GM
遠い国のおとぎ話――すてきな舞踏会。
GM
ワイングラスの光、ヴァイオリンの響き。
仮面の下の瞳が、終わらぬ宴を見つめている。
GM
あなたもどうぞおいでなさい。
GM
さあ、踊って!
GM
Dead or AliCe 『Waltz for Lovers』
GM
ここにはなんでもあるのだけれど、
心に隙間を感じているの。
GM
ここにはなんにもないのだけれど、
ワルツの相手はそこにいる。
GM
――シャンデリアの下、手を取り合う相手はだあれ?
GM
GM
金色の小鳥の噂。
GM
曰く。堕落の国の救世主のもとには、時折、封筒を咥えた金色の小鳥の亡者が訪れる。
GM
その小鳥の封筒を受け取った救世主は、しばしば『大廊下』へ赴き、その後帰ってきたり、来なかったり。
GM
けれども帰ってきた救世主は、大概の場合、手持ちの六ペンス硬貨を増やして戻ってくるらしい、と。
GM
戻ってきた救世主の証言から、どうやら封筒は何らかの招待状のようです。
救世主が集められているのが同じ場所だということは、確認が取れています。
GM
そして一方。
GM
堕落の国で、少なくとも一月以上生き残っている救世主なら、誰でも知っていること。
GM
それは、救世主の責務。
GM
30日以内に、一人以上。死者を出さねばなりませんね。
GM
ということで、そちらのご夫妻からやっていきましょう。
シュエシュエ
は~イ
マオマオ
はーい
GM
早速ですが、あなたがたは大変にまずい状況に置かれています。
GM
前回の裁判が閉廷してから、今日で27日目。それも、もう日が暮れようとしています。
GM
このままでは、今、あなたの隣にいる救世主と争わねばなりません。
マオマオ
こまるな~
シュエシュエ
こまるヨ~
GM
仮にも夫婦と呼び交わすお二人ですからね。できればこの二人で殺し合うのは避けたいですね。
シュエシュエ
仮にって何!?
マオマオ
大事な妻ですからね
シュエシュエ
でも最悪身を差し出す覚悟もある。
マオマオ
いい妻を持ったな~
シュエシュエ
ただ、そう……夫は、ひとりでは戦えない。
マオマオ
妻がいないと生きていけないよ~
シュエシュエ
あ~ん、しかたないヒト♥
GM
なにはともあれ日は沈む。時間は進む。
GM
まだ浅い夜、お二人はどこにいますかね。
マオマオ
荒野。次の救世主を探して移動している。
マオマオ
待っていても救世主はやってこない。探すしかない。
シュエシュエ
だが、救世主どころか末裔のひとりもない。
マオマオ
ここ数日、マオの口数は減っている。
マオマオ
このままでは、シュエシュエを殺すことになるだろう。
マオマオ
殺してしまえば、一人で堕落の国を生きていかなければならない。
シュエシュエ
「……」
シュエシュエ
視線が夫と呼ぶ男を窺う。
マオマオ
マオは戦いに向いていない。
シュエシュエ
最悪の場合目が合うだけで殴られる覚悟がいる。
マオマオ
妻を見る。
マオマオ
目が合った。
マオマオ
頬を張る。
シュエシュエ
「……あ」
マオマオ
「どうした?」
マオマオ
裏拳でもう一発。
シュエシュエ
目が合って、笑顔になったのもつかの間。
シュエシュエ
泥の詰まった麻袋を殴るような音が、静かな荒野に響く。
シュエシュエ
ずれそうな首を支えて、眉尻を落とす。
シュエシュエ
「誰もいないな~っテ……」
マオマオ
ゆっくりと腹に足の裏を触れされて、力強く蹴る。
マオマオ
「そうだな……」
シュエシュエ
「う”ぇ”」
マオマオ
「あと3日、なんとか救世主を見つけて殺さないと」
シュエシュエ
たたらを踏んだが、倒れるまでには至らない。
シュエシュエ
次の村には、とか、次の道には、といろいろ励ましてはきたけれど。
シュエシュエ
流石に誤魔化しのきかない日数だ。
シュエシュエ
「シュエもがんばってさがすかラ」
シュエシュエ
「……あんまり苛々すると、お腹空きますヨ」
マオマオ
急いではいるものの、次の街もそう人が多い訳ではない。
マオマオ
それでも、周辺で一番大きな街だ。
シュエシュエ
自分の肉は食べられないから。
マオマオ
もう行ける所は他にない。
マオマオ
「……」
マオマオ
妻の言葉に返事をせず、拳も返さずに黙る。
シュエシュエ
地平線には腹の足しにもならないだろう枯れ木と岩が見えるばかり。
シュエシュエ
「せめて」
シュエシュエ
「次の街についてからなラ」
シュエシュエ
言葉が途切れる。
マオマオ
「……」
マオマオ
「お前を殺したら、後妻を探さなきゃなぁ」
シュエシュエ
「あ~ん」
マオマオ
「今度はもっと賢い妻にしよう」
シュエシュエ
「強いのがいいですヨ」
シュエシュエ
「才覚より猟奇!」
マオマオ
「そうだなぁ」
マオマオ
「お前より強い妻を探すか」
シュエシュエ
「大変ですヨ~」
シュエシュエ
でも、食べられる妻のほうがいいかもしれない。
シュエシュエ
食べられなくても、あったかい妻の方がいいかもしれない。
シュエシュエ
さみしがりだから。
GM
そうして急ぐ旅路。
GM
しかし、夜を徹して歩くわけにもいきません。
GM
次の街で救世主を見つけたとしても、ふらふらで裁判に臨むことはできない。
GM
夜が更けきる前には、あなたがたも足を止める。
GM
枯れきった荒野で、かろうじて焚き火を熾して。
シュエシュエ
ところどころ、パーツの繋ぎ目が緩んでいるのは気のせいだと思いたい。
シュエシュエ
荒野の砂の上にせっせと寝床の支度をする。自分は眠らなくてもいいのだが。
マオマオ
シュエシュエの体も傷んできている。
マオマオ
この関係が、終わりに向かっていると感じる。
GM
迫る期限が、じりじりと胸の底を焦がす中。
GM
かすかな、かすかな羽音。
マオマオ
羽音に顔を上げる。こんな夜更けに?
シュエシュエ
ぴょん、と弾かれたように立ち上がる。
シュエシュエ
「マオさン!トリ!」
GM
あなたがたに向かって下りてくる、星のような金色の小鳥。
マオマオ
「金色の小鳥……」
シュエシュエ
亡者ばかりのこの国に、生きた鳥などそうお目にかかれるものでもない。
GM
小鳥は焚き火の傍らに舞い降りる。
GM
この小鳥は、しかし普通の生き物のようには見えません。あるいは、亡者にも見える。
シュエシュエ
「焼き鳥がいいですカ!?」
マオマオ
シュエシュエを蹴る。
マオマオ
「落ち着け」
シュエシュエ
「あだっ」
マオマオ
小鳥に近付き、様子を見る。何か持っていないだろうか。例えば、招待状のようなものとか。
GM
くちばしには、赤い封蝋の施された白い封筒。
GM
そして、それをあなたがたに差し出してくる。
GM
封筒の表には、あなたがたの名前がきちんと記されています。
マオマオ
「へぇ~」
シュエシュエ
「……おてがみ」
マオマオ
差し出された封筒を受け取る。
GM
あなたは、聞いたことがあるはずですね。
GM
金色の小鳥の噂を。
GM
『それは、実際に何人もの救世主に届いてる』
GM
『招待状だよ。誰かが、どこかに救世主を集めてるんだ』
GM
『そこから帰ってきたやつは、だいたいがみんな、六ペンスを増やしてきてる』
GM
『つまり、だから……集まってるんだよ、救世主が、本当に』
マオマオ
封筒をひらひらと揺らす。
マオマオ
「シュエ、神はまだ俺達を見捨てていなかったようだ」
シュエシュエ
「救世主のいるところ……!」
シュエシュエ
それも、ほぼ、確実に!
マオマオ
「救世主のつかみ取りだ」
GM
あなたは封筒を開く。
シュエシュエ
「両手いっぱい6ペンス!」
GM
焚き火の明かりで、文面を確かめる。
GM
『救世主の皆様、ひとときばかりの宴にお越しください』
GM
『あなたがたに必要なものは、なんでもお取り揃えしております。たべもの、のみもの、お洋服に、眠る場所』
GM
『そして、あなた以外の救世主』
GM
署名には、『Cendrillon』とあります。
マオマオ
「たべもの、のみもの、お洋服に、眠る場所!!」
マオマオ
「そして他の救世主!!」
シュエシュエ
「救世主!!」
マオマオ
「シュエ……やはり世界は俺を中心に回っているようだ」
シュエシュエ
「マオさンの日ごろの行いがいいからですヨ~!」
シュエシュエ
「かみさま、ちゃんと見てくれてるんですネ!」
マオマオ
「そうだな、俺は品行方正だからなぁ」
シュエシュエ
「きゃ~!世界一の旦那さま!」
GM
便箋はもう一枚。
GM
そこにはまず、あなたがたの今いる場所から最寄りの、『大廊下』に繋がる扉の場所。
それから、その扉をくぐった後、どんな道順でどの廊下を通ればいいのか。
最後に開く扉の特徴。
GM
そんなことが、一通り書いてある。
マオマオ
「行くぞシュエ」
マオマオ
手早く用意をして立ち上がる。
シュエシュエ
言われるまでもなく火を消して、寝床を畳み、荷物を抱え。
シュエシュエ
「はイ!」
シュエシュエ
先ほどまでの悲壮な空気はどこへやら。
マオマオ
意気揚々と歩き出した。
GM
夜は更けていきますが、あなたがたの足取りは、先程よりもずっと軽い。
GM
指示された最寄りの扉に辿り着いたのは明け方。
GM
あなたがた二人は、そこから『大廊下』に侵入しました。
マオマオ
夜を徹して歩いたが、不思議と疲れは感じない。
マオマオ
なにせ、これからかわいそうな救世主達に会えるのだから!
シュエシュエ
最悪抱きあげて歩くことも出来るのだが、すでに腐った身体の劣化を早めるのは良くない。その後をひょこひょこついていく。
シュエシュエ
夫が機嫌がいいとうれしい!
GM
果てしなく続く廊下。並んださまざまの扉。
GM
大きいもの、小さいもの、白いもの、黒いもの、赤いもの。鍵のかかっているもの、いないもの。
GM
それを横目に、指示された通りの道順を辿る。
マオマオ
通り過ぎる多くの扉に興味を惹かれはするものの、今は遊んでいる余裕はない。道を急ぐ。
シュエシュエ
右、左、左、右。なんの導もない荒野を歩くよりよっぽど良い。
GM
ほとんど丸一日かかりながら、最後の角を曲がって、右手の十三番目。
GM
重く輝く緋色の扉。
GM
それを開く。
GM
GM
一方。
GM
こちらも状況としては、前の二人とさして変わりません。
GM
前回救世主を殺してから、28日目の朝日が昇ろうとしています。
GM
状況は非常に切実です。
GM
今この朝、お二人はどこにいらっしゃいますか?
