GM
暑い夏が終わり、季節は秋。
山奥の小さな村「指輪木村」では、収穫や冬の準備で大忙しだ。
GM
だが、その忙しさも楽しいもの。
GM
雪が降れば秋は終わり。
秋の終わりの「天ヶ原祭」が過ぎれば、やがて厳しい冬が来る。
GM
そんな村へ訪れたのは一人の忍。
戦いに疲れ、斜歯を抜けたハグレモノ。
GM
村人に優しく迎えられ、初めて安らぎを知った忍がこの村で見るのはどんな夢か。
GM
村に眠る「石」が怪しく輝き、忍が夢から醒めるその時を待つ。
GM
そう、冬の訪れを。
GM
シノビガミ『秋空に雪舞えば』
GM
――開幕。
GM
GM
では、各々自己紹介から行っていただきます。
GM
PC1から。使命と導入を貼り付けます。その後どうぞ。
GM
■PC1 推奨:ハグレモノ
・使命:あなたの【使命】は「村を去ること」だ。
・導入:
あなたは斜歯忍軍の抜け忍だ。
追っ手を差し向けられ、追い詰められたあなたは崖下へ転落してしまった。
次に気がついた時、目に入ったのは田舎の天井。
倒れていたあなたを介抱してくれたのは子どものいない老夫婦だった。
迷惑をかける前にいなくなったほうがいい。
山慈古 天菜
紹介。……
山慈古 天菜
山慈古天菜。さんじこまでが苗字。名があまな。
山慈古 天菜
苗字と言っても家族はない。名と言っても、呼ぶ者もない。
山慈古 天菜
もはや所属もない。強いて言うなら逸れ者。
今のアイデンティティといえば、忌み嫌われる抜け忍であること、か。
山慈古 天菜
……紹介するほどの己もないな。以上。
GM
ありがとうございます。言葉にならないものも、これから見せていただくことになるでしょう。
山慈古 天菜
https://character-sheets.appspot.com/shinobigami/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByGgsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEYgICAkpTO_gsM
GM
では、PC2。
GM
■PC2 推奨:鞍馬神流
・使命:あなたの【使命】は「『天ヶ原奉納演武』を成功させること」だ。
・導入:
村の巫女であるあなたは、冬の訪れを告げる祭儀『天ヶ原奉納演武』に向けての準備に大忙しだ。
そんなあなたの元へ舞い込んだ厄介ごと、それがPC1だ。
儀式の邪魔をされないよう気をつけなければならない。
帰蝶かなめ
https://character-sheets.appspot.com/shinobigami/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByGgsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEYgICAiuTuiQsM
帰蝶かなめ
「こんにちは!今日もいいお天気ね!」
「昨日も今日も明日もずっと、ずーっとみんな幸せにすごしていきましょうね!」
帰蝶かなめ
「ねぇ、お花は好き?もうすぐ冬になってしまうけど……でもね、冬にだって綺麗なお花は咲くのよ」
帰蝶かなめ
「最近村に誰かやって来たみたいなのだけど……優しい人ならいいなぁって思うの。だって」
帰蝶かなめ
「この村の脅威ではないなら、かなめも何もする必要が無いもの!」
帰蝶かなめ
「なかよく、しましょうね!」
GM
ありがとうございます。ぜひ仲良くできる方だといいですね。
GM
続きまして、PC3へ。
GM
■PC3 推奨:斜歯忍軍
・使命:あなたの【使命】は「PC1を殺すこと」だ。
・導入:
あなたは、多くの部下を失いながらも抜け忍であるPC1をようやく追い詰める。
しかし、最後の一撃を加えようとしたところでPC1は崖から転落し、取り逃がしてしまった。
なんとしてでもヤツを倒す。
あなたは崖の先に見える村、指輪木村に視線を移した。

https://character-sheets.appspot.com/shinobigami/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByFwsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEYtYOgyQUM
摩虎羅
「祓さんですか?まあ……ボクはあんま喋ったことないですけど」
摩虎羅
「こないだ缶ジュース奢ってもらいましたよ」
毘羯羅
「えっ、えーっと……指示は的確だと思います」
毘羯羅
「こないだ、怪我したときも下がらせてもらって……戦略的配置だって」
迷企羅
「あっ、こないだ配達の帰りに揚げだし豆腐買ってました」
迷企羅
「コンビニで」
頞儞羅
「…………いや、ただの上司すけど……」

