この足でね。」
メル ロワ
「いかにもそうだが。」
きな臭い噂のあとだ。少しひっかかる物言いだ。
雁金 至
「ええ。僕らは二人で来ましたが……それが何か?」
雁金 至
ここに来る前の話を思い出す。「ひとりで行けば戻ってこない。ふたりで行けばその後離れ離れになる」……だったか。
村人
「いいえ。お水を買いにくる方は、村の反対側から馬車でいらっしゃるか、お一人のことが多いものだから」
メル ロワ
「おや、元からここは一人旅の者が多いのかね。」
村人
「このあたりで、お水を一番安く買えるのはこの村ですもの。
救世主の方なんかは、お一人で立ち寄られますね」
雁金 至
「なるほど」
と、ひとまず村人の言葉を飲み込んで。
「そちらの彼女の言う通り、僕ら二人は向こうの村から来たのですけれども。向こうの村から人が来ることは、最近ありましたかね」
村人
「ええ。お水を買いにくる方はちょくちょく……」
雁金 至
「ちょくちょく、ですか……。今、ちょうど滞在している人、とかは流石にいませんかね」
村人
「うーん……どうかしら。この村、宿がないの。
買付けの方は、いつも馴染みの村人のおうちにお泊まりですから……」
メル ロワ
「宿がない? これはまいったね、カリガネ。
丁度少し休息でもしようかという話をしていたところでな。」
メル ロワ
「適当な納屋でもいい、休む場所などアテはないかな。」
村人
「……そうですね、じゃあ……うちにお泊りになる?」
村人
「お二人で一部屋になりますし……あいにくベッドはひとつだけですけれど」
メル ロワ
「本当かい!あいにくなんてあるものか
ベッドどころか屋根ひとつあれば充分すぎるほどさ!」
メル ロワ
「ご厚意に感謝するよ。
今宵はありがたくお邪魔させてもらうとしよう、なぁカリガネ。」
雁金 至
「そうだね」
と、ロワさんに頷く。確かにロワさんの言う通り、屋根がある場所はありがたい。
雁金 至
「それでは、お言葉に甘えてお邪魔させていただきます……そうだ、あなたのお名前をまだ聞いていなかった。僕はカリガネといいます」
メル ロワ
「律儀だなお前も。」 まぁいい、と咳払い。
メル ロワ
「私はメルロワだ。よろしく、お嬢さん。」
村人
「わたしはシュゼットといいます。よろしくね」
GM
自己紹介が終わったところで、村人――シュゼットは、二人を先導して村の中へ入っていきます。
GM
やはり、通りにひとけは少ないような気がします。
GM
けれど一方で、日が暮れていくのにも関わらず、減ったようにも見えません。
雁金 至
「…………」
辺りを観察して。シュゼットの背中に声をかける。
「……シュゼットさん。今日は何かある日なんですかね?」
雁金 至
「いえ、そろそろ日が暮れるというのに、家の中に入っていく人が少ないように見えたもので」
雁金 至
元よりひとけが少ないことも気になっているが、「変化が無い」ことも気にかかる。……だから、とりあえずこういう聞き方をしてみる。
村人
「うーん……いつもこんなものだと思いますけど……」
GM
これに限らず、シュゼットに何事か聞いても、わりとフワフワな回答が返ってきます。
GM
なんとなくもやっとするような曖昧な会話をしながら、村の奥まったところまでやってきて。
GM
家の中は全体的にこぢんまりとしていて、かすかに甘い匂いがします。
メル ロワ
「これはどうも。」 招かれるがままに。
どうにも要領を得ない会話。拭えない村中の違和感。
それを感じながらも、厚意には丁重に礼をする。
雁金 至
「ありがとうございます」
違和感を表に出さないようにしながら、頭を下げて。
招かれるままに、足を踏み入れる。
メル ロワ
「手狭だがなかなかいい住まいだな。
ふたりも押し入ってしまってすまない限りだが。」
村人
「いいえ、大丈夫ですよ。
本当は、お夕飯なんかも出して差し上げられたらいいんでしょうけど……」
メル ロワ
言いながらも、遠慮なく辺りを見回している。
これはなんの香りだろう。悪くない。
村人
言いながら、奥の台所から木のコップを3つ出してきます。
GM
コップの、六分目くらいまでですかね。水差しからお水をついでくれます。
GM
この村は水源なので、お水が比較的安いですね。
メル ロワ
「なに、急なことだ こちらも屋根を借りる以上のことは望まないよ。」
形ばかりカップを手に取ってひとくち。
雁金 至
「ええ。突然お邪魔した身ですから。水をいただけるなんて十分すぎるというものです」
雁金 至
カップを手に取り、少しだけ水を口に含む。
GM
広くはない居間に詰め込まれた四人がけのテーブル。小さな台所。
三人いるとかなり手狭な感じがしますが、まあ、席についてしまえばマシな感じがします。
村人
「お二人とも、なんだか、聞きたいことが色々あるようですから……明日、酒場にでもご案内しますね。
わたしじゃ、あんまりわからなくってごめんなさい」
メル ロワ
「お、酒場があるのかい!?
いいねぇ、土産話ついでにちょっと飲むとするか。」
雁金 至
「そうだね、少しくらいなら。飲んで話が弾むならその方がいいだろうしね」
あくまで情報収集のことしか考えていない顔をしている。
メル ロワ
「仲がいい?それどころじゃない!
