GM
時計の針は、一体どこで間違えた?
24時間くるりと廻り、同じところへ元通り。
GM
時計の針は、一体どこで間違えた?
1秒先の正しい世界、あなたを置いていっちゃった。
GM
雲の形も吹く風も、流れる川の一滴も。
繰り返す、繰り返す――
GM
では、早速ですが順番に自己紹介していただきましょう。
GM
◆PC1
あなたはとある駐車場に停まった自分の車の運転席でうたた寝から目覚めた。誰もいない街で24時間経つと、スイッチを切り替えたように再び同じ日、同じ時間、同じ場所で目覚める。あなたの使命は『この一日から脱出する』ことだ。
晴張 希海
晴張 希海、26歳。
大学の友人に誘われたのがきっかけで、ホストクラブ『Starfish』でなんとなくホストをしている。
晴張 希海
源氏名はのぞみん。そこそこ固定客もいて、指名4位~6位くらいをのらくらと。
誕生日は結構頑張ってもらったりするんだけどね~。
晴張 希海
いや、真面目に公務員とかになろうと思ったときもあったんだけど、大学出て初任給25万とか無理。
それ俺の客が1日に落とす金の何分の1よって話で。
晴張 希海
ま、そういう感じでだるく生きてたから、バチでもあたったんかな~って。
晴張 希海
愛車はミント色のラパン。可愛いっしょ。
始めたての頃にお金貯めて一括で買ったんよ。
晴張 希海
新しかないけど、快適よ?
だからまあ、ここで起きるのはそんなに嫌いじゃない。
晴張 希海
https://character-sheets.appspot.com/insane/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEY0s6dnwUM
GM
◆PC2
あなたは自宅の座椅子でうたた寝から目覚めた。誰もいない街で24時間経つと、スイッチを切り替えたように再び同じ日、同じ時間、同じ場所で目覚める。あなたの使命は『この一日から脱出する』ことだ。
堆橋 みやび
ありふれた大学2年生。
なんとなく大学に行って、なんとなく特別なことも無いまま流されるみたいに生きている。
堆橋 みやび
だから、今回のこれだって別に困ってないけど。
堆橋 みやび
https://character-sheets.appspot.com/insane/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEY6LnInAUM
GM
◆PC3
あなたは近所の公園の木陰でうたた寝から目覚めた。誰もいない街で24時間経つと、スイッチを切り替えたように再び同じ日、同じ時間、同じ場所で目覚める。あなたの使命は『この一日から脱出する』ことだ。
鴨川 水歩
広告系の会社で事務やってる、ふつーのOLさん。
鴨川 水歩
自慢じゃないけどちょっと多趣味!
ゲームとかも結構やるし、漫画も読むし。
RTAとかも齧ってるんだぜ~。意外でしょ?
鴨川 水歩
身体動かすのも好きだな。筋トレとか、ヨガとかピラティスとか。
カメラも好き。写真撮りに静岡とか行っちゃう。
鴨川 水歩
最近はアウトドアもいいよね~。涼しくなってきたし。
鴨川 水歩
だからけっこう、この状況って……良いんじゃない?と思ったりするよ。
現代人には時間が足りてなーい!一日24時間じゃ足りないんだもん。
鴨川 水歩
https://character-sheets.appspot.com/insane/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEYhdH4owUM
GM
では、お三方の自己紹介が出揃ったところで……導入フェイズです。
GM
14時32分――あなたはふと、うたた寝から目覚める。
GM
昨日と同じ、よく晴れた昼下がり。
明日もきっと、同じように晴れるだろう。
GM
何故なら、昨日も、一昨日も、三日前も、その前も……ここでは、雲の形さえ変わることなく同じ一日が繰り返されているからだ。
晴張 希海
フロントガラスから差し込む昼の光だけで「ああ、またか」なんて思う。
晴張 希海
最初は普通に店出勤したら誰もいなくてめちゃ焦ったっけ。
晴張 希海
悪い夢だって思ってたのは何回目までだっけ。
晴張 希海
北に向かって車走らせたり、南も東も西も。
山道も海沿いも、行けるとこまでいってみたりして
晴張 希海
適当なパーキングエリアとか、樹海とかで寝ても
晴張 希海
