GM
ワイングラスの光、ヴァイオリンの響き。
仮面の下の瞳が、終わらぬ宴を見つめている。
GM
Dead or AliCe 『Waltz for Lovers』
GM
ここにはなんでもあるのだけれど、
心に隙間を感じているの。
GM
ここにはなんにもないのだけれど、
ワルツの相手はそこにいる。
GM
――シャンデリアの下、手を取り合う相手はだあれ?
GM
曰く。堕落の国の救世主のもとには、時折、封筒を咥えた金色の小鳥の亡者が訪れる。
GM
その小鳥の封筒を受け取った救世主は、しばしば『大廊下』へ赴き、その後帰ってきたり、来なかったり。
GM
けれども帰ってきた救世主は、大概の場合、手持ちの六ペンス硬貨を増やして戻ってくるらしい、と。
GM
戻ってきた救世主の証言から、どうやら封筒は何らかの招待状のようです。
救世主が集められているのが同じ場所だということは、確認が取れています。
GM
堕落の国で、少なくとも一月以上生き残っている救世主なら、誰でも知っていること。
GM
30日以内に、一人以上。死者を出さねばなりませんね。
GM
ということで、そちらのご夫妻からやっていきましょう。
GM
早速ですが、あなたがたは大変にまずい状況に置かれています。
GM
前回の裁判が閉廷してから、今日で27日目。それも、もう日が暮れようとしています。
GM
このままでは、今、あなたの隣にいる救世主と争わねばなりません。
GM
仮にも夫婦と呼び交わすお二人ですからね。できればこの二人で殺し合うのは避けたいですね。
シュエシュエ
ただ、そう……夫は、ひとりでは戦えない。
マオマオ
待っていても救世主はやってこない。探すしかない。
シュエシュエ
だが、救世主どころか末裔のひとりもない。
マオマオ
このままでは、シュエシュエを殺すことになるだろう。
マオマオ
殺してしまえば、一人で堕落の国を生きていかなければならない。
シュエシュエ
最悪の場合目が合うだけで殴られる覚悟がいる。
シュエシュエ
目が合って、笑顔になったのもつかの間。
シュエシュエ
泥の詰まった麻袋を殴るような音が、静かな荒野に響く。
シュエシュエ
ずれそうな首を支えて、眉尻を落とす。
マオマオ
ゆっくりと腹に足の裏を触れされて、力強く蹴る。
マオマオ
「あと3日、なんとか救世主を見つけて殺さないと」
シュエシュエ
たたらを踏んだが、倒れるまでには至らない。
シュエシュエ
次の村には、とか、次の道には、といろいろ励ましてはきたけれど。
シュエシュエ
「……あんまり苛々すると、お腹空きますヨ」
マオマオ
急いではいるものの、次の街もそう人が多い訳ではない。
マオマオ
妻の言葉に返事をせず、拳も返さずに黙る。
シュエシュエ
地平線には腹の足しにもならないだろう枯れ木と岩が見えるばかり。
マオマオ
「お前を殺したら、後妻を探さなきゃなぁ」
シュエシュエ
でも、食べられる妻のほうがいいかもしれない。
シュエシュエ
食べられなくても、あったかい妻の方がいいかもしれない。
GM
次の街で救世主を見つけたとしても、ふらふらで裁判に臨むことはできない。
GM
夜が更けきる前には、あなたがたも足を止める。
GM
枯れきった荒野で、かろうじて焚き火を熾して。
シュエシュエ
ところどころ、パーツの繋ぎ目が緩んでいるのは気のせいだと思いたい。
シュエシュエ
荒野の砂の上にせっせと寝床の支度をする。自分は眠らなくてもいいのだが。
マオマオ
この関係が、終わりに向かっていると感じる。
シュエシュエ
ぴょん、と弾かれたように立ち上がる。
GM
あなたがたに向かって下りてくる、星のような金色の小鳥。
シュエシュエ
亡者ばかりのこの国に、生きた鳥などそうお目にかかれるものでもない。
GM
この小鳥は、しかし普通の生き物のようには見えません。あるいは、亡者にも見える。
マオマオ
小鳥に近付き、様子を見る。何か持っていないだろうか。例えば、招待状のようなものとか。
GM
封筒の表には、あなたがたの名前がきちんと記されています。
GM
『招待状だよ。誰かが、どこかに救世主を集めてるんだ』
GM
『そこから帰ってきたやつは、だいたいがみんな、六ペンスを増やしてきてる』
GM
『つまり、だから……集まってるんだよ、救世主が、本当に』
マオマオ
「シュエ、神はまだ俺達を見捨てていなかったようだ」
GM
『救世主の皆様、ひとときばかりの宴にお越しください』
GM
『あなたがたに必要なものは、なんでもお取り揃えしております。たべもの、のみもの、お洋服に、眠る場所』
GM
署名には、『Cendrillon』とあります。
マオマオ
「たべもの、のみもの、お洋服に、眠る場所!!」
マオマオ
「シュエ……やはり世界は俺を中心に回っているようだ」
シュエシュエ
「マオさンの日ごろの行いがいいからですヨ~!」
シュエシュエ
「かみさま、ちゃんと見てくれてるんですネ!」
GM
そこにはまず、あなたがたの今いる場所から最寄りの、『大廊下』に繋がる扉の場所。
それから、その扉をくぐった後、どんな道順でどの廊下を通ればいいのか。
最後に開く扉の特徴。
シュエシュエ
言われるまでもなく火を消して、寝床を畳み、荷物を抱え。
シュエシュエ
先ほどまでの悲壮な空気はどこへやら。
GM
夜は更けていきますが、あなたがたの足取りは、先程よりもずっと軽い。
GM
指示された最寄りの扉に辿り着いたのは明け方。
GM
あなたがた二人は、そこから『大廊下』に侵入しました。
マオマオ
夜を徹して歩いたが、不思議と疲れは感じない。
マオマオ
なにせ、これからかわいそうな救世主達に会えるのだから!
シュエシュエ
最悪抱きあげて歩くことも出来るのだが、すでに腐った身体の劣化を早めるのは良くない。その後をひょこひょこついていく。
GM
大きいもの、小さいもの、白いもの、黒いもの、赤いもの。鍵のかかっているもの、いないもの。
マオマオ
通り過ぎる多くの扉に興味を惹かれはするものの、今は遊んでいる余裕はない。道を急ぐ。
シュエシュエ
右、左、左、右。なんの導もない荒野を歩くよりよっぽど良い。
GM
ほとんど丸一日かかりながら、最後の角を曲がって、右手の十三番目。
GM
こちらも状況としては、前の二人とさして変わりません。
GM
前回救世主を殺してから、28日目の朝日が昇ろうとしています。
GM
今この朝、お二人はどこにいらっしゃいますか?
