GM
ふたりきりで悪いことをしよう。
ほの暗い秘密はいつだって魅力的で甘美な味がする。
GM
ふたりきりで悪いことをしよう。
薄暗い悦びがいつまでも二人を繋いでいてくれるように。
GM
マルチジャンル・ホラーRPG インセイン
『同じ地獄に落ちようね』
GM
手を取り合ってどこまでも行こう。……ね?
GM
GM
導入ですが、PC2のシーンから、PC2がPC1に電話をかけるところでPC1のシーンに接続するかたちで進めていきます。
香月 花雪
はーい
GM
では早速。
GM
*導入フェイズ 香月 花雪
GM
――やってしまった。
GM
自宅。目の前に横たわるものは、息をしていない。
投げ出された身体はぴくりとも動かない。
GM
どうしよう。どうしようか。
GM
頭をぐるぐると巡る……
GM
そして、やがてその渦は収束する。
GM
埋めるのがいい。
香月 花雪
「…………」
香月 花雪
手元を見下ろす。
香月 花雪
学園祭で使用したブルーシートと、引っ越しの際に余ったロープ。
香月 花雪
手袋をはめて、重たいそれを包み、巻いていく。
香月 花雪
思った以上に難しい。
香月 花雪
ドラマなんかじゃ、女の人だってやってるのに
GM
それはぐったりと重い。
香月 花雪
こんなに難しいと思わなかった。
香月 花雪
ブルーシートを海苔巻きのようにかけて、ごろんと転がし
香月 花雪
その下を通したロープをきつく縛っていく。何本も。
香月 花雪
頭も、足もはみ出ないように。
香月 花雪
「はぁ……」
GM
完成したそれは、不格好ながらに死体袋。
香月 花雪
「…………」
香月 花雪
あとは、どこに埋めるか。そして、どうやって運ぶかだ。
香月 花雪
流石に自動二輪には乗せていけない。
香月 花雪
そうだ。
香月 花雪
右手の手袋を外して、スマートフォンを手に取り。
香月 花雪
長いアドレス帳の列から検索で引っ張り出した、「後野くん」の連絡先をタップする。
GM
*導入フェイズ 後野 やまと
GM
夜は静かだ。夕飯を食べ終えてしばらく経った、ぼんやりとした隙間の時間。
後野やまと
特にすることもない。惰性でショート動画を眺めている。
後野やまと
時々小さく笑ったり、顔をしかめたり。
後野やまと
このまま寝落ちしたら流石にヤバいな、程度の危機感で身体を起こす。
GM
その、淡い淡い危機感のふちを。
GM
スマートフォンの振動が揺らす。
GM
メッセージではない。通話だ。
後野やまと
うわ、と小さく漏らす。画面に大きく出る名前ーー香月先輩。
後野やまと
3コール。4コール。うーん。5コール。
後野やまと
酔って掛けてくるような時間じゃないな。
後野やまと
6コール。
後野やまと
合コンの数合わせ。……いや、流石におれじゃなくてもいるだろう。
後野やまと
7コール。
後野やまと
切れない。
後野やまと
「……はい」
後野やまと
通話ボタンをタップして、スピーカーをオンにする。
香月 花雪
『…………あ』
香月 花雪
普段の明るい声ではなく、「出た」
香月 花雪
というような一言。
後野やまと
「もしもし」
後野やまと
その一声で
後野やまと
なんだかいつもと違う、と直感して、両手でスマホを持つ。
香月 花雪
「あ。あー……後野くん?」
後野やまと
「はい、後野ですけど」
香月 花雪
「ちょっとさ、その……手伝ってほしいことがあって」
後野やまと
「はあ」
後野やまと
「なにを?」
香月 花雪
「あーうーん……今から、うち来れる?車で。」
後野やまと
