メル ロワ
どこからともなく、示されるべくしてその袂へ。
メル ロワ
「やぁ、お加減は如何かな。」
日常の挨拶をするように気軽に、声がかけられる。
シュゼット・バルデ
「……好きと嫌いのお話はもうおしまいになったの?」
雁金 至
その後ろからゆったりと歩んできて、ロワさんの斜め後ろに立つ。まだ髪とジャケットは濡れているがあまり意に介した様子はなく。
メル ロワ
「おしまいもなにも。
ふたり共にある限りはまだまだ続く予定さ。」
メル ロワ
「しかし、このまま愛をはぐくんだとて、
我らに残された時間が延びる訳でもないからね。」
メル ロワ
「手っ取り早くきみと話をつけにきた。 そんなところかな。」
シュゼット・バルデ
「いいえ。おしゃべりは好きよ」
メル ロワ
「それは気が合いそうだ。
ついでにこの呪いを解いてくれると嬉しいのだけれどね。」
シュゼット・バルデ
「愛ってそもそも、呪いみたいなものよ」
メル ロワ
「そりゃあ こいつとまだまだ話足りないからさ。
あれを見ればわかるだろうこいつの頭の足りなさを。
一夜限りでは言葉が足りんのだよ、まったくもってな。」
メル ロワ
「そうして言葉をいくら尽くしても足りない。
この関係をきみが呪いと呼ぶのならそうなのだろうね。」
雁金 至
軽く肩を竦める。言われ慣れている、といった調子で。
「一夜限りでは足りない、というのは僕も同意だけれどね」
シュゼット・バルデ
「言葉はいつだって足りないわ」
シュゼット・バルデ
「あなたたちだけじゃない。誰だってそう」
シュゼット・バルデ
「死ぬまで、尽くし切ることはできないものよ」
シュゼット・バルデ
「足りたら、殺してしまったかもしれないけれど!」
メル ロワ
「終われば口を塞いで殺してしまうかい?
であればきみにとって言葉こそが呪いだね。」
メル ロワ
「愛とは多分君が思うよりもっと底の知れない呪いだよ。
語るでは足りない、言葉に尽くすには惜しいものだ。」
メル ロワ
「愛をもってすれば言葉の切れ目さえも……
……いや、私が語るにはおこがましいか。」
メル ロワ
言葉の足りない男の頭を撫でやる。
「わたしも、きみのようになれればもっと楽かもしれんな。」
シュゼット・バルデ
「御高説をありがとう、メルロワ」
シュゼット・バルデ
「あなたは愛を裏切られたことがないってこと、よくわかったわ」
メル ロワ
「ああ。そして困ったことに裏切り方もわからない。」
メル ロワ
「きみならその方法を 知っているかな。シュゼット。」
「痛みを知るきみの愛とは、如何様なものだろう。」
メル ロワ
*シュゼットの心の疵「絆」を愛で抉ります。
シュゼット・バルデ
Choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 愛
シュゼット・バルデ
2d6+2+2>=7 (2D6+2+2>=7) > 10[6,4]+2+2 > 14 > 成功
シュゼット・バルデ
1d6 効果量 (1D6) > 5
[ シュゼット・バルデ ] HP : 18 → 17
[ シュゼット・バルデ ] ティーセット : 2 → 1
メル ロワ
2d6+3-5+2>=7 判定:愛 (2D6+3-5+2>=7) > 3[2,1]+3-5+2 > 3 > 失敗
シュゼット・バルデ
「裏切り方なんて知りたくなかったわ」
シュゼット・バルデ
「ドレスの用意も終わってた。髪を結って、一番綺麗に見えるようにお化粧をして」
シュゼット・バルデ
「なのに教会に彼は来なかった」
シュゼット・バルデ
「彼のおうちには誰もいなくて、それっきりどうなったのかはわからない」
シュゼット・バルデ
「……三日経ったら、隣の町では女の子が一人、やっぱり行方をくらませてたって話!」
シュゼット・バルデ
「愛していたわ。そうでなかったら、こんなふうに……こんな疵のちからは現れやしない」
メル ロワ
「そして、きみはひとの永遠を望むようになったのか。」
メル ロワ
「……まさしく呪いだね。
きみの愛が永遠ならばそれは何にも負けぬ強い力に代わるだろう。」
メル ロワ
「きみは、その人を殺すだろうと言ったけれど……それは嘘だね。」
メル ロワ
「己の中で燃える言葉は、それこそ語るには足りんよ。」
メル ロワ
「わたしには わかり得ぬことだな。それこそ、永遠に。」
シュゼット・バルデ
「わからないほうがずっと幸せよ、メルロワ」
シュゼット・バルデ
「わからないままのほうがいい」
メル ロワ
「どうだろうな。私はどうあれ出会ってしまった。」