”フー”
ちょうどコンビとして最初の仕事を終えたあたりで
”フー”
近場に宿をとって一晩休んでから報告にもどるところの朝ですかね
GM
仕事の後はずいぶんトラブル続きだったようですね。
GM
今から戻って、殺すに適当な救世主を斡旋してもらうとして、間に合うかどうか。
”フー”
責務。仕事とは別の、救世主としての責務のリミットが近づいているが、フーは落ち着いている。
”フー”
会はこういう時のために救世主の居場所をいくつかストックしているし、いざという時の移動は大廊下を使っていいことになっている。
”フー”
無事入会を済ませたマリユスの報告も必要だが、それよりも戻ってすぐに救世主狩りに向かうほうがいいだろう。
”フー”
ということを、マリユスに言うだけ言って宿をとった。
マリユス
何せ、ろくに整備されていない道は歩きにくく、末裔たちの馬車も多くはない。
マリユス
堕落の国にきてそこそこの日数は経過していたが、未だ旅には慣れない。
マリユス
力を発揮できる裁判とは異なり、自分が足手まといであることを痛感する。
マリユス
この男の言葉を信用する、より他にはないのだが……
”フー”
「まぁまぁ、大丈夫でしょ。帰りは『大廊下』使っちゃえばいし。使ったことあったっけ?」
”フー”
「あれはねぇ、楽だよ~。移動もあっという間だし」
”フー”
「戻ったらすぐに救世主狩りにいくことにはなるけど、いくつかストックはあるはずだからさ」
”フー”
大廊下で待ち伏せるという方法もとれないことはない。が、あまり確実ではない。
”フー”
「信頼関係は大事だからさ。嘘をいってもしょうがないでしょこの場合」
”フー”
それはさっきの言葉も本当であることの裏返し。
”フー”
「まぁ最悪、戻った町にいるであろう野良の救世主を襲撃してもいいんじゃない?」
”フー”
「報告に戻る町は大きいから救世主の一人や二人や三人いるし……宿の情報もほとんど入ってくるしさ。だから心配ないって」
マリユス
信用するのと、『もしも』を疑う事は別だ。
マリユス
道に迷うことも、たまたまストックが切れていることも、もっといえば大本から見捨てられることも可能性としては十分にある。
マリユス
命綱は何本あってもいい。
それも、太ければ太いほどいい。
GM
ストック、というからには、ある程度居場所が固定された救世主である必要がありますからね。
GM
同じ街に何人もはストックしておけない。ストック同士も食い合ってしまう。
”フー”
「しないしない。したかったら……止めはしないけどねぇ」
マリユス
しばらく行動を共にしているが、この男の事はよくわからない。
マリユス
本気で言っているのだなという事はわかるし、反撃をしないと言っていないこともわかるのだが。
GM
時計もない部屋の中、明けの光がぼんやりと窓辺を明るくする、その、ほんの少しだけ前の時間。
GM
窓辺には、まだ暗い中、かすかに輝くような金色の小鳥。
GM
くちばしには、赤い封蝋を施された白い封筒を咥えているのが見て取れる。
”フー”
ベッドから首をのばし、マリユスの向こうを覗き見る
GM
窓が開けば、部屋の中に、ちょん、と跳ねるように入ってくる。
マリユス
封筒を受け取って、そのままフーに見せる。
マリユス
「不用意に封筒は開けない、と。学んだはずなのですが。」
”フー”
興味を惹かれたように金色の小鳥と封筒に視線を向ける。
”フー”
「そうそう、あるよ。なるほどねぇこんな感じかあ」
マリユス
「2人とも知っている……という事は、そこそこ信用できる情報ですね。」
”フー”
「前に会に居た救世主のもとにも届いたことがあったんだよ。内容についても報告はされてたかなぁ」
マリユス
封筒を開いて内容を確認し、それをフーの側までもっていって差し出す。
GM
『救世主の皆様、ひとときばかりの宴にお越しください』
GM
『あなたがたに必要なものは、なんでもお取り揃えしております。たべもの、のみもの、お洋服に、眠る場所』
GM
あなたがたの今いる場所から最寄りの、『大廊下』に繋がる扉の場所。
それから、その扉をくぐった後、どんな道順でどの廊下を通ればいいのか。
最後に開く扉の特徴。
”フー”
「あら、聞いてた道順と違う気がするなぁ。……気のせいかな?」
マリユス
「変化していても不思議ではありませんね……招待客しかはいれないのかも」
”フー”
「それこそ同じ道順なら噂くらいじゃあ済まないだろうしね。大きなところも把握してる内容のはずだし」
”フー”
「報告を上げてきた救世主は結局戻ってこなかったなぁ」
”フー”
「あ、任せる感じ?結構、焦ってるみたいだったけど」
マリユス
「まあ、同じ招待状が届いているのだとしたら……確実に裁判にはなるでしょうし」
マリユス
「戻ってこなかったというのも、おそらくは」
マリユス
「私には一方の情報しかありませんので、比較できるのは貴方でしょう」
”フー”
フーの手札とマリユスの手札は、実のところかなり違う。
それでいてこの判断を任せるというのは信頼なのか。
”フー”
「いや~俺にもあんまり。まぁ会からは『同様の招待状の報告義務はなく、参加も自由』って言われてるくらいだけど」
マリユス
「正直に言って、貴方と2人で裁判をする可能性を減らせるのならば……」
マリユス
「私は、この招待に乗ってもよいと思います」
”フー”
「正しい!何が正しいとかはあんまりないけども」
”フー”
「乗っておいた方が可能性は高いねぇ。この文面を真に受けてやってくるよちよち歩きの救世主がくることもあるだろうしなぁ」
”フー”
会のストックはもちろん確実ではない。
ただ単にフーとマリユスの相性の問題でフーに余裕があるだけだ。
”フー”
「そうだねぇ。行こう行こう。その方が確実だよ」
”フー”
妙に明るく朗らかに、いつもの笑顔をマリユスに向ける。
マリユス
久々に、そういうものを味わえるのも悪くない
”フー”
そう言いながら荷物を整える。整えるほどの荷物もないが、まぁ気持ちの切り替えでもある。
マリユス
六ペンスと最低限の荷物。
荷は多いほど邪魔になる。
GM
あなたがたは夜明けとともに宿を出て、『大廊下』への扉に向かいます。
GM
大きいもの、小さいもの、白いもの、黒いもの、赤いもの。鍵のかかっているもの、いないもの。
GM
ほとんど丸一日かかりながら、最後の角を曲がって、右手の十三番目。
GM
まず目に入るのは、広いホールを挟んで真正面にある大廊下。
GM
そして、天井から吊られた、眩いシャンデリア。
GM
たくさんの仮面の人々が、その光の下で踊っていますね。ほとんどの人はドレスとタキシードです。
GM
いくつかの視線が、マリユスとフーを撫でていく。
”フー”
明らかにフーの服装が浮いているからだろう。
”フー”
仕事用の、堕落の国で会にあつらえてもらった身軽な普段着。
いわゆる現代のシャツとチノパンに近いのだが、フーはその名前を知らない。
マリユス
しかし取り乱すことはなく堂々と立っている。
此方は招待客なのだ。
”フー”
とりあえず前留めシャツのボタンを一番上まで留めてみた。
マリユス
「舞踏会というものですね。私は元の世界で何度か呼ばれたことがありますが……」
GM
広間の中に窓はなく、シャンデリアと、そこここのランプが明るく光を放っています。
マリユス
「受付、案内人、もしくは主催……そういう方がいらっしゃると思うのですが」
GM
踊る男女の服装は、堕落の国とは思えないほどの盛装です。
GM
ホールの端のほうにはいくつかの丸いテーブル。その上にはワインやフィンガーフード。
GM
二人がそれを視線で確認している内に、もう一度、背後の扉が開く。
”フー”
開かれ閉じた扉からちらりと見えた男に思わずふきだした。
シュエシュエ
「すっごイ豪華だったネ!なんでもあるの嘘じゃないヨ!」
マリユス
「ひとまず、問題はひとつ片付きそうですね」
”フー”
「そうだなぁ。今のうちに何か飲み食いしておく?」
マリユス
「ふふ……あまりお行儀の悪くならないように」
マオマオ
きらびやかな世界への扉を開く妻の背を見る。
シュエシュエ
鈍りきった五感にも僅かに届く、華やいだ気配。
”フー”
「んん~~~~?」
食べ物をとりに行こうと一歩を踏み出し、わざとらしく振り返る。
マオマオ
逆光が、妻の後ろ姿の輪郭を浮かび上がらせた。
シュエシュエ
ああっ 夫以外と目が合ってしまった!!!!
