GM
では、メインフェイズへ移ってまいります。
最初に公開されるハンドアウトは2つ。
GM
◆街
誰もいない街。普通では考えられない、静かな大通りの交差点。信号は順に光っているが、通行人は誰もおらず、車も来ることがない。
GM
◆スマートフォン
自分のスマートフォン。ほかの二人以外の誰に連絡しても繋がらない。メッセージに既読がつくこともない。
GM
それから、シーン表。
GM
◆シーン表(2d6)

2 小学校。静まり返った校舎の窓、窓、窓。開いたそこにカーテンがはためいている。
3 コンビニ。白々しく明るい店内に宣伝音声。一番手軽に物が手に入るが、ここの弁当にはもう飽きてしまった。
4 病院。清潔なにおいだけが残っている。診てはもらえないが、ここでは病気も怪我も、24時間経てばもとに戻る。
5 駐車場。洗車したての車、薄汚れた車……いずれにせよどこにも行けない車たちが数台、乗る者を待ち続けている。
6 図書館。咳払いひとつ聞こえない本棚の森。空調の低い唸りだけが耳につく。
7 交差点。通る者のいない道路で、信号だけが淡々と色を変えている。青、黄、赤。青、黄、赤……。
8 レストラン。いくつかのテーブルの上に並んだ料理。手つかずのもの、食べかけのもの。すべてが14時32分の状態で。
9 公園。持ち主のいないボール。塗りの剥げた木陰のベンチ。遊具の大半は撤去されている。
10 河川敷。悠々と流れる川の側。この川の中にすら、魚一匹いない。ただ水の音だけが流れ続けている。
11 デパート。広々とした売り場。服屋、靴屋、本屋に雑貨屋。誰に声を掛けられることもなく、なんでも見ていられる。
12 繁華街。静けさの中、リピート再生される音声。客引きにはついていかないようにしましょう……。そんなものはいない。
GM
ということで、改めまして、このシナリオは特殊型3サイクルです。
GM
みなさま頑張ってください。
GM
GM
では、最初のシーンはどなたからいきましょうか。
GM
初手希望の方はいらっしゃいますか?
GM
では、希望がありましたので水歩さんから。
GM
*第1サイクル 鴨川 水歩
GM
何がしたいか宣言してね。ロールが先でもダイスが先でも良いですよ。
鴨川 水歩
シーン表と同行者も先に?
GM
そうですね。シーンの登場については両者がOKならあとから入ってもいいです。
鴨川 水歩
は~い!先にシーン表振っちゃお。
鴨川 水歩
2d6 (2D6) > 3[1,2] > 3
GM
3 コンビニ。白々しく明るい店内に宣伝音声。一番手軽に物が手に入るが、ここの弁当にはもう飽きてしまった。
鴨川 水歩
では調査。HO『街』を。
何度も何度も繰り返し見た景色。【情景】で。
これはさっさと振っちゃうか。
GM
はい、OKです。どうぞ。
鴨川 水歩
2D6>=5 (判定:情景) (2D6>=5) > 8[3,5] > 8 > 成功
GM
危なげなく成功。
鴨川 水歩
イェイ
GM
では秘密。拡散情報です。
GM
◆街【秘密】
ショック:なし。拡散情報。横断歩道の白いラインに急カーブするタイヤの跡があり、「事故多発」の看板を設置された電柱の傍らに花束が置かれている。そういえば、いつだったかにここで事故があったのを見た気がする……。
▽《乗物》で恐怖判定。
▽この【秘密】を最初に調査したPCはお守りをひとつ入手する。
晴張 希海
2D6>=7 (判定:芸術、指定特技:乗物) (2D6>=7) > 4[1,3] > 4 > 失敗
鴨川 水歩
2D6>=6 (判定:カメラ) (2D6>=6) > 5[1,4] > 5 > 失敗
堆橋 みやび
2D6>=8 (判定:情景) (2D6>=8) > 8[3,5] > 8 > 成功
GM
はい、希海さんと水歩さんが失敗、みやびさんは成功。
お守りはありますか?
