GM
では、第3サイクルに移ります。
GM
どなたから行きましょう?
GM
希望があったので、水歩さんから。
GM
*第3サイクル 鴨川 水歩
GM
シーン表を振る場合はどうぞ。前のシーンの続きでも良いし、選んでも良いです。
鴨川 水歩
では、シーンは継続で。
GM
OK では引き続きホストクラブ。
GM
行動としてはどうしますか?
鴨川 水歩
『堆橋 みやび』の秘密の調査、します!
GM
わかりました。ダイスはロールの先でも後でも構いません。
鴨川 水歩
はあい じゃあまあ これはロールしてからにしようかな。
鴨川 水歩
希海が肉を焼きに行っているあいだ、甲斐甲斐しくみやびの口にフルーツを運ぶ。
鴨川 水歩
自分ももちろん食べている。おいしいね。
堆橋 みやび
もぐもぐ。
鴨川 水歩
「おいし?」
鴨川 水歩
「いやあ~、私たち向こう何百年分くらいの贅沢してるんだろうねえ」
堆橋 みやび
「出来る時にするべきかも」
鴨川 水歩
「それもそう。今しかないからね」
鴨川 水歩
そう。もう、何千時間と、同じ”いま”だけがここにある。
鴨川 水歩
それは過去になっていくばかりなのに、未来は一向に訪れない。
鴨川 水歩
「みやびちゃんも、あんまりはやく帰りたいって感じでも、ないよね」
鴨川 水歩
希海がいるキッチンの方へ目を向けて。
あっちには多少なり、帰りたいという気持ちが見て取れたけど。
鴨川 水歩
この子は……どうだろう?
堆橋 みやび
もぐもぐ。
堆橋 みやび
何を考えているのか読み取りにくい。
鴨川 水歩
そういうところは、かわいいところで、ずるいところだ。
鴨川 水歩
フォークが皿を往復する。
鴨川 水歩
「実際どうなんですかい、姫様?」
堆橋 みやび
「なーに」
鴨川 水歩
「あっち。帰りたい?」
堆橋 みやび
「んー……」
堆橋 みやび
どっちともとれない唸り声。
鴨川 水歩
「おや、この程度の捧げ物ではご満足いただけませんか」
堆橋 みやび
「ライチが食べたいな~」
鴨川 水歩
「のぞみん~、肉を持てい~」口に手を当てて呼び出した。
鴨川 水歩
「ライチね、はいはい」ライチは剥く。
鴨川 水歩
これは指からそのまま差し出して。
晴張 希海
「はいはい~」
堆橋 みやび
もぐもぐ。
堆橋 みやび
帰りたいか、なんて。
堆橋 みやび
聞かれると思ってなかった。
堆橋 みやび
ライチを食べるのに集中しているふり。
鴨川 水歩
これはなかなか手強いな。
鴨川 水歩
援護射撃を待ちつつ。
GM
皿の上からフルーツが消えていく。
GM
パイン、りんご、ぶどう、ライチ……
鴨川 水歩
やわらかくちいさな顎に滴る果汁を指で掬う。
鴨川 水歩
「若い娘さんが」
鴨川 水歩
「毎日毎日だあれもいない、刺激もない」
鴨川 水歩
「つまんなくってさびしいところに、ひとりで」
鴨川 水歩
「……」
GM
しかしそれは、三人の誰しも同じ。
GM
『今日』、出会うまでは。
鴨川 水歩
だからこそどこかで、この子は違うんじゃないか、と。
鴨川 水歩
期待しているのかも、しれなかった。
鴨川 水歩
あるいは、願っているのかも。
鴨川 水歩
「ね、おねえさんにだけこっそりでいいから、教えてくれないかな」
鴨川 水歩
調査判定しちゃうかあ。使用特技は『死』で。
GM
はい、ではどうぞ。
鴨川 水歩
2D6>=5 (判定:死) (2D6>=5) > 8[2,6] > 8 > 成功
GM
成功。お送りします。
晴張 希海
オーブンで焼いた肉と付け合せのようなものを盛り付けて、テーブルへと運ぶ。
晴張 希海
「フルーツ足りた?」
堆橋 みやび
それを見ながら、口を開く。
堆橋 みやび
「美味しいフルーツと」
堆橋 みやび
「美味しい料理」
堆橋 みやび
「それって、当たり前のものじゃないよね」
堆橋 みやび
「あっちに戻ったらこんなこと、とても出来ない」
堆橋 みやび
「当たり前じゃなくなる」
堆橋 みやび
「時間は動き出して。また、毎日が始まって」
堆橋 みやび
「……それってさ」
堆橋 みやび
「ほんとに“いいこと”なのかな?」
堆橋 みやび
黒いアプリ。
堆橋 みやび
載せられた名前。
堆橋 みやび
ほんとに戻ることって、いいことなんだろうか。
堆橋 みやび
「おねーさん、あたしは」
堆橋 みやび
「戻ることが正しいことだなんて思ってない」
晴張 希海
「…………」
鴨川 水歩
「……そっかあ」
堆橋 みやび
「ここには変化がない代わりに」
堆橋 みやび
「平坦で、平穏で、まるで味のしなくなったガムみたいな」
