GM
もしもどちらかが約束を破れば、あなたたちはどこにも行かなかったかもしれない。
そのまま家に帰って、また昨日の続きを始めたかもしれない。
GM
足元だけを見つめて行き過ぎていく人びとはだれも知らないことだが、
GM
では、それぞれ自己紹介していただきましょう。
GM
PC1 ハンドアウト
あなたは何もかもが嫌になってしまった。
だが、ひとりで死ぬのはどうしようもなく怖い。
あなたの【使命】は『PC2と一緒に死ぬこと』だ。
あなたは、PC2に対して任意のプラスの【感情】を取得している。
相原ゆあ
「相原ゆあ。16歳。高校生でーす」
「ゆっきーさんとは、サイトで知り合って~……優しそうな人だなって思って、お願い聞いてほしいなって言ったの」にこにこ
相原ゆあ
「そしたら、いいよって言ってくれたから、うれしいってにこにこしてあげたの。ふふ」
相原ゆあ
ゆっきーさんには憧憬があります。対戦よろしくお願いします。/
GM
ありがとうございます。素敵な旅になるといいですね。
GM
PC2 ハンドアウト
あなたはある日、PC1に「一緒に死のう」と持ちかけられた。
別に死ぬ気はなかったが、PC1とならそれもいいかもしれない。
あなたの【使命】は『PC1と一緒に死ぬこと』だ。
あなたは、PC1に対して任意のプラスの【感情】を取得している。
幸村 雪佳
「幸村雪佳です。よろしくー。え、歳。サイトには30代で登録してたよ」
「一応今は喫茶店経営……っていうか、雇われマスターみたいな。住んでる家のさ、大家のおばあちゃんのお店なんだけど、入院するからしばらくやってくれって言われて。ゆるすぎてウケるよね」
幸村 雪佳
「お客さんもあんまり来ないから暇でさ。お花だけは毎日替えてくれって言われてるから、それだけ」
「あとは珈琲淹れて飲んだりして過ごしてる」
幸村 雪佳
「ゆあちゃんとはサイトで……まあ、そう、出会い系ってやつね。ちなみに俺はゆっきーで登録してた。あだ名の方がいいのかな?って思って」
幸村 雪佳
「おねがいがあるって言うから、いいよ~って返したらなんか」
「心中することになりました」
幸村 雪佳
「やー、若いっていいよねぇ。こう、目的に向かうエネルギー?みたいな?ははは」
幸村 雪佳
そんな感じのぼんくら30代男です。ゆあちゃんには憧憬を持っています。よろしくおねがいします。/
GM
ありがとうございます。お二人の旅路が良いものでありますように。
GM
あなたがたはよく晴れた冬の日、近くの駅で待ち合わせをしました。
GM
一度も利用したことのない路線、行ったことのない駅。
GM
あなたがたが知っているのは、終着駅は海の近くだということだけです。
GM
あなたがたの乗る電車は、サイクルの始めに駅に到着し、終了時に発車します。
GM
駅のハンドアウトは、そのサイクルに対応したものしか調査の対象にできません。
GM
また、到着する駅の名前は、駅命名表を振って決定します。1d12をふたつ。
GM
・駅命名表1
1:潮
2:海
3:凪
4:波
5:大
6:魚
7:静
8:湊
9:渦
10:水
11:青
12:美
・駅命名表2
1:浜
2:ヶ丘
3:崎
4:守
5:田
6:島
7:浦
8:町
9:橋
10:宮
11:津
12:ヶ井
GM
*海へ向かう電車シーン表(2d6)
2:なかなか電車のドアが開かないと思ったら、開閉ボタンを押し忘れていた。シーンプレイヤーは《恥じらい》で恐怖判定を行う。
3:こうして電車に乗っていると、昔のことを思い出すような気がする……。
4:暖房が直に当たってふくらはぎが熱い。効きすぎじゃないだろうか?
5:ポケットの中で携帯電話が震えた気がする。
6:なんとなく窓を開けてみた。暖房で火照った頬に風が心地よい……いや、普通に寒い。
7:座席の下に缶コーヒーが置いてある。マナーの悪いやつもいたものだ。
8:手すりに引っかけられた持ち主不明のビニール傘。天気予報はどうだったっけ……?
9:窓の桟の中で蜻蛉が死んでいる。
10:カンカンカンカン――遠くからかすかに踏切の警報音が聞こえる。
11:憂鬱な曇天から、綿ぼこりのようなものがちらほらと舞い落ちてくる。雪だ。
12:網棚から何か落ちてきた。これは……お守りだ。シーンプレイヤーはお守りを1つ獲得する。
GM
このセッションでは、基本的に再訪を行うことはできません。
サイクルの始めにはシーン表を振ってください。
GM
【大学ノート】ハンドアウト
網棚の上に載せられた大学ノート。
誰かの忘れ物だろうか?