”フー”
視線……のようなものがあう。
視線がぶつかっているであろう男の目はどこを向いているのかいまいち判然としないが……。
マオマオ
妻が広間に入ったのを確認して、自分も続く。
シュエシュエ
夫を背に庇うように、さらに一歩、二歩。
”フー”
手のひらを胸元で開くように、わお!とわざとらしい仕草。
シュエシュエ
ホールを満たしているひとびとは、恐らく末裔ではない。
シュエシュエ
それに対して、ふたり。明らかに―自分たちと同じく―場から浮く、ふたり。
マオマオ
ホールを見回す。救世主のような二人を確認した。
”フー”
にこやかな笑顔に見える針金細工のような細身の男。
シュエシュエ
早速食事の方に向かった夫を追うかどうか、一瞬の逡巡。
”フー”
「ふふは、先をこされちゃったなぁ」
マリユスに笑いかける。
マオマオ
こんな時に、マオは一緒にいることを嫌がることもあったし、そうでないこともある。
シュエシュエ
むせるほど香水を浴びても、死臭は誤魔化せるものでもない。
マオマオ
豪勢な料理を物色している。腹が減ってはなんとやらだからな~。
シュエシュエ
夫の方へ行くかどうか、なおも迷い……
シュエシュエ
たどたどしく、救世主のふたりへ挨拶をした。
”フー”
朗らかに見えるように声を張って挨拶を返す。
シュエシュエ
とはいえ、行き合うなり殴りかかって来るような救世主ではないらしい。
”フー”
「そうそう、そうだねぇ。ということはあなた方二人も?」
”フー”
嗅ぎ慣れた死の匂いと、なによりどこか覚えのある札。
”フー”
「なかなか素敵な格好をしていらっしゃる。いや、本当。連れの方はご兄弟……弟さんかな?」
マリユス
これから殺す相手である。
情報は多い方がいい。
”フー”
「なぁるほど~~~!なかなか……お幸せそうですねぇ!」
シュエシュエ
男二人。荒事が得意というわけでもなさそうだが。
救世主の力は心の疵と、コインの力。
シュエシュエ
夫がひとりで勝てる相手ではないということだけはわかる。
”フー”
「……そうそう、そうなんだよねぇ」
ちょっとマリユスの様子を伺おうとしたが、口をついてそういう言葉がでるとは。
シュエシュエ
「いいですネ!仲良きことは美しき、デス!」
GM
そうですね。ではそのようにして、あなたがたが言葉を交わし始めたあたりで。
サンドリヨン
楚々とした足取り。ふわりと香る、淡く甘い匂い。
”フー”
香水渦巻く空間になってしまった。内心煙たい。
サンドリヨン
「ようこそおいでくださいました、救世主様がた」
シュエシュエ
「こんにちは!お招きありがとうございマス!」
シュエシュエ
「困っていたところでしたのデ、大変助かりましタ!」
”フー”
「どうもどうも、ご招待いただき」
わざとらしく大げさなお辞儀をする。
サンドリヨン
「いいえ、おいでいただいて嬉しいですわ」
サンドリヨン
「あら。早速お楽しみいただいているご様子」
マオマオ
見るからに主催者風の、身分の高そうな女だ。
マリユス
「此方から挨拶に伺えず無礼をいたしました」
マオマオ
皿を置いて、救世主達と仮面の男女の方に向かう。
サンドリヨン
「こちらこそ。ご挨拶が遅れたのをお詫びいたします」
マオマオ
「やぁやぁ、どうもこんにちは。主催者の方でしょうか?」
サンドリヨン
仮面の向こう、扇の影で微笑った気配。
サンドリヨン
「わたくしはサンドリヨン。お会いできて嬉しゅう存じます」
マオマオ
「我々本当に困っていたところでして……。妻にこの命を捧げる覚悟をしていました」
”フー”
どうぞ?とでもいうように軽く肩をすくめる
マオマオ
「あなたにご招待頂かなければ、妻を一人にするところでした。本当にありがとうございます」
シュエシュエ
調子を合わせているのやら、いないのやら。
マオマオ
脱いだ帽子を胸に当てて、深々と頭を下げる。
サンドリヨン
あなたがたの様子に、笑みの気配が深まる。
シュエシュエ
腐った頭に数日前のやりとりは残っていないのかもしれない。
サンドリヨン
「わたくしは、今日と明日。この二日の舞踏会の主催になります」
サンドリヨン
「とはいえ、実務はこちらの太閤が。何かございましたら、気軽に彼をお使いください」
マリユス
「既にご存じとは思いますが、私はマリユス・ファリエール」
マリユス
「ご招待いただいたこの宴、存分に楽しませていただきます」
マオマオ
異教の神官のような衣服を身に着けている。
”フー”
「同じく”友人”の”フー”と申します、閣下」
大げさな動きのおまけつきでお辞儀をする。
マオマオ
「毛皃然(マオマオラン)と申します。閣下。貴重な機会を与えてくださり、本当にありがとうございます」
太閤閣下
「ご丁寧にありがとうございます。この二日、ご用命はお気軽にどうぞ」
サンドリヨン
「みなさまには、この二日を楽しんでいただければと思っております」
サンドリヨン
「わたくしは一度これで失礼いたしますけれど、詳しいお話は太閤からお聞きくださいまし」
サンドリヨン
それから、ダンスホールの人波をまっすぐに抜けていく。
シュエシュエ
真似をするようにぼろぼろの花嫁衣裳の裾を持ち上げて返し、その姿を見送った。
太閤閣下
「では、改めまして。ようこそおいでくださいました、皆様」
太閤閣下
「この宴は、サンドリヨン様が、救世主としてのお力で作り上げていらっしゃいます」
太閤閣下
「食べ物もお飲み物も、お好きにお取りください。お休みの際はゲストルームを用意してございます」
太閤閣下
「二日に渡る宴が終わるそのときに、あなたがたが『裁判』を行うこと。それだけです」
太閤閣下
「とはいえ、問題はございませんでしょう。ここに招かれる方はみな、責務の期日が迫っておられる方ばかりですから」
マオマオ
「おお……裁判!恐ろしいですが、生きるためには仕方ありませんね……」
マリユス
「条件であれば、いたしかたないでしょう」
シュエシュエ
救世主!と口に出そうとして、夫の反応に慌てて口を押さえる。
シュエシュエ
マオさンをひとりにしなくてよくなりそうで、よかっタ!