堆橋 みやび
「ぼんやりした日常がある」
堆橋 みやび
「危なくない、死んだりしない」
堆橋 みやび
「ご飯に困ることもない」
堆橋 みやび
「それって、すてきなことじゃない?」
堆橋 みやび
泥濘の平穏。
堆橋 みやび
足が沈んでいく。
堆橋 みやび
前に進めはしない代わりに、生温いやすらぎがある。
晴張 希海
そうかぁ~
鴨川 水歩
「わかるわかる。自由だもんね、此処は」
堆橋 みやび
頷く。
鴨川 水歩
「嫌いなやつもいないし、嫌なこともないし、なんか現代社会のストレスってやっぱほぼ対人関係なんだな~って」
鴨川 水歩
「思った、あたしも!」
堆橋 みやび
「きらいな人もいない」
堆橋 みやび
「でも、トクベツに好きな人だって」
堆橋 みやび
「でもそれでいいじゃんって思う」
鴨川 水歩
「だよねえ」
鴨川 水歩
「……それで、いいよねえ」
晴張 希海
「…………」
堆橋 みやび
フルーツを食べる。
鴨川 水歩
晴張 希海に『堆橋 みやび』の秘密を渡します。
GM
では、公開します。
GM
◆PC2【秘密】
ショック:なし。あなたは、本当はこの一日から抜け出したいと思っていない。この二人とともに平坦だが不自由ない生活を送るのは、元の世界に戻るよりも素敵なことなのでは? あなたの本当の使命は『ほかの二人とともにこの世界に留まる』ことだ。ただし、PC1またはPC3にプラスの感情を獲得した場合、あなたは以後任意のタイミングで本当の使命を『プラスの感情を持った相手と現実に帰還する』に変更してもよい(しなくてもよい)。
GM
以上です。
晴張 希海
「…………」
晴張 希海
「そっか」
晴張 希海
「……みやびちゃんは、さ」
晴張 希海
「同じ本、何度も読み直すタイプ?」
堆橋 みやび
「……うん」
堆橋 みやび
「本読むの得意じゃないから」
堆橋 みやび
「ずっと、同じ本ばっかり読んでる」
晴張 希海
「へぇ……」
晴張 希海
「それってすごくお得だね」
晴張 希海
「だって、好きな本で、好きな話で」
晴張 希海
「何度も感動したり、泣いたりできるってことでしょ」
堆橋 みやび
「うん」
晴張 希海
「でも、ずっとでは、ないんじゃない?」
堆橋 みやび
「うん……」
堆橋 みやび
「やっぱり、1回目とは全然違う」
晴張 希海
「うん」
晴張 希海
「俺はね、いいと思うよ」
晴張 希海
「君がここを『すてき』だと思うのも、帰りたくないって思うのも」
晴張 希海
「でも……」
晴張 希海
「100年後に、同じことが言えると思う?」
堆橋 みやび
「でも、人生で」
堆橋 みやび
「1回目の感動が何回味わえると思う?」
晴張 希海
「そうだね……1回の人もいれば、100回の人もいるかもしれない」
鴨川 水歩
すこし居心地が悪そうに身じろぐ。
晴張 希海
「でも」
晴張 希海
「人生には終わりが来る」
堆橋 みやび
「ここには来ないよ」
堆橋 みやび
「だから、帰らなくていいじゃん」
晴張 希海
「来ないからさ」
晴張 希海
「100年後に、同じことが言えるか」
堆橋 みやび
ガムの味がなくなったら。
堆橋 みやび
いまの、この日々にある楽しみも。
堆橋 みやび
生きようって言う意思も。
堆橋 みやび
それすらも、なくなったら。
堆橋 みやび
ってことを、多分言いたいんだろうと思う。
晴張 希海
「例えば、帰れるチャンスが一回だけだったとして」
晴張 希海
「それで、帰らなかったとして」
晴張 希海
「君が、100年後。1000年後。」
晴張 希海
「今と同じことを言える。」
晴張 希海
「誰も恨まず、憎まず、傷つけず」
堆橋 みやび
そん時になんないとわかんないよ、なんて屁理屈を言う前に。
堆橋 みやび
水歩の方を見た。
晴張 希海
「笑える自身があるなら、俺はそれでもいいと思う」
鴨川 水歩
「…… ……あー……」
鴨川 水歩
「え~と、ごめん、ごめんて、のぞみん、ストップ」
鴨川 水歩
「のぞみんは帰りたいんだもんね」
鴨川 水歩
「でもほら、そんなに言わないでも」
鴨川 水歩
「……まだ一回しかチャンスないって決まったわけじゃないし……」
晴張 希海
「…………」
晴張 希海
「うん。おせっかいだってのはわかってるんだけど」
晴張 希海
「なんていうか、ほっとけなくて……」
堆橋 みやび
「おひとよしだね」
堆橋 みやび
ぱちぱちと瞬く。
鴨川 水歩
「同意~……」
晴張 希海
「あはは……」
堆橋 みやび
でも、この先。
堆橋 みやび
もしも二人が居なくなってしまったら?