カリガネと私は深い絆で結ばれているんだ。」
メル ロワ
だよな!!!! と同意を求める強めの視線。
雁金 至
「ああ。ロワさんとは、大事な約束をした間柄でね」
その視線をきちんと受け止めているのかいないのか。うっすらと微笑みながら、言う。
雁金 至
「僕にとっては、なくてはならない、ひとだ」
GM
シュゼットの歌うような声を聞いているうちに。
GM
あなたがたは、すうっと意識が遠のいていくのを感じます。
シュゼット・バルデ
「これで、あなたがたの絆は永遠になりますよ……」
GM
それが、黒いもやを纏って輝いているのが見える。
GM
空気が冷たい。
冷たいということが、わかるようになる。
メル ロワ
最初に感じるのは場の冷たさ。
はた、と顔をあげる。
メル ロワ
眠っていた、いや意識を失っていたのか。 いつの間に?
雁金 至
頭が重い。……意識を失っていたことを認識して。
メル ロワ
「カリガネ、カリガネはいるか。」
身体を起こしながら、状況を確かめる。
雁金 至
「……ロワ、さん?」
まず、確認するのは彼女の存在。
GM
にもかかわらず、その暗闇の向こう側に、未だぽつぽつと……灯りの残る家々。
GM
通りにも、先程と変わらない程度に人がいます。
メル ロワ
窓の外を眺める。
「……気味が悪いな。」
雁金 至
「いるよ。ここに、いる」
返事を返しながら、頭を押さえてゆらりと立ち上がって。窓の外を見やる。
メル ロワ
「ならば上出来だ。」
傍にある頭をくしゃりと撫でやる。
雁金 至
その指先の感触を確かめる。ロワさんの存在を、確かめる。
メル ロワ
「お前がいるならまずはよし。」
「となれば、これが悪夢か、幻か……
それとも性質の悪い現実か。
確かめていかねばなるまいな。」
雁金 至
「どれであっても、僕らのすることはそう変わりはしないだろうけれど」
ともすればぐらつきそうな頭を振って。
「……まずは、確かめようか」
GM
家の外に出れば、適当に人を捕まえるのは難しくありませんね。
白兎の末裔
というか、あなたがたが扉を開けて外に出ると、ぱちっと目を瞬いた白兎の末裔が駆け寄ってきます。
白兎の末裔
「まだお二人とも起きていらっしゃいますね」
メル ロワ
「まぁ……そうだな。起きたてホヤホヤだ。」
白兎の末裔
「お二人はたぶん、呪われてしまいました」
メル ロワ
「おや、じゃああれは同胞か。
呪いか……随分な手土産だなこれは。」
雁金 至
「ロワさんのお仲間かい? それにしても『呪い』とは、随分物騒な言葉だな。……ただ、何が変わったようにも見えないけれど」
GM
それから、白兎の末裔は詳しく話をしてくれます。
GM
シュゼットはこの村で、ほうぼうに呪いをかけて回っています。
この呪いの影響下で、二人は『二人でひとつの人生』を歩むことになります。
GM
片方が起きているとき、片方は必ず眠りにつくことになります。
GM
ちなみに、二人になれなかった者は、二度と目覚めません。
白兎の末裔
「あの魔女は、この呪いを『ハッピー・マリッジ』とか呼んでいるようですね」
メル ロワ
「なるほどな。それでふたりでひとつって訳かい?
そしてこれが帰ってこない者の真相ってところか……」
雁金 至
「そして、ふたりで訪れた者は共に居るところを見ることはなくなる……か、なるほどな」
メル ロワ
「なんとも不作法な魔女もいたものだな。
魔術などあちこちにかけまわって何が面白いのか……」
白兎の末裔
「……ひとの睦まじくあるのが、気に食わないようではありますね」
雁金 至
「とりあえず、ロワさんとはまるで別物の『魔女』だということはわかったよ。『ハッピー・マリッジ』なんて、随分な悪趣味だ」
メル ロワ
「おお、では嫉妬か? 女の情念とは怖いものだな。」
カリガネの髪をふさふさとする。
白兎の末裔
「今、村で起きているものはみんな『二人でひとつ』です」
白兎の末裔
「……呪われた後、次にどちらかが眠りにつくと」
白兎の末裔
「それより先、もう『会えない』。でも、二人の人生は繋がっている……」
白兎の末裔
「……死がふたりを分かつまで、だそうですよ」
メル ロワ
「はは、なるほどなるほど。悪趣味だ。
しかしカリガネ、お前と呪われるならばなかなかに愉快だ。
もとより二人でひとつの人生、まぁそれも悪くはない。」
メル ロワ
「しかし、だ。
どうにも被害はこれだけではない様子。
これから どうするかね、契約者。」
雁金 至
ふさふさされながら、ちいさく溜息、ひとつ。
ただ、普段の気だるげなそれとは少しだけ違って。
雁金 至
「もちろん、この『呪い』を解く方策を考えるさ。
この村に及んでいる被害を知って放ってなんておけないし……それに」
雁金 至
「……もとより二人でひとつとはいえ、ロワさんと『会えない』のは、嫌だからね。僕は」
白兎の末裔
「……あの魔女は、お二人と同じ『救世主』ですから」
GM
救世主の力は、心の疵の力。
そして何より、六ペンスコインの力。