”フー”
ちょうどコンビとして最初の仕事を終えたあたりで
”フー”
近場に宿をとって一晩休んでから報告にもどるところの朝ですかね
GM
仕事の後はずいぶんトラブル続きだったようですね。
GM
今から戻って、殺すに適当な救世主を斡旋してもらうとして、間に合うかどうか。
”フー”
責務。仕事とは別の、救世主としての責務のリミットが近づいているが、フーは落ち着いている。
”フー”
会はこういう時のために救世主の居場所をいくつかストックしているし、いざという時の移動は大廊下を使っていいことになっている。
”フー”
無事入会を済ませたマリユスの報告も必要だが、それよりも戻ってすぐに救世主狩りに向かうほうがいいだろう。
”フー”
ということを、マリユスに言うだけ言って宿をとった。
マリユス
堕落の国での移動は骨が折れる。
マリユス
何せ、ろくに整備されていない道は歩きにくく、末裔たちの馬車も多くはない。
マリユス
堕落の国にきてそこそこの日数は経過していたが、未だ旅には慣れない。
マリユス
力を発揮できる裁判とは異なり、自分が足手まといであることを痛感する。
マリユス
この男の言葉を信用する、より他にはないのだが……
マリユス
「フー」
”フー”
「んー?」
マリユス
「間に合うでしょうか」
”フー”
「まぁまぁ、大丈夫でしょ。帰りは『大廊下』使っちゃえばいし。使ったことあったっけ?」
マリユス
「いいえ」
マリユス
低い声
”フー”
「あれはねぇ、楽だよ~。移動もあっという間だし」
”フー”
対照的ないつもと変わらない声色。
”フー”
「戻ったらすぐに救世主狩りにいくことにはなるけど、いくつかストックはあるはずだからさ」
マリユス
「…………」
”フー”
大廊下で待ち伏せるという方法もとれないことはない。が、あまり確実ではない。
マリユス
「もし、仮に」
マリユス
「間に合いそうになかった場合」
マリユス
「互いに殺しあうしかないのでしょうね」
”フー”
「そうだねぇ」
”フー”
フーは否定しない。
”フー”
「救世主同士殺しあうしかないね」
マリユス
「本当に……」
マリユス
溜息。
マリユス
「正直で助かりますよ」
”フー”
「信頼関係は大事だからさ。嘘をいってもしょうがないでしょこの場合」
”フー”
それはさっきの言葉も本当であることの裏返し。
”フー”
「まぁ最悪、戻った町にいるであろう野良の救世主を襲撃してもいいんじゃない?」
マリユス
「……ええ」
”フー”
「報告に戻る町は大きいから救世主の一人や二人や三人いるし……宿の情報もほとんど入ってくるしさ。だから心配ないって」
マリユス
信用するのと、『もしも』を疑う事は別だ。
”フー”
んふふ、ともう見慣れた顔で笑う。
マリユス
道に迷うことも、たまたまストックが切れていることも、もっといえば大本から見捨てられることも可能性としては十分にある。
マリユス
命綱は何本あってもいい。
それも、太ければ太いほどいい。
マリユス
笑う事はしない。
マリユス
肩を竦め、ベッドに座る。
GM
夜が明ければここを出て。
GM
それで間に合うだろうか?
GM
ストック、というからには、ある程度居場所が固定された救世主である必要がありますからね。
GM
同じ街に何人もはストックしておけない。ストック同士も食い合ってしまう。
GM
近場の街に。村に。
GM
三日で辿り着ける範囲に。
GM
残っているだろうか?
マリユス
「貴方は」
マリユス
「死ぬのは恐ろしくないのですか?」
”フー”
「まさかぁ」
”フー”
「死んでもごめんだ」
マリユス
「ふふ」
マリユス
「寝首を掻くのはご遠慮願いますよ」
”フー”
「しないしない。したかったら……止めはしないけどねぇ」
マリユス
「しませんよ」
マリユス
上半身を後ろに倒して天井を見る。
マリユス
しばらく行動を共にしているが、この男の事はよくわからない。
マリユス
本気で言っているのだなという事はわかるし、反撃をしないと言っていないこともわかるのだが。
マリユス
そういうことを言う意味を測りかねる。
GM
そうして過ぎる、貴重な時間。
GM
時計もない部屋の中、明けの光がぼんやりと窓辺を明るくする、その、ほんの少しだけ前の時間。
GM
こつん、と窓を叩く、かすかな音。
マリユス
「おや?」
”フー”
「窓からだねぇ。そっち」
マリユス
起き上がってそちらを見る。
GM
窓辺には、まだ暗い中、かすかに輝くような金色の小鳥。
GM
くちばしには、赤い封蝋を施された白い封筒を咥えているのが見て取れる。
マリユス
「…………」
マリユス
よっていって窓を開ける。
”フー”
ベッドから首をのばし、マリユスの向こうを覗き見る
GM
窓が開けば、部屋の中に、ちょん、と跳ねるように入ってくる。
GM
そして封筒を差し出す。
マリユス
「…………」
マリユス
封筒を受け取って、そのままフーに見せる。
GM
封筒の表には、あなたがたの名前。
マリユス
「不用意に封筒は開けない、と。学んだはずなのですが。」
GM
けれどあなたがたもまた、知っている。
GM
金色の小鳥の噂を。
”フー”
「おっ?おや?」
マリユス
「聞いたことはありますか?」
”フー”
興味を惹かれたように金色の小鳥と封筒に視線を向ける。
”フー”
「そうそう、あるよ。なるほどねぇこんな感じかあ」
マリユス
「2人とも知っている……という事は、そこそこ信用できる情報ですね。」
”フー”
「前に会に居た救世主のもとにも届いたことがあったんだよ。内容についても報告はされてたかなぁ」
マリユス
封筒を開いて内容を確認し、それをフーの側までもっていって差し出す。
GM
『救世主の皆様、ひとときばかりの宴にお越しください』
GM
『あなたがたに必要なものは、なんでもお取り揃えしております。たべもの、のみもの、お洋服に、眠る場所』
GM
『そして、あなた以外の救世主』
GM
署名は『Cendrillon』。
GM
そしてもう一枚。
GM
あなたがたの今いる場所から最寄りの、『大廊下』に繋がる扉の場所。
それから、その扉をくぐった後、どんな道順でどの廊下を通ればいいのか。
最後に開く扉の特徴。
”フー”
「あら、聞いてた道順と違う気がするなぁ。……気のせいかな?」
マリユス
「変化していても不思議ではありませんね……招待客しかはいれないのかも」
”フー”
「それこそ同じ道順なら噂くらいじゃあ済まないだろうしね。大きなところも把握してる内容のはずだし」
マリユス
「…………」
マリユス
「お任せします」
”フー”
「報告を上げてきた救世主は結局戻ってこなかったなぁ」
”フー”
「あ、任せる感じ?結構、焦ってるみたいだったけど」
マリユス
「まあ、同じ招待状が届いているのだとしたら……確実に裁判にはなるでしょうし」
マリユス
「戻ってこなかったというのも、おそらくは」
マリユス
「私には一方の情報しかありませんので、比較できるのは貴方でしょう」
”フー”
フーの手札とマリユスの手札は、実のところかなり違う。
それでいてこの判断を任せるというのは信頼なのか。
”フー”
「いや~俺にもあんまり。まぁ会からは『同様の招待状の報告義務はなく、参加も自由』って言われてるくらいだけど」
マリユス
「…………では」
マリユス
「意見を述べさせていただきますと」
”フー”
「おっ」
マリユス
「正直に言って、貴方と2人で裁判をする可能性を減らせるのならば……」
マリユス
「私は、この招待に乗ってもよいと思います」
”フー”
「正しい!何が正しいとかはあんまりないけども」
”フー”
パン、と手を叩き体を起こす。
マリユス
ちょっとびっくりする
”フー”
「乗っておいた方が可能性は高いねぇ。この文面を真に受けてやってくるよちよち歩きの救世主がくることもあるだろうしなぁ」
”フー”
会のストックはもちろん確実ではない。
ただ単にフーとマリユスの相性の問題でフーに余裕があるだけだ。
”フー”
「そうだねぇ。行こう行こう。その方が確実だよ」
”フー”
妙に明るく朗らかに、いつもの笑顔をマリユスに向ける。
マリユス
たべもの、のみもの、お洋服に、眠る場所
マリユス
久々に、そういうものを味わえるのも悪くない
マリユス
「では、準備いたしましょうか」
マリユス
少しだけ笑う。
”フー”
「そうしよう!」
”フー”
わざとらしく声を張る。
”フー”
そう言いながら荷物を整える。整えるほどの荷物もないが、まぁ気持ちの切り替えでもある。
マリユス
六ペンスと最低限の荷物。
荷は多いほど邪魔になる。
GM
あなたがたは夜明けとともに宿を出て、『大廊下』への扉に向かいます。
GM
そして、扉を開いて中へと。
GM
果てしなく続く廊下。並んださまざまの扉。
GM
大きいもの、小さいもの、白いもの、黒いもの、赤いもの。鍵のかかっているもの、いないもの。
GM
それを横目に、指示された通りの道順を辿る。
GM
ほとんど丸一日かかりながら、最後の角を曲がって、右手の十三番目。
GM
重く輝く緋色の扉。
GM
それを開く。
GM
GM
まず目に入るのは、広いホールを挟んで真正面にある大廊下。
GM
そして、天井から吊られた、眩いシャンデリア。
GM
たくさんの仮面の人々が、その光の下で踊っていますね。ほとんどの人はドレスとタキシードです。
GM
いくつかの視線が、マリユスとフーを撫でていく。
”フー”
明らかにフーの服装が浮いているからだろう。
マリユス
私も明らかに救世主ですからね。
”フー”
仕事用の、堕落の国で会にあつらえてもらった身軽な普段着。
いわゆる現代のシャツとチノパンに近いのだが、フーはその名前を知らない。
マリユス
しかし取り乱すことはなく堂々と立っている。
此方は招待客なのだ。
”フー”
とりあえず前留めシャツのボタンを一番上まで留めてみた。
”フー”
「目がちかちかするなぁ」
マリユス
「舞踏会というものですね。私は元の世界で何度か呼ばれたことがありますが……」
”フー”
「えっ、そうなの」
普通にびっくり
マリユス
「これでも聖職者ですので」
マリユス
視線を巡らせる
GM
広間の中に窓はなく、シャンデリアと、そこここのランプが明るく光を放っています。
マリユス
「受付、案内人、もしくは主催……そういう方がいらっしゃると思うのですが」
GM
踊る男女の服装は、堕落の国とは思えないほどの盛装です。
GM
ホールの端のほうにはいくつかの丸いテーブル。その上にはワインやフィンガーフード。
GM
二人がそれを視線で確認している内に、もう一度、背後の扉が開く。
GM
扉を開けたのは、マオマオとシュエシュエ。
マリユス
振り返る
”フー”
身体をひねり顔を向ける。
マオマオ
扉を開いた。
マオマオ
閉じる。
シュエシュエ
「…………なんで!?」
マオマオ
「いや……」
”フー”
「んっふふ」
マオマオ
「思っていた100倍豪華な所だった」
マリユス
「招待客のようですね」
”フー”
開かれ閉じた扉からちらりと見えた男に思わずふきだした。
シュエシュエ
「すっごイ豪華だったネ!なんでもあるの嘘じゃないヨ!」
”フー”
「みるからにみるからだったなぁ」
マオマオ
殴る。
マオマオ
夫が怯えているのにはしゃぐな。
シュエシュエ
あ~っ
マリユス
「ひとまず、問題はひとつ片付きそうですね」
マオマオ
「よし、シュエ先に行っていいぞ」
”フー”
「そうだなぁ。今のうちに何か飲み食いしておく?」
シュエシュエ
「え」
マリユス
「ふふ……あまりお行儀の悪くならないように」
シュエシュエ
夫を見る。
マオマオ
引っ叩く。
シュエシュエ
「あっ」
マオマオ
「早くしろ」
”フー”
「わはは、言うねぇ。そのとおりだけど」
シュエシュエ
「は~イ……」
シュエシュエ
一度閉じられた扉を開ける。
シュエシュエ
流れ込んでくるさざめき。
マリユス
「ダンスは遠慮させていただきます」
”フー”
「俺もやだよ。踊れないしさ」
シュエシュエ
優美な音楽。何か食べ物の香り。
マオマオ
きらびやかな世界への扉を開く妻の背を見る。
シュエシュエ
鈍りきった五感にも僅かに届く、華やいだ気配。
”フー”
「んん~~~~?」

食べ物をとりに行こうと一歩を踏み出し、わざとらしく振り返る。
シュエシュエ
おずおずと、視線をめぐらせる。
マリユス
「ふふふ」
”フー”
シュエシュエと視線が合う。
マオマオ
逆光が、妻の後ろ姿の輪郭を浮かび上がらせた。
シュエシュエ
ああっ 夫以外と目が合ってしまった!!!!