シュエシュエ
こんな仲良し夫婦に向かって失礼でスヨ!
太閤閣下
「お一人様用のお部屋も、お二人様用のお部屋も用意がございます。ご希望をお伺いします」
マリユス
「迷いどころですね、久々にひとり部屋を使いたい気もしますが……」
”フー”
「じゃあ二人部屋にベッド2つ置いてもらおう!」
マリユス
「…………ええ、そうしていただきましょうか」
シュエシュエ
ベッドがひとつなら自分が床で寝るだけなので、特に気にしていない。
シュエシュエ
「もう!そういうこと訊いちゃダメですヨ!」
マオマオ
「では、せっかくなので同じベッドにしておきましょう」
マリユス
こんな機会でもなければないでしょうからね
”フー”
確かに、普通にしてると手足が窮屈だしなぁ
太閤閣下
ともあれ、ご希望通りのお部屋が用意されます。
”フー”
「んー、この場以外でになにか聞きたい場合はどうすればよいです?閣下」
”フー”
まさか呼んだら出てくるというわけでもないだろうし
太閤閣下
「私は概ね大階段のあたりに控えておりますので」
太閤閣下
一通り質問に答えると、一度ホールを出て、廊下へ。廊下にはゲストルームが並んでいますが、廊下にも部屋にも、窓はひとつもありません。
太閤閣下
「ホールとゲストルームはご自由にお使いください」
太閤閣下
「私は夜間にもおりますし、お望みのものは可能な限りご用意いたします」
太閤閣下
「では、私もこれで一度、失礼させていただきます」
太閤閣下
「皆様には……『お茶会』の時間が必要でしょうから」
太閤閣下
言い置いて、太閤は言葉通り、大階段の方へ消えていきました。
GM
では、今回のお茶会は2ラウンド。
行動順は、ラウンドごとに1d100を振って、数字の大きい順とします。
GM
また、この卓では、心の疵MOD『心の性感帯』を適用します。
GM
事前に申請いただいている『心の性感帯』である心の疵を抉られたり舐められたりすると、相手への恋心が付与されます。
GM
恋心を抱いている対象からの援護は、効果点数をすべて1点上昇。
看破は、恋心を抱いている対象から受けるダメージを更に1点増加します。
GM
早速ですが、行動順を決めていきたいと思います。
シュエシュエ
1d100 (1D100) > 31
シュエシュエ
1d100 (1D100) > 29
GM
マリユス > フー > シュエシュエ > マオマオ
GM
シーン表
1:ワインのテーブル 輝く赤いワインのグラスが並ぶテーブル。白いクロスが掛かっている。
2:貴婦人の絵画の下 大きな金の額縁が鈍く輝いている。仰臥する黒いドレスの貴婦人が描かれている。
3:オイルランプの回廊 大広間にある扉の外、橙の灯が等間隔にともる窓のない回廊。いくつもの扉が並んでいる。
4:ダンスフロアの片隅 絶えることのないヴァイオリンの響きとともに、仮面の人々が終わらないワルツを踊っている。
5:緋色のカーテンの影 しっとりと重いカーテンの影。誰かのささやき声が遠くなる。
6:大階段の上 シャンデリアに照らされた大広間を見渡すことができる。広間の人々は緩やかに渦を巻くようだ。
7:いくつかのソファ 壁際に点在する、緋色のソファ。このソファは、今は誰も使っていないようだ。
8:白い柱の傍ら 古い女神の彫られた美しい柱の影。女神はじっと舞踏会を見つめている。
9:小鳥の鳥籠 広間の片隅に、金色の小鳥の亡者の籠がある。たくさんの小鳥が、とまり木で静かに休んでいる。
10:ゲストルーム ろうそくの灯が揺れる、窓のない広い部屋。ベッドも椅子も、緋色のベルベットで覆われている。
11:紳士の絵画の下 大きな金の額縁が鈍く輝いている。ワインを嗜む紳士が描かれている。
12:フィンガーフードのテーブル 鮮やかな軽食が並ぶ丸いテーブル。赤いクロスが掛かっている。
GM
1:ワインのテーブル 輝く赤いワインのグラスが並ぶテーブル。白いクロスが掛かっている。
マリユス
大人しくしていても意味がない。
裁判を行う事が確定しているのなら、情報はあるに越したことはない。
マリユス
そのままホールへと戻り、救世主の姿を探す。
マオマオ
声をかけられて、少し驚いたように顔を見る。
マオマオ
「それは勿体ない。人生を半分損しているようなものだ」
マリユス
「人生を謳歌していらっしゃる方は違いますね」
マオマオ
「そう見えますか?これでも心労が耐えない方なんですよ」
マリユス
「ああ……奥方と共にここで暮らすのはやはり大変ですか。」
マオマオ
「それはそうです。30日に一度人を殺さないといけないなんて……、本当に恐ろしい世界です」
マオマオ
「私は人を殺せない。力も弱いし、信仰上の問題もある。妻がいなければ生きていけないんです」
マリユス
「では……今は、無防備という事でしょうか」
マオマオ
俯いて、グラスを置く。
僅かに手が震える。
マリユス
「心配なさらずとも、私もあまり戦うのは得意ではありませんから」
マオマオ
「本当ですか……?それなら、助かりますが……」
マリユス
「貴方がここにいる間、奥方が無事とは限りませんが」
マオマオ
「いえ、そうですよね……。裁判である以上、傷付け合うのは避けられません」
マオマオ
自分たち夫妻は、妻が要である、という情報を与えた。妻は、自分の身くらいは自分で守れるだろう。
マオマオ
「初めは、それはそれは恐ろしかったものです」
マオマオ
「ですが、生き延びてしまった……。もう、死ぬまであがくしかありません」
マリユス
「彼は、ああ見えて暴力的な男ですから、もしかすると」
マリユス
「今頃、腕の一本くらい、折られているかもしれませんよ?」
マオマオ
腕を折られた場合はどうしようか。あのサンドリヨンという女から調達するのは難しいだろう。
マオマオ
マリユスと、フーの腕を思い出す。まぁ、その場しのぎならいいだろう。