堆橋 みやび
この先の100年。
堆橋 みやび
一人で過ごすことになったら。
堆橋 みやび
「……………」
堆橋 みやび
それは、いやだなって。
堆橋 みやび
それだけは、わかるのだ。
晴張 希海
「…………」
晴張 希海
「一回しかない」
鴨川 水歩
「…………え?」
堆橋 みやび
「え?」
晴張 希海
「俺とみやびちゃんが戻れるのは、きっと今だけだと思う」
堆橋 みやび
「なんで?」
堆橋 みやび
「どうして、そんなこと知ってるの」
晴張 希海
「…………」
晴張 希海
鴨川 水歩の【秘密2】を共有します。
GM
わかりました。では公開します。
GM
◆PC3【秘密2】
ショック:全員。あなたは本当は、繰り返す今日に時が動く前の時点で死亡している。すでに死人であるあなたは、このままではこの一日を抜け出しても行き場がない。この一日を抜け出せるのは、二人だけだ。あなたの本当の使命は『ほかの誰かと成り代わって現実に帰還する』ことだ。
▽《霊魂》で恐怖判定。
GM
以上です。
晴張 希海
「水歩ちゃんも、わかるよね」
鴨川 水歩
「……あたしは」
鴨川 水歩
「けっこう、だいじょうぶ、だったよ」
堆橋 みやび
その会話を聞きながら。
堆橋 みやび
ぼんやりと、水歩を見ている。
堆橋 みやび
2D6>=6 (判定:死) (2D6>=6) > 6[2,4] > 6 > 成功
[ 堆橋 みやび ] 正気度 : 4 → 3
堆橋 みやび
「……おねーさんは」
堆橋 みやび
「あっちの世界に戻りたい?」
鴨川 水歩
「…………」
鴨川 水歩
「戻りたくなんて、なかったよ」
堆橋 みやび
「でもね、おねーさん」
堆橋 みやび
「“けっこうだいじょうぶ”と」
堆橋 みやび
「“ぜんぜん大丈夫”って」
堆橋 みやび
「結構遠いよね」
堆橋 みやび
「おねーさんはさっき、どっちを言ったんだっけ」
晴張 希海
「…………」
鴨川 水歩
ほら。
堆橋 みやび
「おにーさんは、けっこうって」
堆橋 みやび
「全然大丈夫じゃないって思わない?」
晴張 希海
「……思うよ」
晴張 希海
「そもそも、『大丈夫』ってのは」
晴張 希海
「我慢できるって意味だしね」
鴨川 水歩
現代社会のストレスっていうのは。
鴨川 水歩
やっぱ、ほぼ対人関係なんだ。
堆橋 みやび
「だってさあ、おねーさん」
堆橋 みやび
「こんなとこ、毎日はだしで歩いたって」
堆橋 みやび
「楽しくないよ」
堆橋 みやび
「海とか、山とかさ」
堆橋 みやび
「おねーさんには、そっちの方が似合うよ」
鴨川 水歩
「だって、でも、そんなの、べつに」
鴨川 水歩
「もういいの、あたし、もうどうでもよかった」
堆橋 みやび
そんなの、いらない。
鴨川 水歩
「行こうと思えばどこでも行けるし」
堆橋 みやび
もういいよ。
堆橋 みやび
その声を聴いている。
鴨川 水歩
「やりたいことなら無限にあるし」
堆橋 みやび
「行けないからあたしたち」
堆橋 みやび
「ずっと同じところを回ってるんじゃん」
晴張 希海
俺は『おひとよし』なんかじゃない。
晴張 希海
酷いことを言っているってわかってる。
鴨川 水歩
「……だって。」
鴨川 水歩
「だって死ぬんだよ、どうせ戻っても」
鴨川 水歩
「死んでるんだよ」
堆橋 みやび
「じゃあ、何処にも行かなければいい」
堆橋 みやび
「ここで、皆で暮らそう」
堆橋 みやび
「味のしない100年に、」
晴張 希海
俺が戻るのは『いつか』じゃ意味がない。
鴨川 水歩
「そうだよ」
鴨川 水歩
「だから、あたしは、それでいいよ……」
堆橋 みやび
「ちょっぴり誰かのフレーバー」
堆橋 みやび
「あたしとおねーさんはそうだけど」
堆橋 みやび
「おにーさんは違うのかな」
堆橋 みやび
そちらを見る。
晴張 希海
「…………」
晴張 希海
「俺は」
晴張 希海
「結構、好きだからさ」
晴張 希海
「理不尽なことで怒られたり、排水口に足突っ込んだり」
晴張 希海
「待ち伏せされて刺されそうになったり、新品のスマホ落とて割ったりするときもあるけどさ」
晴張 希海
「買おうとした魚が目の前で半額になったり、適当に回したふくびき券で3等が当たったり」
晴張 希海
「なんか、そういうしょうもないことが」
晴張 希海
「嬉しいんだよね」
鴨川 水歩
「……まじでしょうもないな」
晴張 希海
いい服も、いい車も、いい酒にも、別に執着はなくて。
晴張 希海
そんなしょうもないことで、一喜一憂して
晴張 希海
「あはは……」
晴張 希海
「でも」
晴張 希海
「それって、ここじゃできないからさ」
堆橋 みやび
「じゃあおにーさんは」
堆橋 みやび
「帰った方がいいよ」
晴張 希海
「そうするつもりだよ」
晴張 希海
「最初から」
鴨川 水歩
「……死んでも?」