「は?車?今からですか?」
香月 花雪
「今から」
後野やまと
「なんで」
香月 花雪
「…………」
後野やまと
「え、なになに、なんですか、黙んないでくださいよ」
後野やまと
「まさか人殺したとか?はは。」
香月 花雪
「…………」
後野やまと
「……」
後野やまと
黙るなよ……
香月 花雪
「君にしか、頼めないと思ってさ」
香月 花雪
「ほら、俺バイクでしょ?」
後野やまと
いやいやいや。否定しろよ。
後野やまと
いやいやいや。
後野やまと
「いや、は……?なに……?」
香月 花雪
「…………手伝ってくれない?埋めるの。」
後野やまと
とっさにスピーカーを切って、手を伸ばしてイヤホンケースを掴む。
後野やまと
イヤホンを耳につける手が震えている。
後野やまと
「マジで言ってんの……?」
香月 花雪
「冗談でこんな電話しないよ、こんな時間に」
後野やまと
薄く笑うような溜息。
後野やまと
「まだぜんぜん、たいした時間じゃないですよ」
後野やまと
今なら冗談と言ってくれても良い。そんな調子。
後野やまと
いや、問題なのは時間じゃない。そうじゃない。
後野やまと
「……なんでおれに」
香月 花雪
「言ったでしょ。『君にしか、頼めないと思って』」
後野やまと
「……ーー」
後野やまと
「15……30分くらい、で」
後野やまと
「着きます、たぶん」
香月 花雪
「待ってる」
後野やまと
目についたパーカーを適当に被って、そのへんのバッグを引っ掴んで。
こういうときって何持ってけばいいんだ。
後野やまと
指紋がつかないように、手袋。顔が分かりづらいように、マスク。
GM
香月の言った、埋める、という単語がリフレインする。
後野やまと
ひとごろし。うめる。だれを。なんで。なにを。うめる。うめる。
後野やまと
とっさに納屋のショベルを持ち出す。
GM
大きく無骨なそれを、愛車の後部座席に放り込む。
後野やまと
片田舎じゃ何をするにも車が要る。
父が腰を悪くしてから、家の足は自分と姉が交代でやっている。
だからこれは、おれの車。
後野やまと
車で。って。
後野やまと
どこまで行くつもりだろ。
後野やまと
エンジンを掛ける。アクセルを踏んで。
事故ったらシャレにならない。妙に心は落ち着いていた。
GM
夜道をヘッドライトが切り裂いていく。
GM
車通りは少ない。
GM
よく晴れた夜空。
GM
小さな小さな月が、星に囲まれて天に浮かんでいる。
GM
……そして、香月の家。
後野やまと
一段一段、音の鳴らないよう階段を踏んで上がる。
慌てて扉を開けたら冗談、とか言われるのではないかと。
後野やまと
心のどこかにまだ、そんな気持ちが残っている。
後野やまと
チャイムを鳴らすのも恐ろしくて、スマホにメッセージを送る。
後野やまと
『つきました』
香月 花雪
鍵の開けられる音がして、扉が開く。
香月 花雪
「来てくれたんだ」
香月 花雪
「……はいって」
後野やまと
「あんたが来いつったんだろが……」
香月 花雪
ゴチャ付いた室内は、少し物が散らばっていて
香月 花雪
体の向こう側に、すでに青いシートにくるまれた何かが横たわっているのが見える。
後野やまと
「……」
後野やまと
うわー。うわー。うわー。まじか。
後野やまと
思ったことが頭のなかでなんだかくにゃくにゃした文字になる。
それをどこか平然と眺めている自分がいる。
後野やまと
このひとあいかわらず、かお、いいな。
後野やまと
「……」
後野やまと
香月を見る。
香月 花雪
来てくれたのが少しうれしい、という顔。