メル ロワ
「つまり愛の試金石ってところだね。
呪いを解く為には打ち倒さねばならぬ。」
雁金 至
「救世主同士というのは、いつだってシンプルでいい」
ちょっとばかり皮肉っぽく言う。
メル ロワ
「ああ、なにより。シンプルな答えだ。
甘えん坊をひとりにはできないからな。」うれしそう
雁金 至
「……ああ、ロワさんの言う通りだよ」
ロワさんはいつだって正しい。……僕はこの場にあって、ロワさんに甘えているのだ。いつだって。
メル ロワ
「まかせておけ。我々は結構強いんだ。
我々のこの絆に代えても、魔の手から逃れてみせよう。」
メル ロワ
大仰に語る。救世主らしい振舞い。
いつだって正しいと、立ち振る舞ってみせる。
メル ロワ
「それでは改めて情報収集といこうか。
末裔の子よ、ほかに魔女について知ることはないかね?」
雁金 至
ロワさんが、そうしてくれているのを知っている。……僕にはできないことを、してくれているのだということを、知っている。
白兎の末裔
「……ごめんなさい。話しただけで全部です」
白兎の末裔
「でも、村の中、どこでも出歩いています。
目立つから、きっとすぐわかるはず」
白兎の末裔
「どうか、気をつけて。
……頑張ってくださいね」
GM
そう言って、白兎の末裔はぺこりと頭を下げて。
雁金 至
「ありがとうございます」
こちらも頭を下げて。
メル ロワ
「それならば話は早い。
あの女の顔なら私もしっかり覚えている。
情報提供感謝する、お前も息災であれよ末裔の子よ。」
GM
短くはいと答えて、白兎の末裔は微笑んで去っていきました。
GM
ということで、ここでPKのデータが開示されます。
GM
PKの名前はシュゼット・バルデ。種別は救世主。
GM
お茶会はこのプレスコット村の中で進行します。
GM
今回はPC2名のシナリオなので、PKの行動回数は2回。
GM
片方が眠ってしまうと呪いが発動するため、まあ、概ね丸一日ほどがリミットでしょう。
GM
というか、それを過ぎるとシュゼットが裁判で昏倒させに来ます。
GM
また、シーン表を同じく情報タブに掲載しますね。
GM
では、まずはPCの手番。
どちらから行動されますか?
GM
シーンは、シーン表を振っても、希望する場所を自分で選んでも良いです。
メル ロワ
せっかくなのでシーン振っちゃおうと思います
GM
沼のほとり:緑色の濁った水が小さく波立つ。かすかに霧が出ている。
GM
真夜中。沼の水面はひどく暗く、遠い灯りを反射して、底を見通すことを拒んでいます。
GM
薄い霧が、あなたがたの足元をひんやりと撫でていく。
メル ロワ
早速、件の魔女の捜索をはじめる。
村はずれ。人気の少ない場所。ひんやりとした気配を楽しんで。
メル ロワ
状況は正直よいものではない。
しかしまるで散歩をするかのように彼女は沼を滑っていく。
未だ絶えぬ灯りが、濁った水面に反射して美しい。
メル ロワ
「しかし、大変なことに巻き込まれたものだなカリガネ。」
メル ロワ
首を突っ込んだのはこちらのほうである。
が、気にする様子もなくカリガネに笑ってみせる。
雁金 至
沼のほとりをぽてぽてと歩きながら。
「……巻き込まれた、って表現が正しいかはともかく、『大変なこと』はいつものことだろ。降りかかった火の粉を払うのもね」
メル ロワ
「ふふ、いつものことか。
この火の粉を払うのもお前の仕事のひとつ、といったところかな。」
雁金 至
「知ってしまった以上は放っておけないからね。……今回は僕らも当事者ではあるんだけどさ」
メル ロワ
「お前はいつも"他人様"の為なのだな。
自分にも振りかかっているんだぞ、この火の粉は。」
雁金 至
「そうでもないよ。……そうでなければ納得ができない、『僕自身』のためさ」
メル ロワ
「おっと、それは私の為ではなく?」
と冗談を挟みつつ、今宵の彼女は機嫌がいい。
この暇を楽しんでいるように見える。
メル ロワ
「きみにとってその納得は、それほど大切なものなのかな。」
雁金 至
「僕にとっては、この場に立ってる理由になる程度、かな」
つまり「生きている理由」に等しい。この堕落の国において、ただ立っているというのは、そういうことだ。
雁金 至
「……でも、そう、ロワさんが望むなら。僕は僕自身の納得なんかよりもロワさんの望みを取るだろうね。その程度の『大切』かな」
メル ロワ
「ほう、私が望むならなんでも かい?」
メル ロワ
「それでは、ここで一度目を閉じてみようか。
私が眠りに落ちて、ふたりは本当にふたりでひとつになる。」
メル ロワ
戯れに瞼を閉じる。視界に真っ暗な闇が広がる。
雁金 至
「それが本当にロワさんの望みであれば。……僕は否とはいえないよ。『僕の望みでなかったとしても』」
雁金 至
「僕はね、ロワさん。……ロワさんにだけは報いないといけないと思っている。僕はそれだけのことをロワさんに願っているし……それ以上に、ロワさんと共に在りたいと思う僕のために」