男の方に目を細める。
「……きみは、戻りたいと思うかい。何も知らなかったあの頃に。」
メル ロワ
ちいさな沈黙。
――随分と憐れな様だな。
誰にともなく心の中でつぶやいた。
GM
そういって、シュゼットは何度目か、姿を消しました。
メル ロワ
「指輪の奴は、よほどいい男だったんだろうな。」
メル ロワ
「私も裏切られてみたいものだよ、いっそのことならばな。」
雁金 至
「…………」
どこか遠くを見るような目で、シュゼットが消えていった方向を見つめながら。
メル ロワ
「……信じてるさ。」
視線は遠く交わらない。ただ黒く揺らめいている。
GM
愛すること。愛されること。
愛を信じること。相手を信じること。
GM
知らないほうが幸せかもしれないけれど。
知らなかったからといって、ひとつだって「ない」なんてことにはならなくて。
シュゼット・バルデ
1d12 (1D12) > 4
GM
桟橋:沼へ漕ぎ出すための小舟が繋がれている。今は沼には誰もいない。
GM
昼は過ぎ、夕にはまだ足りない。
けれど太陽は、中天をこえて傾いている。
シュゼット・バルデ
本当にただ散歩をしているように、その岸辺をゆくやわらかな足取り。
シュゼット・バルデ
そして、ひとつ向こうの通り、メル・ロワの一歩後ろをゆくカリガネに目を留める。
雁金 至
「……何ですか? シュゼットさん」
怪訝さを隠しもせず。
「僕」に語り掛けてこようなど、思ってもいなかったという調子で。
シュゼット・バルデ
「あら、わたしとおしゃべりするのは嫌かしら」
シュゼット・バルデ
「メルロワとはたくさんお話をしたけれど……あなたはあんまり、自分のことを喋ってくださらないんだもの」
雁金 至
「……僕はあまり、喋るのが得意ではないものでして? それこそ、ロワさんに呆れられる程度には。あなただって、何となくわかってはいるでしょうに」
シュゼット・バルデ
「『知りたい』と思ってしまうのはやめられないんですよ、だったかしら」
雁金 至
「そう。……それは、そうです。……『知りたい』と思っているのは、本当ですよ、どこまでも」
メル ロワ
「私以外にこいつに興味を持つ者がいるとはな。
よかったじゃないか、カリガネ。」
雁金 至
「そうかな」
ロワさんの言葉には、どこかぼんやりと虚空を眺めて。
雁金 至
「……もし、本当に『興味』なんて感情が少しでもあるならば。僕なんかに興味を持つものじゃないですよ、シュゼットさん」
雁金 至
「それとも、あなたも僕と同じ気持ちなんでしょうかね。……僕があなたを『知りたい』と望むのは、あなたを殺すためです。それ以上でも、以下でもない」
シュゼット・バルデ
「わたしは別に、あなたたちに死んでほしいとは思わないのだけれど……」
シュゼット・バルデ
「でもやっぱり、悪い魔女は退治しないと気がすまないものかしら?」
雁金 至
「そうですね。『気が済まない』とでもしておきましょう。あなたの『呪い』はまぎれもなく人を害するものですから」
シュゼット・バルデ
「わたしは別に、ひとを殺して回ってるわけじゃないでしょう?
わたしの呪いは、知らない誰かを勝手に結びつけるわけじゃない」
シュゼット・バルデ
「もともとそこに絆があって。
だから、それはより強く結びつく」
雁金 至
「殺して回っているのと何も変わりませんよ。あなたの言う『絆』とは、随分勝手な言葉なんですね。まあ、元々僕はあまり好きな言葉ではないですが」
雁金 至
「より強く結びつく? ……僕はそうは思いません。そんな歪な形で繋がった『人生』で、結局何が結びついたっていうんですか」
雁金 至
「そこに残るのはただ、この歪な形の『人生』を送る人間だけでしょう。絆も、結びつきも、ただの言葉の綾にすぎない」
雁金 至
「そして、事実として僕らは呪われ、幾人もの人間があなたのために既に死んでいて、結局のところ僕はその解決のためにここにいるわけですよ、シュゼットさん」
シュゼット・バルデ
「もともと、愛も絆も、言葉にしなければ……ただの独りよがり」
シュゼット・バルデ
「ひとは、形あるものを求めるものよ、カリガネ。
例えば指輪。例えば誓い。例えば……それこそ、『結婚』という形式をね」
シュゼット・バルデ
「わたしの求めるものは、『呪い』というかたちをしている」
シュゼット・バルデ
「だったらあなたは、どんなものを求めているの?」
雁金 至
「確かにあなたの求める『かたち』はそうなのでしょうね。別にそれを否定するつもりはないですよ」
雁金 至