香月 花雪
玄関の戸を一度しめると、ビニールシート……『死体袋』のもとへ行き
香月 花雪
「これ、なんだけどさ」
香月 花雪
「埋めたら大丈夫かな」
後野やまと
「……」
後野やまと
のこのこついて行くと、二人して間抜けにビニールシートの包みを見下ろすことになる。
後野やまと
「さあ……」
後野やまと
「わかんないです」
後野やまと
自分で口にする言葉がどこか浮ついている。
後野やまと
大丈夫かどうかで言えば、あんまり大丈夫ではなさそうだけど。
後野やまと
「山とかですか、やっぱ」
香月 花雪
「そうだねぇ」
香月 花雪
「俺も、こんな事になっちゃったの初めてだからさ」
香月 花雪
その場にしゃがんで、じっと死体袋を見下ろす。
後野やまと
そりゃそうだろ。
香月 花雪
後野を見上げ
香月 花雪
「でも……」
香月 花雪
「君が来てくれてよかった」
後野やまと
「おれが来なかったらどうするつもりだったんですか」
GM
そんなことを言いながらも。
GM
来てしまった以上は、もう、やるしかない。
GM
山。ここからだと……。
GM
ふわついていた思考が、具体的な形を持ち始める。
香月 花雪
「1人でずっと座ってたかも」
後野やまと
「あんたほんと……」
GM
さあ、二人で。
GM
夜を始めよう。
GM
GM
では、メインフェイズに入っていきます。
GM
この時点で後悔されるハンドアウトは、それぞれのPCのものと、後野くんの『車』。
GM
HO:【PC1】

貴方は仲が良いPC2の死体を隠蔽したいという言葉に悩んだ後首を縦に振ることにした。
それが犯罪であることも理解しているうえで、役に立ちそうなものを車に詰め込んだ。
貴方の使命は【死体の隠蔽をする】ことだ。
プライズ「ショベル」を最初から所持している。
GM
HO:【PC2】

貴方は人を殺してしまった。はじめはただの些細な口論だったはずだ。
捕まるワケにはいかない、死体も証拠もすべて隠蔽してしまおうと考えた。
一人でうまくできないと考えた貴方は震える手で手伝いを頼もうと仲の良かったPC1に電話を掛けた。
貴方の使命は【死体の隠蔽をする】ことだ。
プライズ「死体袋」を最初から所持している。
GM
HO:【車】

PC1の所持している軽自動車。
すこし古い車ではあるが、まだまだ乗れる愛車だ。
この車に死体を乗せて埋めに行こう。
GM
プライズ【ショベル】

頼れる武器にもなるが、持ち運ぶには大きすぎる。
死体を埋めるなら必須なものだ。
このプライズの所持者は1度だけアイテム武器としてこれを扱っても良い。
このプライズに秘密はない。
GM
プライズ【死体袋】

ブルーシートとロープでぐるぐる巻きにされている。
シート越しに触れてみてももう筋肉は固まり、人間だった頃の温もりは感じられずいやに重い。
このプライズの所持者はいつでも秘密を見ることができる。
GM
そして、シーン表。
GM
1.じわりとした汗がまとわりつく。今日はやけに湿度の高い夜だ。
2.虫の声が静かな夜に響き渡る。感覚が研ぎ澄まされているのか、いつもよりよく聞こえる。
3.ごと、と大きな音がする。びくとして音の方向を見るとPC1が持ってきた荷物がバランスを崩しただけだ。シーンに登場しているPCは<物音>で恐怖判定。
4.悪いことをしている事実が胸を満たしていく。背徳感の中にはたしかな興奮があった。シーンに登場しているPCは<悦び>で恐怖判定。
GM
サイクル数は1。各自1手番ずつしかないのでよく考えてね。
GM
では、どちらから?