”フー”
視線……のようなものがあう。
視線がぶつかっているであろう男の目はどこを向いているのかいまいち判然としないが……。
マオマオ
妻が広間に入ったのを確認して、自分も続く。
マリユス
ふたりの様子をうかがう。
シュエシュエ
夫を背に庇うように、さらに一歩、二歩。
”フー”
手のひらを胸元で開くように、わお!とわざとらしい仕草。
シュエシュエ
ホールを満たしているひとびとは、恐らく末裔ではない。
シュエシュエ
いのちがあるかどうかも怪しい。
シュエシュエ
それに対して、ふたり。明らかに―自分たちと同じく―場から浮く、ふたり。
マオマオ
ホールを見回す。救世主のような二人を確認した。
マオマオ
料理の方に向かう。
”フー”
にこやかな笑顔に見える針金細工のような細身の男。
シュエシュエ
「あっ」
マリユス
マリユスの顔は離れていると窺えない。
シュエシュエ
早速食事の方に向かった夫を追うかどうか、一瞬の逡巡。
マリユス
口元だけが布の間からのぞく。
”フー”
「ふふは、先をこされちゃったなぁ」

マリユスに笑いかける。
シュエシュエ
シュエは食事を必要としない。
マオマオ
こんな時に、マオは一緒にいることを嫌がることもあったし、そうでないこともある。
マオマオ
基本的には気分次第だ。
マリユス
「なかなか豪華な食事ですからね」
シュエシュエ
むせるほど香水を浴びても、死臭は誤魔化せるものでもない。
”フー”
「よほどお腹がすいていたのかねぇ」
マオマオ
豪勢な料理を物色している。腹が減ってはなんとやらだからな~。
シュエシュエ
夫の方へ行くかどうか、なおも迷い……
シュエシュエ
「こんにちは」
シュエシュエ
たどたどしく、救世主のふたりへ挨拶をした。
”フー”
「ん、やぁ!こんにちは」
”フー”
朗らかに見えるように声を張って挨拶を返す。
マリユス
「こんにちは」
シュエシュエ
声が大きい!コワい!
マリユス
対して低く響く声。
シュエシュエ
とはいえ、行き合うなり殴りかかって来るような救世主ではないらしい。
シュエシュエ
近付いて、つたない会釈。
シュエシュエ
心の疵の力が僅かに腐臭を誤魔化す。
シュエシュエ
「おふたりも、招待の方ですカ?」
”フー”
「そうそう、そうだねぇ。ということはあなた方二人も?」
”フー”
軽薄とも親しみやすいともいえる態度
シュエシュエ
頷く。
シュエシュエ
良いヒトそうに見える~
マリユス
死臭。嗅ぎなれたにおい。
シュエシュエ
「シュエシュエといいマス」
”フー”
嗅ぎ慣れた死の匂いと、なによりどこか覚えのある札。
マリユス
「マリユス・ファリエールです」
”フー”
「”フー”だ。よろしく」
”フー”
「なかなか素敵な格好をしていらっしゃる。いや、本当。連れの方はご兄弟……弟さんかな?」
シュエシュエ
「夫です」
マリユス
これから殺す相手である。
情報は多い方がいい。
”フー”
「へぇ!」
”フー”
本当にびっくり
シュエシュエ
「少し恥ずかしがりで……」
マリユス
夫。
”フー”
わぁ、とばかりに手のひらをみせる。
シュエシュエ
笑顔。
シュエシュエ
屈託のない。
マリユス
ちら、ともう一人の方に目を向ける。
”フー”
「なぁるほど~~~!なかなか……お幸せそうですねぇ!」
マオマオ
食事を取っている。
シュエシュエ
「とっても!」
”フー”
元気が良い!
マリユス
「ほう」
シュエシュエ
二人を改めて見る。
シュエシュエ
男二人。荒事が得意というわけでもなさそうだが。
救世主の力は心の疵と、コインの力。
シュエシュエ
夫がひとりで勝てる相手ではないということだけはわかる。
シュエシュエ
「おふたりはお友達ですカ?」
マリユス
「ええ、まあ。そのようなものですね。」
”フー”
「……そうそう、そうなんだよねぇ」

ちょっとマリユスの様子を伺おうとしたが、口をついてそういう言葉がでるとは。
マリユス
なにか?
”フー”
な~んも!
シュエシュエ
「いいですネ!仲良きことは美しき、デス!」
”フー”
「そうそう、まるでお二人のようだ」
シュエシュエ
「うふふ」
マリユス
それはどうなんでしょうか
”フー”
まぁ女はおだてるに限る
GM
そうですね。ではそのようにして、あなたがたが言葉を交わし始めたあたりで。
GM
近づいてくる仮面の男女。
サンドリヨン
楚々とした足取り。ふわりと香る、淡く甘い匂い。
”フー”
香水渦巻く空間になってしまった。内心煙たい。
サンドリヨン
「ようこそおいでくださいました、救世主様がた」
マリユス
「…………」
マリユス
あまり得意なタイプではない
シュエシュエ
「こんにちは!お招きありがとうございマス!」
マオマオ
ようやく食事から顔を上げる。
シュエシュエ
「困っていたところでしたのデ、大変助かりましタ!」
マオマオ
遠巻きに見ている。
マリユス
「お招き、感謝いたします」
”フー”
「どうもどうも、ご招待いただき」

わざとらしく大げさなお辞儀をする。
マリユス
恭しく礼をする。
サンドリヨン
「いいえ、おいでいただいて嬉しいですわ」
サンドリヨン
「お一方、お姿が見えませんね」
”フー”
「ははは、あちらで食事を」
”フー”
しゅぴ、と手を差し向ける
サンドリヨン
「あら。早速お楽しみいただいているご様子」
マオマオ
見るからに主催者風の、身分の高そうな女だ。
シュエシュエ
夫に向かって小さく手を振る。
マオマオ
やっぱり行った方がいい?行くか~
マリユス
「此方から挨拶に伺えず無礼をいたしました」
シュエシュエ
招待してくださった方ですヨ~
シュエシュエ
おしゃべりはシュエに任せて!
マリユス
「お姿を存じあげなかったものですから」
マオマオ
皿を置いて、救世主達と仮面の男女の方に向かう。
サンドリヨン
「こちらこそ。ご挨拶が遅れたのをお詫びいたします」
マオマオ
「やぁやぁ、どうもこんにちは。主催者の方でしょうか?」
”フー”
きさくにきたなぁ
マリユス
「寛大なお心に感謝を」
シュエシュエ
す、と夫の傍に控える。
サンドリヨン
仮面の向こう、扇の影で微笑った気配。
サンドリヨン
「わたくしはサンドリヨン。お会いできて嬉しゅう存じます」
シュエシュエ
おひめさまみたいなひとだな~
マオマオ
「サンドリヨン様、お美しい名前です」
サンドリヨン
「まあ。ありがとうございます」
マリユス
ちらとフーをうかがう
シュエシュエ
この女もきっと、救世主。
マオマオ
「我々本当に困っていたところでして……。妻にこの命を捧げる覚悟をしていました」
”フー”
どうぞ?とでもいうように軽く肩をすくめる
マオマオ
「あなたにご招待頂かなければ、妻を一人にするところでした。本当にありがとうございます」
”フー”
上流仕草にはてんでなじみがない
シュエシュエ
「本当二!感謝しきれませン」
シュエシュエ
調子を合わせているのやら、いないのやら。
マオマオ
脱いだ帽子を胸に当てて、深々と頭を下げる。
サンドリヨン
あなたがたの様子に、笑みの気配が深まる。
シュエシュエ
腐った頭に数日前のやりとりは残っていないのかもしれない。
”フー”
ははぁ、ろくでもなさそうな夫だなあ!
マリユス
本当に
サンドリヨン
「わたくしは、今日と明日。この二日の舞踏会の主催になります」
サンドリヨン
「とはいえ、実務はこちらの太閤が。何かございましたら、気軽に彼をお使いください」
太閤閣下
一歩後ろに控えた男がすっと礼を取る。
”フー”
髭だ!
マオマオ
偉そうな人だ!
マリユス
一礼。
シュエシュエ
笑顔ばかりが浮かんでいる。
マリユス
「既にご存じとは思いますが、私はマリユス・ファリエール」
マオマオ
名乗った男を見る。
マリユス
「ご招待いただいたこの宴、存分に楽しませていただきます」
マオマオ
異教の神官のような衣服を身に着けている。
シュエシュエ
シュエより小さい!