晴張 希海
「死んでも」
堆橋 みやび
「おにーさんは、死ぬとしても」
堆橋 みやび
「その日々の中で死にたい?」
晴張 希海
「……俺、100年どころか10年ももたないと思うから」
晴張 希海
「死んでも、帰りたいかなぁ」
鴨川 水歩
「ちょっと意外……」
鴨川 水歩
ぽつりと、それだけ言って。
晴張 希海
たぶん、ここに一緒にいるのが恋人だったとしても。
晴張 希海
同じことを言った。
鴨川 水歩
湯気を失いつつある肉を見つめた。
晴張 希海
ヒトが変わっていくのを、見るのはつらいから。
晴張 希海
離れることも、死ぬことも、殺すこともできずに。
晴張 希海
一緒に、心が削れていくだけだなんて。
晴張 希海
きっと、耐えられない。
GM
三人の前で、肉が冷めていく。
ローズマリーの香りが褪めていく。
GM
この日々もいつか、同じように、何かを失っていくのだろうか。
GM
損ない、毀れ、削れて。
GM
それがいつかはわからない。永遠の先かもしれない。
GM
けれど。いつかは。
GM
GM
次の手番はどうしましょうか。
GM
では、みやびさんのシーンです。
GM
*第3サイクル 堆橋 みやび
堆橋 みやび
結局のところ。
堆橋 みやび
あのおにーさんについては何も知らない。
堆橋 みやび
帰りたくて、日常が好きで。
堆橋 みやび
そこで死にたいって思ってる人。
堆橋 みやび
あの人って、何を考えてるんだろう。
堆橋 みやび
*PC1晴張 希海の秘密を調査します 使用特技は≪死≫
GM
はい。では振ってください。
堆橋 みやび
2D6>=5 (判定:死) (2D6>=5) > 7[3,4] > 7 > 成功
GM
成功ですね。お送りします。
晴張 希海
「…………」
晴張 希海
言っていないことがある。
晴張 希海
ちゃんと、話しておかないといけない。
晴張 希海
話すべきだと思う。
晴張 希海
自分でさえ、何もわからないとしても。
堆橋 みやび
彼を見ている。
晴張 希海
開いた目と、視線が合う。
堆橋 みやび
瞬き。
堆橋 みやび
*秘密を共有します
GM
OK では公開。
晴張 希海
「……みやびちゃんさ」
堆橋 みやび
「ん」
晴張 希海
「最初に、ここであったときのこと、覚えてる?」
堆橋 みやび
「うん」
晴張 希海
「『前にどこかで会ったことある?』って、聞いたよね」
GM
◆PC1【秘密】
ショック:なし。あなたは、この一日で出会うよりも前にPC2の顔を見たことがある。いつ、どこでかは思い出せないものの、あの驚愕に彩られた表情は目に焼き付いている。しかし、PC2はあなたを覚えていないようだが……。
晴張 希海
「……あれね、本当に。俺は見覚えがあって」
堆橋 みやび
「うん」
晴張 希海
「どこで、どんなときだったかは思い出せないんだけど」
堆橋 みやび
見たことあったっけと。首を傾げる。
堆橋 みやび
……あんまり人の顔覚えるの得意じゃない。
晴張 希海
「……君は、すごく驚いてたみたいで」
晴張 希海
「…………」
堆橋 みやび
「なんでだろ」
堆橋 みやび
「……思い出せない」
晴張 希海
「交通事故で死んだ……って、書いてあったよね」
堆橋 みやび
「うん」
晴張 希海
「俺たち、一緒に轢かれたのかもしれないし」
晴張 希海
「…………」
晴張 希海
「俺が、もし、君を……」
堆橋 みやび
「轢いてたら、ってこと?」
晴張 希海
「…………」
堆橋 みやび
「でもわっかんないじゃん」
堆橋 みやび
「そうと決まったわけでもない」
堆橋 みやび
「もしかしたら」
堆橋 みやび
「あたしが大学の道ショートカットしようとして」
堆橋 みやび
「フェンス登ってたの、見られた時かもしんないじゃん」
堆橋 みやび
「その場面だったかも、しれないじゃん」
晴張 希海
「みやびちゃん……」
晴張 希海
「……ありがとう」
堆橋 みやび
「???」
堆橋 みやび
本当にそうだと思っている顔をしている。
堆橋 みやび
これっぽっちも、彼の不安が分かっていない。
鴨川 水歩
たぶんこの子慰めようとしてるわけじゃないとおもうよ……というまなざし。
堆橋 みやび
本当にそうだと思っているまなざし。
晴張 希海
「…………」
晴張 希海
本当に。ずるい。
晴張 希海
救いたいのは、自分ばかりだ。
堆橋 みやび
人の悪意にも、善意にも。
堆橋 みやび
あんまり興味がないのだ。
鴨川 水歩
ちょっとうらやましいな、そういうとこ。
堆橋 みやび
おねーさんにガムを差し出す。
晴張 希海
糾弾されて、拒絶されても仕方ないと思っている。
堆橋 みやび
いちごあじ。
晴張 希海
それでも。
鴨川 水歩
ありがと。もらう。
堆橋 みやび
おにーさんにはどうしようかな。
堆橋 みやび
ライム?