後野やまと
じゃ、おれから
GM
*メインフェイズ 後野やまと
後野やまと
1d4 (1D4) > 2
GM
2.虫の声が静かな夜に響き渡る。感覚が研ぎ澄まされているのか、いつもよりよく聞こえる。
GM
窓の外は静かだ。大きな音も、人の声もしない。
GM
ただ、夜が横たわっている。
GM
普段なら気にもとめないような、かすかな音が耳についた。
後野やまと
びく、と大袈裟に肩を震わせる。
後野やまと
冷蔵庫の音だ、たぶん。
後野やまと
「……これ、ほんとに死んでるんですか」
香月 花雪
「うん」
香月 花雪
「結構、時間たってるし……もう冷たいし」
後野やまと
好奇心半分、疑い半分で軍手のついた手をビニールシートの上に置く。
GM
なにか、固い感触。押せばわずかにだけ凹むような。
後野やまと
それがなにかの肉であるようには思えない。
GM
人間の死体。あなたが今まで触れたことのないもの。
香月 花雪
「もう運んじゃう?」
後野やまと
「そりゃ、早いほうがいいでしょうけど」
後野やまと
「どこにすっかな……」
後野やまと
手を離して、軽く振って、誤魔化すようにスマホの画面に目を落とす。
後野やまと
「あんま近いと足がつくし、かといってあんま遠くはな……」
香月 花雪
冷蔵庫からお茶のペットボトルを取り出して飲む。
後野やまと
「……おれにもくださいよ」
香月 花雪
「ん」
香月 花雪
キャップを締めてそのまま投げる。
後野やまと
「ちょっ、投げんな」
後野やまと
なんとかキャッチしたが、中身が泡立っている。
後野やまと
動転している……わけじゃない。このひとはいつもこうだ。
後野やまと
身勝手で、自由気ままで、どことなく浮世離れしていて。
後野やまと
そのくせ人に甘えることに関しては天下一品のクズ!
香月 花雪
「いい場所あった?」
後野やまと
「〇〇山とか?県境の」
後野やまと
検索履歴をいちいち神経質に消しながら調べる。
後野やまと
「一時間以内に決めて、運び出して、運転して穴掘って……」
後野やまと
「やっぱあんま遠くは無理ですね。明日おれ昼からバイトだし……」
香月 花雪
「バイト?そっか」
香月 花雪
うーん、と明後日の方を見ながら考え
香月 花雪
「じゃ、そこでいいや。つんじゃお」
後野やまと
「は!?」
後野やまと
「いやいやいや、そこって何処」
香月 花雪
「〇〇山?」
後野やまと
「もうちょっと吟味とかしません!?」
香月 花雪
「時間、ないんでしょ」
香月 花雪
「大丈夫、君が探してくれた場所だし……たぶん、見つからないよ」
後野やまと
「………………」
後野やまと
「なんでそんな他人事みたいに……」
後野やまと
「あんたわかってます?人生懸かってるんですよ」
香月 花雪
「…………」
香月 花雪
「君のもね」
後野やまと
「 」
後野やまと
「カス」
後野やまと
「……おれがケーサツ行くかもしれませんよ」
香月 花雪
「…………」
香月 花雪
「そうなったら、俺は捕まって死刑とかになるのかな」
後野やまと
「事情にもよるんじゃないですか」
後野やまと
「あるでしょ、情状酌量の余地とか」
香月 花雪
「君は俺に捕まってほしい?」
後野やまと
「……」
後野やまと
「べつ、に、そういうわけじゃないですけど……」
香月 花雪
「嬉しかったな、君がすぐに来るって言ってくれたとき」
香月 花雪
「ねえ、頼むよ」
香月 花雪
「手伝って」
香月 花雪
「お願い」
後野やまと
「……おれの人生も懸かってるってわかってんなら、その態度どうにかなんねえんですかって話ですよ」
後野やまと
「やだって言ったら?」
香月 花雪
「言うの?」
後野やまと
「言ったら」
香月 花雪
「ひとりでどうにかするしかないかな」
後野やまと
「できるんですか?」
香月 花雪
「無理」
後野やまと
「無理じゃん」
後野やまと
「いい年こいて甘え過ぎじゃないですか?」
後野やまと
「もうすぐ就活でしょ」
後野やまと
「そんなんでやってけるんですか?」
香月 花雪
「君がいればできるかなって」
香月 花雪
「それじゃ、だめかな」
香月 花雪
「ダメならやっていけないかも」
後野やまと
「…………」
後野やまと
「なにそれ」
後野やまと
「ダメすぎでしょ、せんぱい」
香月 花雪
「知ってると思ってた」
後野やまと
「ここまでとは思ってなかったですよ」
香月 花雪
「まあ、死体を埋めることになるなんて思わなかったしね」
香月 花雪
「もうちょっと刑事ドラマとか見とくんだったかな」
後野やまと
「ドラマはドラマでしょ」
後野やまと
「真似して上手くいくとかあるわけねーじゃん」
後野やまと
「……やっぱダメだな、一人じゃ絶対ムリですね、せんぱい」
香月 花雪
「警察に連絡する?」
後野やまと
「……おれ明日バイトあるんですって」
後野やまと
この男……ダメすぎる……
後野やまと
感情判定をします。
GM
はい。特技は?