”フー”
「同じく”友人”の”フー”と申します、閣下」
大げさな動きのおまけつきでお辞儀をする。
シュエシュエ
シュエより大きい……
マオマオ
「毛皃然(マオマオラン)と申します。閣下。貴重な機会を与えてくださり、本当にありがとうございます」
”フー”
にゃおにゃお
”フー”
音と字が違うな、と思っている。
シュエシュエ
「妻の雪雪(シュエシュエ)デス!」
太閤閣下
「ご丁寧にありがとうございます。この二日、ご用命はお気軽にどうぞ」
サンドリヨン
「みなさまには、この二日を楽しんでいただければと思っております」
サンドリヨン
「わたくしは一度これで失礼いたしますけれど、詳しいお話は太閤からお聞きくださいまし」
サンドリヨン
す、とドレスの裾をつまんで一礼。
サンドリヨン
それから、ダンスホールの人波をまっすぐに抜けていく。
マオマオ
身分の高い女って感じだな~
シュエシュエ
真似をするようにぼろぼろの花嫁衣裳の裾を持ち上げて返し、その姿を見送った。
太閤閣下
「では、改めまして。ようこそおいでくださいました、皆様」
太閤閣下
「この宴は、サンドリヨン様が、救世主としてのお力で作り上げていらっしゃいます」
太閤閣下
「食べ物もお飲み物も、お好きにお取りください。お休みの際はゲストルームを用意してございます」
”フー”
「へぇ~」

マリユス
やはり、救世主の力か。
”フー”
大した力だなぁ
マオマオ
「これはありがたい!」
太閤閣下
「皆様ご参加いただく条件はただひとつ」
マリユス
逆らうのは無謀ですね。
太閤閣下
「二日に渡る宴が終わるそのときに、あなたがたが『裁判』を行うこと。それだけです」
太閤閣下
「とはいえ、問題はございませんでしょう。ここに招かれる方はみな、責務の期日が迫っておられる方ばかりですから」
マオマオ
「おお……裁判!恐ろしいですが、生きるためには仕方ありませんね……」
マリユス
「条件であれば、いたしかたないでしょう」
”フー”
「心がいたみますねぇ」
シュエシュエ
救世主!と口に出そうとして、夫の反応に慌てて口を押さえる。
シュエシュエ
いえもうまったく、という顔をした。
マオマオ
よくできた妻だな~
”フー”
うさんくさい夫婦だねぇと囁く。
シュエシュエ
マオさンをひとりにしなくてよくなりそうで、よかっタ!
マリユス
まったくですね
マオマオ
こんなに善良な市民なのに……
シュエシュエ
こんな仲良し夫婦に向かって失礼でスヨ!
太閤閣下
「皆様、ご質問があれば何なりと」
マリユス
「部屋は」
マリユス
「各自、ですか?」
太閤閣下
「お一人様用のお部屋も、お二人様用のお部屋も用意がございます。ご希望をお伺いします」
マリユス
「なるほど……」
”フー”
「ふぅん、マリユスはどうしたい?」
マリユス
「迷いどころですね、久々にひとり部屋を使いたい気もしますが……」
マリユス
2人を見る
シュエシュエ
「?」
マオマオ
にこりと微笑む
マリユス
「離れるのも少々不安です」
”フー”
「じゃあ二人部屋にベッド2つ置いてもらおう!」
マリユス
「…………ええ、そうしていただきましょうか」
マオマオ
「我々は夫婦なので、同室ですね」
シュエシュエ
ベッドがひとつなら自分が床で寝るだけなので、特に気にしていない。
シュエシュエ
「ネ!」
マオマオ
「夫婦ですからね~」
”フー”
「ベッドは一つで?」
”フー”
聞いてみよう
マオマオ
「さぁ……、それはどちらでも?」
太閤閣下
「どちらもご用意できますが」
シュエシュエ
「もう!そういうこと訊いちゃダメですヨ!」
シュエシュエ
セクハラ!
マオマオ
「では、せっかくなので同じベッドにしておきましょう」
マリユス
大きいの2つにしてもらいます?
”フー”
ああ、その方が楽?
マリユス
こんな機会でもなければないでしょうからね
”フー”
確かに、普通にしてると手足が窮屈だしなぁ
マリユス
…………
太閤閣下
ともあれ、ご希望通りのお部屋が用意されます。
”フー”
「んー、この場以外でになにか聞きたい場合はどうすればよいです?閣下」
”フー”
まさか呼んだら出てくるというわけでもないだろうし
太閤閣下
「私は概ね大階段のあたりに控えておりますので」
太閤閣下
「ご用命の際はご足労いただければ」
”フー”
「ん、なるほど。わかりました」
太閤閣下
一通り質問に答えると、一度ホールを出て、廊下へ。廊下にはゲストルームが並んでいますが、廊下にも部屋にも、窓はひとつもありません。
太閤閣下
皆様のお部屋を案内して、それから。
太閤閣下
「ホールとゲストルームはご自由にお使いください」
マオマオ
豪華だ……
太閤閣下
「私は夜間にもおりますし、お望みのものは可能な限りご用意いたします」
マリユス
「ありがとうございます」
”フー”
「気前がいいねぇ」
太閤閣下
基本的には至れり尽くせりです。
シュエシュエ
目に見えてはしゃいでいる。
マオマオ
「お世話になります」
太閤閣下
「では、私もこれで一度、失礼させていただきます」
太閤閣下
「皆様には……『お茶会』の時間が必要でしょうから」
太閤閣下
言い置いて、太閤は言葉通り、大階段の方へ消えていきました。
GM
GM
では、今回のお茶会は2ラウンド。
行動順は、ラウンドごとに1d100を振って、数字の大きい順とします。
GM
また、この卓では、心の疵MOD『心の性感帯』を適用します。
GM
事前に申請いただいている『心の性感帯』である心の疵を抉られたり舐められたりすると、相手への恋心が付与されます。
GM
恋心を抱いている対象からの援護は、効果点数をすべて1点上昇。
看破は、恋心を抱いている対象から受けるダメージを更に1点増加します。
GM
裁定に関するご質問は随時どうぞ。
GM
と、いうことで。
GM
早速ですが、行動順を決めていきたいと思います。
GM
各自1d100を振ってください。
マリユス
1d100 (1D100) > 51
マオマオ
1d100 (1D100) > 25
シュエシュエ
1d100 (1D100) > 31
”フー”
1d100 (1D100) > 31
GM
シュエシュエとフーは振り直し。
シュエシュエ
1d100 (1D100) > 29
”フー”
1d100 (1D100) > 37
GM
マリユス > フー > シュエシュエ > マオマオ
GM
1ラウンド目はこの順でやっていきます。
GM
では、マリユスの手番から。
GM
GM
さて、何をなさいますか?
マリユス
*マオマオを抉ります
GM
あ、シーン表貼ってないな。
GM
シーン表

1:ワインのテーブル 輝く赤いワインのグラスが並ぶテーブル。白いクロスが掛かっている。
2:貴婦人の絵画の下 大きな金の額縁が鈍く輝いている。仰臥する黒いドレスの貴婦人が描かれている。
3:オイルランプの回廊 大広間にある扉の外、橙の灯が等間隔にともる窓のない回廊。いくつもの扉が並んでいる。
4:ダンスフロアの片隅 絶えることのないヴァイオリンの響きとともに、仮面の人々が終わらないワルツを踊っている。
5:緋色のカーテンの影 しっとりと重いカーテンの影。誰かのささやき声が遠くなる。
6:大階段の上 シャンデリアに照らされた大広間を見渡すことができる。広間の人々は緩やかに渦を巻くようだ。
7:いくつかのソファ 壁際に点在する、緋色のソファ。このソファは、今は誰も使っていないようだ。
8:白い柱の傍ら 古い女神の彫られた美しい柱の影。女神はじっと舞踏会を見つめている。
9:小鳥の鳥籠 広間の片隅に、金色の小鳥の亡者の籠がある。たくさんの小鳥が、とまり木で静かに休んでいる。
10:ゲストルーム ろうそくの灯が揺れる、窓のない広い部屋。ベッドも椅子も、緋色のベルベットで覆われている。
11:紳士の絵画の下 大きな金の額縁が鈍く輝いている。ワインを嗜む紳士が描かれている。
12:フィンガーフードのテーブル 鮮やかな軽食が並ぶ丸いテーブル。赤いクロスが掛かっている。
マリユス
1d12 (1D12) > 1
GM
1:ワインのテーブル 輝く赤いワインのグラスが並ぶテーブル。白いクロスが掛かっている。
マリユス
荷物を部屋に置き、しばらく。
マリユス
大人しくしていても意味がない。
裁判を行う事が確定しているのなら、情報はあるに越したことはない。
マリユス
幸いマリユスに武器は必要ない。
マリユス
そのままホールへと戻り、救世主の姿を探す。
マオマオ
ワインの並ぶテーブルに、救世主が一人。
マリユス
その姿を見つけて歩み寄る。
マオマオ
近くに伴侶がいる様子はない。
マリユス
グラスを一つ、手に取って。
マリユス
「おひとりですか?」
マオマオ
声をかけられて、少し驚いたように顔を見る。
マオマオ
「ええ、まぁ。あなたも?」
マリユス
「はい。彼は酒を嗜みませんので」
マリユス
少しだけ微笑む。
マオマオ
「それは勿体ない。人生を半分損しているようなものだ」
マリユス
口元にグラスを運ぶ。
マリユス
「人生を謳歌していらっしゃる方は違いますね」
マオマオ
「そう見えますか?これでも心労が耐えない方なんですよ」
マリユス
「ああ……奥方と共にここで暮らすのはやはり大変ですか。」
マリユス
「充実しているものと思いましたが」
マオマオ
「それはそうです。30日に一度人を殺さないといけないなんて……、本当に恐ろしい世界です」
マオマオ
「私は人を殺せない。力も弱いし、信仰上の問題もある。妻がいなければ生きていけないんです」
マリユス
「ほう……」
マリユス
「奥方の方が担っていらっしゃると」
マオマオ
「ええ」
マリユス
「では……今は、無防備という事でしょうか」
マオマオ
「え……」
マオマオ
「そう、そうですね……」
マオマオ
俯いて、グラスを置く。
僅かに手が震える。
マオマオ
そういう演技。
マリユス
「ふふ……」
マリユス
「心配なさらずとも、私もあまり戦うのは得意ではありませんから」
マオマオ
「本当ですか……?それなら、助かりますが……」
マリユス
「ただ……」
マリユス
「貴方がここにいる間、奥方が無事とは限りませんが」
マオマオ
「そんな……!」
マオマオ
「いえ、そうですよね……。裁判である以上、傷付け合うのは避けられません」
マオマオ
自分たち夫妻は、妻が要である、という情報を与えた。妻は、自分の身くらいは自分で守れるだろう。
マリユス
「おや、意外と……」
マリユス
「冷静なのですね」
マオマオ
「裁判は、何度か行いました」
マオマオ
「初めは、それはそれは恐ろしかったものです」
マオマオ
「ですが、生き延びてしまった……。もう、死ぬまであがくしかありません」
マリユス
「ふふ……」
マリユス
「彼は、ああ見えて暴力的な男ですから、もしかすると」
マリユス
「今頃、腕の一本くらい、折られているかもしれませんよ?」
マオマオ
「そんな……!」
マリユス
じっと見る。
マオマオ
腕を折られた場合はどうしようか。あのサンドリヨンという女から調達するのは難しいだろう。
マオマオ
マリユスと、フーの腕を思い出す。まぁ、その場しのぎならいいだろう。
マオマオ
「それは……困ります。妻に酷いことをしないでください」
マリユス
「…………」
マリユス
「貴方の、目には」
マリユス
「怯えがないですね」
マオマオ
「怯えがない……!?あなたにはそう見えるのですか!?」
マリユス
「ええ」
マオマオ
「こんなに人を脅かしておいて……!」
マオマオ
面倒そうな相手だな、と思う。
マリユス
グラスを置く。
マリユス
「優しい方ですよ」
マオマオ
救世主同士の戦いは、心の疵を探り合う。この男は、人の心を探り慣れている気配がある。
マリユス
「その身体に聞くこともできますからね」
マリユス
「貴方の指を2、3本……」
マリユス
「折れば見る目も変わりましょう」
マオマオ
指を抱えて、身を竦めてみせる。
マオマオ
「……あなたは、私を脅しに来たのですか?」
マリユス
「いいえ」
マリユス
「貴方の奥方より、おそらく……」
マリユス
「我々の方が、頼りになりますよと、教えに来ただけです」
マオマオ
「妻、より……?」
マリユス
*マオマオの疵『自己愛』を才覚で抉ります
GM
横槍はございますか?
