GM
*バルトルト、セアラ、カーシェスの三名は発狂。亡者化の判定を行います。
バルトルト・リッツ
Choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 才覚
バルトルト・リッツ
2d6>=7 (2D6>=7) > 8[4,4] > 8 > 成功
セアラ
Choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 才覚
セアラ
2d6>=7 (2D6>=7) > 10[5,5] > 10 > 成功
カーシェス
Choice[猟奇,才覚,愛] (choice[猟奇,才覚,愛]) > 愛
カーシェス
2d6+1=>7 判定(+愛) (2D6+1>=7) > 6[1,5]+1 > 7 > 成功
GM
*全員成功。
GM
カーシェス
波が引いていく。
カーシェス
静寂、そして。
カーシェス
もう一人の自分が手を振って消える。
カーシェス
「…………」
カーシェス
あれは、もう。
カーシェス
ただの武器じゃない。
カーシェス
そうして、はっとしたように。
カーシェス
「レフ!」
カーシェス
『相棒』へ駆け寄る。
カーシェス
「よかった~……ありがとうな」
レフト
メイスを下ろす。その重さを振り回し続けていた腕は痺れて、しばらくは持ち上がりそうにもなかった。
カーシェス
自分をつなぎとめたのは、きっと。
カーシェス
側までいって、顔を覗き込む。
レフト
「お疲れ様でございました」
カーシェス
「大丈夫か?」
レフト
「ええ、問題ありません」
レフト
「流石に、一筋縄ではいきませんでしたね」
カーシェス
「ああ……手強かったな」
カーシェス
「ふたりとも……」
カーシェス
びしょびしょになった上着を脱いで、絞る。
レフト
「カーシェス様」
カーシェス
「ん?」
レフト
「先程の、あれは」
レフト
「……」
レフト
疵そのものであることは、分かっている。
レフト
ただ、本人はそれを何とするのか、少し気にかかって。
カーシェス
「ああ……」
カーシェス
「俺の『力』なんだろうな……」
カーシェス
力を増すごとに、強くなり、大きくなり。
カーシェス
姿を変える。
カーシェス
「『疵』ってやつかも」
レフト
「……ええ」
カーシェス
「ごめんな」
レフト
「……なぜ謝られるのです」
カーシェス
「不安になったかと思って」
レフト
「……なっていない、といえば嘘になりますが」
レフト
「これほどの戦いになれば、疵の悪化もしようというもの」
レフト
「寧ろ、冷静でおられて良かった。錯乱することも充分にあり得ますから……」
カーシェス
「…………」
カーシェス
ぽん、と肩に手を乗せる。
カーシェス
濡れている。
カーシェス
髪からもぽたぽたと、しずくが落ちる。
カーシェス
「お前にさ」
カーシェス
「見せてやりたい、海だよ」
レフト
「……」
レフト
「噂に聞く以上に、塩辛いものですね」
カーシェス
「おう」
レフト
微笑む。
カーシェス
「本物は、こんな部屋に収まりきるものじゃないけどな」
レフト
「……楽しみです」
カーシェス
「…………」
カーシェス
「レフト」
レフト
「はい」
カーシェス
「俺の心の半分は、あれで」
カーシェス
「もう半分は、もう……」
カーシェス
「お前のことでいっぱいみたいだ」
レフト
「私で?」
カーシェス
「うん」
カーシェス
「見せたいものがたくさんある」
カーシェス
「行きたいところが、やりたいことが」
カーシェス
「だから……」
カーシェス
「するぞ、救世!」
レフト
拳を握れば、返り血に濡れた手袋がぬめる。
どこか似つかわしくない笑みに、胸が微かに痛む。
レフト
その顔を見て、どう言葉にするべきか、唇が迷った。
レフト
「カーシェス様」
レフト
伸ばした手で、その腕に軽く触れて。
レフト
「お供させてください」
レフト
それは、たぶん、言葉通りの意味で、けれど。どこかに。
レフト
不安がある。焦りがある、恐怖がある。
レフト
濡れそぼった袖を縋るように握った。
カーシェス
「レフ……」
カーシェス
「大丈夫だよ」
カーシェス
片腕でぐいと抱き寄せて。
カーシェス
「大丈夫」
カーシェス
「ちゃんと話すから」
カーシェス
「いなくなったりしないから」
カーシェス
「俺は俺……カーシェス・ドルガだ」
カーシェス
「『救世主』のな」
レフト
――では、『救世主』ではないあなたはどこに?
レフト
訊くことは出来なかった。
レフト
自分の存在がその心の半分を満たすなら、きっと、もう半分。
レフト
そこに、未だ手を伸ばせないあなたがいる。
カーシェス
若草の瞳、深い海色の髪。
レフト
あれは、だれだろう?