後野やまと
【悦び】で。
GM
よろしいでしょう。どうぞ。
後野やまと
2D6>=5 (判定:悦び) (2D6>=5) > 6[2,4] > 6 > 成功
香月 花雪
FT 感情表(4) > 忠誠(プラス)/侮蔑(マイナス)
後野やまと
FT 感情表(3) > 愛情(プラス)/妬み(マイナス)
香月 花雪
忠誠で
後野やまと
……
後野やまと
愛情で……
GM
はい。
後野やまと
おれがいないと、たぶん、もうぜんぶダメだ、このひと。
後野やまと
ウケるな~。こんな顔きれいなのに。
後野やまと
おれよりぜんぜん役に立つやつ、いくらでもいるだろうに。
後野やまと
「せんぱい」
後野やまと
「……ねえ、せんぱい」
後野やまと
「どうしても、おれ?」
香月 花雪
「うん」
香月 花雪
「他に、いないなぁ……って」
後野やまと
「ほんとに他にいないんですか?」
後野やまと
「なんか仲いい人いたでしょ、ほら」
香月 花雪
「こんなこと話せるのは、君だけ」
香月 花雪
「相談できるのも、信頼できるのもね」
後野やまと
「……」
後野やまと
「じゃあ」
後野やまと
「……おれのいうこと、きいてくれます?」
香月 花雪
「なあに」
後野やまと
「これからずっと」
後野やまと
「おれのいうこと、きいて」
後野やまと
「……そしたら、手伝ってあげても、いいですよ」
香月 花雪
「ええ~」
香月 花雪
「気が向いたらじゃダメ?」
後野やまと
「ダメ」
香月 花雪
「うーん……」
香月 花雪
「じゃあいいよ」
後野やまと
「じゃあってなんですか」
後野やまと
「……じゃ、まあ」
後野やまと
「行きますか」
香月 花雪
冷蔵庫からお茶のペットボトルをもう一本出して飲む。
香月 花雪
「よろしく」
後野やまと
「もう一本あるならそっち寄越せアホ」
後野やまと
投げ返した。
GM
これは現実? 現実逃避?
GM
ああ。紛れもなく現実ではありながら、こんなことになるなんて思ってもみなかった。
GM
向かう先は決まった?