堆橋 みやび
なげちゃお。えい!
鴨川 水歩
良いお酒の味、全部わかんなくなっちゃうね。
堆橋 みやび
明日には忘れちゃうお酒の味より。
堆橋 みやび
いつもの味の方が良くない?
鴨川 水歩
それはそうかも。
堆橋 みやび
何時までここに居られるか分かんないから。
晴張 希海
「本当に、帰らないつもりなの?」
堆橋 みやび
何時まで、3人でこうしていられるか分かんないから。
堆橋 みやび
「うん」
堆橋 みやび
「帰ったらさ、おねーさん一人になっちゃう」
鴨川 水歩
即答するみやびを、少し眩しそうに見つめる。
晴張 希海
「……わかった」
晴張 希海
もし、俺がみやびちゃんを轢いてしまったのだとして。
晴張 希海
もし、俺だけが生き返ったりして。
晴張 希海
もし、彼女のご両親が俺を殺そうとすることがあっても。
晴張 希海
彼女の言葉をずっと覚えていようと、思った。
堆橋 みやび
でもさ、おにーさん。
堆橋 みやび
もしそうだとしてさ。
堆橋 みやび
それがなかったらこうして、
堆橋 みやび
おねーさんとは会えなかった。
堆橋 みやび
おねーさんはひとりきりでここに閉じ込められて。
堆橋 みやび
あたしもあっちでつまんない毎日送って。
堆橋 みやび
ね。
堆橋 みやび
それってさ。
堆橋 みやび
つまんなかったんじゃないかなって思うんだ。
堆橋 みやび
今よりずっとね。
鴨川 水歩
あたしはといえば、べつに。ひとりきりでぜんぜん大丈夫だったのに。
鴨川 水歩
ひとりきりでたのしかったし、大丈夫だったし、コワイものもなかったのに。
鴨川 水歩
きみたちに出会って、きゅうに、もう、ほんとうに、急に。
鴨川 水歩
あたしってばめちゃくちゃにさみしくて、つまんなくて、怖かったんだって。
鴨川 水歩
どうも、いまさらわかっちゃったらしい。
鴨川 水歩
いやになっちゃうな。
GM
きらびやかな照明が、三人を照らしている。
GM
そこにある心の内側も、闇の中から拾い上げられて。
GM
今、そこに、その交わらなさも。
GM
交差した何かが、また離れていくのを。
GM
感じている。
GM
GM
*第3サイクル 晴張 希海
晴張 希海
堆橋 みやびに感情判定をします。
GM
よいでしょう。先に振ってもロールのあとでも構いません。
晴張 希海
話してからかな~
GM
OK!
晴張 希海
二人でちょっと話したいかな~と思うのでどうしよかな
晴張 希海
2d6 (2D6) > 4[2,2] > 4
GM
4 病院。清潔なにおいだけが残っている。診てはもらえないが、ここでは病気も怪我も、24時間経てばもとに戻る。
晴張 希海
「…………」
晴張 希海
もう少し、聞きたいことがあった。
晴張 希海
確かめたいことも。
晴張 希海
「あのさ」
晴張 希海
「ちょっと気になることがあるんだけど」
晴張 希海
スマートフォンを取り出して。
晴張 希海
「この、交通事故って話。」
晴張 希海
「もし、近くの病院に運ばれたりしたのならさ」
晴張 希海
「なにか残ってないかな」
堆橋 みやび
「何か?」
鴨川 水歩
冷めた肉を頬張っている。
鴨川 水歩
「ふお」
晴張 希海
「記録」
GM
カルテや、受け入れ記録や、そんなもの。
普通ならば見られないだろうが、今は誰にはばかることもないだろう。
晴張 希海
スマホでマップを検索する。
晴張 希海
それをテーブルにおいて
晴張 希海
「ここで事故が起こったとすると、多分運ばれるのはここの大きい病院だから」
晴張 希海
「事故の時間とか、生きてたならどのくらいまで生きてたのかとか」
鴨川 水歩
「どうなんらほねえ」
鴨川 水歩
ごくん。
鴨川 水歩
ちら、とみやびを見る。
堆橋 みやび
「どうなんだろ」
堆橋 みやび
「わかんない」
晴張 希海
「時間とか状態によってはさ」
晴張 希海
「ここから出たときに『死んでる』とは限らないし」
鴨川 水歩
「ああ」
鴨川 水歩
「あれか、いままさに生死の境をさまよってる、てきな」
晴張 希海
「そうそう」
鴨川 水歩
映画とか漫画でよくあるやつね。
鴨川 水歩
ま、つまりあたしはかなり死側なわけだが……
堆橋 みやび
「そうなら記事にならないんじゃない?」
晴張 希海
「このアイコンのアプリも、本当にあるかわからないからね」
晴張 希海
「まあ、それで何が変わるかっていうのもわからないけど」
鴨川 水歩
「なんかあるよね~、ほら、都市伝説でさ」
鴨川 水歩
「夜中のテレビの砂嵐のなかに、明日死亡する人のリストが流れる……みたいな」
鴨川 水歩
「やべ、縁起でもないこと言っちゃった」
晴張 希海
