GM
*ありすは発狂。亡者化の判定を行います。
天宮 ありす
Choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 才覚
天宮 ありす
2d6>=7 (2D6>=7) > 10[6,4] > 10 > 成功
GM
*成功。
GM
カーシェス
「はぁ~……」
レフト
散らばっていたカードが掻き消える。それは閉廷の合図。
カーシェス
「大変だったな……おつかれ、レフ」
レフト
しかし尚も身体に力を入れたまま、足は固く床を踏みしめて。
レフト
浅い息と共にただ、ふたりを見つめていた。
カーシェス
「レフ」
カーシェス
その右肩に左手を置く。
カーシェス
いつの間にか鎖も錨も消えている。
レフト
「っ、」
レフト
「は……」
レフト
「はい、お疲れ様でした」
レフト
「お怪我は問題ありませんか?」
カーシェス
「お前のおかげでな」
カーシェス
「しかし……」
カーシェス
二人を見下ろす。
カーシェス
「今回は、救世主だけってわけにもいかないな」
レフト
「ええ」
レフト
「……しかし、放棄した場合は、どうなるのでしょうね」
カーシェス
「俺たちも死ぬかもな」
レフト
「……」
レフト
確かめるすべはない。
レフト
ならば殺すしかない。それが、堕落の国の救世主が等しく負う定め。
カーシェス
「最後のお別れ……って、どう思う?」
レフト
「……」
レフト
「どちらかが生きるならば、ともかく」
レフト
「……どちらも、殺さなければならないのなら……」
カーシェス
「ああ」
カーシェス
「俺も、あれあんまり好きじゃないんだよね」
カーシェス
「悔いのないように、とかいうけどさ」
カーシェス
「死後の世界があったとして、なかったとして」
カーシェス
「あるなら向こうで話せばいい、ないなら……」
カーシェス
「…………」
カーシェス
「…………見世物だ、自己満足だって、思う。思ってた」
カーシェス
「でも、そうだな……」
カーシェス
「レフが先に倒れて、そのまま俺が倒れて」
カーシェス
「お前が責任感じながら死ぬのは、ちょっとやだな」
レフト
「お気になさることはないのに」
カーシェス
「さぁて……」
カーシェス
ありすの傍らに膝をついて、その首に右手を伸ばす。
カーシェス
「どうしようかね」
レフト
「迷われているのであれば、私が」
カーシェス
細い、幼い少女の首
カーシェス
「いや」
カーシェス
「これは、俺の『責務』だ」
レフト
「畏まりました」
カーシェス
片手に収まりそうだ。
カーシェス
親指と、中指と薬指。
カーシェス
血管を強く押さえて、首を絞める。
カーシェス
「おやすみ、アリス」
天宮 ありす
閉ざした眼は閉じたまま。
天宮 ありす
血の巡りも、呼吸も。
天宮 ありす
あなたの手の中でゆっくりと止まる。
カーシェス
肉を、器官を押しつぶす。
レフト
それを傍らで見つめていた。
カーシェス
そうして、立ち上がり。
カーシェス
オリゾンの方へと向かう。
カーシェス
同じように膝をついて。
カーシェス
頬に触れる。
カーシェス
彼女は救世主ではない
カーシェス
同様に強いられたものとはいえ、生きるためとはいえ
カーシェス
その迷いが、僅かばかり手を止める。
オリゾン
「…………、」 頬に触れた感触に、声にならない呻きを上げ。
オリゾン
やがてゆっくりと目が開く。
オリゾン
覗き込むカーシェスの顔を見て。
カーシェス
「あ……」
オリゾン
「……ありすは」 真っ先に尋ねる。
カーシェス
「殺したよ」
オリゾン
「…………」
レフト
その後ろに控えて。
オリゾン
「そう……」
カーシェス
「君も、今から殺す」
オリゾン
「でしょーねえ」
オリゾン
諦めというには、いささか軽く。
それでいてどこか、虚しいような悲しいような。
カーシェス
「起こしちゃったついでに、聞いていいかい」
オリゾン
「……どーぞ? 答えられるかは知らねーけど」
カーシェス
「君の救世主は、この世界を愛していたかい?」
オリゾン
ふと笑う。
オリゾン
「アタシの救世主様ってのは、ホントはありすじゃなかったよ」
オリゾン
「アタシの救世主様は、こんな世界でも、愛していらしたかもしれないけど」
オリゾン
「ありすはさあ」
オリゾン
「……世界なんて考えられるような子じゃなかったよ」
カーシェス
「そっか」
オリゾン
「救世主サマってのは、かわいそーだよねえ……」
オリゾン
「ほんと、……ありすも、かわいそうな子だったな……」
カーシェス
「どのくらいかわからないけど」
カーシェス
ここにいる時間が長くても、来たばかりでも。
カーシェス
「ひとりじゃないってのは、結構、嬉しいものさ」
カーシェス
軽く首をつかむ。
オリゾン
「……さあて」
オリゾン
「ひとりじゃないって、どういうことかね」
カーシェス
「さてね」
オリゾン
「……アタシらはただ、横にいただけかもしれねーけど」
オリゾン
「……ま、地獄があったら、そこでありすに聞いてみるかね……」
カーシェス
「じゃあな」
オリゾン
応えはない。
カーシェス
その手に力を込めて、ありすと同じように首を締める。
オリゾン
ぐ、と漏れる呻きとともに、指先が小さく床を掻く。