マオマオ
「それは……困ります。妻に酷いことをしないでください」
マオマオ
「怯えがない……!?あなたにはそう見えるのですか!?」
マオマオ
救世主同士の戦いは、心の疵を探り合う。この男は、人の心を探り慣れている気配がある。
マオマオ
「……あなたは、私を脅しに来たのですか?」
マリユス
「我々の方が、頼りになりますよと、教えに来ただけです」
マリユス
*マオマオの疵『自己愛』を才覚で抉ります
シュエシュエ
Choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 猟奇
シュエシュエ
2D6+4=>7 (2D6+4>=7) > 6[1,5]+4 > 10 > 成功
シュエシュエ
夫が広間にいる間、ふらふらと城を探索する。
シュエシュエ
食事の際にそばにいると、不快にさせてしまうかもしれないから。
シュエシュエ
さみしがりのひとだけど、いつでも一緒にいるというわけにはいかない。
マリユス
2d6+4+2-6>=7 (2D6+4+2-6>=7) > 6[3,3]+4+2-6 > 6 > 失敗
マオマオ
言われてみれば。別に味方は妻だけでなくてもいい。
マオマオ
人心掌握に長けた人物なら、救世主同士の戦いに有利だ。暴力的な男も頼もしい。
マオマオ
「そう、ですね……。頼りになりそうな方々だとは、思います」
マオマオ
こんな話を持ちかけてくるということは、向こうにも何か下心があるのだろう。
マオマオ
まぁ、救世主が一人死ねば終わる話だ。談合でまとまれば、苦労はない。
シュエシュエ
咽るほどの樟脳に似た香りに交じり、腐臭が漂う。
マオマオ
「あなたの仰られていることは、分かります」
マオマオ
「我々も、あなた方も、期限が迫っていると」
シュエシュエ
小柄なほうの男と、話しているのが見える。
シュエシュエ
つかつかと近付いて。マリユスの後ろに立った。
マリユス
「旦那様と話しているところに水を差すのはいささか……」
マリユス
「妻として、お行儀が悪いのではありませんか?」
シュエシュエ
「何か。怖いことを言われたのかなと、心配デ」
シュエシュエ
前と後ろ、ふたり。もとより関わりのある者同士で、挟む。
マリユス
「いえ、別にすぐに返事をというわけではありません」
マオマオ
マリユスに怯えた様子はない。自信があるのだろう。
マリユス
「……裁判までにお考えいただければ、幸いですね」
シュエシュエ
腕は無事。指も無事。傷ついたって、腐ったって壊れない。
シュエシュエ
これはあなたの腹を探らない。あなたの虚言を全て飲む。
シュエシュエ
便利で、強くて、あなたに依存している。
マオマオ
人心掌握に長けた人物なら、救世主同士の戦いに有利だ。暴力的な男も頼もしい。
シュエシュエ
背を向ければいつ裏切られるかもわからない男よりよほど。
マオマオ
傍らの妻は、動く骸は、決して自分を裏切らない。
マオマオ
「あの男、なかなか手強そうだ。お前も気をつけた方がいい」
マオマオ
「もう一人は暴力的だと言っていたから……、まぁ、シュエなら大丈夫だろう」
シュエシュエ
「マオさンをひとりにはしませんかラ!」
GM
とくにシーン作りに希望がなければシーン表を。
GM
11:紳士の絵画の下 大きな金の額縁が鈍く輝いている。ワインを嗜む紳士が描かれている。
”フー”
しげしげとあちこちを見て廻っています。じっくり見る機会もないので実のところお上りさんと変わりありません。
”フー”
大きな紳士の絵画。もっともフーには”閣下”とは違う男が飾ってあるなぁなどと考えているのでした。
GM
ホールの人々は、フーのことを気に留めない。
視線が一撫で。それだけ。
シュエシュエ
夜通し歩き続けても、死体に眠りは必要ない。
堕落の国では明確に有利な身体。
”フー”
「サンドリヨンでも閣下でもない人の絵が何で飾ってあるんだろうなぁ……」
シュエシュエ
夫が休むと部屋をそっと抜け出して、外から鍵を掛けて。
シュエシュエ
夢見るように歩きだす。取り換えて間もない足は軽い。
”フー”
紳士はなぜか沢山飾ってある。つられるように進むと、どんどんとホールからは離れていく。
シュエシュエ
それとも、腐りかけた頭のなかに残る僅かな機能が、なにかのまぼろしを見せているのか。
シュエシュエ
ともあれふらふらと、死体は絵画の飾られた廊下に辿りつく。
”フー”
ふと気づくとホールの声は遠く、そして絨毯の上の足音よりさきに届くは独特の香り。
”フー”
まるで今気付いたと言わんばかりに紳士から視線を外し、にこやかに腕を広げて見せる。
シュエシュエ
故郷を僅かに懐かしませる発音に、笑って。
シュエシュエ
死体の匂いに気づいていないはずはない。
その程度のことは死体にもわかる。
”フー”
「んふふ、こういう場所には縁がなかったのでね。珍しいんです」
”フー”
「見てください、誰ともわからない紳士がたくさん飾ってあるのですよぉ?」
”フー”
ばっと大きな動きでずらりと並ぶ紳士を紹介する。
シュエシュエ
見てください、と言われれば見上げる。並び立つ洋風の紳士に見下ろされる。
シュエシュエ
「サンドリヨン様のお知り合いですかネ?」
”フー”
視線を外せばいつの間にかその隣に滑り込むように距離をつめる。
まるで長年の友人のように。
シュエシュエ
あまり近付かずにいようと思ったのに。
”フー”
「なんともですねぇ。ご友人だとして、これほどまでに飾られるということはよほどの人なのでしょうか」
シュエシュエ
応えはするが、さりげなく一歩下がる。
”フー”
「もしくは大きなお取引でもあったのかもしれませんねぇ」
シュエシュエ
臭いもそうだが、あまり近くで見られたくない。
シュエシュエ
塗り込めた肌を隠すように僅かに顔を背けて。
”フー”