メル ロワ
「報いる?何のために?私にはわからないな。
それは、私の言葉が必要だからかね。それとも力を求めるからか。」
メル ロワ
「共にありたい、というのもあいまいだ。
私は力こそあれ、お前へ属するものだぞ、契約者。」
メル ロワ
「すべて、私が眠りに落ちても。
私が傀儡になっても同じように言えるのだろうか。お前は。」
メル ロワ
「私はお前に興味がある。
お前が如何にしてお前で在ろうとするのか。
それにはこの"呪い"良い実験だとおもわないかね。」
目を閉じてくるくると回る。
メル ロワ
「その為の"犠牲"というのであれば、
私は喜んで身を投じるだろうね。」
雁金 至
「僕はただただ悪趣味だと思うよ。ロワさんのようには考えられない」
軽く肩を竦めて、それから声を低めて。
「ロワさんが望むなら、それでもいいけれど。……きっと、ロワさんが楽しめるような結果にはならないさ」
メル ロワ
「そうかな。ふふ、悪趣味には違いないが。
いいじゃないか、必ず死ぬ訳でもない。眠るだけだ。」
雁金 至
「案外、目覚めることはないかもしれないよ」
少し、口を尖らせて。どちらかというと、「不服」の感情に近いものを混じらせて、言う。
メル ロワ
「わたしはそれでも構わない。
わたしの望みはカリガネ、お前と在る事だ。」
メル ロワ
「お前の正義ある限り、私の魂が尽きることはない。」
メル ロワ
「私は魔女だ。
契約者と共に在る者。
そう在れと、生きるもの。」
「それはたとえ永遠の眠りと共にあろうと不変の理だ。」
雁金 至
「……僕の『これ』は正義なんかじゃないさ」
胸に手を当てて、目を細めて。
「けれど、『これ』がロワさんと僕を繋いでいると、ロワさんは言う」
メル ロワ
「それを正義としてなんとする。
では問おう、お前にとって力とは、何だ?」
雁金 至
「僕にとっての力とは、『どうしようもないもの』さ。……どうしようもなく、振るわれるもの。振るうしかないもの。そうして、変化した結果だけがのこされる、もの」
メル ロワ
「……どうしようもない、か。
お前にとってそれは疎ましい存在かもしれないな。」
雁金 至
「疎ましい、かな。……正直なところ僕にはわからないままでいる。ただ、これが僕にとっての『力』で。この『力』があるから立っていられるのもわかっているつもりだよ」
GM
これ以上踏み込んだ話ができるかは、ダイスを振って決めてもらおうかな。
GM
能力値のチョイスから、順番に処理していきますね。
シュゼット・バルデ
Choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 猟奇
シュゼット・バルデ
2d6+2>=7 (2D6+2>=7) > 2[1,1]+2 > 4 > 失敗
メル ロワ
2d6+3>=7 判定:愛 (2D6+3>=7) > 4[2,2]+3 > 7 > 成功
[ シュゼット・バルデ ] HP : 21 → 20
メル ロワ
「そうだな。お前はそうして立っている。」
滑り、降り立って。ゆるりと、地に足をつける。
メル ロワ
「お前が立てばこそ、私がここに立つに値する。
それが、私とお前と間にある絆。契約だ。」
メル ロワ
「お前がどうあろうと、私はお前の力だ。
今共に立つ一時くらいは、その正義を正しいと証明しよう。」
メル ロワ
闇から光がこぼれていく。
雁金の瞳から、漆黒が通り過ぎていく。
雁金 至
「『それでいいのだろう』、なんて。ずるい言い方をするな、ロワさんは」
少しだけ頬の力を緩める。わらう、のは下手くそだ。昔から。
雁金 至
『お前が立てばこそ、私がここに立つに値する』
ロワさんはいつだってそういうもので。
でも、僕は。
雁金 至
「ロワさんが証明してくれるから、僕は立っていられる。この力を振るっていいのだと、思える」
確かめるように、繰り返す。
雁金 至
「ロワさんは、僕との関係を契約だと言うし、ロワさんにとってはそれが一番深い絆の形なのかもしれないけれど。……僕はもう少しだけ違う形で、それを捉えているのかもしれない」
雁金 至
「……まあ、それはいいんだけど」
少しだけおどけたような口調で。肩を竦めて。
雁金 至
「とにかく。ロワさんが『いてくれる』のは嬉しいよ。言葉をかけてくれるのは嬉しいよ。僕の『これ』を証明してくれるのは、……嬉しいよ」
それだけは、確かなことで。
メル ロワ
額面通りに受け取り、下手くそに笑う。
それをもどかしく感じることもある。
けれど、そうさせているのも己の在り様かもしれない。
メル ロワ
「わかっているじゃないか、契約者。
感情に素直になることはいいことだ。」
メル ロワ
「私の為に、そして己が為に。その力を尽くしてみせろよ。」
メル ロワ
背筋はぴんと先まで伸びている。
毅然と振舞うのも慣れたもの。
これと繋がるのは「絆ばかりではない」
メル ロワ
しかし、己が姿を証明するは「契約」で「絆」その程度のもの。