晴張 希海
ひきます
鴨川 水歩
通します。
GM
では狂気カードを1枚ずつ。
GM
はい、ありがとうございます。確認しました。
GM
水歩さんはお守りをひとつ獲得。
鴨川 水歩
もらっちゃった。
[ 鴨川 水歩 ] お守り : 1 → 2
GM
あなたがたはケーキショップでのひとときを終え、席を立つ。
皿を下げてくれる店員はいないが、どうせ一日経てば、食べたケーキさえ元通り。
GM
語らいのあと、日は傾きつつある。
GM
わずかに橙の色を帯びる空の下、連れ立って歩き出す……
鴨川 水歩
ぺたぺたと素足がアスファルトを踏んでいる。
危険物は避けて通る器用さで、歩道を難なく歩く。
鴨川 水歩
「いや~、誰かと話すのって久々過ぎてぜんぜん感覚思い出せないや」
鴨川 水歩
笑いながら、何処へともなく。
他にも自分たちのように現れた者はいないかと、軽い散策のつもりだ。
GM
誰もいない歩道、何も通らない車道。
通りに横たわる静寂の中、あなたがたの気配だけがぽっかりと浮かび上がっている。
GM
通りかかるコンビニの白々しい明るさが、一人のときよりも目につく。
鴨川 水歩
「のぞみんは動くときいつも車?」
鴨川 水歩
がらんとした駐車場を横目に問う。
晴張 希海
「ん~、別にそんなことはないかな」
晴張 希海
「駐車場探すの面倒だし、電車のが楽なときはそうするけど……でもまあ、だいたい車かも」
鴨川 水歩
「あは、”こうなってから”の話しだよ~」
鴨川 水歩
「電車も動かないじゃん、いま。あ、でも運転しようと思えば動くよね」
鴨川 水歩
「みんなと会ったのが今日でよかったな~。あたしさ、この道路で寝てたこともあるんだよね、ひとりのとき。別の日だったらワンチャン轢かれてたよね」
堆橋 みやび
「寝てた」
晴張 希海
「ああ、そりゃ車だな~」
鴨川 水歩
「こう、ほら、……ない?アスファルトのど真ん中に寝転がりたいとき……」
鴨川 水歩
「車来ないんならさあ~、やっぱやってみたいじゃん!」
晴張 希海
ひかなくてよかった
堆橋 みやび
「少しわかる」
堆橋 みやび
頷いている。
鴨川 水歩
「仲間!」
鴨川 水歩
横断歩道を渡る。ふと、素足がタイヤの痕を踏む。
鴨川 水歩
「……のぞみんの車に轢かれなくてよかったわ~、ほんと」
晴張 希海
「本当にね。俺も結構飛ばしちゃうからさ」
GM
明らかに対向車線まで伸びた急制動の跡を踏む。
GM
虚しく色を入れ替える信号の下に、「事故多発」の黄色い看板が立っていた。
GM
そして、そこに供えられた花束が目に入った。
GM
繰り返す一日の中で、永遠に枯れない花束が。
鴨川 水歩
なんとはなし。全員が。考えたことがあるだろうーー 
この時間のなかで死ぬと、どうなるのか。
鴨川 水歩
「……ふたりさあ、この時間で死ぬと、どうなるか知ってる?」
鴨川 水歩
わずかばかりの躊躇う間のあと、ぽつり。
鴨川 水歩
添えられた花に視線をやりながら、問いかけた。
晴張 希海
「えっ、いや……流石に試してないけど」
晴張 希海
「だって、死ぬのって痛いじゃん」
堆橋 みやび
「また生き返りそう」
堆橋 みやび
「そうしてまた、死ぬ瞬間を思い出して苦しみそう」
堆橋 みやび
「やだな」
晴張 希海
こくこく。
鴨川 水歩
「……――」
鴨川 水歩
「だよね~~!!」
鴨川 水歩
「いや~。流石に試す勇気ないよね、コワイもんね~!」
晴張 希海
「えっ……もしかして水歩ちゃん……」
鴨川 水歩
「ないない!」
鴨川 水歩
「あたしはどっちかっていうと生き返んなかったときのがコワイし!」
鴨川 水歩
「死にたくないよ~」
堆橋 みやび
「おいしいものも食べらんなくなるし」
晴張 希海
「そうだねぇ」
鴨川 水歩
ウンウン
鴨川 水歩
「これからは気をつけないとな~……」
鴨川 水歩
ぼんやりと花束を見送って。
やはりあてどもない散策が続く。
GM
日は傾いていく。三人の影が伸びていく。
GM
横断歩道の白と黒に、もっと濃い黒を落として歩きながら……
GM
静寂を進む。
GM
GM
では、2シーンめ。どちらが行動しましょう。
堆橋 みやび
あたし!