皆、死んだ。

殺された

その裏切り者が、未だ逃げおおせている。

無念を晴らそうというのではない

私はただ、忍務を全うする。

それだけだ。
GM
ありがとうございます。無事お務めを全うできますよう頑張ってください。
GM
では最後に、PC4。
GM
■PC4 推奨:比良坂機関
・使命:あなたの【使命】は「村の平和を守ること」だ。
・導入:
今日も村は平和である。
公民館で資料をめくるあなたに話しかける者はいない。
ゆったりとした時間が流れる中、不意にあなたが張った罠が作動した。
もうすぐ祭儀だというのに野暮な輩もいるようだ。あなたは仕事に取り掛かった。
氷室 霞
https://character-sheets.appspot.com/shinobigami/edit.html?key=ahVzfmNoYXJhY3Rlci1zaGVldHMtbXByGgsSDUNoYXJhY3RlckRhdGEYgICA8r_YjAsM
氷室 霞
「比良坂機関は公安隠密局。氷室 霞と申します」
氷室 霞
「この成りですが男でして…ええ、齢は27となります」
氷室 霞
「指輪木村では役場に務めており、役場や公民館に保管された資料整理や内容精査が基本業務です」
氷室 霞
「それ以外も若手ということで、手広く業務に携わっております」
氷室 霞
「何か御用があれば、お気軽にお声掛けください」
氷室 霞
「荒事は苦手なので……かなめさんに任せましょう、ね」/
GM
ありがとうございます。平和な村のため是非ご尽力ください。
GM
この四名で、秋の指輪木村、楽しんでまいりましょう。
GM
また、この村にはもちろん、それなりに村人たちが住んでおります。
GM
お年を召された方ばかりですが……
GM
■NPC 村の人々
・概要:【秘密】○/【感情】○/【居所】○
・使命:「平和に暮らすこと」
・設定:
指輪木村に住む何の変哲もない村人。
老人ばかりの鄙びた村だが、のどかな雰囲気が漂っている。
GM
さらに、この村には、とある「石」が秘められております。
GM
■プライズ 黄泉路血石
・概要:
指輪木村にあると言われる、血が凝り固まったかのような石。

*黄泉路血石は【居所】の調査が可能である
*黄泉路血石の【居所】に対して戦闘を仕掛けた場合、黄泉路血石の保持者との戦闘となる
*黄泉路血石の【秘密】はプライズの入手と同時に取得できる
GM
最後に、この村のシーン表です。
GM
■秋空に雪舞えばシーン表
2:シーンプレイヤーが1d6を振って3以下ならナタを持った少女、4以上なら冬籠りに備えた熊が襲ってくる。シーンに登場したキャラクターは、少女なら《刀術》・熊なら《鳥獣術》で判定し、失敗すると接近戦ダメージを1点受ける。
3:暗い夜の森の中、月明かりのみが周囲を照らす。忍が動くにはいい時間だ。
4:秋晴れの下、両脇で黄金色の稲穂が風に靡く道。刈り取りを控えたこの短い間にしか見ることのできない貴重な光景だ。
5:美味しそうな果実がたわわに実っている。ひとつくらい取って行ってもバチは当たらないだろう。
6:山中に続く林道。勾配の厳しい道から、紅葉が浮かび流れる穏やかな川が見下ろせる。
7:村の広場。山や田畑が一望できる。波打つ稲穂の絨毯、山々には紅葉。秋を感じるひと時だ。
8:パチパチと爆ぜる音。どうやら籾殻で焚き火をしているらしい。少し暖まっていこうか。
9:神秘的な神社。祭りの準備が進められているが、今は人がいないようだ。
10:ひと雨きそうな午後。重たい空気にキンモクセイがつと香る。
11:草に埋もれ、崩れかけの古い空き家。どこか物悲しさを感じる。
12:カツーン、カツーン、誰かが丑の刻参りをしている音が聞こえる。シーンに登場したキャラクターは《呪術》で判定し、成功すると誰かに《呪い》の変調を与えることができる。失敗すると《呪い》の変調を受ける。
GM
現段階での公開情報は以上です。
GM
では、導入フェイズを開始します。
GM
GM
*導入フェイズ PC3 祓
GM
都会の雑踏を遠く離れ、赤く紅葉燃える山中。
GM
枝葉の影を縫い、土のにおいを蹴立ててシノビの足が走る。
山慈古 天菜
先んじて、息も乱さず走る影がひとつ。
摩虎羅
「……A88、角度27」
摩虎羅
耳に手を当てて、通信端末で味方に目標の位置を知らせる
摩虎羅
「討」
毘羯羅
中空を舞い、手元より鋼の釘が目標へ打ち出される。
山慈古 天菜
御釘の技術を持ってして、なお【盗聴】の業がその声を拾う。
山慈古 天菜
寸で往なし、返す腕で研がれた菱が飛ぶ。