シュエシュエ
*横槍!
GM
では、能力値チョイスから。
シュエシュエ
Choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 猟奇
シュエシュエ
2D6+4=>7 (2D6+4>=7) > 6[1,5]+4 > 10 > 成功
GM
では、効果量。
シュエシュエ
1D6 (1D6) > 6
[ シュエシュエ ] HP : 21 → 20
シュエシュエ
夫が広間にいる間、ふらふらと城を探索する。
シュエシュエ
どこもかしこも煌びやか。
GM
窓はない。それ以外は、贅を凝らした造り。
シュエシュエ
食事の際にそばにいると、不快にさせてしまうかもしれないから。
シュエシュエ
さみしがりのひとだけど、いつでも一緒にいるというわけにはいかない。
シュエシュエ
でも。
シュエシュエ
胸騒ぎ。
シュエシュエ
振り返る。足が、広間を目指す。

マリユス
*ティーセットを使用します
[ マリユス ] ティーセット : 2 → 1
マリユス
2d6+4+2-6>=7 (2D6+4+2-6>=7) > 6[3,3]+4+2-6 > 6 > 失敗
GM
失敗!
マオマオ
言われてみれば。別に味方は妻だけでなくてもいい。
マオマオ
人心掌握に長けた人物なら、救世主同士の戦いに有利だ。暴力的な男も頼もしい。
マオマオ
「そう、ですね……。頼りになりそうな方々だとは、思います」
マオマオ
こんな話を持ちかけてくるということは、向こうにも何か下心があるのだろう。
マオマオ
まぁ、救世主が一人死ねば終わる話だ。談合でまとまれば、苦労はない。
マリユス
「いかがですか?」
シュエシュエ
咽るほどの樟脳に似た香りに交じり、腐臭が漂う。
マリユス
「ふふ……」
マオマオ
「あなたの仰られていることは、分かります」
マリユス
「主催者は、言いました」
マリユス
「裁判をする、と」
マオマオ
「そうですね」
シュエシュエ
夫の姿を、まだ無事な左目が探す。
マリユス
「誰かが負ければそれで成り立ちます」
マオマオ
「我々も、あなた方も、期限が迫っていると」
シュエシュエ
小柄なほうの男と、話しているのが見える。
マリユス
「死ぬのは二人でなくともよいでしょう」
マオマオ
「…………」
シュエシュエ
つかつかと近付いて。マリユスの後ろに立った。
マリユス
死臭。
マオマオ
シュエシュエに気が付く。
シュエシュエ
とん、と。背に触れる。
マリユス
「何か?」
シュエシュエ
やや覗き込むようにして。
マリユス
「旦那様と話しているところに水を差すのはいささか……」
マリユス
「妻として、お行儀が悪いのではありませんか?」
シュエシュエ
「ごめんなさイ?でも、その……」
シュエシュエ
「夫が、怖がっていたようなのデ」
マリユス
「はぁ」
シュエシュエ
「何か。怖いことを言われたのかなと、心配デ」
マオマオ
小さく笑う。
マオマオ
「すみません、妻は心配性なもので」
シュエシュエ
前と後ろ、ふたり。もとより関わりのある者同士で、挟む。
マリユス
「いえ、別にすぐに返事をというわけではありません」
マリユス
恐怖はない。
防御魔法には長けている。
シュエシュエ
死者は痛みも苦しみも恐れない。
マオマオ
マリユスに怯えた様子はない。自信があるのだろう。
マリユス
「……裁判までにお考えいただければ、幸いですね」
シュエシュエ
腕は無事。指も無事。傷ついたって、腐ったって壊れない。
シュエシュエ
これはあなたの腹を探らない。あなたの虚言を全て飲む。
マリユス
飲みかけのグラスを取り上げて去る。
シュエシュエ
便利で、強くて、あなたに依存している。
マオマオ
「そう、ですか」
マリユス
背を見せることを厭わない。
マオマオ
「貴重なお話をありがとうございました」
マオマオ
別に味方は妻でなくてもいい。
マオマオ
人心掌握に長けた人物なら、救世主同士の戦いに有利だ。暴力的な男も頼もしい。
マオマオ
問題は、彼らを信頼できるかどうか、だ。
シュエシュエ
背を向ければいつ裏切られるかもわからない男よりよほど。
シュエシュエ
便利なものが、あなたの手にある。
マオマオ
傍らの妻は、動く骸は、決して自分を裏切らない。
シュエシュエ
「お話の邪魔してごめんなさイ」
マオマオ
そのために用意した。そのために娶った。
シュエシュエ
怒っているだろうか、と窺う。
マオマオ
「いや、いい」
マオマオ
置いたグラスに、改めてワインを注ぐ。
マオマオ
「あの男、なかなか手強そうだ。お前も気をつけた方がいい」
マオマオ
「もう一人は暴力的だと言っていたから……、まぁ、シュエなら大丈夫だろう」
シュエシュエ
「シュエなら大丈夫デス!」
シュエシュエ
「マオさンをひとりにはしませんかラ!」
GM
死者を選ぼう。敗者を選ぼう。
GM
それは裏切り?それとも賢さ?
GM
味方を選ぼう。愛を選ぼう。
GM
それを裏切る?それとも……?
GM
ワルツの響きは、その答えを覆って隠す。
GM
GM
では、次。フーの手番。
GM
何をなさいますか?
”フー”
はーい
”フー”
*シュエシュエちゃんを抉ります
GM
とくにシーン作りに希望がなければシーン表を。
”フー”
1d12 (1D12) > 11
GM
11:紳士の絵画の下 大きな金の額縁が鈍く輝いている。ワインを嗜む紳士が描かれている。
”フー”
しげしげとあちこちを見て廻っています。じっくり見る機会もないので実のところお上りさんと変わりありません。
”フー”
大きな紳士の絵画。もっともフーには”閣下”とは違う男が飾ってあるなぁなどと考えているのでした。
GM
ホールの人々は、フーのことを気に留めない。
視線が一撫で。それだけ。
シュエシュエ
夜通し歩き続けても、死体に眠りは必要ない。
堕落の国では明確に有利な身体。
”フー”
「サンドリヨンでも閣下でもない人の絵が何で飾ってあるんだろうなぁ……」
”フー”
うーんと顎に手を当て、紳士を見上げる。
シュエシュエ
夫が休むと部屋をそっと抜け出して、外から鍵を掛けて。
シュエシュエ
夢見るように歩きだす。取り換えて間もない足は軽い。
シュエシュエ
夢見たような。……夢?
”フー”
紳士はなぜか沢山飾ってある。つられるように進むと、どんどんとホールからは離れていく。
シュエシュエ
死体は夢を見るのだろうか。
シュエシュエ
それとも、腐りかけた頭のなかに残る僅かな機能が、なにかのまぼろしを見せているのか。
シュエシュエ
ともあれふらふらと、死体は絵画の飾られた廊下に辿りつく。
シュエシュエ
そこに”招待客”の影。
”フー”
ふと気づくとホールの声は遠く、そして絨毯の上の足音よりさきに届くは独特の香り。
シュエシュエ
「……フーさン」
”フー”
「……!」
”フー”
「ああこれは!シュエシュエさん!」
”フー”
まるで今気付いたと言わんばかりに紳士から視線を外し、にこやかに腕を広げて見せる。
シュエシュエ
故郷を僅かに懐かしませる発音に、笑って。
シュエシュエ
死体の匂いに気づいていないはずはない。
その程度のことは死体にもわかる。
シュエシュエ
「お散歩ですカ?」
”フー”
「んふふ、こういう場所には縁がなかったのでね。珍しいんです」
”フー”
「見てください、誰ともわからない紳士がたくさん飾ってあるのですよぉ?」
”フー”
ばっと大きな動きでずらりと並ぶ紳士を紹介する。
シュエシュエ
見てください、と言われれば見上げる。並び立つ洋風の紳士に見下ろされる。
シュエシュエ
「サンドリヨン様のお知り合いですかネ?」
”フー”
視線を外せばいつの間にかその隣に滑り込むように距離をつめる。
まるで長年の友人のように。
シュエシュエ
あまり近付かずにいようと思ったのに。
”フー”
「なんともですねぇ。ご友人だとして、これほどまでに飾られるということはよほどの人なのでしょうか」
シュエシュエ
「王子様みたいナ?」
シュエシュエ
応えはするが、さりげなく一歩下がる。
”フー”
「もしくは大きなお取引でもあったのかもしれませんねぇ」
シュエシュエ
臭いもそうだが、あまり近くで見られたくない。
”フー”
無理には追わず、ニコリと笑いかける。
シュエシュエ
塗り込めた肌を隠すように僅かに顔を背けて。
シュエシュエ
「取引き?」
”フー”
「まぁ普通でしたら、財を成すには一人でできるものではないですから。人であっても村であっても、品ものと人が要りますとも!」
”フー”
「……ところで」
”フー”
一歩引いた距離のまま、わざとらしく口元に手を添えひそひそと囁く。
もちろん耳元でもなく、周囲も静かなので声を潜める意味はあまりない。
”フー”
「……お体のこと、気になりますか?」
シュエシュエ
取り換えたばかりの耳に、その言葉はくぐもって届いた。
”フー”
人差し指を立てると札のある頭のことをさすようにフーのこめかみを指し示す。
シュエシュエ
「レディにそういうことを尋ねるノ、紳士的ではないと思いますケド」
”フー”
「ははは、これはこれは。残念ながら貧しい村の出ですんで」

ひらり、とシャツの裾をつまんで見せる。
シュエシュエ
小さく吐息。肺が腐っているからか、その呼吸もまた腐臭を孕む。
シュエシュエ
呼吸など、ほんとうは必要ないのだけれど。
シュエシュエ
「気にならなイと言っては嘘になりますケド、どうしようもできませんカラ」
シュエシュエ
包帯を巻いた顔半分を袖で撫でる。
シュエシュエ
「コレの意味がわかるってことハ、きっと御郷が似てるんですネ」
”フー”
「ええまぁ。異端とされていましたけれどねぇ。もう少し見せてもらえたら、もう少し”良く”することもできるかもしれませんよ?」
シュエシュエ
「……」
シュエシュエ
腐敗臭より甘い言葉。
”フー”