「まぁ普通でしたら、財を成すには一人でできるものではないですから。人であっても村であっても、品ものと人が要りますとも!」
”フー”
一歩引いた距離のまま、わざとらしく口元に手を添えひそひそと囁く。
もちろん耳元でもなく、周囲も静かなので声を潜める意味はあまりない。
シュエシュエ
取り換えたばかりの耳に、その言葉はくぐもって届いた。
”フー”
人差し指を立てると札のある頭のことをさすようにフーのこめかみを指し示す。
シュエシュエ
「レディにそういうことを尋ねるノ、紳士的ではないと思いますケド」
”フー”
「ははは、これはこれは。残念ながら貧しい村の出ですんで」
ひらり、とシャツの裾をつまんで見せる。
シュエシュエ
小さく吐息。肺が腐っているからか、その呼吸もまた腐臭を孕む。
シュエシュエ
呼吸など、ほんとうは必要ないのだけれど。
シュエシュエ
「気にならなイと言っては嘘になりますケド、どうしようもできませんカラ」
シュエシュエ
「コレの意味がわかるってことハ、きっと御郷が似てるんですネ」
”フー”
「ええまぁ。異端とされていましたけれどねぇ。もう少し見せてもらえたら、もう少し”良く”することもできるかもしれませんよ?」
”フー”
「ああ、なにも、術式や体の隅々まで見ようというのではないんですよぉ」
”フー”
「ただそう……手などを見せてもらえばある程度わかるかと、思うんですけどねぇ」
”フー”
見るからにつぎはぎの、腐敗の伴ったからだ。
”フー”
術師でなくとも、導師でなくとも、何かがおかしいのは見ればわかる。
シュエシュエ
夫と話すときとは違う、2トーンほど低い声。
シュエシュエ
ぐずぐずに腐った声帯を震わせるような。
”フー”
「んん!あまり得はないでしょうねぇ!徳は積めるかもしれないですが」
シュエシュエ
「これから殺し合う相手に徳を積んでもしょうがないですヨ~」
”フー”
「ええそうですとも。だからこそ、夫婦だというのにおひとりでこういうところを歩いているとなると気になってしまいましてねぇ」
シュエシュエ
「うふふ。いくら愛し合っていてモ、いつもそばにいては休まらないでしょウ?」
”フー”
「なるほど!確かに良き妻でいらっしゃるようで!」
シュエシュエ
叩かれた手に、僅かに遅れて視線を向ける。
”フー”
ううーむ、と考え込むようなそぶりと共に顎に手を当てる。
”フー”
「シュエシュエさん、一番古い記憶はなんですかね?ああ、言いづらければ思い浮かべるだけで大丈夫ですよ」
”フー”
口を開く前に半歩、長いコンパスで距離を離す。
”フー”
両手を見えるように広げ、さぁなにもしませんよと言わんばかり。
その顔は、ずっと笑ったような同じ目をしている。
シュエシュエ
その言葉が水に落とした墨のように、動きの鈍い頭を巡る。
シュエシュエ
途切れ途切れで断片的で、ページの抜け落ちた本のような。
シュエシュエ
めくってもめくっても、それをうまく読み取れない。
シュエシュエ
不快感。ついではいだパーツがばらばらになる心地。
”フー”
「そのご様子と、手足の様子、他のことから総合すると―――」
”フー”
「進んでいますよねぇ。……何が、とはいいませんけれども」
”フー”
「ああ!待ってください!なにも恐ろしい真実をつきつけたいというわけでないんですよ」
”フー”
わざとらしく大きな動きと芝居がかった声。
シュエシュエ
それを目で追うごとに、身体がばらばらになる感覚に襲われる。
”フー”
「実はもう、そのお札は必要ないのではないでしょうか?」
シュエシュエ
見ない方が良い。聞かない方が良い。
このままでは、きっとよくないことが起こる。
シュエシュエ
ああ、あの蹴りのひとつでも今ここにあったら!
マオマオ
Choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 猟奇
マオマオ
2d6 (2D6) > 12[6,6] > 12
GM
PCがお茶会中の判定でスペシャルを起こした場合〔自身の所有する六ペンス/2〕までの価値の小道具を1つ入手します。
”フー”
2d6+4>=7 (2D6+4>=7) > 9[3,6]+4 > 13 > 成功
GM
*つぎはぎボディは……心の性感帯ではございません。
[ シュエシュエ ] つぎはぎボディ : 0 → -1
マオマオ
清潔なシーツ。柔らかいベッド。温かい布団。
マオマオ
この部屋に敵はいない。自分と妻の二人だけ。
マオマオ
タイムリミットまでに救世主を探す旅は、男の体を疲労させていた。
GM
かすかな甘い香りが、マオマオの眠りを柔らかく包む。
マオマオ
妻には、香水を使わせている。腐臭をごまかすためのもの。
マオマオ
誰か別の女がいるのだろうか。ここは安心できる場所のはずなのに。
マオマオ
眠りの向こうで、小さな金属音が聞こえた。
マオマオ
決して裏切らない、自分のために用意した妻。
マオマオ
心配はしていない。あれは自分を裏切らない。
シュエシュエ
顔を押さえようとして、うまくいかない。
”フー”
「おっと、大丈夫ですか?まだ表現がよくなかったですかねぇ…」
シュエシュエ
拒絶しようにも足まで上手く動かない。
”フー”
「ああ、無理はよくない。動かないようにさせたいわけではなかったんですよねぇ」
”フー”
「旦那様をお呼びしましょうか?……それとも、俺の言葉を最後まできかれますかぁ?」
”フー”
最早顔は見えず、ただ歪んだような声だけ聞こえてくる。
シュエシュエ
そこから、どろついた膿が垂れている。
シュエシュエ
心に深く刻まれた疵が、死体を生かしている。
”フー”
「ああこれは大変だ。もう俺の言葉は届かないでしょうが―――」
”フー”
黙れと言われても、口は閉じず。
その表情は何もかわらず。
”フー”
「ただ、シュエシュエさんの体はあなた自身で保っているのではという、ただそれだけで。本当はそのお札も―――旦那さんも、居なくてもすごせるのではと」