GM
ああ。地獄への道が、好意で舗装されていくね。
GM
だってこれはきっと、善意なんかじゃない。
GM
GM
*メインフェイズ 香月 花雪
香月 花雪
シーン表から
香月 花雪
1d4 (1D4) > 2
GM
2.虫の声が静かな夜に響き渡る。感覚が研ぎ澄まされているのか、いつもよりよく聞こえる。
GM
開け閉めした冷蔵庫が、失った冷気を取り戻そうと唸る。
香月 花雪
少しの物音が、いつもより鮮明だ。
GM
鈍い音。
香月 花雪
誰かが聞いているかもしれないという気持ちが、そうさせるのかもしれない
香月 花雪
「車、下に停めてる?」
後野やまと
「あ、はい」
後野やまと
結局泡立ったペットボトルの茶を飲んだ。あんまり飲んだ気がしない。
GM
更けていく夜の底。窓辺に寄れば、街灯に照らされた駐車場がこの部屋からでも見える。
香月 花雪
「じゃ、運んじゃう……?先に車の準備ってしたほうがいいのかな」
香月 花雪
ちら、と青い包みを見て。
香月 花雪
「明日、バイトなんだもんね」
GM
車の中には、さきほど放り込んだショベルや、それ以前に積まれていた細々したものが置き去りのままだ。
後野やまと
「トランク開けて、ふたりで下ろすのが良いと思いますけど」
後野やまと
「おれ開けてきましょうか」
香月 花雪
「いや、俺も行くよ。どっちにしてもふたりで運ばないとだし」
後野やまと
軽く肩を竦める。
後野やまと
「ダメ元で訊きますけど、先輩なんか掘れるものとか持ってます?」
香月 花雪
「あっ」
後野やまと
「あっじゃないよ あっじゃ」
香月 花雪
「いや、だってそういうの普通家においてないでしょ」
香月 花雪
アパートだし
後野やまと
「でしょうねえ」
後野やまと
「まあ、持ってきたんで、一本ですけど」
後野やまと
「どっかで買うとバレますからね」
香月 花雪
「後野くん、さすが」
香月 花雪
「君の車にのせてもらうの、いつぶりかな……終電逃して以来だっけ」
後野やまと
「先月も乗せたでしょ」
後野やまと
「終電逃したのはそれより前」
後野やまと
バッグを肩に掛けて、ゆるゆる立ち上がる。
香月 花雪
「そうだっけ」
後野やまと
「あんた酔ったら記憶飛ばす癖直したほうが良いですよ」
香月 花雪
「君が覚えててくれて助かるな~」
後野やまと
「はあ」
GM
そうして、なんだか、そこだけ見ればごくいつも通りの会話をしながらも。
GM
そこにはブルーシートの包みが転がっており。
GM
いつまでも、放ってはおけない。
香月 花雪
車、調べるか!
香月 花雪
なにか不安なことがないかを調べるので、【憂い】で
GM
はい。いいでしょう。
香月 花雪
2D6>=5 (判定:憂い) (2D6>=5) > 5[1,4] > 5 > 成功
GM
では、秘密。
GM
【車:秘密】 ショック:なし

<拡散情報>
テレビやラジオ機能のついたカーナビが搭載されている。
この車は二人で乗るだけなら不自由はないが、死体を埋める為の荷物を詰め込むのには少し小さい。
車内はPC1が詰め込んだ荷物で少し散らかっている為に、これを片付けて死体袋を乗せる場所を確保しなくてはならない。
儀式シート「共犯の夜」を公開する。

HO「ラジオ」を公開する。
GM
ということで、儀式シートの公開。
GM
儀式【共犯の夜】

1.片付け 指定特技:《整理》
 参加条件:全員 / 2ラウンド目まで
 失敗:正気度-1
2.運び込み 指定特技:《我慢》
 参加条件:全員 / 2ラウンド目まで
 失敗:正気度-1、死体袋に1点のダメージ
3.詰め込み 指定特技:《効率》
 参加条件:全員 / 2ラウンド目まで
 失敗:正気度-1、死体袋に1点のダメージ
GM
車の中を片付け、死体袋を持ってきて、そして車に詰め込んで……出発することになります。
GM
地獄へね。
GM
後野の乗ってきた車は、家の足だけあって、こまごまといろいろなものが積みっぱなしです。
GM
誰かが片付けるだろうと、家族みんなが思っていた。
GM
しかし、今。片付けなければならないのは、あなたです。
香月 花雪
「うーん……」
香月 花雪
部屋に鍵をかけ、ふたりで車まで向かう。
香月 花雪
開けてもらったトランクを見て、むうと考え。
香月 花雪
「入らないかも?」
後野やまと
「……流石にちょっと汚えなあ」
後野やまと
「片付けましょうか」
香月 花雪
「そうだね」
GM
戻れない道の第一歩。
GM
さあ、手を動かして。足を動かして。
GM
一緒に!