「ああ、なにも、術式や体の隅々まで見ようというのではないんですよぉ」
”フー”
「ただそう……手などを見せてもらえばある程度わかるかと、思うんですけどねぇ」
”フー”
見るからにつぎはぎの、腐敗の伴ったからだ。
”フー”
術師でなくとも、導師でなくとも、何かがおかしいのは見ればわかる。
シュエシュエ
「……それハ」
シュエシュエ
「アナタに得がありますカ?」
シュエシュエ
夫と話すときとは違う、2トーンほど低い声。
シュエシュエ
ぐずぐずに腐った声帯を震わせるような。
”フー”
「んん!あまり得はないでしょうねぇ!徳は積めるかもしれないですが」
シュエシュエ
「これから殺し合う相手に徳を積んでもしょうがないですヨ~」
シュエシュエ
右の口端を僅かにひきつらせて笑う。
”フー”
「ええそうですとも。だからこそ、夫婦だというのにおひとりでこういうところを歩いているとなると気になってしまいましてねぇ」
シュエシュエ
「うふふ。いくら愛し合っていてモ、いつもそばにいては休まらないでしょウ?」
シュエシュエ
「シュエは良い妻ですかラ!」
”フー”
「なるほど!確かに良き妻でいらっしゃるようで!」
”フー”
嬉しそうにパン、と柏手を打つ。
”フー”
「では正直にお話ししましょう!」
”フー”
「ちょっとばかり不思議なのですよ」
シュエシュエ
死体は反射というものが鈍い。
シュエシュエ
叩かれた手に、僅かに遅れて視線を向ける。
”フー”
ううーむ、と考え込むようなそぶりと共に顎に手を当てる。
”フー”
「シュエシュエさん、一番古い記憶はなんですかね?ああ、言いづらければ思い浮かべるだけで大丈夫ですよ」
シュエシュエ
「……」
シュエシュエ
古い記憶。
”フー”
口を開く前に半歩、長いコンパスで距離を離す。
シュエシュエ
言葉を反芻する。
”フー”
両手を見えるように広げ、さぁなにもしませんよと言わんばかり。
その顔は、ずっと笑ったような同じ目をしている。
シュエシュエ
その言葉が水に落とした墨のように、動きの鈍い頭を巡る。
シュエシュエ
雪。母。鏡。
シュエシュエ
ふるいきおく。
シュエシュエ
途切れ途切れで断片的で、ページの抜け落ちた本のような。
シュエシュエ
めくってもめくっても、それをうまく読み取れない。
シュエシュエ
「…………」
シュエシュエ
「……さあ……」
”フー”
「んふふ」
”フー”
何かを確かめるようにうなずく。
シュエシュエ
不快感。ついではいだパーツがばらばらになる心地。
”フー”
「そのご様子と、手足の様子、他のことから総合すると―――」
シュエシュエ
聞きたくない。
”フー”
「進んでいますよねぇ。……何が、とはいいませんけれども」
シュエシュエ
「なんのことだカ」
”フー”
「ああ!待ってください!なにも恐ろしい真実をつきつけたいというわけでないんですよ」
”フー”
わざとらしく大きな動きと芝居がかった声。
シュエシュエ
それを目で追うごとに、身体がばらばらになる感覚に襲われる。
”フー”
「実はもう、そのお札は必要ないのではないでしょうか?」
シュエシュエ
見ない方が良い。聞かない方が良い。
このままでは、きっとよくないことが起こる。
シュエシュエ
ああ、あの蹴りのひとつでも今ここにあったら!
”フー”
*つぎはぎボディ を抉ります
GM
横槍はございますか?
マオマオ
え~?
マオマオ
* 横槍します
GM
では能力値チョイスから。
マオマオ
Choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 猟奇
マオマオ
2d6 (2D6) > 12[6,6] > 12
GM
スペシャル!
GM
PCがお茶会中の判定でスペシャルを起こした場合〔自身の所有する六ペンス/2〕までの価値の小道具を1つ入手します。
マオマオ
* 小道具は後で考えます
GM
OK では効果量を
マオマオ
1d6 (1D6) > 2
[ マオマオ ] HP : 24 → 23
GM
補正は-2
”フー”
*猟奇で判定します
”フー”
*ティーセットを使用
[ ”フー” ] ティーセット : 1 → 0
”フー”
2d6+4>=7 (2D6+4>=7) > 9[3,6]+4 > 13 > 成功
GM
成功!
GM
*つぎはぎボディは……心の性感帯ではございません。
[ シュエシュエ ] つぎはぎボディ : 0 → -1
マオマオ
清潔なシーツ。柔らかいベッド。温かい布団。
マオマオ
安心に包まれた眠りの世界。
マオマオ
この部屋に敵はいない。自分と妻の二人だけ。
マオマオ
タイムリミットまでに救世主を探す旅は、男の体を疲労させていた。
GM
かすかな甘い香りが、マオマオの眠りを柔らかく包む。
マオマオ
妻には、香水を使わせている。腐臭をごまかすためのもの。
マオマオ
しかし、それとは違う香り。
マオマオ
僅かに寝返りを打つ。
マオマオ
誰か別の女がいるのだろうか。ここは安心できる場所のはずなのに。
マオマオ
眠りの向こうで、小さな金属音が聞こえた。
マオマオ
多分、施錠の音。
マオマオ
シュエが外に出てゆく。
マオマオ
決して裏切らない、自分のために用意した妻。
マオマオ
妻が遠くに行く足音。
マオマオ
自分を閉じ込めて、遠くへ。
マオマオ
あの道具は、自分を裏切らない。
マオマオ
一人で歩き、外に出てゆく。
マオマオ
それはきっと、自分のため。
マオマオ
夫のために動くように作った。
マオマオ
そういう道具のはずだ。
マオマオ
心配はしていない。あれは自分を裏切らない。

シュエシュエ
ずる、と。腕が垂れさがる。
シュエシュエ
後ろへ一歩。
シュエシュエ
顔を押さえようとして、うまくいかない。
シュエシュエ
「やめテ」
シュエシュエ
腐敗臭が強く立ち上る。
”フー”
「おっと、大丈夫ですか?まだ表現がよくなかったですかねぇ…」
”フー”
心配するようなそぶり。
シュエシュエ
白粉が浮き、包帯が緩み。
シュエシュエ
それでも腕が上手く動かない。
シュエシュエ
拒絶しようにも足まで上手く動かない。
シュエシュエ
しゃがみ込む。
”フー”
「ああ、無理はよくない。動かないようにさせたいわけではなかったんですよねぇ」
”フー”
「旦那様をお呼びしましょうか?……それとも、俺の言葉を最後まできかれますかぁ?」
”フー”
最早顔は見えず、ただ歪んだような声だけ聞こえてくる。
シュエシュエ
「黙レ」
シュエシュエ
虚。
シュエシュエ
そこから、どろついた膿が垂れている。
シュエシュエ
夫の施した化粧が浮いて。
シュエシュエ
醜く腐った肌が外気に晒される。
シュエシュエ
「いや…………」
シュエシュエ
心に深く刻まれた疵が、死体を生かしている。
シュエシュエ
当然暴かれれば、死体は死体。
シュエシュエ
涙のように膿が垂れる。
シュエシュエ
死体は涙を流さない。
”フー”
「ああこれは大変だ。もう俺の言葉は届かないでしょうが―――」
”フー”
黙れと言われても、口は閉じず。
その表情は何もかわらず。
”フー”
「ただ、シュエシュエさんの体はあなた自身で保っているのではという、ただそれだけで。本当はそのお札も―――旦那さんも、居なくてもすごせるのではと」
シュエシュエ
「だから何?」
シュエシュエ
「あの人を裏切れっテ?」
”フー”
「なんとも!旦那さんの話をきいてみないとわかりかねますねぇ」
GM
塗って重ねた油絵の具の紳士たち――命なきもの。
GM
継いで接いだ屍の女ひとり――命なきもの。
GM
それでも女には心がある。
心があるゆえに、女には疵がある。
GM
そして、疵があるゆえに。
GM
命のないことが、こんなにも露わだ。
マリユス
部屋に戻ると誰もいない。
マリユス
同室の男は丁度入れ替わりに出て行ったようだ。
マリユス
締め出してしまうのは悪いと思いながらも、鍵をかけて冠を外す。
マリユス
溜息をひとつ。
触れられた背がびりびりとする。
マリユス
実のところ、夫婦だという言葉は信じていない。
マリユス
ちら、と扉を見てから服を脱いでシャワー室へ。
水をふんだんに使える場所は貴重だ。
マリユス
傷だらけの腕を見てまた溜息。
マリユス
雨の日を思わせる水の音。
マリユス
叩かれれば痛い。
傷つけられるのは怖い。
脅されれば人は平気で裏切る。
マリユス
それは身をもって学んだこと。
マリユス
今は何もかも他人事。
GM
シャワーから水が出る。湯が出る。
それだけのことが、今この国では現実離れ。
GM
夢のような、嘘のような。
にせもののような、まぼろしのような。
マリユス
血と汚泥の区別もつかなくなった。
マリユス
それでも白い服が白く保たれているのは、信仰……疵の力だという。
マリユス
私の信仰は正しく、それ故に白く。
マリユス
この、身体の古い傷痕は消えることがない。
マリユス
そしてこの青は太陽がもたらすという青空の色らしいが。
マリユス
マリユスは未だそれを見たことがない。
マリユス
堕落の国の空は青くはなかった。
マリユス
水音が止まる。
マリユス
びしょびしょに濡れた髪を後ろにやって、柔らかいタオルを手に取った。
GM
そこに太陽のにおいはしない。
ただかすか、甘い匂い。
マリユス
太陽を知らない。
マリユス
ただ、この甘い匂いは知っている。
マリユス
腐敗臭だ。
マリユス
「…………」
マリユス
それなりに嗅ぎなれた匂い。
マリユス
いつでも張りのある衣装を着なおすと、そのままベッドに倒れ伏す。
GM
シーツにもピローカバーにも、ぴんと糊が効いている。
GM
しかしやはり、タオルと同じ匂いがする。
マリユス
厭な夢を見そうだ。
マリユス
そのまま目を閉じてしばしの仮眠。
マリユス
鍵はかけたままだが、まあ……なんとかするだろう。

マオマオ
* スペシャルの小道具はとうみつでお願いします
GM
OK!