戻ったときに死んでいるのでは、という懸念が。
晴張 希海
もしも杞憂だったとしたら。
鴨川 水歩
「ま、いいんじゃない?確かめに行くのくらいは」
堆橋 みやび
「ね」
堆橋 みやび
ガムを仕舞う。
晴張 希海
「じゃ、ちょっと行ってみようか。遠くなさそうだし。」
堆橋 みやび
「うん」
GM
希海の示した病院は、車なら15分かからないだろう。
GM
渋滞どころか、信号待ちもない。
GM
時は既に真夜中。
GM
しかし、病院の窓は、そのすべてが煌々と白く光っている。
GM
夜になっても、消灯を促す者は誰もいない。
晴張 希海
夜の病院は怖いものだと思っていたけれど
晴張 希海
流石に不気味さはあるが、無機質な建物にそういう怖さは感じない。
晴張 希海
自動ドアの電源も入ったままで、明るい建物に足を踏み入れる。
晴張 希海
「やっぱり、受付とかナースステーションとかかな」
堆橋 みやび
「そんなところに大事な書類あるのかな~」
鴨川 水歩
「大事な書類じゃなくてもいいんじゃない?」
晴張 希海
「そうそう、受付でもカルテでも」
鴨川 水歩
「ふたりの受け入れ記録でしょ、たぶん、欲しいのは」
晴張 希海
「それが分かればパソコンで調べられると思うし」
鴨川 水歩
「あたしICUとか見て来ちゃおっかな~」
鴨川 水歩
ぺったぺったと素足が病院の廊下を歩いていく。
鴨川 水歩
いまさら夜の病院が怖いということもないらしい。
晴張 希海
「じゃ、こっちの書類とかみてくか」
晴張 希海
ナースステーションの中へと入っていく。
GM
普通なら忙しく人の行き来する場所も、今はしんとしている。
GM
当然、入ったことなどない場所。
GM
誰かが立ち上がったばかりのように、斜めになった椅子。
GM
卓上、なんらかの書類の上に転がったボールペン。
GM
その後ろに、書類棚。
GM
どれがどんなものやら、開けてみるまでわからないが。
晴張 希海
「みやびちゃん、そっち見てもらってもいいかな」
晴張 希海
「たぶん、名字の並びになってると思う」
晴張 希海
受付の机の上の来訪者名簿を取り上げながら、背後の棚の方をお願いする。
堆橋 みやび
「うん」
堆橋 みやび
がさがさと探索する。
晴張 希海
名簿の面会者のなかに、見知った名前がないかを探しながら。
堆橋 みやび
見覚えのない名前ばかりだ。
晴張 希海
「…………」
堆橋 みやび
そもそも名前を覚えるのが苦手で。
堆橋 みやび
只の文字列に見える。
晴張 希海
「みやびちゃん、さ」
晴張 希海
「もし、生きて戻れるってなっても」
晴張 希海
「やっぱり、のこるつもり?」
堆橋 みやび
「うん」
晴張 希海
「水歩ちゃんをひとりにしたくないから?」
堆橋 みやび
「別に戻りたい理由も」
堆橋 みやび
名前を追う。
堆橋 みやび
「ないといえばないし」
晴張 希海
「…………」
晴張 希海
「水歩ちゃんが戻るって言ったら」
晴張 希海
「どうする?」
晴張 希海
「ひとりでも残る?」
堆橋 みやび
「……わかんない」
堆橋 みやび
ファイルを仕舞う。
晴張 希海
「俺はさ」
晴張 希海
「君が、現実に嫌気が差して、もう二度と帰りたくない……って言うなら、こんなに言わないんだけどさ」
晴張 希海
「違うと思って」
堆橋 みやび
「うん」
堆橋 みやび
「そんなに気になる?」
晴張 希海
「気になる」
晴張 希海
「っていうか……まあ、気になるはそうなんだけど」
晴張 希海
「ほっとけなくて」
堆橋 みやび
「ほっとけない」
堆橋 みやび
「お世話好き?」
晴張 希海
「……っていうか」
晴張 希海
「昔の俺みたいっていうか」
晴張 希海
「……人生変わる瞬間」
晴張 希海
「って、なんか、実際あるんだよね」
晴張 希海
「色が変わったみたいな感覚とか、映画で別のBGMに変わるときとか」
堆橋 みやび
瞬き。
晴張 希海
「そういうの」
晴張 希海
「適当に勉強して、適当に決めた大学に行って」
晴張 希海
「なんか、誘われたからって理由でホストしてるけど」
晴張 希海
「今の俺には、帰りたいって理由がある」
堆橋 みやび
「何で帰りたいの?」
晴張 希海
「悲しませたくない人がいるから」
晴張 希海
「俺が会いたいだけかもだけど」
堆橋 みやび
「じゃあ帰んないと」
堆橋 みやび
「会いたい人に会えないのって辛いもんね」
晴張 希海
「うん」
晴張 希海
「でもね」
晴張 希海
「たぶん、君と同じ年の頃なら、帰らなくてもいいかって思ってた」
晴張 希海
「何年だか、何十年だかわからないけど」
晴張 希海