GM
*クライマックスフェイズ
GM
では、プロットを行いましょう。
GM
それぞれダイスを隠してね。
GM
プロットOK?
後野やまと
OK
GM
開けてください。
[ 後野やまと ] がダイスシンボルを公開。出目は 6 です。
[ 香月 花雪 ] がダイスシンボルを公開。出目は 1 です。
GM
後野(6) > 香月(1)
GM
*第1ラウンド 後野 やまと
後野やまと
儀式【共犯の夜】1.片付け に挑戦。
GM
では、《整理》でどうぞ。
後野やまと
2D6>=6 (判定:電子機器) (2D6>=6) > 9[4,5] > 9 > 成功
後野やまと
ブランケットを詰めた紙袋だの、空のクーラーボックスだの、捨て忘れたゴミだの。
後野やまと
脇に避けたりまとめたり、押し込んだり。
後野やまと
誰かに見られるのも困る。行き来するわけにもいかずに、黙々と。
後野やまと
”先輩”のために、人生を片付けている。
GM
がさり、ごそごそ。静寂に響く音が、誰かの耳につかないか……
GM
こんな夜の中で、何かを片付けている自分たちが、誰かの目につかないか。
後野やまと
かすかな物音に敏感になる。
香月 花雪
「入りそう?」
後野やまと
「たぶん……ちょっと横になってみてくださいよ」
香月 花雪
「え~」
香月 花雪
「ここに?」
後野やまと
「ここに」
後野やまと
指差す。
香月 花雪
「仕方ないなぁ」
香月 花雪
よいしょ、とそこに乗ってみる。
香月 花雪
埃っぽく、人が入る場所ではない。
香月 花雪
横になってみると、非日常の狭さに少しわくわくする。
後野やまと
「あ」
後野やまと
「死体っぽい」
後野やまと
「いいんじゃない?」
香月 花雪
「じゃ、運んじゃおうか」
香月 花雪
「…………」
香月 花雪
体を起こすと、車が揺れる。
香月 花雪
「汚れちゃったな」
後野やまと
「そんな汚くないでしょ~」
GM
死体を取りに、一度、部屋へと戻る――
GM
部屋の窓の外を、車のヘッドライトだろうか。白い光が遠く通り過ぎる。
GM
*第1ラウンド 香月 花雪
香月 花雪
儀式【共犯の夜】の運び込みをします。
GM
では、《我慢》です。
香月 花雪
2D6>=6 (判定:物音) (2D6>=6) > 5[1,4] > 5 > 失敗
[ 後野やまと ] お守り : 2 → 1
香月 花雪
お守りもらった!
GM
いいでしょう。振り直し。
香月 花雪
2D6>=6 (判定:物音) (2D6>=6) > 10[5,5] > 10 > 成功
香月 花雪
ドアのところにストッパーを掛けて開きっぱなしにする。
香月 花雪
「いけそう?」
香月 花雪
部屋の奥側で、死体袋の端を持つ
後野やまと
「おも……」
後野やまと
「なんとか」
香月 花雪
「俺より重いかも」
GM
それは自らバランスを取らない。積極的に体重を預けてもくれない。ただそこにある。
香月 花雪
それはおそらく冷たいのだろうが、巻かれたビニールシートが感覚を和らげている。
香月 花雪
少し中心よりに、下から支えるように持ち上げる。
後野やまと
こちらは足を抱きかかえるような形になる。
後野やまと
香月が進む分だけ下がる。
後野やまと
そうして部屋から運び出す。
GM
足音は重くなる。死体袋の重みのぶんだけ。
GM
あなたたちは、その青い包みを、車の前まで持ってきました。
GM
*第2ラウンド 後野 やまと
後野やまと
儀式【共犯の夜】3.詰め込み に挑戦。
GM
では、《効率》です。
香月 花雪
生命点削って感情修正します。
[ 香月 花雪 ] 生命点 : 6 → 5
GM
OK
後野やまと
2D6+1>=7 (判定:味) (2D6+1>=7) > 8[3,5]+1 > 9 > 成功
GM
成功。儀式【共犯の夜】は完遂されます。
GM
遠く、サイレンの音が聞こえる――あれは、何のサイレンだったか。
救急車だった気も、パトカーだった気もする……うまく思い出せない。
香月 花雪
「そっちからいける?」
後野やまと
「ん、だいじょぶそうです」
後野やまと
「よ、っと」
後野やまと
持ち上げ、下ろす。
GM
車の後部が、それに合わせてわずかに沈む。
香月 花雪
足の方を曲げるようにして、もう半分をトランクの中に押し込む。
後野やまと
申し訳程度に、上からブランケットを掛けた。
後野やまと
「どっちかってとこっからが大変だな……」
GM
そう。これから。
GM
これから、二人で。
GM
これを、埋めに行くのだ!