そのうち、なんか、やることもなくなってきて
GM
『今日』もあなたは生きている。変わらぬ『今日』を。
GM
同日、14時32分――あなたはふと、うたた寝から目覚める。
堆橋 みやび
思い出さなければいけないほど大切な用事なんてあんまりないな、なんて。
堆橋 みやび
こうなって一体どれくらいの時間が過ぎたんだろう。
堆橋 みやび
前まであんなにアレ食べたい、これ食べたいって思ったのに。
堆橋 みやび
積み重なるゴミの分だけ、食べ慣れたガムの分だけ。
堆橋 みやび
まるで噛み続けて味のなくなっていくガムみたいに。
GM
さらに同日、14時32分――あなたはふと、うたた寝から目覚める。
鴨川 水歩
硬いベンチが背に当たっている。
俯いて、こくり、こくり、船を漕いでいた。
鴨川 水歩
はた、と目を覚ます。
はじめに映るのは下ろしたてのミュールの爪先。
鴨川 水歩
スカート。それからサロンに行ったばっかりの爪。
鴨川 水歩
今日は何をしようと思ってたんだったかな。
鴨川 水歩
とりあえず、服屋でも見に行くか。今日はあのお店のにしよう。
鴨川 水歩
誰もいない街を悠々と歩く。
静かな街に吹く風は穏やかで、心地良い。
鴨川 水歩
ひとりでいるなら、哀しむ必要だってない。
鴨川 水歩
アスファルトの上をはだしになって歩いたって。
GM
『今日』もあなたは笑っている。一人だからこそ。
GM
では、マスターシーンとしてお三方の合流シーンをしましょう。
GM
一番アクティブにいろんなとこ動いてそうなのは水歩さんかな。
GM
ほぼ同じルートを周回しているのがみやびさんで……今に至って一番行動半径が狭そうなのが希海さんかな……
GM
じゃあ、まずは水歩さんにみやびさんを回収してもらおう。
GM
眼の前のマンションの3階に、窓の開いたままの部屋。
その隣のコンビニでは、カレーフェアの華やかな装飾がとれかけている。
GM
しかし、今まで誰も……どころか、生きて動くものをひとつたりと見出だせなかった視界に。
鴨川 水歩
え?と口を開けてみたが、第一声は声にならなかった。
堆橋 みやび
振り返って見えたのは、アスファルトの素足。
鴨川 水歩
目を擦ってから、あ、化粧落ちる、とくだらないことを考えた。
堆橋 みやび
口を衝いたのは疑問符付きのあいさつで。
鴨川 水歩
「……いやっ、いやっ、いやいや、鳴いてない鳴いてない」
鴨川 水歩
「いや、そんなわけはないんだけど、だって」
鴨川 水歩
「……幻覚……じゃなさそうだな~~……」
鴨川 水歩
「おお……つるもちふわ…… この張り……」
鴨川 水歩
「えっ、ほんとに人間だな、びっくりしちゃった」スン
鴨川 水歩
うわ~うわ~と言いながら周囲をぐるぐるまわる。
鴨川 水歩
「もしかして、あなたもずっとここでぐるぐるしてたの?」
鴨川 水歩
「え~?ぜんっぜん気づかなかったなあ、いるなら言ってくれればよかったのに」
鴨川 水歩
「そう、あたしもねえ、ぐるぐるしてたのよ」
鴨川 水歩
「え~?これまで奇跡的にすれ違わなかったってことお?」
鴨川 水歩
「ねね、どうせヒマでしょ?あっちのケーキ屋さん行ったことある?」
鴨川 水歩
「カフェスペースあるし、そっちで話そ!」
堆橋 みやび
この繰り返しの中で、そういうところへ足を伸ばそうとも思わなかった。
GM
小洒落たテラスにテーブルがふたつ。覗き込んだ店内にふたつ。
ショーケースの中には、きらきらのフルーツが乗ったタルトに、ショートケーキ、チーズケーキ、ミルフィーユ……陶器に収まったプリン、マドレーヌにクッキー……
GM
ケースの右手の板が上がるようになっていて、普通ならば店員のいるであろうスペースにも入れる。
鴨川 水歩
ずかずかと乗り込んでいく。勝手知ったるうごき。
鴨川 水歩
「あたしはねえ、ミルフィーユがおすすめかな~」
鴨川 水歩
ひとつ、ふたつ、取り出して、イートイン用に用意されている皿に並べる。
堆橋 みやび
慣れていないなら慣れている人に任せた方がいい。
GM
テラス席には、赤と白のひさしが程よく影を作っている。
堆橋 みやび
八百屋さんみたいだななんて思いながら。
堆橋 みやび
あの下に出るのはさぞ眩しかろうと思う。
鴨川 水歩
氷をふんだんに入れたアイスティーだって二人ぶん持ってきてしまう。
椅子を引き寄せて、まるで自分の家みたいに座った。
鴨川 水歩
飲み物を二人分用意するのなんて、いったいどのくらいぶりだろう?