メル ロワ
与えられるのはその程度のもの。
返し得るものはこの真っすぐな力のみ。
メル ロワ
「さぁ、次はどこへ行こうか。」
日常の延長のように、気ままに誘う。
「共に在るが喜ばしいのなら横に居ろ。そうだろう、契約者。」
GM
それは己の胸のうちにあるものか、目の前のひとの持つものか。
GM
誰も教えてはくれないけれど、何もないままにはいられない。
GM
それは己の望みのためか、目の前のひとに報いるためか。
GM
答えは未だ闇の中、水面の灯りのように揺らいでいる。
GM
シュゼットは村の中で適当に見つかります。
シーン表を振ってもらいましょうか。
GM
教会:ごく小さな教会。砂に汚れたステンドグラスが鈍く輝いている。
GM
けれども村から明かりの消えることはなく、教会はその灯に仄白く佇んでいます。
GM
汚れたステンドグラスの向こう側……教会の中にも、誰かが明かりをともしているようですね。
雁金 至
ロワさんと二人で、ぽつぽつと言葉を交わしながらゆったりと歩いてきて。
「教会か……」
雁金 至
ここではそうでないだろうけれど、僕個人の認識では「教会」というものはかなり非日常的なもので、今までそうそう立ち入るようなことはなかったな、と思う。
そう、教会に用があるとすれば、それは。
雁金 至
そんなことを思いながら、扉に手をかけて、開く。
メル ロワ
浮かない顔だな、そう覗き込むより先に扉が開かれる。
GM
扉の正面、ステンドグラスが象っているのは、青い衣の女性。もしかしたら少女。
GM
ロウソクの灯にゆらゆらと揺れる、色のついた影。
シュゼット・バルデ
「おふたりは、神様にお祈りをするタイプ?」
シュゼット・バルデ
「それとも……『結婚』の誓いに?」
メル ロワ
揺らめく灯そこに影。
「おや、奇遇だね。」またたいて。
雁金 至
「僕は、神頼みはしないって決めてるんです。魔女に魂を売ってるものでして」
軽くおどけてみせて。
「そう、こっちでも教会では『結婚』の誓いをするもんなんですね」
メル ロワ
「ふふ、おもしろい文句だね。
誓いの神父にでもなって頂けるのかな。」
メル ロワ
「魔女と契約者でも結婚は成るのかな、カリガネ。」
雁金 至
「成るならお願いしたいところだね。ロワさんが望んでくれるなら」
メル ロワ
「とのことだ。
せっかくならドレスが欲しいな。
くたびれたスーツでなく綺麗な召し物があれば尚いい。」
メル ロワ
「あとは誓いを立てるための、エンゲージリング とかね。」
シュゼット・バルデ
「悪いけれど、わたし、素敵な妖精のおばあさまではないの」
シュゼット・バルデ
「だから、あなたたちに差し上げられるのは、分かたれることのない人生、それっきり」
雁金 至
「いつだって、どこだって、結婚の手続きにはいろいろなものが入り用ということでね」
雁金 至
「……ああ、そうそう、シュゼットさん、あなたのとこでも、『左手の薬指の指輪』ってのは将来を誓い合った相手から送られるものなのかな?」
雁金 至
「『愛』ですか。それは素敵なことで。シュゼットさんの薬指の指輪、……よく似合っていますよ」
メル ロワ
「おっと、私の前で女を口説くかい。」 ふふ、と笑う。
雁金 至
「まさか、僕はロワさん一筋だよ。言っただろう、魂を売った身だからね、僕は」
軽く肩を竦めて。
メル ロワ
「しかし、確かにそれは大切なもののように見受けられる。
まるでなにかの呪縛の様だ。」
雁金 至
「それで、そいつはどなたからいただいたものなんです? シュゼットさんが結婚を誓うほどの、素敵な方なんでしょうねえ」
シュゼット・バルデ
「あら、わたしの愛のお話が聞きたいの?」
シュゼット・バルデ
「知り合って間もないのに、ずいぶん不躾な方。
恋の話は、もっと親しい間柄でするものじゃないかしら」
シュゼット・バルデ
「ねえ、メルロワ。どう思う?」
メル ロワ
「ああ、まったく色気がない問いだね。
愛というものはもっと美しくなくっては。」
メル ロワ
「それこそ、語るなれば詩のように。
お前にとって、”愛”の、というだけある代物なのだろうそれは。」
メル ロワ
「ただ、私もそれの話には非常に興味があるね。
同じ魔女として、物語を愛する詩人としても。」
シュゼット・バルデ
「ふふ。あなたもよっぽどだわ、メルロワ」
シュゼット・バルデ
「そうねえ、物語としたら……ありがちに、聞くも涙、語るも涙ってところかしら」
メル ロワ
「無粋は承知の上さ。
之も奴の半身なのでね、勘弁願いたいところだ。」
雁金 至
二人のやり取りを聞いて、肩を竦めて。
「いや、申し訳ない。……僕は『そういう話』にどうしても疎くて仕方ない」
雁金 至
「それでも、そう、『知りたい』と思ってしまうのはやめられないんですよ、あなたの気持ちがどうあれ……ね」
シュゼット・バルデ
Choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 愛