GM
OK!
GM
*第1サイクル 堆橋 みやび
GM
何をしたいかなど諸々いただきましょう。
堆橋 みやび
ふたりが話しているのを見ながら、ぴたりと足を止める。
堆橋 みやび
ふたりが遠ざかっていく。
堆橋 みやび
そこで、ぼんやりとスマホを取り出した。
堆橋 みやび
誰にもつながらないスマホ。
堆橋 みやび
何処にも連絡の出来ないそれ。
堆橋 みやび
*HO「スマートフォン」を調べます
GM
OK 特技は何を使用しますか?
堆橋 みやび
*物理学で!
GM
良いでしょう。どうぞ。
堆橋 みやび
2D6>=5 (判定:物理学) (2D6>=5) > 6[2,4] > 6 > 成功
GM
成功。
GM
こちらも拡散情報です。
GM
◆スマートフォン【秘密】
ショック:なし。拡散情報。ホーム画面に、見覚えのないアプリが追加されているのに気づいた。闇が口を開けたような真っ黒のアイコンと、陽の光を集めたような真っ白のアイコンだ。
▽HO「黒いアイコンのアプリ」「白いアイコンのアプリ」を公開する。
GM
◆黒いアイコンのアプリ【HO】
知らない間にスマートフォンに追加されていた黒いアイコンのアプリ。
GM
◆白いアイコンのアプリ【HO】
知らない間にスマートフォンに追加されていた白いアイコンのアプリ。
堆橋 みやび
スマートフォンを目の前に翳す。
堆橋 みやび
「なにこれ……」
堆橋 みやび
見覚えのない白いアプリと、黒いアプリ。
堆橋 みやび
二人のもとへ走って、
堆橋 みやび
「ね、ね」
堆橋 みやび
スマートフォンを見せる。
堆橋 みやび
「変なアプリ入ってる」
晴張 希海
その声に足を止めて振り返る。
鴨川 水歩
「え、なになに」
晴張 希海
「アプリ?」
鴨川 水歩
「うそ、どれ?」画面を覗き込む。
堆橋 みやび
「これこれ」
堆橋 みやび
「しろいのと、くろいの」
GM
黒いアイコンは、画面のライトを落としたときよりも暗く。
白いアイコンは、画面の輝度を無視したほど明るく。
晴張 希海
ちら、とそれを見て自分のスマホを取り出し
晴張 希海
ホーム画面をスワイプする。
鴨川 水歩
「自分で入れたんじゃなくて?」
堆橋 みやび
「入れてないよお」
鴨川 水歩
遅れて、自分もバッグからスマホを出す。iPhone。
堆橋 みやび
「にゃんこあつめしか……」
晴張 希海
「うわ、マジだ」
鴨川 水歩
「え、え、ほんとだ」
鴨川 水歩
「なにこれ~」
鴨川 水歩
「こんなの、昨日までなかったよね?今?今出てきたってこと?」
晴張 希海
「ん~……」
晴張 希海
「やっぱ、この状況と関係あんのかな……」
鴨川 水歩
「……押したらどうなるかな」
晴張 希海
「えっ、押すん?」
鴨川 水歩
「いやだって……押せってことじゃない!?これは!?」
堆橋 みやび
「押さないと何か分かんなくない?」
鴨川 水歩
そうだそうだ~!