「ただ、否定はしませんが、受け入れの拒否くらいはさせていただきますよ。それは『あなたの話』であって、『僕の話』ではなく」
雁金 至
「最低でも、僕にとっては、この『呪い』は求めている『かたち』ではない」
雁金 至
「……そう、ロワさんを縛るのは、僕との契約と『約束』だけでいいんだ」
ぽつりと、これは誰かに聞かせるためでもなく、呟く。
シュゼット・バルデ
「今したいのは、わたしの求めるものの話ではないの」
シュゼット・バルデ
「メルロワを縛るものの話でもない」
シュゼット・バルデ
「あなたが求めるものって、なあに?」
シュゼット・バルデ
「あなたが一番したいことって、なあに?」
雁金 至
「……何故、僕に『求めるもの』を問いかけるんです?」
微かに眉を顰めて。それに意味があるのか、答える理由があるのか、という意志を篭めて。
シュゼット・バルデ
「だってカリガネ、ナントカはしないほうがいい、とか、ナントカではない、とか言うばっかりなんだもの」
シュゼット・バルデ
「あなたが何を信じているのかさっぱりわからない。
したいことも、求めるものも、ぜーんぜん」
シュゼット・バルデ
「何が正しいと思っているの?それは法律?倫理?」
シュゼット・バルデ
「あなたは何を正しいと思って、わたしの呪いを『解決』に来たのかしら?」
シュゼット・バルデ
*カリガネの心の疵『正義の執行』を抉ります。判定は猟奇。
メル ロワ
Choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 猟奇
メル ロワ
2d6+1 判定:猟奇 (2D6+1) > 5[4,1]+1 > 6
[ シュゼット・バルデ ] ティーセット : 1 → 0
シュゼット・バルデ
2d6+2+2-4>=7 (2D6+2+2-4>=7) > 9[4,5]+2+2-4 > 9 > 成功
メル ロワ
「愚問だな。
問うにも足りん、わかりきったなんともつまらん話だ。」
メル ロワ
「正義とはこいつの中にあるものだ。
わたしとこいつを繋ぐもの。
契約の末の力そのものだ。 ……だから私がここにいる。」
メル ロワ
「契約者の意志が私を私たらしめる。
それが、魔女たる私の魂の在りかだ。
ふたつにひとつ。その答えは秤にかけて等しい。」
メル ロワ
「言葉にせずとも、信じている。
ああ、私とは……そういう者であるからな。」
シュゼット・バルデ
「……ふうん?」 今度はカリガネを見る。
シュゼット・バルデ
「カリガネも、そういうことでいいの?」
雁金 至
「何が正しいか。そんなものは、各々の心に聞くしかないと、僕は思っていますから」
雁金 至
「僕は、僕がそう信じているから、今、あなたの前に立っている。あなたの言葉を聞いている。……あなたを、殺そうとしている」
シュゼット・バルデ
「でもね、カリガネ。そうだとしたら――」
シュゼット・バルデ
「メルロワに語らせる前に、ご自分でそう宣言なさらなきゃ?」
雁金 至
「……そういうものですかね?」
首を傾げた。
シュゼット・バルデ
「カリガネ。もうちょっとメルロワにお説教してもらいなさいな」
メル ロワ
「力を示すは言葉を連ねるよりも、天秤にかけるのが一番。
言葉でわからん奴にもっとも有効な手だ。」
メル ロワ
「説教は……あとでゆっくりと手間をかけて、存分に。」
雁金 至
「ああ。いつだって、救世主同士というのは、シンプルでいい」
本気でそう思ってはいない顔で、言い放ち。
雁金 至
「僕らにもそう時間は残されていないからね。此処は手早く済ませようじゃないか」
雁金 至
「……そう、僕らの全ては、あなたを殺してからですよ、シュゼットさん」
シュゼット・バルデ
「なら、村の入口。沼のほとりへいらっしゃい」
シュゼット・バルデ
「村の『幸せな二人たち』を巻き込んだら、かわいそうだものね」
シュゼット・バルデ
「お待ちしておりますわ、お二人とも」
メル ロワ
それをしばし、見つめて。
「……本当に わかっているだろうな、契約者。」
メル ロワ
「これは誰の為の戦いか。
お前の心根によくよく問うがいい。」
メル ロワ
「私は魔女だ。
共にと誓った以上は後悔等はせん。
……お前も悔いのないようにな。」
メル ロワ
そうして魔女は、黒い靄へと紛れる。
すべては、お前に問うべしと。
雁金 至
「ああ。わかって、いるよ」
黒い靄へと紛れていったロワさんに、それだけを言って。
雁金 至
ジャケットのポケットに両手を入れて、ゆっくりと歩き出す。
村の入口、沼のほとりに向けて。