シュゼット・バルデ
2d6+2+2>=7 (2D6+2+2>=7) > 7[6,1]+2+2 > 11 > 成功
シュゼット・バルデ
1d6 効果量 (1D6) > 1
GM
ということで、計-3の補正で振ってください。
[ シュゼット・バルデ ] ティーセット : 3 → 2
[ シュゼット・バルデ ] ヤリイカ : 1 → 0
[ シュゼット・バルデ ] HP : 20 → 19
雁金 至
2d6+2+2-3>=7 (2D6+2+2-3>=7) > 5[4,1]+2+2-3 > 6 > 失敗
シュゼット・バルデ
「わたしがどう思っているかなんて、気にする殿方は初めて見たわ」
シュゼット・バルデ
「あなたの気持ちがどうあれ、だなんて……そんなことを言いながら、ひとの心に触れようとするのは」
シュゼット・バルデ
「なんにも考えずにそうするより、もっとずっと酷いことだって思うわ」
雁金 至
「なるほど?」
……本当にわかっているのかいないのか。そんな態度で、肩を竦めてみせる。
メル ロワ
「納得してどうする。いや、なにもわかっちゃいないのか。」
メル ロワ
「疎さもある種の強さではあるが、
理論の上で 奴の言い分は正しいと言わざるを得ないね。」
メル ロワ
「ただ踏み入るだけでは、どうせ何もわかりやしない。
まったく、鈍い男を相棒に持つと苦労が絶えんよ。」
シュゼット・バルデ
「メルロワ、もっと言っておやりなさいな。
カリガネがそれじゃあ、苦労するでしょ?」
メル ロワ
「ああ、これでも言い含めているつもりではあるんだがな。
いやはや神父様にご教示いただくにも、どうにも頭が足りんようだ。」
メル ロワ
「この 永遠 が成れば、多少はこいつも
人の心ってやつがわかるようになるだろうかね。」
シュゼット・バルデ
「殿方の心ひとつに泣かされるのは、いつだって女」
シュゼット・バルデ
「そういうものだって諦めてしまったほうが、心やすくいられるかもしれないわよ?」
GM
せっかくなので、このままシーンをシュゼットにもらいましょう。
シュゼット・バルデ
「ねえ、メルロワ。物語を愛する詩人さん」
シュゼット・バルデ
「あなたはカリガネと一緒にいて、今、どんな物語を読んでいるのかしら」
シュゼット・バルデ
「楽しい冒険譚?すてきな恋物語?」
シュゼット・バルデ
「どんな『続き』を描いていきたい?」
メル ロワ
「ふうん。きみは諦めた方のクチかな、シュゼット。」
メル ロワ
「私たちの物語にご関心がおありとは。実に光栄なことだね。」
メル ロワ
「けれど、それを教える訳にはいかないな。
続きなんて、どうせきみの気分次第なのだろう?」
メル ロワ
「きみは空想を己が物にすることがご趣味のようだ。
むしろこちらが聞きたいものだね。
シュゼット、きみが私たちに望むものはなんだい?」
シュゼット・バルデ
大袈裟に驚いたような顔をしてみせる。
芝居がかった仕草で、人差し指をくちびるに当てて。
シュゼット・バルデ
「わたしが望むのは、『離れることのない絆』よ」
シュゼット・バルデ
「誓いなんて、神様を前にしただけの口約束」
シュゼット・バルデ
「わたしは、そうじゃないものがいいの」
メル ロワ
「つまり、きみは神父様など最初から信じちゃいない訳だな。
それでよく"望みと在らば"等と言えたものだな。」
シュゼット・バルデ
「あら。嘘はついていないわ。
信じていないから、おままごとができるってだけ」
メル ロワ
「それはそれは性格に難あり、だな。
昔にも言われたことはなかったかい?」
メル ロワ
「ままごとめいた約束なんてするもんじゃない。
その点においては同意するよ。
人の心を踏みにじるとは、そういう行為の事を言うのだろうしね。」
シュゼット・バルデ
「性格が悪いなんて、ずうっと言われておりましたとも」
シュゼット・バルデ
「教えてあげましょうか。
わたしは『性格が悪い』から殿方に捨てられたのですって!」
シュゼット・バルデ
「殿方に捨てられたら、女は『性格が悪くて』『気取り屋で』『その程度の』ものだってことになるのよ」
シュゼット・バルデ
「さあ、それは嘘かしら。本当かしら?」
メル ロワ
「そうなのかい?私には理解しがたいな。
捨てられた者の気持ちも、取り巻きなら尚の事 取るにも足りん。」
メル ロワ
「お前の過去がどうあれ、今ここに立つ私の前にはお前がいるだけ。
私からすれば、おまえはただの 女。その人にしか見えやせん。」
メル ロワ
「故に、私はお前を笑いもせんよ。
ただ呪いをかけてまわる酔狂な魔女であるとは思うがね。」
シュゼット・バルデ
「ふふ。あなたはとっても正しいのね、メルロワ」
シュゼット・バルデ
「正しい側にいられるというのは、幸せなことよ」
シュゼット・バルデ
「後ろ指さされることのない、正義のひと。
そうあり続けられるのは、どうして?」
シュゼット・バルデ
「あなたが高潔だから?