晴張 希海
「ええ~~」
晴張 希海
「嫌やんこんなん天国とか地獄とかだったらどうするん」
堆橋 みやび
そうだそうだ~~!
堆橋 みやび
「そのときは」
堆橋 みやび
「そのとき」
晴張 希海
う~~~ん
晴張 希海
「ん~~~~~」
鴨川 水歩
「ウム!」
晴張 希海
「わかった、じゃあお兄さんが押すから」
晴張 希海
「ちょっとタイムね」
堆橋 みやび
「お!」
鴨川 水歩
「ヨ!男前!」
堆橋 みやび
「よ!」
鴨川 水歩
「この世界じゃ今のあんたが指名No1だよ」
晴張 希海
ああ~~言うてもた
GM
*第1サイクル 晴張 希海
晴張 希海
ポケットを探って適当に小銭を取り出す。
100円玉とか。
晴張 希海
choice[表,裏] (choice[表,裏]) > 表
晴張 希海
上が出たから白やな~
晴張 希海
「じゃ、とりあえず白いのからね」
晴張 希海
何もありませんように。
晴張 希海
「白いアイコンのアプリ」を【混沌】で調査します。
GM
OK、振ってください。
晴張 希海
2D6>=5 (判定:混沌) (2D6>=5) > 11[5,6] > 11 > 成功
GM
成功。ではお送りします。
晴張 希海
「…………」
晴張 希海
アプリをタップして、見る。
晴張 希海
「……!」
鴨川 水歩
「どうどう?」
晴張 希海
「うわ」
鴨川 水歩
横から覗き込もうとする。
堆橋 みやび
気になっちゃうな。そわそわ。
晴張 希海
「あー……うーん……」
晴張 希海
二人の様子を交互に見る。
晴張 希海
「これ、やばいやつかもなんだけど」
晴張 希海
「見たい?」
堆橋 みやび
「見ないとわかんないし」
堆橋 みやび
ね、と求:同意!
鴨川 水歩
「見たい見た~い」
鴨川 水歩
「え?宇宙のシンリとか?」
晴張 希海
「いや」
晴張 希海
「そっちじゃない」
晴張 希海
白いアイコンのアプリの【秘密】をふたりに共有します。
GM
はい。では公開ですね。
GM
◆白いアイコンのアプリ【秘密】
ショック:なし。アプリを開くと、どこかの交差点の光景が画面に映し出される。たくさんの人のざわめき、通り過ぎる車の音――これは現実の光景だ。
▽この秘密を所持しているPCは、クライマックスフェイズに儀式『現実への帰還』に参加することができる。
晴張 希海
「これさ、帰れるかもしれないってことじゃない?」
堆橋 みやび
「お~」
鴨川 水歩
目を丸くする。
鴨川 水歩
「え、これ」
鴨川 水歩
「どこ?」
堆橋 みやび
「え?」
鴨川 水歩
「…………え、え?まじで言ってる?」
晴張 希海
「…………」
鴨川 水歩
「うそお」
鴨川 水歩
半ば乗り出すようにしてそれを見る。
晴張 希海
「わかんないけど」
晴張 希海
「たぶん、動いてるの、人だし」
晴張 希海
「関係あると思う」
GM
もうずいぶん長いこと耳にしていなかったざわめき。
重なり合う人の足音、車の行き交う雑音。
鴨川 水歩
色を帯びたなつかしい景色。
GM
小さな画面の向こう側に、こことは違う14時33分に去ってしまったものが見える。
堆橋 みやび
「この景色、何となく懐かしくない?」
晴張 希海
「そうかも?」
鴨川 水歩
「……そうかなあ?」
鴨川 水歩
「そうかも……?」
鴨川 水歩
首を捻りながら、しかし、じいっと。
鴨川 水歩
画面を見つめる。
堆橋 みやび
「見覚えない?」
晴張 希海
「……水歩ちゃんさあ」
堆橋 みやび
何よりもこの人は帰りたそうに見えるのに。
晴張 希海
「もしかして、帰りたく、ない?」
堆橋 みやび
まばたき。
鴨川 水歩
「え」
鴨川 水歩
「……いや、そんなことは、ないよ?ないない」
鴨川 水歩
「いや、そりゃまあ、一人を謳歌してましたけど」