レフト
弟の姿が重なる。
レフト
否、もとよりどこかでカーシェスに、それを重ねていた。
そのことに気づいてしまっただけ。
レフト
抱き寄せられれば互いの濡れた服が重く纏わる。
レフト
「……」
カーシェス
「話をしよう」
カーシェス
「上に行く前に」
カーシェス
この上が、最上階であるはずだ。
レフト
「はい」
レフト
「ぜひ」
カーシェス
「……じゃ、その前に」
カーシェス
倒れた二人を見る。
カーシェス
バルトルトの、あの時、あの、顔を思い出して
カーシェス
ちょっと待ってもいいかな、と、思った。
カーシェス
バルトルトに歩み寄り、その首に触れる。
セアラ
視線の先で、少女が身動ぎする。
セアラ
「……う、」
レフト
一度閉廷した裁判だ。もう身構えることはない。
レフト
ただ、一瞬、このまま起こさずいたほうが、と過った。
レフト
声を漏らすセアラに目を向ける。
セアラ
痛む身体で周囲を見。
セアラ
「……っ!」
セアラ
バルトルトの傍らのカーシェスを見つける。
カーシェス
首に触れたまま、顔をそちらへ向ける。
セアラ
「……やめて……」
セアラ
「おねがい」
カーシェス
「君は」
カーシェス
「そう言われて、道を譲ったかい?」
カーシェス
答えはわかりきっている。
カーシェス
此処にいる時点で。
セアラ
「やだあ……」
セアラ
「おねがいします……おねがい……」
カーシェス
「…………」
カーシェス
ぐ、と。右手に力を込める。
セアラ
「や……!!」
バルトルト・リッツ
バルトルトは動かない。ひとつも。
レフト
「……っ」
セアラ
駆け寄りたかった。折れた骨も破れた肌も関係ないと、そう、したかった。
セアラ
でも、もう。
セアラ
そうするだけの何も、この身体には残されていない。
セアラ
指先がただ、石の床を掻く。爪が割れる。
レフト
咄嗟に。もう動きそうにないと思っていた腕が、メイスを振り上げて。
カーシェス
対して、息ひとつ切らさなかった男は。
カーシェス
グローブを嵌めた右手で、骨ごと、『救世主』の首を圧し折る。
レフト
セアラの頭を強かに打った。ほとんど潰すように。
セアラ
血と骨が弾ける。
レフト
遅かった。もっとはやくそうするべきだった。
セアラ
「……、る……さ、」
レフト
今のカーシェスに見せたくはなかった。
セアラ
「ゃ……ぁ……」
カーシェス
恨みも、苦しみも、妬みも、哀れみも、いかりさえ。
カーシェス
この手にはいらない。
カーシェス
俺って、人を殺せるんだ。
カーシェス
逆だったら良かった。
カーシェス
逆だったら……
カーシェス
「…………」
カーシェス
肉を、骨を潰した感覚が指先まで残っている。
カーシェス
しあわせの資格。
カーシェス
そんなものが、本当に。
カーシェス
確かめるのは、少し。
カーシェス
「…………」
カーシェス
「……ドレス」
カーシェス
下、救世主の亡骸を見下ろしながら、つぶやくように。
カーシェス
「ドレス……見せてもらわないとな」
レフト
武器から血が滴る。足下が血濡れている。
レフト
――救世主は皆、気が狂っている。
レフト
この国の者はみなもとより。
レフト
「……ええ。お約束いたしましたからね」
GM
そして、あなたがたの足元で二人が息絶える。
案内人
「お疲れさまでございました」
カーシェス
「お」
カーシェス
手を離し、立ち上がる。
レフト
こちらもサーコートの内側で血を拭いながら。
カーシェス
「これで最後だっけ」
案内人
「そうですねえ」
案内人
カーシェスに――その足元のバルトルトに歩み寄り、
案内人
その眼窩に指を差し込みながら。
案内人
「このお二人で、十四人」
案内人
「これで、今この塔に、『しあわせの資格』をお持ちの方は、あなたがたお二人」
案内人
「この上で、おひいさまがお会いになります」
カーシェス
「上る前に、準備とかしてもいい?」
案内人
「もちろん」
案内人
「すでに申し上げましたように、おひいさまは気長な方」
案内人
「ただし……今回は、階段の扉は開けずにおきましょう」
カーシェス
「上がる時はよんだらいい、かな」
案内人
「ええ。いつでも、お気軽に」
案内人
「わたくしはそのあたりにおります。見えずともね」
カーシェス
「どうも」
案内人
立ち上がり、今度はレフトのもとへ。正確には、その足元のセアラのもとへ。
案内人
「あらあら。眼は……まあ大丈夫でしょう」
案内人
死体をひっくり返して。
案内人
二人ぶんの眼球を回収し終える。
レフト
その様子を眺めていた。
案内人
籠に四つの目玉。
案内人
血に濡れた黒と赤。
案内人
「では、後片付けはわたくしが」
カーシェス
「じゃ、俺たちは」
カーシェス
「とりあえず、洗うか」
レフト
「はい」
案内人
「ごゆっくり」
案内人
微笑んで見送る。
GM
光をなくした十四人。
GM
しあわせになれなかった十四人。
GM
しあわせへの道は細く、途絶えやすく。
GM
けれどまだ、あなたがたの前に開かれている。
GM
――そのように、塔は語る。
GM
本当に?
GM
答えを見つけるのはあなた。
GM
この塔の最上階で。
GM
Dead or AliCe『盲の塔』
GM
第3話 しあわせへ至る道
GM
――Stage Clear!