あなたが清廉だから?」
シュゼット・バルデ
「あなたの正しさは、どこから来ているの?」
シュゼット・バルデ
*メル・ロワの心の疵『契約:カリガネ』を抉ります。判定は猟奇。
雁金 至
Choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 猟奇
雁金 至
2d6+2>=7 (2D6+2>=7) > 8[2,6]+2 > 10 > 成功
シュゼット・バルデ
2d6+2-1>=7 (2D6+2-1>=7) > 7[3,4]+2-1 > 8 > 成功
メル ロワ
「簡単なことさ、私がこやつを信じているからだよ。」
シュゼット・バルデ
ちらりとカリガネを見て微笑む。
メル ロワ
「どこかのだれかさんのように
放りなげてくれるような度胸もない。」
シュゼット・バルデ
「ふふ。『悪く』すらないから、よりひどいのではなくって?」
シュゼット・バルデ
「いちばん大切なときに『良く』あることだってできやしないんだから」
メル ロワ
「……かもしれないな。
けれど縁は既に結ばれてしまった。離れがたいのだよ。」
メル ロワ
「良くあれなかったならば、私が死するまでのこと。」
メル ロワ
「これが私なりの信頼の形さ。
お前が何を言おうとも、より良くあろうとする奴の心根は真実だ。」
メル ロワ
「仕方のない奴に惚れると損をする。 ……まったくだ。」
シュゼット・バルデ
「……ふふ。大丈夫よ、メルロワ」
シュゼット・バルデ
「あなたが死んだら、カリガネはもう目を覚まさなくなる」
シュゼット・バルデ
「二人が『よりよく』あれなかったらね」
シュゼット・バルデ
「だから、あなたたちは。
わるーい魔女を倒して、『よりよい』物語を紡ぐといいわ」
シュゼット・バルデ
言って、スカートの裾をつまんで礼を取り。
GM
そのスカートがするりと翻ると同時に、シュゼットは姿を消します。
メル ロワ
「……私は死にはしないよ。」 彼女の皮肉に、ふと笑いを溢す。
メル ロワ
お前の手のひらの上で踊る気はない。
しかし少なからず私はその目を閉じることを想った。
それは奴への情の形なのか、それとも契約の為せる絆か。
メル ロワ
言葉を返すにも相手はもういない。
横に契約者たる男がいるだけだ。
メル ロワ
「カリガネ、お前もう少し女について学んだらどうだ?」
メル ロワ
始終無言であった男をつつく。
「……いや、それとも人の方が先かな。」
雁金 至
「きっと、それはやるだけ時間の無駄じゃないかな」
こう「なって」しまったものを今更どうこうできるとは思えなかったから。
メル ロワ
大きなため息をついて返事を返す。
「思考停止は悪い癖だぞ。小さな雛でもあるまいし。
……私が、いつまでもこうしていると思うなよ。」
メル ロワ
額をぺちんとやると。つかつかと歩いていく。
GM
教会の外には、そろそろ朝の気配が漂っています。
GM
女の指輪に宿った約束を知るのは、その薬指の持ち主ばかり。
GM
契約に宿った情の色を知るのは、その想いの持ち主ばかり。
GM
では、1ラウンド目が終了しました。
PCの手番も、PKの手番もそれぞれ残りひとつずつ。
GM
沼のほとり:緑色の濁った水が小さく波立つ。かすかに霧が出ている。
GM
かぶったな。希望があれば振り直してもいいです。
GM
水汲み小屋:沼の水を汲み、濾過する小屋。隅に水樽が積まれている。
GM
教会を出て、しばらくまた、村の中を歩く。
探索とも散策ともつかないそぞろ歩き。
GM
村のところどころには、水樽が運び入れられ、そして運び出される小屋があります。
雁金 至
何とはなしに、小屋の前で立ち止まる。水車の音に惹かれるように。
GM
かすかな流れに、ごくゆっくりと回る水車。
水の跳ねる音が耳に届きます。
メル ロワ
「どうした、カリガネ。喉でも乾いたか。」
メル ロワ
つかつか、ヒールをならして 真っすぐに水車の方へ歩んでゆく。
雁金 至
「ああ……、そうだね。少し、喉が渇いた」
深夜から今まで、ぽつぽつと話をしながら歩いてきたのだ。喉の渇きを思い出すのは必然ではある。
メル ロワ
ぱちんと指を鳴らす。
ただその動きだけで呼ばれるように水が揺らぐ。
メル ロワ
そして、水流が渦を巻いて、カリガネの頭の上へ浮遊して。
メル ロワ
――ざばあ。
不機嫌な土砂降りが、あなたを襲う。
雁金 至
「うわっ」
びしょ濡れになりながら、一歩引く。
「……ひどいな、ロワさん」
GM
やや土臭いというか、緑臭いというか、そんなにおいがします。
メル ロワ
「ひどいのはどちらのほうだろうな。
まったく、お前は何もわかっちゃいない。」
メル ロワ
「あっちじゃない、こっちじゃない、
そういって村中をぶらぶらと散歩するだけ。」
メル ロワ
「あの女に言わせ放題言わせおって。
挙句、無駄骨だと。まったく呆れてものが言えん。」
メル ロワ
つまりは先ほどのことをまだ怒っている。
雁金 至
「……それは仰る通りで」
素直に認めて両手を挙げる。
メル ロワ
「なれば少しは否定でもしてみせんか。ほら、ほら。」
再び、水をひとすくいしてみせる。
空中でゆらゆらと、濁った水面が揺れる。
メル ロワ
「また呆けたことを言うならば
私は今からでも眠ってやるぞ、契約者。」
雁金 至
「水くらいいくらでもかけてくれよ。……それでも、僕は多分ロワさんの気に召す答えを出せそうにないからね」
メル ロワ
――ばしゃあ。
間髪入れずに水が降ってくる。
メル ロワ
「またそうしてはぐらかす。
なるほど、私に見せる為の誠意すら失くしたか。」
メル ロワ
「努力すらしないと言うのなら、それもいいだろう。
私とお前は契約で結ばれただけの関係だ。
私もお前には何も求めんよ。」
雁金 至
「はぐらかしているつもりはないし、考えることを止めたつもりもない。……ただ、ロワさんに胸を張ってものを言う自信がないだけさ」
メル ロワ
