GM
歌声が呼ぶひとは誰?
GM
あなたとあなた、一人と一人。そして二人が八揃い。
GM
光をなくしたのは誰?
GM
今は十二人。そしてこれからもう二人。
GM
目の前に立つのは誰?
GM
あなたの隣と、あなたの敵と。どちらを見るのが正解か。
GM
自由になったのは誰?
GM
もしかして、十二人。そうしてまた、いつか、誰か。この塔から。
GM
Dead or AliCe 『盲の塔』
GM
第3話 しあわせへ至る道
GM
しあわせの魔法が待っている。
GM
待たれているのは、だあれ?
GM
GM
再び、開かれた階段の前。
GM
ゆっくりと休息を取り、そろそろ上へと向かおうという頃合い。
カーシェス
別途作った保存食と水と。
カーシェス
荷物に加えて階段の前へと立つ。
レフト
その隣に、同じく立って。
レフト
上への階段は緩やかにカーブを描き、先は見えない。
カーシェス
「それじゃ、行くか」
レフト
「はい」
GM
踏み入れた階段は、下から来た時と同じく、白い石でできている。
GM
足音は上から下まで遠く響き、また延々と上る。
GM
ところどころの蝋燭に、仄明るい空間。
GM
やがて、右手側に扉。
レフト
「先に」
レフト
扉に手を掛けて、短くそれだけ言う。
カーシェス
頷いて、先を促す。
GM
扉はやはり、重くも軽くもない。
GM
音もなく開く。
レフト
前階のこともある。盾を構えたまま中を窺った。
GM
人の気配はない。いまのところ。
レフト
踏み入り、二歩、三歩。
レフト
静かだ。
レフト
「まだ上がってきていないのかもしれません」
カーシェス
「それなら、軽く見て回るか。同じだろうけど」
GM
見る限り同じですね。
レフト
「……階下で休んでいるのか、まだ戦っているのか」
レフト
「どちらにせよ、今度は我々が待つことになりそうですね」
カーシェス
「別に、待ち伏せする必要もないだろう。」
カーシェス
「心配なら、階段が見えるところで待つか」
レフト
「そういたしましょう」
GM
では、そうしてあなたがたは階段の近くに陣取って。
GM
丸半日。
GM
窓の外は夕暮れの頃。
GM
曇天の曖昧な明暗が、夜に近づいていく気配。
GM
そして。
GM
扉の向こうに、まだ遠い足音。
カーシェス
「お」
レフト
「……」
レフト
軽くメイスを握る。
カーシェス
立ち上がって、階段を見る。
レフト
こちらから仕掛ける気は無いが、警戒するに越したことはない。
GM
やがて、足音は扉の前で一度止まり。
カーシェス
「どうぞ~」
レフト
「カーシェスさま!」
レフト
呑気な!
カーシェス
「だってお茶会するんだろ?」
レフト
「まあ、それは、そうですが……」
GM
扉はまずほんの小さく開き、
セアラ
それから素早く、大きく開く。
レフト
この救世主は、お茶会の意味するところをわかっているのだろうか。
レフト
いや、充分にわかっているからこそ、なのだろうが……
セアラ
握った拳を構えて、軽い足がとん、と床を踏む。
セアラ
警戒というには透明なまなざし。
バルトルト・リッツ
「セアラ」
バルトルト・リッツ
一歩後ろから。
カーシェス
「どうも」
セアラ
構えはまだ解かないまま、ちらとバルトルトの方を見る。
バルトルト・リッツ
「どうも」
カーシェス
「俺はカーシェス、救世主だ。こっちは末裔のレフト」
バルトルト・リッツ
ふむ、と視線が二人を順に見る。
レフト
視線を受けて、メイスを握る手を軽く下ろし。
ここでやりあうつもりはないと示すために一歩下がる。
バルトルト・リッツ
「私はバルトルト、こちらがセアラ。救世主は私」
セアラ
バルトルトが会話をする気だと察して、こちらも拳を下ろす。
レフト
セアラをじ、と見つめる。
カーシェス
「俺の方は最初からやり合う気はないが……」
カーシェス
「どうする?」
バルトルト・リッツ
「私もそれで構わないよ」
セアラ
レフトの視線を受けて、少し目を細める。
セアラ
「……気になる?」
レフト
顔を覆う鱗からトカゲの末裔であろうことはわかるが、珍しい色。
レフト
頷く。
レフト
「ずいぶん苦労したようだ」
レフト
それがこの塔に入ってからか、その前かはわからないけれど。
セアラ
「あたしは、苦労なんて、いいの」
セアラ
「バルトルトさまのほうが、大事」
カーシェス
「…………ずいぶんと仲良しみたいだね」
レフト
「その気持ちは、わからないでもないさ」
カーシェス
「…………」
カーシェス
「お前、苦労だと思ってるならちゃんと言えよ」
レフト
「あ、いえ、そう云う意味ではなく!……言葉のあやです」
カーシェス
「本当に?」
レフト
「……少なくともカーシェス様の言動に対して、苦労と思ったことはありませんから」
レフト
「まつわる様々には、時折は感じますが。自分で選んだことです」
セアラ
二人のやり取りをじっと見ている。
カーシェス
「はいはい、わかってるさ」
レフト
「……と、すまない」
レフト
セアラに視線を戻す。
カーシェス
「ま、今更お互い、引く理由はないってことで」
カーシェス
「なんか作るか」
セアラ
「?」
レフト
「今からですか!?」
カーシェス
「え?だって腹減らない?」
レフト
「……」
レフト
ちら、と二人を見る。
バルトルト・リッツ
やや呆れたような顔をしている。
レフト
呆れられてしまっている……
カーシェス
「ここ来てから、衣食住が充実しすぎててさぁ……」
バルトルト・リッツ
「……外に比べれば、そうだろうね」
カーシェス
「簡単なもので良ければ一緒に作るけど」
バルトルト・リッツ
先ほどよりもはっきりした苦笑。
バルトルト・リッツ
「まあ、立ち話ばかりでも仕方ないだろうから」
セアラ
カーシェスを見上げて、
セアラ
「バルトルトさまのぶんはあたしが作ります」
カーシェス
「一緒に作る?」
レフト
「……」セアラとカーシェスに向かって視線を往復させる。
セアラ
「……一緒……」
セアラ
若干の疑問符。
レフト
「カーシェス様。そういう問題ではないのでは」
レフト
袖を引いて軽く耳打ちした。
カーシェス
「別に、毒入れようってわけじゃないんだけどな」
カーシェス
「マッシュポテトとサラダと……あとは、スープと……あっ、乾燥トマトでも結構いけそうだったな、トマトソース」
レフト
やる気だ……
セアラ
なんとも言い難い間を置いて、今度はバルトルトを仰いだ。
バルトルト・リッツ
「……心配なら行っておいで」
セアラ
「……はい」
セアラ
「じゃあ、……一緒に、やります」
カーシェス
「ん。そんなに難しくないから」
セアラ
「…………」
セアラ
小さく頷いた。
GM
では、そろそろお茶会を開始します。