GM
あなたとあなた、一人と一人。そうして二人が八揃い。
GM
あなたの隣と、あなたの敵と。どちらを見るのが正解か。
GM
まだ誰も。けれども、いつか、誰か。この塔から。
GM
ある日ある時、あなたがたの耳に届いたのは、美しい歌声。
GM
それが一体誰のものだか、どうして聞こえたのか――
GM
知らないままに、あなたがたの足は、目的地への道から離れ。
GM
それが一体どこにあるのか、どうして辿り着いたのか――
GM
瑞々しい葉のラプンツェルが、果ても知らないように広がっている。
マルク
その場に膝をついて、もちもちとした指でつやつやの葉を撫でる。
金鎖 きりり
さっきまで向かっていた街は姿も形もなく、地平の向こうまで緑色。
金鎖 きりり
この堕落の国はまま、こういうことがある。
金鎖 きりり
「どうだろ。食べたら亡者になっちゃうかも」
金鎖 きりり
「マルマルが亡者になったら殺してあげるよ」
金鎖 きりり
「まあ……向かってた道と違う、いつの間にか、ってことは」
金鎖 きりり
ぐ、ぱ、と手を握る。状況を把握すべく、あたりを見回す。
GM
すると、あなたがたの通り過ぎてきた、すぐ背後から。
案内人
「わたくし、ご挨拶はお客さまの流儀に合わせることにしております」
GM
深くかぶった黒いフードの奥には、目元をきつく覆い隠す白い包帯。
GM
それでも、目線……のようなものは、あなたがたを捉えているように感じられる。
金鎖 きりり
「うんうん。”おはなし”がいちばん大事だからね」
金鎖 きりり
「それで……私たち、ちょっと困ってるんですけど」
案内人
「ふふ。迷ってはいらっしゃらないと思いますよ」
案内人
「わたくしのおひいさまが、あなたがたをお招きしたようですから」
案内人
「魔法の歌声が、『しあわせの資格』をお持ちの方に聞こえたはず」
金鎖 きりり
「うんうん、マルマル。けっこう大変な状況だぞこれは」
金鎖 きりり
「あの歌声で、お招きされて、勝手にここに着いちゃったってわけだ」
金鎖 きりり
「ここの国の人ってみんな招待だって言えば許してもらえると思ってんのかな?」
案内人
「招きにあらがえない方は、相手に、世界に、あらがうちからのないということですからね」
案内人
「まあ、救世主さまはみなさま、そう。だいたいは」
金鎖 きりり
「ま、そうですね。はい。お招きありがとうございます」
金鎖 きりり
「あなたのおひいさまは、私たちに何をしてくれるって?」
案内人
「と、言って……何事か。願い? 祈り? そうしたものを」
案内人
「そして、しあわせを得られるのはお二人!」
案内人
「端的に言えば……『糧』、とか……そういうのがよろしいでしょうかね?」
案内人
「わたくしは、お二人にしあわせになっていただきたいと思っておりますよ」
金鎖 きりり
「あれ、全員に言ってるよ、ぜったい」
案内人
どこともなく先を指し示して、あなたがたの先に立つ。
金鎖 きりり
ざっくざっくと踏みつける。踏まずに通れないのなら、仕方ない。
マルク
滑らないように慎重に。
こんな緑の上を歩くのは初めてだ。
マルク
街に持っていったら、みんな喜ぶだろうなぁ。
案内人
「そうしたら、最上階で、おひいさまがお待ちです」
GM
途中にいくつも、小部屋と思しき、窓付きのでっぱり。
金鎖 きりり
視線が追いつく範囲で塔を見上げ。壁を上るのは大変そうだな、と思ったりする。
案内人
「わたくしにとっては、世を救ってくださる方ですよ」
金鎖 きりり
「だって。マルマルにとってもそうだと良いんだけどねえ」
マルク
あるくたび、もふもふの尾羽根が左右に揺れる。
GM
歩いて、歩いて、踏み潰される草からたちのぼる青い匂い。
GM
それにもすっかり慣れた頃、塔の足元へとたどり着く。
案内人
「途中に、露台……バルコニーがございます」
案内人
「そこから中へ。それより上は、窓が閉まっておりますので」
金鎖 きりり
「マルマル上れるかなあ?途中で千切れない?」
金鎖 きりり
逆らったり、逃げたり、その他、なにかルールの外のことをやろうとするのは、あまり得策ではない。そのことをよく知っている。
金鎖 きりり
「……マルマルが落ちてきたらたぶんほぼ間違いなく死ぬから先に上っていい?」
金鎖 きりり
どこまでも長く、艶のある金の三つ編み。
金鎖 きりり
ためらわずその編み込まれた髪に足を掛け、ぐいぐい踏んで強度を確かめて、上りだす。
金鎖 きりり
振り向かない。目的のバルコニーだけを見て、上る。
マルク
きりりが登りきったのを見て、両手で三つ編みを握り
マルク
右足を壁につけ、駆け上がるように登っていく。
GM
あなたがたがバルコニーから内へと入ると、金の髪はするすると上へ。
金鎖 きりり
「マルマルって突っ込みできないタイプだよね~」
金鎖 きりり
「……と、そういえば14人、どうやって蹴落とすか聞いてなかったな」
金鎖 きりり
「勝ち抜きなのバトロワなのかで違うでしょってこと」
金鎖 きりり
「よーいどんで参加者全員殺し合い始めるやつ」
金鎖 きりり
談話をしながらも、身体は敏感に”参加者”の気配を捜している。
GM
広い廊下はゆるやかにカーブして、遠い先は見通せない。
金鎖 きりり
とっさに数歩退がり、マルクの後ろへ。
金鎖 きりり
こんにちは、はじめましてって雰囲気でもない。
バルトルト・リッツ
「……『しあわせの資格』とやらをお持ちの方かね」
バルトルト・リッツ
「…………」 やや間を置いて、
バルトルト・リッツ
「……こんにちは」 やや呆れたような声。
金鎖 きりり
幸い出会い頭に襲いかかってくる相手ではないらしいが、そこはそれ。
金鎖 きりり
「たぶん、対戦よろしくおねがいしますってやつっすね」
バルトルト・リッツ
「そうか。やる気がおありなのだね」
金鎖 きりり
「そっちが降りてくれるならもちろんやらなくても」
金鎖 きりり
そうしている間にも間合いを測る。心を探る。
セアラ
「あなたは勝たなくてはいけません。……負けては、だめ」
金鎖 きりり
たぶん後ろのが末裔で、手前のが救世主。
末裔と二人一組にされてるのかな?それは現状わからない。
金鎖 きりり
仲は良さそう。信頼もしていそう。でも、独特の緊張感がある。
バルトルト・リッツ
「私はもう少し、『しあわせの資格』とやらと、この塔が気になるがね」
バルトルト・リッツ
「裁判の前には、お茶会があるものだと聞くよ」
バルトルト・リッツ
聞くよ、と言いながら。それに、当然のように馴染んでいる空気。
金鎖 きりり
「でもいいですよ、たしかにこの塔、謎過ぎますからね」
金鎖 きりり
「きりり。キリとかキーリとか好きに呼んでね。きりりはNGで」
バルトルト・リッツ
「私の名も、好きに略してくれて構わんよ」