無言。もう何も言うまいや。
とばかりに、つかつかと距離を離していく。
雁金 至
「……ロワさんも、」
その背中に、聞こえるか聞こえないかくらいの声をかける。
「そうやって腹を立てることがあるんだな」
メル ロワ
魔女は地獄耳である。
それが契約者であればなおのこと。 ぴたり、と足が止まる。
雁金 至
「怒るだけの価値もないと、言われるのかと思ってたよ」
メル ロワ
「どうだろうな、本当にその価値すらないのかもしれないな。」
メル ロワ
「馬鹿なことをしたものだよ、私も。
しかし、価値のないものにでも私は正しくあるだろうね。
契約は為された。ならば、正しくお前の力に成ろう。」
雁金 至
「その価値もないのに怒ってくれたんだね、ロワさんは」
雁金 至
「僕は、ただ、契約に正しくあるってだけじゃなくて。……その『こころ』が、ロワさんのロワさんたる由縁なんだなって思ってるから」
雁金 至
「……だから、その、ごめん。弱気なことを言った」
メル ロワ
「はは、私が私であることをお前が説くか。」
メル ロワ
「弱音なら好きに吐き出すがいい。
これ以上、お前に期待などせん。」
メル ロワ
「好きにふるまえよ、契約者。
私も一介の魔女にすぎん。
お前の力を借り請けるもの。ただそれだけだ。」
雁金 至
「ああ、……そうだな」
言って、濡れた髪をあげて。つかつかとロワさんの前に歩み寄り、その手を取る。
メル ロワ
払うことすらしない。
鋭いまなざしがそちらを少しみるだけ。
メル ロワ
そこに、触れれば
一段と冷たい空気が漂い流れる。
ぬくもりには程遠い温度。人ならざる者の気配。
雁金 至
そのまなざしを、受け止める。その冷たさを、受け止める。……僕はどうしたって「人間」で、その温度をぬくもりから「程遠い」と感じてしまうのだけれども。
雁金 至
……心底、それを「心地よい」と思う自分も、いる。
メル ロワ
その冷やかさは、あなたの身体を巡る。
濡れた髪がそうであるように、徐々に冷たさを纏ってゆく。
雁金 至
そう、心地よいと思ってしまったのだ。初めて出会った時から今まで、そう、今この瞬間ですら、変わらず。
雁金 至
「……ロワさんが僕を見限っても。それこそ、ロワさんが望むなら、契約を破棄してくれたって構わないとすら思ってる。……いつだって、ずっと、思ってるよ。でも」
雁金 至
「それでも。……僕は、ロワさんが好きだから。どうなったって、ロワさんの『しあわせ』を。身勝手に、願い続けるだけだよ」
シュゼット・バルデ
Choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 猟奇
シュゼット・バルデ
2d6+2>=7 (2D6+2>=7) > 11[6,5]+2 > 13 > 成功
シュゼット・バルデ
1d6 効果量 (1D6) > 6
雁金 至
2d6+2-6>=7 (2D6+2-6>=7) > 4[3,1]+2-6 > 0 > 失敗
[ シュゼット・バルデ ] HP : 19 → 18
シュゼット・バルデ
不意に、メル・ロワの背後から。
くすりと笑う声。
シュゼット・バルデ
「せめてそこは、「僕が幸せにする」って言わなくちゃ」
メル ロワ
「盗み聞きとは。つくづく悪趣味だね、きみも。」
メル ロワ
「こいつにそんな気の利いたことが言える訳がないだろう。」
メル ロワ
その手を握られたまま、ゆるく微笑んで返す。
視線は、カリガネにではなく その魔女の方へ。
雁金 至
「シュゼットさんには関係のない話ですよ」
真っ直ぐにロワさんを見たまま、ぽつりと返す。
シュゼット・バルデ
「でも、往来でそんな、好きだとか嫌いだとか……」
雁金 至
「はしたないついでに、そういう話を『続けても』いいんですよ。この場で」
シュゼットの疵を暗に示す。それがどれだけの意味があるかは、わからなかったけれど。
シュゼット・バルデ
「あらあら。わたしったら、ずいぶんお邪魔みたい」
メル ロワ
「私としてはこの先続く言葉がどんなものか
是非ご清聴いただきたいものだけれどね。」
シュゼット・バルデ
「ふふ、もう意見が食い違ってるわ」
メル ロワ
「悲しいかな、こいつはいつもこうなんだ。」
シュゼット・バルデ
「しょうがないこと。
でもまあ、おじゃま虫にされるのは気分が良くないもの。
わたしはお暇させてもらうから、お好きなだけお続けになって?」
シュゼット・バルデ
「でも、この村はどこだって、わたしの小さなお庭みたいなものだってことを、お忘れなく」
シュゼット・バルデ
ひらりと手を振って、今度は悠々と歩み去っていきます。
メル ロワ
「……さて、こんなところかな。」黒い衣が靡く。
メル ロワ
「きみの愚直さはよくわかったよ。
……知っていた。という方が近いかな。」
メル ロワ
「思ってくれるのは非常に嬉しいよ、カリガネ。
確かにそれは……私にとってはなかなかに得難いものだ。」
メル ロワ
「望んでいるさ、いつだって。
お前に、そんな器用さなど求めてもいないしね。」
メル ロワ
お前は、結局。私を望むばかりだ。
待ってくれとも、愛してやるとも言いやしない。
濡れた髪をくしゃと撫でる。
「……お前は、そのままでいい。」
メル ロワ
それは冷ややかな魔女の体温。
冷えた身体を温めることはない。
雁金 至
それは、いっそ「死」に近い温度で。
それを「心地よい」と感じる僕がいる。
雁金 至
その心地よさに、まだ僕は甘えている。そのことを、自覚している。ロワさんとの「約束」は、未だ果たされていない、けれど。
雁金 至
あまりにも上手く言えない言葉の代わりに、ロワさんの手をもう一度だけ掴んで。その手の甲に、そっと口づけた。
GM
愚かな望みに身を染める。
届かないかもしれないと、そう知りながらも。
GM
人を想うことは、きっと愚かで。
だからこそ代え難くて。
GM
そしてそれが届かないとき――それは、虚しさにも、似る。