オリゾン
けれど、それだけだった。
カーシェス
「…………」
カーシェス
殺した。
カーシェス
殺すことを、選んだ。
カーシェス
他の方法を模索もせず、ただ。
カーシェス
この塔のルールに従った。
カーシェス
「…………」
レフト
そのすべてを傍らで見届けた。
レフト
見届けるしかなかった。
カーシェス
死ぬのが怖かった。
カーシェス
レフトを失うのも怖かった。
カーシェス
まずは半分。
カーシェス
負けたほうがその対象だなんて、ただの推測でしかない。
レフト
だれに強要されたわけでもない。
レフト
ただ、そうするしかないという強迫と信仰のもと。
レフト
上を目指すだけ。
GM
二人の息が止まり、心臓が止まり、命が止まって。
GM
そうして、あなたがたの勝利が確かなものになると――
案内人
「お疲れさまでございました」
カーシェス
立ち上がり、そちらを見る。
カーシェス
「どうも」
レフト
「……今、か」
案内人
「ご健闘されたようで、何よりでございます」
案内人
「まず半分。お二人はここから上へお進みいただけるようですね」
カーシェス
「やっぱ、2人死なないと上がれないか」
案内人
「左様ですね」
案内人
「訪れたお二人が揃って死に、揃って上へ」
案内人
「そういうことになっております」
カーシェス
「だってさ」
レフト
「勝手なものだ」
レフト
サーコートの内側でメイスについた血を拭いながら。
カーシェス
「休憩とか、食事とかってできる?」
案内人
「ご覧頂いたかと思いますが、塔の中には食料庫も、水場も、ベッドルームもございますよ。ご自由にご利用ください」
レフト
「上れば、次の者が?」
案内人
「ええ。お二人と、どちらが先かはわかりかねますが」
カーシェス
「ん~」
カーシェス
「じゃ、少し休んでから上がるか」
案内人
少し笑う。
レフト
「そういたしましょう」
案内人
「では、階段は開けておきましょう」
カーシェス
「ありがと」
案内人
「どうぞごゆっくり」
案内人
「……ああ、そうだ」
案内人
手の内から、
案内人
「わたくし、お二人に少し贔屓を」
案内人
小さな懐中時計。
カーシェス
「……?」
レフト
「それは」
案内人
「この国の不思議を、ちいさくちいさく詰め込んだ時計ですよ」
案内人
「かわいらしいでしょ?」
カーシェス
「へぇ……」
カーシェス
受け取って、眺める。
カーシェス
「レフ、知ってる?」
レフト
「まさかとは思いますが、心当たりは」
案内人
それはよく見れば、時を逆巻きに刻んでいる。
案内人
かちり、かちり。一秒、一秒、巻き戻る。
レフト
「手に入れれば、時を遡れるといいます」
カーシェス
「時を……」
レフト
「始祖の白兎の遺失物とも云われていますが、なんとも」
案内人
微笑む。
カーシェス
「便利そうだな」
レフト
「なぜ我々に?」
案内人
「お二人には期待しておりますよ」
案内人
「『しあわせの資格』」
案内人
「資格があれど、辿り着けるとは限らない」
案内人
「おひいさまは、辿り着く方を待っていらっしゃいます」
カーシェス
「…………だって」
レフト
「辿り着くより他にはないと」
レフト
「ならば、上るしかありませんね」
レフト
「カーシェス様にいつまでも此処にいていただくわけには参りませんので」
カーシェス
「世界を救わないとな」
カーシェス
時計をポケットにしまう。
案内人
「お二人のご健闘をお祈りしております」
案内人
「では、改めまして、お疲れさまでございました。準備が整いましたら、どうぞ上階へ」
カーシェス
「じゃ、また上でな」
カーシェス
「レフ」
レフト
「はい」
カーシェス
「飯食って寝るぞ」
レフト
「……ええ、そういたしましょう」
レフト
「お怪我の治療も必要ですから」
カーシェス
「お前のもな」
レフト
「はい」
カーシェス
近づいていって、肩を組むように腕を回す。
レフト
「♣」
カーシェス
「お前のおかげで生きてるよ」
カーシェス
「ありがとな」
レフト
「……はい」
レフト
右手の拳を視線のあたりまで上げて、カーシェスへ向ける。
カーシェス
左手の拳をそれにぶつける。
レフト
「カーシェス様に拾われた命でございます」
レフト
「どうぞ、最後までお使いください」
カーシェス
「…………」
カーシェス
「ああ」
カーシェス
俺は、『ひとりじゃない』。
カーシェス
「最後まで登って、お前をしあわせにしてやるさ」
レフト
「……私だけでは困りますので」
レフト
「カーシェス様も、どうか」
レフト
「そのときは一緒に」
カーシェス
ぐいと体を横から引き寄せて。
カーシェス
「あたりまえだろ」
GM
――『しあわせの資格』。
GM
そうと名のつく何かに、一体どうして選ばれたものか、わからぬままに。
GM
けれども今、少なくとも、その幸福を願っている。願われている――互いに。
GM
ここは未だ始まり。
GM
上るべき塔はまだ高く、進むべき道はまだ遠く。
GM
けれど確かに、歩みは進んで。
GM
そのしあわせに。その願いに。
GM
二人、辿り着くための戦いが、ひとつ終わる。
GM
Dead or AliCe『盲の塔』
GM
第1話 野萵苣の塔
GM
――Stage Clear!