鴨川 水歩
ごろごろと持ってきたシロップや、レモンやミルク。
鴨川 水歩
それで、何から話そうか、と。口を開いた矢先に。
晴張 希海
いつも元気な愛車を時速80kmほどで走らせていた。
晴張 希海
同じコンビニでも、品揃えというのは結構違うもので
晴張 希海
今日は何があるかなどと、ナビの示す場所へ向かっている途中である。
晴張 希海
反動でハンドルに頭をぶつけそうになりながら、窓ガラス越しに道を振り返る。
晴張 希海
シートベルトは命を救うって本当なんだな。
晴張 希海
いつもなら2秒で外せるそれを焦りながらなんどか外して車をおりる。
晴張 希海
斜めに停車した車体が車線をまたいでいるが、まあ問題ないだろう。
晴張 希海
歩道の段差に足を取られたり、転びそうになりながら。
晴張 希海
確かめるために、駆け足で道を戻っていく。
鴨川 水歩
とりあえず立ってはみたが、迎えにいくのもおかしいかも、と。
過ぎって、そこに立ち尽くすことになる。
堆橋 みやび
傍らで呑気にアイスティーにガムシロップを入れていたけれど。
晴張 希海
消えてしまいやしないかと、なるべくその姿を視界に入れたまま走る。
晴張 希海
そうして、たどり着いたときにはそこそこ息が上がっていて。
晴張 希海
その場に立ち尽くしたまま、2人の顔を交互に見て。
堆橋 みやび
からから、とグラスに刺さったストローを遊ばせて。
晴張 希海
「え~、嘘。マジで?ぜんっぜん気ぃつかんかったし」
鴨川 水歩
「わかるよ~、あたしもさっき!ほんとにたった今さっきそのコと会ったとこ」
鴨川 水歩
「え、もしかしてこのままみんな戻ってきたりする……?」
晴張 希海
「もしかして、運命ってやつ……なのかな?」
晴張 希海
「じゃあ、今日からお知り合いってことで」
晴張 希海
ズボンの後ろポケットから手慣れた様子で革の名刺入れを取り出し、その中から2枚を取り出してそれぞれに差し出す。
晴張 希海
仕事用のものだ。
『Starfish』という店のロゴと、大きく『のぞみん』という名前が記載されている。
SNSや電話番号は仕事用のものだ。
鴨川 水歩
「やだ見てほら 名前んとこキラキラする」
鴨川 水歩
「え?そういう営業かも。騙されちゃダメだよ」ヒソヒソしているふり。
晴張 希海
黒字に金で名前が入っている。
縁は波模様、店の名前の通り、エンボス加工で海月がはいっている。
鴨川 水歩
「エンボス掛かってる~~!!」たのしそう。
鴨川 水歩
「ほら、ここんとこのクラゲの線が凹んでるでしょ」
鴨川 水歩
「あたし、みなほね。水に歩くって書いてみなほ」
晴張 希海
「こんなことになっちゃってびっくりだよね~」
晴張 希海
「俺はねぇ……はるばる、のぞみ。これ本名。お店で言わないでね。」
晴張 希海
名刺入れが入っていたのとは逆の尻ポケットから財布をひっぱりだし、中から取り出した免許証を見せる。
写真はちょっと若くて髪が黒い。
鴨川 水歩
その手から奪い取ってまたげらげら笑っている。
堆橋 みやび
それを見ながらアイスティーを飲んでいる。
晴張 希海
「一応ほら、俺は成人男性だし?身の潔白と言うか……安全性というか……ね?怪しいもんじゃないよっていうか~」
鴨川 水歩
「たしかに、今新しく免許つくれないもんね」
晴張 希海
免許証を受け取ると、それらを元のように。
鴨川 水歩
「そう、それで」思い出したように指を立てる。
鴨川 水歩
「あたしたち、さっき会ったばっかりでね、せっかくならお茶しながら情報交換しよーってしてたとこで」
鴨川 水歩
「生まれた場所は違えども死ぬときは同じともいいますし~」
堆橋 みやび
「飯がないならケーキを食べればいいじゃない?」
鴨川 水歩
「いいね~!のぞみんもミルフィーユ食べよ!」
鴨川 水歩
三人分、飲み物も同じものがテーブルに並んで。
鴨川 水歩
孤独の時間のことを、上辺ばかりすくって話すことになるだろう。
堆橋 みやび
きっと、ひとりで居るよりもたくさんのことが相談できるだろう。
GM
やがて皿の上のミルフィーユはなくなり、アイスティーは飲み干され……
GM
しかし、これまでの孤独を潤すおしゃべりは尽きることなく。
GM
ここでなければ関わることもなかったであろう三人は、同じ時の囚人としてお互いを知り。
GM
ひさしがテラスに作る影がすっかり位置を変えるころ、三人揃って席を立つ。