晴張 希海
「なんかほら、めっちゃ楽しんでるみたいだったし……」
鴨川 水歩
「楽しんでましたけど!」
晴張 希海
う~ん、余計なこと言ったかも
鴨川 水歩
「でもあの、別に帰りたくないってわけじゃないんだよ、ほんと」
鴨川 水歩
「ただほらなんていうかあ~?急に帰る!ってなっても心の準備がっていうかあ~?」
晴張 希海
「ま、それもそうだよねぇ」
晴張 希海
「好き勝手できる場所ってなかなかないし」
晴張 希海
「とりあえず、もうちょっと調べてみようか」
堆橋 みやび
「ね」
鴨川 水歩
「やっぱふたりは、けっこう帰りたい系……?」
晴張 希海
「まあ、そうなるかな」
堆橋 みやび
「楽しければなんでも」
晴張 希海
「できることも多いけど、できないことも多いからさ」
鴨川 水歩
「そっかあ」
鴨川 水歩
「そうだよねえ……」
鴨川 水歩
「ハンターハンターがいまどうなってるかはあたしもすごい気になるし……」
鴨川 水歩
「とりあえず、そうだね、黒い方も気になるしね……」
晴張 希海
うんうん
鴨川 水歩
「そもそもまあ、そのアプリ使ってどうやって帰るかは謎だしね……」
堆橋 みやび
「ね~」
晴張 希海
そうだねぇ
GM
この一日の外側に向けて、小さな窓が開く。
GM
真昼の交差点の光景を前に、日が落ちる。
GM
街灯が点いていく……。
GM
*マスターシーン
GM
あなたがたは白いアプリの映し出す光景をしばらく眺めた後、ふと。
その交差点を、確かに通ったことがあるのを思い出します。
GM
ありがちな雑踏、気に留めることもない通行人の数々、覚えているはずもない行き交う車たち。
GM
けれどその向こう側に伸びる道を歩いたことがある。あった。
GM
そしてそこを、先程も通った。
GM
タイヤの跡。黄色い看板。
GM
――事故多発。
GM
あそこで、事故を見たのだ。
GM
見た?
GM
いいや。
GM
覚えているのは、
GM
衝撃と痛み。
GM
どうしてそんなことを覚えているのだろう?
GM
そしてどうして、そんなものを忘れていたのだろう……。
GM
あなたは、見ていたわけではない。
GM
そこにいたのはあなただった。
GM
《痛み》で行為判定してください。失敗したPCは正気度1点。
晴張 希海
2D6>=6 (判定:官能、指定特技:痛み) (2D6>=6) > 3[1,2] > 3 > 失敗
鴨川 水歩
2D6>=7 (判定:悦び) (2D6>=7) > 9[3,6] > 9 > 成功
[ 晴張 希海 ] 正気度 : 5 → 4
堆橋 みやび
2D6>=8 (判定:物理学) (2D6>=8) > 9[3,6] > 9 > 成功
GM
はい、ありがとうございます。
晴張 希海
ええ~~……
晴張 希海
嘘やん
GM
記憶が背筋を貫いて、一瞬、身体が強張った。
晴張 希海
他の2人はどうだろうか
晴張 希海
そっと見る。
鴨川 水歩
「……」
堆橋 みやび
けろっとしている。
鴨川 水歩
こちらもまた、特に変わりはない。
晴張 希海
ん~
堆橋 みやび
「どしたの?」
鴨川 水歩
「なんかすごいむにゃむにゃした顔してる」
晴張 希海
「えっ、ああ……いや」
晴張 希海
「ちょっとやなこと思い出しただけ」
堆橋 みやび
「ガム食べる?」
堆橋 みやび
ガムを差し出した。
晴張 希海
「ありがと」
晴張 希海
もらっておこう
堆橋 みやび
「ミントとイチゴと~オレンジとブルーベリー」
堆橋 みやび
「どれがい?」
鴨川 水歩
「あたしイチゴ!」
晴張 希海
「ミントで」
堆橋 みやび
イチゴのピンク色の包装紙のガムを差し出す。
堆橋 みやび
そっちにはミントブルーの包装紙のガム。
鴨川 水歩
わ~い。特に正気度も減ってないけどもらったぞ!