[ マオマオ ] とうみつ : 0 → 1
GM
GM
では、このまま地続きのシーン。シュエシュエの手番。
シュエシュエ
「話なんテ聞いたっテ、アナタにあの人のことなんてわからないヨ」
シュエシュエ
目玉の抜けおちた眼窩のように、心に穴の開くのがわかる。
シュエシュエ
もとより心で保たれた身体。心に穴が開けば、自由すら縛られる。
シュエシュエ
それでも、この国において命たる心に自己治癒は働く。
ようやく立ち上がり、まだまともな左目が男のへらへらとした笑いを捕える。
シュエシュエ
「……」
”フー”
「それは、どうでしょうねぇ。なんとも。それこそ話してみなければ―――」
シュエシュエ
ひとつ、吐息。
”フー”
開きかけた口を閉じる。
シュエシュエ
「怒ってごめんなさイ。確かにちょっと、気にしてるかラ。身体のコト」
シュエシュエ
壁に緩く凭れる。
シュエシュエ
「こんな身体でモ、あの人は妻と呼んでくれるんでス」
シュエシュエ
「あんまり意地の悪いコト、言わないデ」
”フー”
「……んん、申し訳ない。いじわるを言うつもりはなかったんですがねぇ」
”フー”
仰々しく頭を下げる。
シュエシュエ
「じゃあどういうつもリ?」
”フー”
「裁判を有利に進めようというのが半分と、気の持ちようで何か劇的によくなればというのが半分、ですかねぇ」
シュエシュエ
「とっても賢い作戦ですネ!拍手しちゃいマス」
シュエシュエ
思惑通りこの身体を鈍らせているのだから、大したものだ。
”フー”
「そうですよねぇ。待つだけでは得られませんから」
シュエシュエ
「そのお口の上手さで生き残ってきたんですネ」
シュエシュエ
「いいナ~。シュエそういうのはさっぱリ」
”フー”
「ははは、まぁ間違いではないですよ」
”フー”
故郷の村でもそうだった。
”フー”
厳しい村。孤立した村。排他的な村。
”フー”
産まれてただ死ぬまでを過ごす村。
人生そのものではなく、ゆっくりと死んでいく村。
”フー”
少しでもながらえさせようとあの手この手を使って。
笑顔で旅人や他の村と交易をし、外の情報を集めた。
”フー”
やせた土地も乏しい水源も、今からではどうすることもできない。
”フー”
動かないでいれば、それだけ死の足音ははっきりしてくる。
”フー”
だから良い人を演じ、村のためにと駆け回った。
”フー”
「間違いでは、ないですねぇ」
シュエシュエ
「古い記憶」
シュエシュエ
「アナタの一番古い記憶ハ?」
シュエシュエ
受けた言葉をそのまま、返す。
”フー”
「村の記憶。おそらくきっと、母に抱かれて、父の畑作業を見ていんだったかなぁ」
”フー”
すらすらと、思い出すように答える。
シュエシュエ
笑っているような、顔。
シュエシュエ
「帰りたイ?」
”フー”
「やぁ、もう、ありませんからねぇ」
”フー”
俺の知る限りは、村はもうない。
シュエシュエ
眼窩からぽたりと膿が垂れる。
シュエシュエ
堕落の国に呼ばれた同士、多かれ少なかれ、形は違えどみな喪失がある。
シュエシュエ
それに触れようとしているのが自分でわかる。
シュエシュエ
「どうしテ?」
シュエシュエ
「なんで無くなっちゃったノ」
シュエシュエ
腕が外れないように軽く押さえる。
シュエシュエ
少しずつ、強度を取り戻している。はずだ。
”フー”
「ああ、まぁ……」
”フー”
少し言葉を濁す。
”フー”
「何もかもが、良くなかったんでしょうねぇ。土地も、気候も、時代も」
”フー”
そう。一人が頑張ってもどうにもならない。
”フー”
やせた土地を豊かにすることは一人ではできない。
”フー”
遠い水源とは別の水源を探すことは一人ではできない。
”フー”
信仰を捨てて周りと同化することは一人ではできない。
”フー”
侵攻を止めることは一人ではできない。
”フー”
滅んでいく村は、一人では止められない。
”フー”
「一人の手には負えなかったんですねぇ。悲しい話ですよ。物語にもなりません」
シュエシュエ
「……でモ、大事にしていたんですネ」
シュエシュエ
「シュエには、マオさンに会う前のことは大事じゃないかラ」
シュエシュエ
「だから忘れちゃったんだと思いマス」
”フー”
「生まれ育った村ですからねぇ」
”フー”
シュエシュエさんとは違って、とは言わなかった。
シュエシュエ
「シュエが無くしたのは命ですケド」
シュエシュエ
「シュエには新しい大事なものがあるカラ」
シュエシュエ
「フーさンにも出来ると良いですネ」
シュエシュエ
*フーの心の疵『執着心』を抉ります。猟奇で。
マリユス
*横槍します
GM
では能力値チョイス。
マリユス
Choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 猟奇
マリユス
2d6>=7 (2D6>=7) > 5[2,3] > 5 > 失敗
GM
失敗!
[ マリユス ] HP : 17 → 16
GM
では、シュエシュエの判定。
シュエシュエ
2D6+4>=7 (2D6+4>=7) > 7[1,6]+4 > 11 > 成功
GM
成功!
GM
*『執着心』は……心の性感帯です!
[ ”フー” ] 執着心 : 0 → -1
GM
*フーにはシュエシュエへの恋心が付与されます。
シュエシュエ
死体はその心に寄り添えない。
シュエシュエ
死体には自分の命より大切なものが、あって。
シュエシュエ
それに執着している。
”フー”
そう。その通りだ。
”フー”
フーは取り返せない過去に執着している。
”フー”
生まれ育った村はもうない。
”フー”
村の信仰などとっくに捨ててしまった。
”フー”
そもそも村と共に滅んでしまった。
”フー”
堕落の国に来て、元の名前も捨ててしまった。
”フー”
もうあの村も自身のことも、知っているのは自分だけ。
”フー”
自分を自分たらしめているのは、ここに居る自身だけ。
”フー”
それを失えば、もはや空洞。ただの肉人形。
”フー”
そしてその目の前の女は、シュエシュエは自分の命よりもあの男が大切だという。
”フー”
死した命を動かしたのはあの男なのに。
”フー”
そして明らかに術が切れても動いているのは、こうまで言い切る彼女の疵の力なのに。
”フー”
本当は必要ないはずの男への思いで動いているのでは?
”フー”
じゃあ自我とは、自身を自身たらしめているものは何だというのか。
”フー”
フーの何もかもに反する女の死体が、目の前でしゃべっている。
”フー”
見るからに元の姿はなく、記憶もおぼろげで、でもあの男が大切だと。
”フー”
「さぁ、私の手はそこまで多くのものを持てませんからねぇ」
”フー”
表情は変わらず、平坦な声で。
シュエシュエ
「そんなに大きい手なの二!」
シュエシュエ
「ふたつあればもう一個くらい持てますヨ」
シュエシュエ
どうせ殺し合うのに、死体の腐った頭はどうにも。
少し前のやりとりさえ覚えていられないようだった。
”フー”
この手が?というように開いて見せる。
シュエシュエ
その手が!頷く。
”フー”
最初に得がないと言ったのは、この女だというのに。
”フー”
ほんの少しのやり取りも忘れるほどだというのに。
”フー”
あの男のことは、大事だという。
”フー”
「俺の手にも、つかめる大きさならいいんですけどねぇ」
シュエシュエ
「そこは気合デス!」
”フー”
「んん!元気のいい精神論だなぁ!」
”フー”
なにかを確かめるように手を握りこんでは、開く。
シュエシュエ
「……シュエの手」
シュエシュエ
内緒ですヨ、と袖を捲って見せる。
シュエシュエ
僅かばかり腐肉のこびりついた骨。
シュエシュエ
「手、足よりすぐ悪くなっちゃうカラ」
シュエシュエ
「マオさンにばれたら怒られちゃうから、内緒!」
”フー”
「はは、いいでしょう」
”フー”
平坦な声で、しーっと口の前に指を立てた。
GM
過去は死の中にある。
その空洞に、新たに萌えるものはない。
GM
屍は死の中にある。
その空洞に、新たに萌えるものはない。
GM
けれど男は生きている。
その内側に。新しく。
GM
小さく燃えるものがある。
マリユス
案の定。
マリユス
悪い夢を見て目が覚める。
マリユス
吐き気がする。
マリユス
額に手を当ててしばらく目を閉じ、起き上がった。
マリユス
室内にフーの姿はなく、扉もいじられた様子はない。
マリユス
歩き回っているのか、話し込んでいるのか。
マリユス
おそらく後者だろうとは思う。
マリユス
長い付き合いではないが、あまり……
マリユス
何かに夢中になるというところは見たことがない。
マリユス
傍らの冠を頭にのせて顔を隠す。
マリユス
「仕方ないですね」
マリユス
寝起きは少し声の調子が悪い。
マリユス
少し、見回るだけ。
マリユス
ベッドから降りると、扉の鍵を開けて外へ。

GM
GM
では、1ラウンド目最後。マオマオの手番。
GM
何をなさいますか?
マオマオ
* シュエシュエの「つぎはぎボディ」を舐めます
マオマオ
先に判定してもいいですか?
GM
いいでしょう。
マオマオ
ありがとうございます!
GM
では、能力値を指定してください。
マオマオ
* 能力値は愛
GM
横槍は?
”フー”
*横槍します!
