GM
もしもどちらかが約束を破れば、あなたたちはどこにも行かなかったかもしれない。
そのまま家に帰って、また昨日の続きを始めたかもしれない。
GM
足元だけを見つめて行き過ぎていく人びとはだれも知らないことだが、
GM
では、旅に出る前に自己紹介をしていただきましょう。
小山田 みちる
はい!あの!自己紹介の前に!
ロールを挟んでもいいですか!
小山田 みちる
約束の相手が手を振りながら小さな駆け足で向かってくる。
小山田 みちる
いつもの大きなリュックサック、オーバーオール、白いTシャツ、履き古したスニーカー。
小山田 みちる
白いワンピースになにももたず、ビーチサンダルのような薄いサンダルが濡れた駅の床をぺちぺちと鳴らす。
小山田 みちる
「初めましてぇ~小山田みちるですぅ~」
小山田 みちる
くりんくりん、とわざとらしく髪をいじいじ。
裾をひらひらさせて。
GM
【PC1】ハンドアウト
あなたは何もかもが嫌になってしまった。
だが、ひとりで死ぬのはどうしようもなく怖い。
あなたの【使命】はPC2と一緒に死ぬことだ。
あなたは、PC2に対して任意のプラスの【感情】を取得している。
小山田 みちる
も~なんもかんもヤ~になってぇ~。
ねえ~、ほんとこまりますわあ。
小山田 みちる
そうんなふうには見えない!?
失礼な~!にゃはは、ま~そりゃそうですわなあ。
小山田 みちる
うち芸人やらせてもろてますからねえ。
明るく元気に!ウケてもらうのがとりえですかんね。
小山田 みちる
へへっ。
まあまあ、これから死にに行くんですけどーっ!
小山田 みちる
……なんや!しんきくさいな~、わろてわろて!
ろくろーも笑顔よ、えーがーおー。
小山田 みちる
ろくろーに持っている感情は【共感】です。
雨樋 緑郎
蒸した空気が浮き上がる路上から視線が持ち上がる。
雨樋 緑郎
投げかけられた明るい声に反して、重たい前髪。いつもの黒いシャツ。
雨樋 緑郎
「あ…………」 視線が一瞬惑ってから、もう一度その姿を見定める。
GM
【PC2】ハンドアウト
あなたはある日、PC1に「一緒に死のう」と持ちかけられた。
別に死ぬ気はなかったが、PC1とならそれもいいかもしれない。
あなたの【使命】はPC1と一緒に死ぬことだ。
あなたは、PC1に対して任意のプラスの【感情】を取得している。
雨樋 緑郎
雨樋 緑郎。
彼女とはただのいち友人であるはずの自分が、
ごく自然に、あたりまえに。
何故か。このようなシチュエーションに立たされている。
雨樋 緑郎
というか……小山田って……こんな感じったか……?
会うのがひさしぶりすぎて、声の出し方を間違えた気がする。
雨樋 緑郎
なんてことはない、友人だ。ただの。 ただの……
GM
あなたがたは、嵐のような雨の翌日、近くの駅で待ち合わせをしました。
GM
一度も利用したことのない路線、行ったことのない駅。
GM
あなたがたが知っているのは、終着駅は海の近くだということだけです。
GM
あなたがたの乗る電車は、サイクルの始めに駅に到着し、終了時に発車します。
GM
駅のハンドアウトは、そのサイクルに対応したものしか調査の対象にできません。
GM
また、到着する駅の名前は、駅命名表を振って決定します。1d12をふたつ。
GM
*駅命名表1
1:潮
2:海
3:凪
4:波
5:大
6:魚
7:静
8:湊
9:渦
10:水
11:青
12:美
GM
*駅命名表2
1:浜
2:ヶ丘
3:崎
4:守
5:田
6:島
7:浦
8:町
9:橋
10:宮
11:津
12:ヶ井
GM
*海へ向かう電車シーン表(2d6)
2:なかなか電車のドアが開かないと思ったら、開閉ボタンを押し忘れていた。シーンプレイヤーは《恥じらい》で恐怖判定を行う。
3:こうして電車に乗っていると、昔のことを思い出すような気がする……。
4:冷房が直に吹きつけて、頬が冷たい。効きすぎじゃないだろうか?
5:ポケットの中で携帯電話が震えた気がする。
6:なんとなく窓を開けてみた。冷えた身体に、むっとした空気が触れる……暑い。
7:座席の下に缶コーヒーが置いてある。マナーの悪いやつもいたものだ。
8:手すりに引っかけられた持ち主不明のビニール傘。天気予報はどうだったっけ……?
9:窓の桟の中で小さな蝶が死んでいる。
10:カンカンカンカン――遠くからかすかに踏切の警報音が聞こえる。
11:押し包むような雲から、水のにおいが沈んでくる。雨だ。
12:網棚から何か落ちてきた。これは……お守りだ。シーンプレイヤーはお守りを1つ獲得する。
GM
このセッションでは、基本的に再訪を行うことはできません。
サイクルの始めにはシーン表を振ってください。
GM
【大学ノート】ハンドアウト
網棚の上に載せられた大学ノート。
誰かの忘れ物だろうか?
GM
【音楽プレイヤー】ハンドアウト
座席に落ちていた音楽プレイヤー。
誰かの忘れ物だろうか?
GM
あとは、名前が決まり次第、最初の駅のハンドアウトも公開されます。
GM
ということで、お二人で電車に乗り込みましょう。
GM
見知らぬホームに立つ。電車を待つ、わずかの時間。
小山田 みちる
前に遊びに行ったときは、両手がたくさんの荷物で塞がっていて。
口にはさんだきっぷを切ってもらっていた。
小山田 みちる
今は指先でつまんだそれを、駅員に切ってもらって。
一足先にホームへ踏み出す足取りだけが変わらない。
小山田 みちる
「ウオーーッ、数年ぶりの旅行だ~!」
雨樋 緑郎
かつてのそれはなんだか荷物に担がされているようで。
重しがなくなった今はあまりにも軽やかで すこし違和感がある。
小山田 みちる
めっちゃホーム覗き込んでたのでぎくっとする。
雨樋 緑郎
くすくすわらう。
そうそう、こんなかんじ こんなかんじだった たしかそう。
小山田 みちる
砂利を踏みしめて立ち上がる音。
向こうから電車がやってくる。
雨樋 緑郎
「はいはい 白線の内側までおさがりください」
GM
軽い音でホームに入ってくる、一両編成の小さな電車。
GM
ワンマン運転の運転席から運転士が出てきて、車両の扉が開く。
GM
開いた扉の中から、冷房の効いた空気が、誘うようにふわりと漂い出る。
雨樋 緑郎
吹き込む風に、すこし冷えるな、とおもう。
GM
あなたがたが乗り込むとほぼ同時に、扉が閉まる。
GM
『……発車します。揺れますので、ご注意ください……』
GM
――あなたがたは、互いの【居所】を獲得しました。