「5、98、71」
山慈古 天菜
とん、とんとまるでステップを踏むように二、三。
頞儞羅
指示に合わせて地中へ潜み、合図を待つ
毘羯羅
「っ!」
山慈古 天菜
避ける度、射手の目を、次いで心の臓を狙う手練。
毘羯羅
それと目が合う。
山慈古 天菜
それと、目が合う。
毘羯羅
そう思った瞬間には、放たれた菱が腕に突き刺さっていた。
山慈古 天菜
菱が肉の内部で裂けるように展開し、骨までを切り裂く。
摩虎羅
「ち……読まれてる」
毘羯羅
弾けた刃と華のように吹き飛ぶ肉片が目を抉る
毘羯羅
「が……っ」
摩虎羅
「ビガラ、ダウン……読まれてます」
山慈古 天菜
補足していたはずの域から、姿が消える。

「コード08」
迷企羅
紅葉の合間、中空から
頞儞羅
土中から
頞儞羅
爪と刀が同時に襲いかかる
山慈古 天菜
音もなく飛び上がり刀を蹴って、後ろへ回る。その頸に刃を一撃。
頞儞羅
目標を失った爪が空を切る
山慈古 天菜
頸へ、正面から二撃。
迷企羅
その上に、吹き出した鮮血が降り注ぐ
迷企羅
「ぁ……あ」
山慈古 天菜
もう一人、視界に捕らえて。
頞儞羅
味方の血を拭う
頞儞羅
じり、と半歩下がり

「待て」
山慈古 天菜
スナップで刃から血を払い、一息の間もなく襲う。
頞儞羅
「は……っ」
頞儞羅
指示が届く間も与えられず、押し倒され
頞儞羅
その刃が胸に突き刺さる
山慈古 天菜
引き抜いて。
摩虎羅
「…………」

「私が行く」

枝から枝へ、身を翻し
山慈古 天菜
視線で追う。

赤い水滴の矢が降り注ぐ
山慈古 天菜
それを弾く水がある。
摩虎羅
「…………」
摩虎羅
それを、みて
摩虎羅
標的の背後から、掴みかかる。
摩虎羅
その両手足は赤く燃え上がる金属だ
摩虎羅
「刺し違えてでも……!」
山慈古 天菜
「――……」
山慈古 天菜
その姿が揺らぐ。
摩虎羅
離れることを許さない
摩虎羅
そのまま、四肢ごと爆発する

「ち……」
山慈古 天菜
口ぶりから自爆は予測できた。
薄い水の膜で、最小限の被害に留めようと、して。

その隙を逃さない

地面から湧き出した2体の傀儡が回転する刃で斬りつける
山慈古 天菜
足を取られる。間一髪、腱を斬られることは避けたが――
山慈古 天菜
体勢を崩す。

「この距離であれば避けられまい」

瞬間、眼前に

手のひらに渦巻く血塊が

「眠れ」
山慈古 天菜
一か八か。

ご、と胸に打ち込まれる
山慈古 天菜
息が止まるほどの衝撃を、なお往なそうとすれば、しかし不意に浮遊感がある。
山慈古 天菜
次の刹那には切り立った崖の縁が見える。