”フー”
「なんとも!旦那さんの話をきいてみないとわかりかねますねぇ」
GM
塗って重ねた油絵の具の紳士たち――命なきもの。
GM
それでも女には心がある。
心があるゆえに、女には疵がある。
マリユス
同室の男は丁度入れ替わりに出て行ったようだ。
マリユス
締め出してしまうのは悪いと思いながらも、鍵をかけて冠を外す。
マリユス
溜息をひとつ。
触れられた背がびりびりとする。
マリユス
実のところ、夫婦だという言葉は信じていない。
マリユス
ちら、と扉を見てから服を脱いでシャワー室へ。
水をふんだんに使える場所は貴重だ。
マリユス
叩かれれば痛い。
傷つけられるのは怖い。
脅されれば人は平気で裏切る。
GM
シャワーから水が出る。湯が出る。
それだけのことが、今この国では現実離れ。
GM
夢のような、嘘のような。
にせもののような、まぼろしのような。
マリユス
それでも白い服が白く保たれているのは、信仰……疵の力だという。
マリユス
この、身体の古い傷痕は消えることがない。
マリユス
そしてこの青は太陽がもたらすという青空の色らしいが。
マリユス
びしょびしょに濡れた髪を後ろにやって、柔らかいタオルを手に取った。
GM
そこに太陽のにおいはしない。
ただかすか、甘い匂い。
マリユス
いつでも張りのある衣装を着なおすと、そのままベッドに倒れ伏す。
GM
シーツにもピローカバーにも、ぴんと糊が効いている。
マリユス
鍵はかけたままだが、まあ……なんとかするだろう。
マオマオ
* スペシャルの小道具はとうみつでお願いします
GM
では、このまま地続きのシーン。シュエシュエの手番。
シュエシュエ
「話なんテ聞いたっテ、アナタにあの人のことなんてわからないヨ」
シュエシュエ
目玉の抜けおちた眼窩のように、心に穴の開くのがわかる。
シュエシュエ
もとより心で保たれた身体。心に穴が開けば、自由すら縛られる。
シュエシュエ
それでも、この国において命たる心に自己治癒は働く。
ようやく立ち上がり、まだまともな左目が男のへらへらとした笑いを捕える。
”フー”
「それは、どうでしょうねぇ。なんとも。それこそ話してみなければ―――」
シュエシュエ
「怒ってごめんなさイ。確かにちょっと、気にしてるかラ。身体のコト」
シュエシュエ
「こんな身体でモ、あの人は妻と呼んでくれるんでス」
シュエシュエ
「あんまり意地の悪いコト、言わないデ」
”フー”
「……んん、申し訳ない。いじわるを言うつもりはなかったんですがねぇ」
”フー”
「裁判を有利に進めようというのが半分と、気の持ちようで何か劇的によくなればというのが半分、ですかねぇ」
シュエシュエ
「とっても賢い作戦ですネ!拍手しちゃいマス」
シュエシュエ
思惑通りこの身体を鈍らせているのだから、大したものだ。
”フー”
「そうですよねぇ。待つだけでは得られませんから」
シュエシュエ
「そのお口の上手さで生き残ってきたんですネ」
シュエシュエ
「いいナ~。シュエそういうのはさっぱリ」
”フー”
産まれてただ死ぬまでを過ごす村。
人生そのものではなく、ゆっくりと死んでいく村。
”フー”
少しでもながらえさせようとあの手この手を使って。
笑顔で旅人や他の村と交易をし、外の情報を集めた。
”フー”
やせた土地も乏しい水源も、今からではどうすることもできない。
”フー”
動かないでいれば、それだけ死の足音ははっきりしてくる。
”フー”
だから良い人を演じ、村のためにと駆け回った。
”フー”
「村の記憶。おそらくきっと、母に抱かれて、父の畑作業を見ていんだったかなぁ」
シュエシュエ
堕落の国に呼ばれた同士、多かれ少なかれ、形は違えどみな喪失がある。
シュエシュエ
それに触れようとしているのが自分でわかる。
シュエシュエ
少しずつ、強度を取り戻している。はずだ。
”フー”
「何もかもが、良くなかったんでしょうねぇ。土地も、気候も、時代も」
”フー”
そう。一人が頑張ってもどうにもならない。
”フー”
やせた土地を豊かにすることは一人ではできない。
”フー”
遠い水源とは別の水源を探すことは一人ではできない。
”フー”
信仰を捨てて周りと同化することは一人ではできない。
”フー”
「一人の手には負えなかったんですねぇ。悲しい話ですよ。物語にもなりません」
シュエシュエ
「……でモ、大事にしていたんですネ」
シュエシュエ
「シュエには、マオさンに会う前のことは大事じゃないかラ」
シュエシュエ
「だから忘れちゃったんだと思いマス」
”フー”
シュエシュエさんとは違って、とは言わなかった。
シュエシュエ
「シュエには新しい大事なものがあるカラ」
シュエシュエ
*フーの心の疵『執着心』を抉ります。猟奇で。
マリユス
Choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 猟奇
マリユス
2d6>=7 (2D6>=7) > 5[2,3] > 5 > 失敗
シュエシュエ
2D6+4>=7 (2D6+4>=7) > 7[1,6]+4 > 11 > 成功
GM
*フーにはシュエシュエへの恋心が付与されます。
シュエシュエ
死体には自分の命より大切なものが、あって。
”フー”
堕落の国に来て、元の名前も捨ててしまった。
”フー”
もうあの村も自身のことも、知っているのは自分だけ。
”フー”
自分を自分たらしめているのは、ここに居る自身だけ。
”フー”
それを失えば、もはや空洞。ただの肉人形。
”フー”
そしてその目の前の女は、シュエシュエは自分の命よりもあの男が大切だという。
”フー”
そして明らかに術が切れても動いているのは、こうまで言い切る彼女の疵の力なのに。
”フー”
本当は必要ないはずの男への思いで動いているのでは?