「君にもそういう時が来るんじゃないかなって思って」
堆橋 みやび
「未来の事って」
堆橋 みやび
「よくわかんなくて」
堆橋 みやび
ファイルの背には「か」行の表示。
堆橋 みやび
「今の事しか見えなくて」
晴張 希海
「そりゃそうだよ」
晴張 希海
「未来って、『瞬間』の連続だから」
晴張 希海
「来るまでわからない」
堆橋 みやび
瞬き。
堆橋 みやび
「そうかも」
晴張 希海
「ここに残るってことは、今を『続けない』ことだよ」
堆橋 みやび
「うん」
晴張 希海
「俺は、みやびちゃんには」
晴張 希海
「見つかるまで進んでほしい。見つからなくても……」
堆橋 みやび
「でもそうしたら」
堆橋 みやび
「おねーさんはどうなるの?」
堆橋 みやび
「ひとりぼっちなの?」
堆橋 みやび
「この、繰り返しの中で一人きりで」
堆橋 みやび
「今を『続けられない』」
堆橋 みやび
続けないではなくて。
晴張 希海
「わからない」
堆橋 みやび
おねーさんは続けられないのだ。
堆橋 みやび
たぶん。
晴張 希海
「ここが何なのかもわからない」
晴張 希海
「でも、死んだ人が生き返らないように」
晴張 希海
「それが、『正常』なのかもしれない」
晴張 希海
「…………」
晴張 希海
「うん」
晴張 希海
「君が二人で残りたいと言うならもちろん止めない」
晴張 希海
「でも、もし……水歩ちゃんが君をおいて戻ろうとすることがあれば」
晴張 希海
「俺は、君を連れて行く」
堆橋 みやび
「どうして?」
堆橋 みやび
「おねーさんがそうしたいなら」
堆橋 みやび
「あたしはいいよ」
晴張 希海
ん~
晴張 希海
「君が、そういう子だから、かな」
堆橋 みやび
ん~になるのを見ている。
堆橋 みやび
「でも、ずっとここにいて」
堆橋 みやび
「全然大丈夫じゃないのに」
堆橋 みやび
「“けっこう”大丈夫なんて強がり云うおねーさんに」
堆橋 みやび
「そろそろ、良いことがあって欲しいと思う」
堆橋 みやび
「あたしはね」
堆橋 みやび
「か行」のファイルを仕舞う。
晴張 希海
「…………」
晴張 希海
「君は」
晴張 希海
「本当に『今』だけが大事なんだね」
堆橋 みやび
「そうだよ」
堆橋 みやび
「大事なものってたぶん」
堆橋 みやび
「抱えて見ないとわかんなくて」
晴張 希海
「君を」
堆橋 みやび
「それを持ってないあたしは多分」
晴張 希海
「大事に思っている人のことは考えてない」
堆橋 みやび
「おにーさんのその優しい気持ち、上手く受け取れてないと思う」
堆橋 みやび
「そうかもね」
晴張 希海
「俺は自分が可愛いだけだよ」
晴張 希海
「君のご両親に『なぜお前だけ』とか言われるのとか」
晴張 希海
「店辞めさせられんのとか」
晴張 希海
「考えて、そういうのから逃げたいと思ってるだけ」
堆橋 みやび
「じゃあ何も言わなければいいのに」
堆橋 みやび
「あたしのことなんて知らない振りをすればいいのに」
堆橋 みやび
「なのにどうしてそんな必要ないしんどいきもち」
堆橋 みやび
「背負おうとするの?」
晴張 希海
「ん~……」
晴張 希海
「生きたいからかな」
堆橋 みやび
「生きるってどういうこと?」
堆橋 みやび
「おにーさんにとって」
堆橋 みやび
「生きるって、なに?」
晴張 希海
「新しいものと出会うこと」
晴張 希海
「君が、ここで俺たちに会ったときみたいな、ね」
晴張 希海
【笑い】で感情判定します。
GM
いいでしょう。どうぞ。
晴張 希海
2D6>=5 (判定:笑い) (2D6>=5) > 5[1,4] > 5 > 成功
GM
成功。相互にFTをどうぞ。
晴張 希海
FT 感情表(3) > 愛情(プラス)/妬み(マイナス)
晴張 希海
愛情で…………
堆橋 みやび
FT 感情表(4) > 忠誠(プラス)/侮蔑(マイナス)
晴張 希海
「君に、もっと」
晴張 希海
「新しいものを見せてあげたいよ」
晴張 希海
「だって、もっと笑ってほしいから」
堆橋 みやび
その目を見ている。
堆橋 みやび
「…………」
堆橋 みやび
*忠誠を取ります
GM
わかりました。
堆橋 みやび
「誰かに笑って欲しい気持ちは分かるよ」
堆橋 みやび
「あたしも」
堆橋 みやび
その考えに頷く。
堆橋 みやび
別に未来なんてどうでも良くて。
堆橋 みやび
瞬間がいつか未来になるなんて実感もないけど。
堆橋 みやび
“笑って欲しい”って思う気持ちは。
堆橋 みやび
ちょっとわかるのだ。
晴張 希海
本当のやさしいという言葉は、彼女のような人にふさわしいのだろう。
晴張 希海