打ち出されたそれが、槍のように。

目標の身体を貫いた。
GM
しかし、天菜の身体は崖の下へ。

「…………」
GM
鋼と血、死と熱のにおいが渦巻く森から、乾いた秋の風を裂いて落ちていく。

行方を、見下ろす
GM
遥か崖下はやはり、森。
GM
樹冠に遮られて、天菜の行方は、ここからでは窺えない。

「…………」

「作戦終了、帰還せよ」

「私は死体を確認する」

「…………遺体は回収しておけ」

そう、通信で言い残し

崖を下った。
GM
GM
*導入フェイズ PC4 氷室 霞
GM
指輪木村、公民館。
GM
小さく古びたその場所は、常日頃は霞の管理のもと運営されている。
GM
とはいえ、村人は時たましか訪れない。
GM
霞の日常は今日も穏やかだ。
氷室 霞
パラパラと資料をめくる。
村人の進言。村の環境整備。以前から進めている制度導入の進捗報告。
氷室 霞
とはいえ、数はそう多くない。規模の小さな村だ。
氷室 霞
この資料に目を通したら、ご高齢の職員に代わり力仕事に移らなければな…、などと業務の流れを頭の中に描く。/
GM
「おぉい、氷室さんや」
GM
公民館の入口から、近所のおばあさまの声。
氷室 霞
「おや、佐藤さん。どういたしました?」
GM
「こんにちはぁ。よかったらねえ、氷室さんにお裾分け、どうかと思って」
GM
小さなかごに、干し柿がたっぷり。
GM
「今年のはいい出来よぉ」
氷室 霞
「わ…立派な干し柿ですね。こんなによろしいのですか?」
GM
「気にしないでちょうだいな。まだ若いんだから、いっぱい食べてね」
氷室 霞
「ふふ、ありがとうございます。仕事の合間にいただきますね」受け取る
GM
「どうぞどうぞ。こちらこそ、いつもありがとうねえ」
GM
しわくちゃの顔でにっこりと笑う。
GM
「今度はお芋を持ってこようねえ……。そろそろうちの人が掘ってるのよ」
氷室 霞
「秋の味覚…ですね。お言葉に甘えて、楽しみにしています。村人皆で焼き芋なども楽しそうですね」
GM
「うふふ。かなめちゃんが喜んでくれるかしらね」
GM
そうしてしばらく世間話などして。
GM
のんびりとした空気の中、やがて佐藤さんは帰っていきます。
GM
しかし、あなたがそれを見送り、一息ついたところで。
GM
あなたが村境に張った罠のひとつが、あなたに異変を伝えます。
氷室 霞
「おや……?」
氷室 霞
いただいた干し柿を机の上に置き、異変があった方角を見る。
氷室 霞
「罠に何か…かかりました、ね。賊か……猪や鹿などであれば鍋にでもできるのですが」
氷室 霞
公民館を鍵をかけ、『現在担当者不在』という札をかける。
氷室 霞
反応があった罠の方へ、時折すれ違う村人に挨拶をしながらむかう。
GM
やがて村の端、山との境。
GM
「……おい! おい、あんた、大丈夫かね!」
GM
まだ遠く、秦野のおじいさまの声がしました。
GM
滅多に聞かない、切羽詰まった声です。
氷室 霞
「…どうやら動物ではなさそうですね。残念です」
氷室 霞
少し早足で、声の方角へ向かう。
氷室 霞
「秦野さん、一体どうしたのですか?」
GM
声のもとまで辿り着くと、そこには血塗れた女の傍らに秦野さんが膝をついています。
GM
赤く濡れた地面に、秦野さんの服までが染まっている。
山慈古 天菜
「……」
GM
「ああ、氷室さん! 見てくれ、この女の子が……」
GM
「熊でも出たかもしれん。まだ息はしとるけども、この怪我じゃあ、はやく手当してやらんと」