GM
あなたたちは、その包みを乗せたトランクを閉める。
GM
そして、車に乗り込む。
香月 花雪
「はぁ……」
香月 花雪
「けっこう大変だったね」
GM
後野は運転席へ。香月は助手席へ。
GM
暗がりの中、互いの顔を見合わせる。
香月 花雪
「後野くん」
香月 花雪
「後悔してる……?」
後野やまと
「なんで」
後野やまと
「するわけないでしょ」
香月 花雪
「そっか」
香月 花雪
誰が入っているのだとか。どうしてこうなったのだとか。
香月 花雪
君は聞かずにこうして隣りにいてくれている。
香月 花雪
シートベルトをしめた。
後野やまと
「……」
後野やまと
「おれ」
後野やまと
「あんたのことそんな嫌いじゃないですし」
後野やまと
「強請るネタもできたし」
香月 花雪
「強請るって……」
香月 花雪
「君も共犯でしょ」
香月 花雪
「死体遺棄……ってやつ」
香月 花雪
「……でも、約束だから」
香月 花雪
「お願いは聞いてあげるけど?」
後野やまと
「おれは脅されてやったって言えば良いんですよ」
後野やまと
「……」
後野やまと
「お願いじゃなくて命令ね」
香月 花雪
「俺、金も学力もそんなにないけど」
香月 花雪
「いいの?」
後野やまと
「顔はきれいでしょ」
後野やまと
「その顔がありゃ仕事あるんじゃないですか、いくらでも」
香月 花雪
「へぇ……」
香月 花雪
「詳しいの?」
後野やまと
「そんな詳しくはないですけど」
後野やまと
「あんたの顔がいいお陰でおれ、女子にめちゃめちゃ声かけられるんですよね」
後野やまと
「知ってました?」
香月 花雪
「ぜんぜん?」
香月 花雪
「なんで?」
後野やまと
「うそつけ」
後野やまと
「紹介しろって」
後野やまと
「飲み会呼べって」
香月 花雪
「へぇ……自分で声かければいいのにね」
香月 花雪
「でも、断ってるんだ?」
後野やまと
「……おれと付き合ってるって言ったら逃げていきましたよ」
後野やまと
「じょーだん」
香月 花雪
「…………」
香月 花雪
「君ってそういう冗談言う感じだっけ」
後野やまと
「言う感じですけど?」
香月 花雪
「緊張してる?」
後野やまと
「うるせー」
後野やまと
「してない」
GM
車が走り出す。
GM
暗い夜の中を、もっと、もっと、暗い方へ。
GM
ふたりだけの秘密を抱えて。
GM
悪いことをしているはずなのに。
GM
この道は地獄に続いていると、わかっているのに……
GM
……どうしてか、とても、満たされている。
GM
だって、ふたりの行く先は、同じ場所。
GM
マルチジャンル・ホラーRPG インセイン
『同じ地獄に落ちようね』
GM
おしまい。