”フー”
じゃあ自我とは、自身を自身たらしめているものは何だというのか。
”フー”
フーの何もかもに反する女の死体が、目の前でしゃべっている。
”フー”
見るからに元の姿はなく、記憶もおぼろげで、でもあの男が大切だと。
”フー”
「さぁ、私の手はそこまで多くのものを持てませんからねぇ」
シュエシュエ
「ふたつあればもう一個くらい持てますヨ」
シュエシュエ
どうせ殺し合うのに、死体の腐った頭はどうにも。
少し前のやりとりさえ覚えていられないようだった。
”フー”
最初に得がないと言ったのは、この女だというのに。
”フー”
ほんの少しのやり取りも忘れるほどだというのに。
”フー”
「俺の手にも、つかめる大きさならいいんですけどねぇ」
”フー”
なにかを確かめるように手を握りこんでは、開く。
シュエシュエ
「手、足よりすぐ悪くなっちゃうカラ」
シュエシュエ
「マオさンにばれたら怒られちゃうから、内緒!」
”フー”
平坦な声で、しーっと口の前に指を立てた。
GM
過去は死の中にある。
その空洞に、新たに萌えるものはない。
GM
屍は死の中にある。
その空洞に、新たに萌えるものはない。
マリユス
額に手を当ててしばらく目を閉じ、起き上がった。
マリユス
室内にフーの姿はなく、扉もいじられた様子はない。
マリユス
歩き回っているのか、話し込んでいるのか。
マリユス
何かに夢中になるというところは見たことがない。
マリユス
ベッドから降りると、扉の鍵を開けて外へ。
マオマオ
* シュエシュエの「つぎはぎボディ」を舐めます
”フー”
Choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 愛
”フー”
2d6+1>=7 (2D6+1>=7) > 5[2,3]+1 > 6 > 失敗
マオマオ
2d6+3 (2D6+3) > 9[6,3]+3 > 12
[ シュエシュエ ] つぎはぎボディ : -1 → 0
マオマオ
では、妻は適当に帰ってきてもらえると嬉しいです。
シュエシュエ
フーと別れ、しょぼしょぼと部屋へ戻る。
シュエシュエ
包帯は拾ってきたものの、肉が崩れてうまく巻けなかった。
シュエシュエ
”何かあった”ことは、隠しきれないだろう。
マオマオ
物音。扉が開く音。
マオはベッドの中で、わずかに身じろぎする。
シュエシュエ
なるべく音を立てないようにしても、足を引き摺る。
マオマオ
寝ぼけた顔で、まばたきをひとつ、ふたつ。
マオマオ
ベッドサイドに手を伸ばして、眼鏡をかける。
マオマオ
寝起きの、はっきりしないぽやぽやした声。
シュエシュエ
「……ちょっト……探検……偵察……デス」
マオマオ
嘘だ、と思うが、寝起きで追求する気が起きない。
シュエシュエ
ベッドによるかどうか僅かに逡巡したが、呼ばれれば。
マオマオ
ベッドサイドに置いていた荷物から、包帯や縫い針などの修理道具を取り出す。
マオマオ
眼窩を満たす膿を、ガーゼで丁寧に拭い取る。
シュエシュエ
いつ張り飛ばされるかという怯えはない。
シュエシュエ
拭われてもなお、腐肉は潤み、血のような体液を滲ませる。
シュエシュエ
生きていないのに、傷つけられたかのよう。
マオマオ
「顔も、新しいものと交換しないといけないな」
マオマオ
つい先日、顔を交換するのは面倒だと言った。
マオマオ
しかし、思ったよりも傷んでいる。こうなってしまっては仕方がない。
シュエシュエ
きれいな、夫の横に立っていても恥ずかしくない顔でいたい。
シュエシュエ
けれど、それをするほど自分は自分でなくなっていく。
シュエシュエ
自分がいつまで自分のままなのか、どこまで自分のままなのか。
秘めていた不安が外気に晒された。
シュエシュエ
見初められたそのときの。死んだばかりの女の顔のはずだ。
マオマオ
膿が溢れないようにガーゼを当てて、上から包帯を巻く。
シュエシュエ
自分の疵の力がこの身体に働いているなら、そのくらいは。
シュエシュエ
「……そんなに、……気に入ってくれてたとハ……思ってなくテ……」
シュエシュエ
こういうことを言うと、どうだろう。機嫌を損ねる気がする。
マオマオ
寝起きのままの、ふわふわした雰囲気のまま、ぽかんと見返す。
マオマオ
化粧を続ける。傷んだ肌を隠すように、丁寧に。
マオマオ
自分の横に立っていても恥ずかしくない顔にするために。
マオマオ
最後に軟骨に空いた穴に、ピアスを通して、できあがり。
シュエシュエ
顔を見つめられていた、ただそれだけで。
シュエシュエ
この心はこのひとのために動いている。
シュエシュエ
それだけで、たとえ自分が自分じゃなくたっていいと。
GM
穿たれた穴は、穿たれたままにしか在れないだろうか?
マリユス
人の気配ではないはずなのに、多くの人の話し声や足音、影がすれ違っていく。
マリユス
趣味が悪いとは言わないが、その人々の服装が、仕草が、余計に気分を悪化させる。
マリユス
不機嫌そうな顔で額を押さえ、ホール際のソファに腰を下ろした。
”フー”
きらびやかな空間に不釣り合いな格好のフーが紳士の絵画がかかった廊下から出てくる。
”フー”
表情はいつもとかわらず、視線もあまり読めないが何かを考えているのかホールの人々がいないかのように歩いている。
マリユス
その姿を視界の端にとらえ、口を開き何かを発そうとして
”フー”
咳に気付かず一歩二歩三歩、と進んだところで顔をあげ体をひねる。
”フー”
「ああ!やぁやぁ。部屋かと思ったんだが」
”フー”
いつものような表情で、いつものような声色で、大股に近づいてくる。
”フー”
「ああ、窓もないからねぇ。……風呂入った?お湯出る?」
マリユス
「ええ、きちんと。……香料は少々趣味の悪い香りですが。」
”フー”
「香りが付くようなものは貴重だからかねぇ。力があることのアピールにもなるし」
”フー”
そう言いながら自身の服を鼻を鳴らして嗅ぐ。
マリユス
「ああいう女性がお好みとは思いませんでした」
”フー”
笑顔はそのままに、わずかに眉尻を下げる。
”フー”
「ん~。いや、面白い女ではあったけどねぇ」
”フー”
それを踏み込んでも離れても、よくないことが待っている。
”フー”
特別親しい友人でもない。
ましてや恋人同士でもない。
仕事だけの関係。
マリユス
ヴェールを透けて見える表情には少しばかり陰りがある。
マリユス
花のにおい、香水のにおい、獣の皮のにおい、人間のにおい、糞尿のにおい
マリユス
そういうものが混ざったものが、呼び起こされる。
”フー”
一瞬手を伸ばしかけ、やめた。死臭がひどい。
……多分。
”フー”
「匂いは味にも関わるからなぁ。沼地では何食べても土の味だ」
マリユス
「ふふ……人間の排泄物に比べれば可愛いものです」
”フー”
ソファから立ち上がると近くのメイドに何かを告げる。
”フー”
「ん~さすがにそういう環境では……マリユス、俺よりひどい環境なことの方が多いなぁ」
マリユス
「本気なら流石にこのような事は言いませんが」
”フー”
「そういう関係じゃなくても隣に居るだけでいいってこともあるしな」
”フー”
「…ん~、俺にも家族というものはいないしなぁ。ただそれは必ず家族じゃないといけないわけじゃないんじゃない?」
”フー”
「言葉にすると遠い関係でも、近くに居ることはできるしなぁ」
”フー”
マリユスの隣にいつの間にかメイドが立っている。
”フー”
その盆の上には、水の入ったグラスとレモン。
”フー”
表情は変わらないが、リアクションもない。
マリユス
「戻った時に鍵がかかっていたら困ってしまいますので」
マリユス
立ち上がり、近くにいたメイドにそのグラスを渡す。
マリユス
後に続く足取りは少しだけ、軽いような心地がした。
シュエシュエ
1d100 (1D100) > 77
GM
シュエシュエ > フー > マオマオ > マリユス