氷室 霞
「おや……たしかに熊は冬ごもり前ですから、その可能性はありますね……」
GM
「うちが近いし、空いとるよ。ばあさんもおるから……」
氷室 霞
「では私が運びましょう。秦野さんは腰を痛めるといけません、先に帰って手当の準備をしていただけますか?」
GM
「ああ、わかったよ。頼むな、氷室さん」
GM
心配そうに振り返りながら、秦野さんは急ぎ足で先に。
氷室 霞
「さてと……」
氷室 霞
「……この傷、本当に熊なんでしょうか、ね」
GM
いや。シノビであるあなたにはわかる。
GM
この女の傷は、シノビ同士の戦いでついたもの。
GM
畢竟、この女もまた、おそらくはシノビだ。
氷室 霞
「……冬の準備に忙しいと言うのに、面倒ごとが増えましたね」小さく溜息
氷室 霞
「秦野さんに怪しまれるといけません。情報収集はこのくらいにしておきましょう」
氷室 霞
女性を抱き上げ、秦野さんの家へ向かう。/
GM
その女が齎す吉凶をまだ知らないまま。
GM
今はひとまず、連れて行く。村の内へ。
GM
GM
*導入フェイズ PC1&PC2 山慈姑 天菜、帰蝶 かなめ
GM
途絶えた意識の中に、古い畳のにおいと、どこからとない細い風の気配を感じる。
GM
それを手がかりに、ゆるやかに天菜の意識は浮上していく。
山慈古 天菜
うすらと眉間に皺を寄せ、目を開く。
山慈古 天菜
瞬きを二度ほど。
GM
古びた和室の天井が視界に広がる。
山慈古 天菜
ラボの無機質な天井とは違うそれをしばし見つめてから、そばの気配を確かめる。
GM
閉まった襖の隙間から、乾いた秋風が忍び入る。
GM
そしてその襖の向こうに、あまりにも無防備な誰かの気配。
GM
間もなくそっと襖が開かれて、腰の曲がったおばあさまが一人、手ぬぐいと桶を持ってきて。
GM
「……あらあ、目が覚めたのねえ!」
GM
「よかったわあ、どうなるかと思ったのよ。ご気分はどう?」
山慈古 天菜
「…… ……」
口を開こうとして、喉に血の塊が残っていたのか、げほ、と濡れた咳をする。
山慈古 天菜
「……気分、は。……あまり、よくは……」ぜろついた言葉が惑う。
山慈古 天菜
「……ここは?」
GM
「ここはねえ、わたしの家よ。指輪木村っていう、小さな村のねえ」
GM
「きっと聞いたこともないでしょう? なんにもない村だから」 すこし眉を下げて笑う。
山慈古 天菜
「指輪木、……」確かに耳にしたことはない。
山慈古 天菜
「…………世話に、なりました、」言って、身体を起こそうとする。
GM
「あらあら、だめよ。まだ寝てなくちゃ」
GM
そっと肩を押し止める、やわらかく節の立った老人の手。
GM
「なんにもないところだけど、だからこそ、ゆっくりしていきなさいな」
山慈古 天菜
それを払うのはあまりに容易い。
けれど、服を挟んでなおしわがれた手の温さに、押しとどめられる。
山慈古 天菜
「…… ……」
GM
ごく穏やかで、純粋に怪我人を案じる瞳。
帰蝶かなめ
そこに。
帰蝶かなめ
「―――怪我をした人が出たって聞いたのだけど!大丈夫かしら!?」
帰蝶かなめ
すぱん!と当然のような勢いで扉を開けて少女が飛び込んできた。
GM
「まあ、かなめちゃん」
GM
「もう少し静かに、ね? この方、大怪我なさってるの」
山慈古 天菜
横たえられたまま、その娘に視線を向ける。
帰蝶かなめ
「あっ!ごめんなさい」
慌てて自分の口を塞ぐ。
帰蝶かなめ