晴張 希海
もきゅもきゅ
鴨川 水歩
「みやびちゃんガム好きなんだねえ」
堆橋 みやび
もぐもぐ。余ったオレンジ。
堆橋 みやび
「すき」
鴨川 水歩
「そうかそうか」
鴨川 水歩
「すきなものくれてありがとねえ」
堆橋 みやび
「こういうのってさ」
堆橋 みやび
「ひとりで食べても味がなくなってくだけだから」
鴨川 水歩
「そう?」
鴨川 水歩
「あたしけっこうひとりじめしちゃうタイプだからな~」
堆橋 みやび
「おにーさんは?」
晴張 希海
「……え?」
晴張 希海
心ここにあらずといった様子で
晴張 希海
「あ、えっと……なんだっけ」
鴨川 水歩
「ガムありがとって言っときな~」背中を叩いておいた。
晴張 希海
「……?」
晴張 希海
「あ、ありがとう」
晴張 希海
「なんか、ちょっと落ち着いた気がするよ」
堆橋 みやび
「重症だね」
堆橋 みやび
「どっかでやすむ?」
晴張 希海
「や、大丈夫。ほんと。」
晴張 希海
「あんまりゆっくりしてても、また、リセットされちゃうしね」
堆橋 みやび
ガムの味がなくなる前に、きっと会話するために捨てちゃうのだろうって。
堆橋 みやび
ふたりの会話を見ながら思っていた。
堆橋 みやび
三人で食べるガムは、味がずっと残ったままだ。
鴨川 水歩
「まあ、でも、リセットされちゃうならさ」
鴨川 水歩
「急いでも急がなくても、おんなじじゃない?」
堆橋 みやび
「そうかも」
晴張 希海
そうかなぁ
鴨川 水歩
「急がば回れといいますし!」
堆橋 みやび
「おにーさん挟んでお散歩しよ」
晴張 希海
「あはは……」
鴨川 水歩
「両手に花だねえ!」
堆橋 みやび
「ね~~」
晴張 希海
「光栄なことです」
堆橋 みやび
「No1だね」
鴨川 水歩
「あ、じゃあさあ?のぞみんのお店行ってみようよ~」
晴張 希海
「え?いいけど……誰もいないよ」
堆橋 みやび
「いこいこ」
堆橋 みやび
「ふんいき~~」
堆橋 みやび
「ねっ」
鴨川 水歩
「のぞみんがいるじゃん!」
鴨川 水歩
「ここなら日本どころか世界一のホストだよ」
晴張 希海
そんな悲しい世界一がある?
晴張 希海
「じゃ、行ってみるか。車とってくるね。」
鴨川 水歩
「そういえばみやびちゃんって成人してる?」
堆橋 みやび
「うん!」
鴨川 水歩
「イイネ!一番高いの開けちゃおう!!」
堆橋 みやび
「あけちゃお!」
晴張 希海
ロマコンあったかな~
GM
そうして再び歩き出す三人の頭上を、街灯が照らしている。
GM
並ぶ灯りに、前へ、後ろへ、影が動く。
GM
影はついてくる。誰もいなくても、ただあなたがたに。ひたりと。