GM
【音楽プレイヤー】ハンドアウト
座席に落ちていた音楽プレイヤー。
誰かの忘れ物だろうか?
GM
あとは、名前が決まり次第、最初の駅のハンドアウトも公開されます。
GM
ということで、お二人で電車に乗り込みましょう。
GM
澄んだ冬の空気は、風が吹くたび頬を冷たく撫でていく。
GM
どこか端の掠れたような風景には、まだ誰もいない。
幸村 雪佳
冬の空気は透明で、冷たい。
待ち合わせの場所で、馴染みのないホームの景色をなんとなく眺めながら。
幸村 雪佳
彼女を、待っている。
いや、本当に彼女かどうかも、この時点ではわからないのだが。/
相原ゆあ
人気のないホーム。
もしかしたら、誰もいないかも、なんて、着くまではわりと本気で思っていたけれど。
相原ゆあ
人影があってちょっと心が浮足立つ。やった。来てくれてる。優しくてちょっと抜けてるゆっきーさんが。
相原ゆあ
ああかわいそうにとちょっとだけ、思わなくもない。
だって彼はきっと二十歳の「ゆあ」が来るはずだと思っているだろうから。JKと会ってるってなったら困っちゃうのはきっとゆっきーさんの方。
相原ゆあ
分かっていて、会おうと約束した。
会いたいとおねだりをした。
きっと、拒否されないだろうと、分かっていて。
相原ゆあ
「ゆっきーさん、はじめまして」
「会えてうれしい。私がゆあです」
可愛い顔で微笑んで、制服のままぺこりとお辞儀をした。/
幸村 雪佳
人気のないホームにまず、足音が聞こえて。
顔を上げると同時、現れた人影と、声に。
幸村 雪佳
「――あ、」
こちらも笑顔を作って片手を上げ。
幸村 雪佳
「どうも、ゆっきーです…………?」
どう見ても制服姿の少女に、固まる。
幸村 雪佳
「えーっと……」
20歳の女の子と聞いていたのだけれど、現れたのは学生さんだ。コスプレという可能性も頭をよぎったけど、そういう感じでもなさそうだしなあ……
幸村 雪佳
「や、失礼。初めまして、ゆあちゃん」
気を取り直して、改めて笑顔を作る。
幸村 雪佳
「聞いてたより若そうでびっくりしちゃった」/
相原ゆあ
「……」
目をぱちぱちとして。
「ゆあのこと、怒らないんだ?優しいのね」
相原ゆあ
「ふふ、ゆあが思ってた通り!ゆっきーさんが変な汗くさいおじさんじゃなくてよかった~」
相原ゆあ
「……ねぇ、ゆっきーさん」
「会ってすぐでなんなんだけど……ゆあのおねがい、聞いてほしいな」
幸村 雪佳
「怒ってほしいの? 苦手なんだよね、そういうの」
幸村 雪佳
「……まあ、いい大人ではないね」
ふまじめくらいにしといてよ、と茶化すように笑い。
幸村 雪佳
「うん? ああ、言ってたね。お願いがあるって」
幸村 雪佳
「いいよ、どんなお願い? 約束通り来てくれたし、俺にできることならきいてあげるよ」/
相原ゆあ
「おねがい」
にこにこと、まるでキラキラしたアクセサリーを無邪気に強請るかのように。
相原ゆあ
あまりにも当然のようなそんな調子で、相原ゆあはそう言い放った。/
幸村 雪佳
あまりにも普通に、当然のように、他愛もないものをねだるような調子で告げられた"お願い"を、聞いて。
幸村 雪佳
きっと、所謂、優しくていい大人なら。
止めるなり理由を聞くなり、するんだろう。
幸村 雪佳
なんて、言わないんだろう。
まあ、俺はそういう大人ではないし。
幸村 雪佳
この子となら、それもいいかもしれないなって。不思議とそう思ったから。
幸村 雪佳
「やあ、天気がよくてよかった。どこまで行こっか、ゆあちゃんの好きなところでいいよ」
そう言って、にっこりと笑った。/
相原ゆあ
「……うん」
「いこ!ゆっきーさん、ゆあね、今日はお金持ちなの。全財産持ってきたから!」
跳ねるようにして男の腕に抱き着く。
人気のないホームをまるで踊るように軽やかに歩きながら振り向いて。
相原ゆあ
「知らないところに行くの、楽しみね」
蕩ける様に嬉しげに微笑んだ。/
GM
軽い音でホームに入ってくる、一両編成の小さな電車。
GM
ワンマン運転の運転席から運転士が出てきて、車両の扉が開く。
GM
車内の暖かい空気が、ふわり、誘うように漂った。
GM
あなたがたは、その誘いに従って、電車に乗り込む。
GM
『……発車します。揺れますので、ご注意ください……』
GM
――あなたがたは、互いの【居所】を獲得しました。