「熊さんが出たかもって聞いたのよ……みんな無事なのかしらって心配で……」
帰蝶かなめ
「……?あら?知らない人がいるわ」
「どちらさまかしら」
首を傾げる。/
山慈古 天菜
知らない人、と言われれば当然自分を指すだろう。
山慈古 天菜
「……恥ずかしながら、きみたちの言う”怪我人”だ」
山慈古 天菜
「身体を起こすのも苦労でな。こんな格好ですまないが」/
帰蝶かなめ
怪我人、と聞いて
帰蝶かなめ
一瞬、間がある。
帰蝶かなめ
その後、何もなかったかのように、少女は笑った。
帰蝶かなめ
「そうなのね。辛い時に騒いでごめんなさい」
「改めまして、わたし、帰蝶かなめって言います」
「ここはとてもいいところだから、あなたもきっとすぐに好きになるわ」
帰蝶かなめ
「もうすぐ冬の始まりだから『天ヶ原奉納演武』ってお祭りがあるの、よかったらあなたもお祭りに参加していってね」にこ/
山慈古 天菜
その笑みに、二度、三度、瞬く。
山慈古 天菜
「……アマナという」ぽつり、返して。
山慈古 天菜
「おまつり……」言葉の意味はわかるが、しかしいまいち飲み込めないような声音で復唱した。
GM
「そうそう、秋の終わりにね。初雪の前に、豊穣のお祝いをするのよ」
GM
「かなめちゃんが巫女さんをやるのよ」
帰蝶かなめ
「そう!かなめが巫女さんなの」どや!
帰蝶かなめ
「アマナさんも今から療養すればきっとお祭りまでに元気になるから」
帰蝶かなめ
「そうしたらきっと一緒にお祭りに行けるわ」
帰蝶かなめ
「楽しみねっ」/
山慈古 天菜
「まだ行くとは一言も……」言っておりませんが……
GM
「そうねえ、是非元気になってほしいわ」
帰蝶かなめ
「行かないの……?」どうして……?/
山慈古 天菜
「……あまり、長居はできない、ので」
山慈古 天菜
「これ以上迷惑をかけるわけにも、いかない。し」
帰蝶かなめ
「そうなの……?でも、その怪我だとお外に出るのは危ないわ」
帰蝶かなめ
「熊さんもまだそこいらにいるかもしれないし……」?
GM
「そうそう。迷惑だなんて思わなくていいのよ」
GM
「まずはゆっくり怪我を治さなくっちゃ」
帰蝶かなめ
「そうよね!」
「かなめ、目黒のおじさんにお芋さんいっぱいもらってくる!」
帰蝶かなめ
「早く怪我を治すなら、いっぱい食べていっぱい寝るのが大事だわ!」
帰蝶かなめ
「待っててね!」
そのまままた飛び出していこうとする。/
山慈古 天菜
「あ……」
GM
「かなめちゃん、静かに、ね! 気をつけて」
帰蝶かなめ
「後でね~!」
ぶんぶん手を振りながら走っていく。/
GM
二人、それを見送って。
GM
「……さ、アマナさんもおやすみなさいな」
GM
「何かあったらいつでも呼んでいいからね」
GM
そう言って、天菜の身体に布団をかけなおす。
山慈古 天菜
ある意味有無を言わせぬ気遣いに、なんとも呆けた顔をする。
山慈古 天菜
掛け直された布団は温かく、秋の陽を受けてやわらかい。
山慈古 天菜
これまで、このように言葉を掛けられたことなど、思い返せど一度もない。
山慈古 天菜
去っていた少女の瞳にも、また忍の陰があったというのに。
山慈古 天菜
その温かさを受け取りあぐねたまま、再び意識が薄れはじめる。
GM
あなたの人生からすれば、まるで現実とは思えぬ穏やかな視線に見守られて。
GM
「……おやすみなさい」
GM
再び眠りに落ちていく。
GM
先程よりも幾分、柔らかな闇の中へ。
GM
秋風が吹き込む。
GM
静かに、優しく。