GM
能力値チョイスから。
”フー”
Choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 愛
”フー”
愛持ってるんですけどね
”フー”
2d6+1>=7 (2D6+1>=7) > 5[2,3]+1 > 6 > 失敗
GM
横槍は失敗。
[ ”フー” ] HP : 21 → 20
GM
では、マオマオの判定。
マオマオ
2d6+3 (2D6+3) > 9[6,3]+3 > 12
マオマオ
愛4でしたね
GM
13。成功です
[ シュエシュエ ] つぎはぎボディ : -1 → 0
マオマオ
では、妻は適当に帰ってきてもらえると嬉しいです。
シュエシュエ
は~い
シュエシュエ
フーと別れ、しょぼしょぼと部屋へ戻る。
シュエシュエ
包帯は拾ってきたものの、肉が崩れてうまく巻けなかった。
シュエシュエ
”何かあった”ことは、隠しきれないだろう。
マオマオ
物音。扉が開く音。
マオはベッドの中で、わずかに身じろぎする。
シュエシュエ
中を窺い、そろりそろりと中へ入る。
マオマオ
足音が聞こえる。
シュエシュエ
なるべく音を立てないようにしても、足を引き摺る。
マオマオ
布団から顔だけ出して、そちらを見る。
マオマオ
寝ぼけた顔で、まばたきをひとつ、ふたつ。
マオマオ
ベッドサイドに手を伸ばして、眼鏡をかける。
マオマオ
「出かけてたのか」
マオマオ
寝起きの、はっきりしないぽやぽやした声。
シュエシュエ
「……ちょっト……探検……偵察……デス」
マオマオ
ぼんやりと妻を見ている。
マオマオ
「包帯は?」
シュエシュエ
「落としちゃっテ……」
シュエシュエ
下手な嘘。
マオマオ
嘘だ、と思うが、寝起きで追求する気が起きない。
マオマオ
「直してやる、来い」
シュエシュエ
ベッドによるかどうか僅かに逡巡したが、呼ばれれば。
シュエシュエ
観念してそちらへ行く。
シュエシュエ
夫には見慣れた、ぐずついた肉。
マオマオ
ベッドサイドに置いていた荷物から、包帯や縫い針などの修理道具を取り出す。
シュエシュエ
腐敗臭は一層強い。
マオマオ
隣に座る妻の頬に手を添える。
シュエシュエ
「……」
マオマオ
眼窩を満たす膿を、ガーゼで丁寧に拭い取る。
マオマオ
涙を拭うように。
シュエシュエ
いつ張り飛ばされるかという怯えはない。
シュエシュエ
拭われてもなお、腐肉は潤み、血のような体液を滲ませる。
シュエシュエ
生きていないのに、傷つけられたかのよう。
マオマオ
「顔も、新しいものと交換しないといけないな」
マオマオ
つい先日、顔を交換するのは面倒だと言った。
マオマオ
しかし、思ったよりも傷んでいる。こうなってしまっては仕方がない。
シュエシュエ
「やっぱリ、もうダメですかネ」
シュエシュエ
きれいな、夫の横に立っていても恥ずかしくない顔でいたい。
シュエシュエ
けれど、それをするほど自分は自分でなくなっていく。
シュエシュエ
自分がいつまで自分のままなのか、どこまで自分のままなのか。
秘めていた不安が外気に晒された。
シュエシュエ
膿はあとからあとから溢れる。
マオマオ
「さすがにここまで腐るとな」
マオマオ
拭っても、拭っても膿は溢れる。
マオマオ
「どこかで新鮮な死体を調達しよう」
マオマオ
「顔はまぁ、多少変わるだろうが……」
シュエシュエ
「ン……」
シュエシュエ
顔は。換えた覚えがない。
シュエシュエ
見初められたそのときの。死んだばかりの女の顔のはずだ。
マオマオ
「顔くらいは」
マオマオ
「心の疵の力で、そのままにできるだろ」
マオマオ
膿が溢れないようにガーゼを当てて、上から包帯を巻く。
マオマオ
「できないなら、できるようにしろ」
シュエシュエ
「やってみマス」
シュエシュエ
出来るかどうかはわからないが。
シュエシュエ
自分の疵の力がこの身体に働いているなら、そのくらいは。
シュエシュエ
コインの枚数さえあればきっと。
マオマオ
続いて、化粧を直す。
シュエシュエ
「……顔……」
シュエシュエ
言いかけて、噤む。
マオマオ
「どうした」
マオマオ
問いはするが、手は止めない。
シュエシュエ
「……そんなに、……気に入ってくれてたとハ……思ってなくテ……」
シュエシュエ
こういうことを言うと、どうだろう。機嫌を損ねる気がする。
シュエシュエ
ただ言わずにいられなかった。
マオマオ
寝起きのままの、ふわふわした雰囲気のまま、ぽかんと見返す。
マオマオ
「そういえば、そうだな……」
マオマオ
「思っていたより気に入っていたらしい」
マオマオ
化粧を続ける。傷んだ肌を隠すように、丁寧に。
マオマオ
自分の横に立っていても恥ずかしくない顔にするために。
シュエシュエ
「…………」
シュエシュエ
死体の頬は上気しない。
シュエシュエ
それでも心が温もる。
シュエシュエ
死体だけれど、心がある。
シュエシュエ
それが早鐘を打っている。
マオマオ
化粧を終えて、道具をしまう。
マオマオ
最後に軟骨に空いた穴に、ピアスを通して、できあがり。
シュエシュエ
顔を見つめられていた、ただそれだけで。
マオマオ
「これでよし」
シュエシュエ
心に開いた穴が塞がる。
シュエシュエ
この心はこのひとのために動いている。
マオマオ
「何度見ても、俺の化粧は上手いなぁ」
マオマオ
「今回も、美人にできた」
シュエシュエ
何度も頷く。鏡を見なくてもわかる。
シュエシュエ
「いま、世界で一番美人デス」
シュエシュエ
満足そうにわらう。
シュエシュエ
それだけで、たとえ自分が自分じゃなくたっていいと。
シュエシュエ
そう思えてしまうのだ。
GM
穿たれた穴は、穿たれたままにしか在れないだろうか?
GM
損なわれたものは。
失われたものは。
GM
けれどここでは、疵こそが力。
GM
穿たれたことで、その場所を確かめて。
GM
癒やされることで、その力を確かめる。
マリユス
人の気配ではないはずなのに、多くの人の話し声や足音、影がすれ違っていく。
マリユス
趣味が悪いとは言わないが、その人々の服装が、仕草が、余計に気分を悪化させる。
マリユス
不機嫌そうな顔で額を押さえ、ホール際のソファに腰を下ろした。
”フー”
きらびやかな空間に不釣り合いな格好のフーが紳士の絵画がかかった廊下から出てくる。
”フー”
表情はいつもとかわらず、視線もあまり読めないが何かを考えているのかホールの人々がいないかのように歩いている。
マリユス
その姿を視界の端にとらえ、口を開き何かを発そうとして
マリユス
喉を押さえる
マリユス
けほ、と。軽い咳。
”フー”
咳に気付かず一歩二歩三歩、と進んだところで顔をあげ体をひねる。
”フー”
「ああ!やぁやぁ。部屋かと思ったんだが」
”フー”
いつものような表情で、いつものような声色で、大股に近づいてくる。
マリユス
「…………」
マリユス
「少々」
マリユス
変わらず、低い声。
マリユス
「気分が悪くなりまして」
マリユス
近づけば、シャンプーの甘い香り。
”フー”
「ああ、窓もないからねぇ。……風呂入った?お湯出る?」
マリユス
「ええ、きちんと。……香料は少々趣味の悪い香りですが。」
”フー”
「香りが付くようなものは貴重だからかねぇ。力があることのアピールにもなるし」
”フー”
そう言いながら自身の服を鼻を鳴らして嗅ぐ。
マリユス
「…………」
”フー”
「におう?」
マリユス
「…………気にしませんよ」
”フー”
「んふふ、におうってことかい」
マリユス
僅かに残った死臭。
マリユス
「少しは」
”フー”
「長々話し込んだからなぁ」
マリユス
「ああいう女性がお好みとは思いませんでした」
”フー”
笑顔はそのままに、わずかに眉尻を下げる。
”フー”
「ん~。いや、面白い女ではあったけどねぇ」
マリユス
ソファに座ったまま見上げている。
マリユス
「おや」
マリユス
「そういう返し方をしますか」
”フー”
「まぁまぁ、得るものはあったから」
”フー”
そう言いながら隣に腰を下ろす。
マリユス
「む」
マリユス
少し距離をあける。
”フー”
そんなにか……
”フー”
特に詰めるようなことはしなかった。
”フー”
互いに適切な距離感というものはある。
”フー”
それを踏み込んでも離れても、よくないことが待っている。
マリユス
おおよそ拳5つ分
マリユス
隣というには少し遠い距離。
”フー”
特別親しい友人でもない。
ましてや恋人同士でもない。
仕事だけの関係。
”フー”
隣人ではないが、隣に立つものの距離。
マリユス
「…………気分を害しましたか?」
”フー”
「まさか!」
”フー”
大げさに肩をすくめる。
マリユス
「どうにも……」
マリユス
「ここは、昔を思い出させまして」
”フー”
「ふん、良い方?それとも、悪い方?」
マリユス
ヴェールを透けて見える表情には少しばかり陰りがある。
”フー”
「なるほど」
”フー”
答えを待たずに、納得する。
”フー”
「まぁ過去っていうのはどうにもなぁ」
”フー”
「捨てたり忘れられるものじゃあない」
マリユス
花のにおい、香水のにおい、獣の皮のにおい、人間のにおい、糞尿のにおい
マリユス
そういうものが混ざったものが、呼び起こされる。
マリユス
「ええ」
マリユス
「おかげで口の中までひどい味です」
マリユス
口を開けて、舌を出して見せる。
”フー”
「お?」
”フー”
一瞬手を伸ばしかけ、やめた。死臭がひどい。
……多分。
”フー”
「匂いは味にも関わるからなぁ。沼地では何食べても土の味だ」
マリユス
「ふふ……人間の排泄物に比べれば可愛いものです」
”フー”
ソファから立ち上がると近くのメイドに何かを告げる。
”フー”
「ん~さすがにそういう環境では……マリユス、俺よりひどい環境なことの方が多いなぁ」
マリユス
「同情してくださってもかまいませんよ」
”フー”
「されたい?」
マリユス
「本気なら流石にこのような事は言いませんが」
”フー”
「はははは!確かにそうだなあ」
マリユス
「…………」
マリユス
「同情で心は癒されません」
”フー”
「心を揺さぶるものではないからなぁ」
”フー”
「ただ隣に居るだけだ」
マリユス
「…………」
”フー”
「そういう関係じゃなくても隣に居るだけでいいってこともあるしな」
マリユス
「……そうですね」
マリユス
「そういうとき」
マリユス
「寄り添ってくれるのは、本当は」
マリユス
「家族というものなのでしょうか」
”フー”
「………」
”フー”
間。
”フー”
「…ん~、俺にも家族というものはいないしなぁ。ただそれは必ず家族じゃないといけないわけじゃないんじゃない?」
マリユス
「…………」
マリユス
見ている。
マリユス
喉に手をあてる
”フー”
「言葉にすると遠い関係でも、近くに居ることはできるしなぁ」
”フー”
マリユスの隣にいつの間にかメイドが立っている。
”フー”
その盆の上には、水の入ったグラスとレモン。
マリユス
「あ……」
”フー”
「直接取るわけにもいかないしねぇ」
マリユス
グラスを受けとる。
マリユス
「…………」
マリユス
「話していないことがあるんです」
マリユス
「聞かれていない事ですが」
”フー”
「聞いておこうかな」
”フー”
「なに?」
”フー”
にこりと微笑む。
マリユス
「…………」
マリユス
目を閉じる
マリユス
片手を、その拳5つ分の真ん中へついて
マリユス
耳元に唇を寄せ
マリユス
ささやく。

マリユス
『私は、男ではないんですよ』

マリユス
そうして元の場所へ。
マリユス
「…………驚きました?」
”フー”
「………」
”フー”
表情は変わらないが、リアクションもない。
マリユス
「ふふ……」
マリユス
「内緒にしてくれますか?」
”フー”
「……んっふっふ」
マリユス
「『聞かれなかったら』」
”フー”
たまらず、という感じに笑い始める。
”フー”
「もちろん、『聞かなかった』よ」
マリユス
「ふふ」
”フー”
そう言いながらソファを立つ。
”フー”
「じゃあ俺も風呂に入ってくるかぁ」
マリユス
「では、私も戻りましょうか」
マリユス
「戻った時に鍵がかかっていたら困ってしまいますので」
マリユス
両手で持ったグラスの中身を飲み干す。
マリユス
「これ」
マリユス
「お気遣い、ありがとうございます」
”フー”
「んふふ、どういたしまして」
マリユス
立ち上がり、近くにいたメイドにそのグラスを渡す。
マリユス
「戻りましょうか」
”フー”
「ん」
”フー”
そう言って歩き出す。
マリユス
後に続く足取りは少しだけ、軽いような心地がした。

GM
GM
では、1ラウンド目が終了。
GM
2ラウンド目の行動順を決めていきます。
GM
改めて、それぞれ1d100。
マリユス
1d100 (1D100) > 13
マオマオ
1d100 (1D100) > 39
シュエシュエ
1d100 (1D100) > 77
”フー”
1d100 (1D100) > 63
GM
シュエシュエ > フー > マオマオ > マリユス
GM
2ラウンド目はこの順でいきます。