だからだろうか。
その世界に、鮮やかな花を添えたいと思うのは。
晴張 希海
生きていてほしいと思うのは。
晴張 希海
実際、何が理由なんかなんて、自分にもわからない。
晴張 希海
それでも、もし必要なら。嫌われたとしても。
晴張 希海
「……よかった」
晴張 希海
「気持ち悪いとか言われたら立ち直れないところだったよ」
堆橋 みやび
「それはさすがにシツレイすぎでしょ」
堆橋 みやび
「あたしのこと、子供だと思ってる?」
晴張 希海
「えっ、いや……そんなことないよ?」
晴張 希海
そんな事ないから困るんだけど。
晴張 希海
「じゃあ、もしだけど」
晴張 希海
「もし、一緒に戻ることになったら」
晴張 希海
「また、ちゃんと話をしよう」
晴張 希海
「楽しいとこで」
堆橋 みやび
少し考えた。
堆橋 みやび
「うん」
堆橋 みやび
頷いて、ファイルを置く。
鴨川 水歩
ぺったらぺったらと呑気な足音が戻ってくる。
行って、戻ってきたらしい。
晴張 希海
「あ」
晴張 希海
「何かあった?」
鴨川 水歩
「なんもなかった~」
鴨川 水歩
「ていうか流石に鍵とかいるみたいでさあ、探したんだけどなくて」
鴨川 水歩
「ガラスぶちやぶってもよかったけど……」
堆橋 みやび
「おかえりなさー」
堆橋 みやび
「ガラスを」
鴨川 水歩
発想が誰もいない世界に染まっている。
晴張 希海
「危ないからやってなくてよかったよ」
堆橋 みやび
ちょっと笑った。
鴨川 水歩
「学校のガラスぜんぶぶちやぶれ~♪みたいな歌あったよね」
鴨川 水歩
みやびが笑っているのを見て、にへへと笑う。
堆橋 みやび
どうしてこのままじゃいけないんだろう。
堆橋 みやび
そんな事を考える。
堆橋 みやび
どうしてこの瞬間は未来へ続かないんだろう。
堆橋 みやび
あたしが欲しいのは多分、この瞬間の先の未来なのになって思う。
鴨川 水歩
この様子だと、たぶんふたりの成果も芳しくなかったのだろう。
鴨川 水歩
この子がもう死んでいる証拠なんて、見つからなくってよかった。
鴨川 水歩
のそのそとナースステーションに入ってくる。
晴張 希海
もし、目覚めたら
晴張 希海
全部忘れてればいいのにって思う。
晴張 希海
ここで3人、生きている。
晴張 希海
生きているとしか言いようがないのに。
晴張 希海
俺は、殺そうとしてるんだ。
晴張 希海
それは死体だと、言い聞かせて。
晴張 希海
「面会者名簿、見る?」
堆橋 みやび
頷く。
鴨川 水歩
「見る見る」
晴張 希海
クリップボードに挟まれた紙に、面会日時と名前が書いてある。
鴨川 水歩
知らない人の名前ばっかり。そりゃあそう。
鴨川 水歩
「お、これすごい名前。後手河原さんだって」
鴨川 水歩
どうでもいい人の名前ばっかり。そりゃあそう。
堆橋 みやび
「間違えそう」
堆橋 みやび
「後手なのか手後なのかとか」
晴張 希海
「俺の方は知ってそうな名前なかったけど」
晴張 希海
「そういう段階じゃなかった可能性もあるな」
鴨川 水歩
「……時間がさ」
鴨川 水歩
「戻ってきたときぜったい、14時32分、じゃない?」
堆橋 みやび
「うん」
鴨川 水歩
「ちょっと前までそうじゃなかった気がするんだよね」
堆橋 みやび
「そうなの?」
堆橋 みやび
先に居たもんね。
鴨川 水歩
「はっきりしたことは言えないんだけどさ」
鴨川 水歩
なんせもそれも ずいぶん前のことだからさあ
鴨川 水歩
「だから、その時刻なことが、なんか関係あったりすんのかもな~って」
晴張 希海
「なるほど……」
鴨川 水歩
そして、それはあたしには、もう関係がなかったりするのかもなって。
堆橋 みやび
おねーさんをつつく。
堆橋 みやび
「へんなかおしてる」
鴨川 水歩
「え、そう?」
晴張 希海
「…………」
鴨川 水歩
「けっこう盛れてるとおもうんだけどな~」
鴨川 水歩
ポーチから手鏡を出して前髪を整えた。
堆橋 みやび
「かわいい」
堆橋 みやび
そんな他愛ない会話をして。
堆橋 みやび
結局ここではなにも見つからないまま。
堆橋 みやび
二人に行こう、と目配せする。
鴨川 水歩
「みやびちゃんものぞみんも、かわいいよ~」
鴨川 水歩
ぱちんと鏡を閉めて、それに倣った。
晴張 希海
そうかな~
GM
誰もいない病院には、生のにおいも死のにおいもしなかった。
GM
通り過ぎる待合室で、時計がゆっくりと時を刻んでいる。
GM
それもまた巻き戻る。あなたがたがここにいる限り。
GM
GM
メインフェイズがすべて終了しました。
GM
これより、クライマックスフェイズに移行します。